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ダンジョンマスターと魔王
第28話 男同士で拳と拳との語り合いの時、来たる
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父と別れて先にダンジョンにやって来たレナは、師匠に告げる。
「お父さん、絶対にこのダンジョンに来ると思うの。完全武装で家を出たし」
「だろうな『双剣のディラス』を名乗る程の勇者だ。当然来るに決まってる。もちろん手は打ってる」
「先生、まさかお父さんを……?」
「最悪の場合はそうなるな。でないと俺が殺される。カタキを討つまで俺は死ねないし、お前の父親のために死んでやるほどお人よしでも無いんでね」
最悪の場合は、お前の父親を殺すことになる。師匠は弟子に冷酷極まる事を告げた。
「辞めてくださいよ! 先生がお父さんに手をかける所なんて見たくない! 逃げる事はできないのですか!?」
「出来ん。魔王デイブレイクを討つにはこの国に滞在し続けなくてはいけないからな。
別の場所にダンジョンを構えてもどっちみちディラスはやって来るから、逃げたところでぶつかる時期が多少遅くなる程度だ。
結局、ディラスとは戦わないといけないんだよ。これだけは避けては通れん」
現実は非情である。レナにとって大切な人たち同士で殺し合いが行われようとしていた。どちらに着く事も出来なかった彼女だが、ついにその時が来る。
昼頃、ダンジョンに侵入者がやって来た。ソルもレナもダンジョンマスターとしてダンジョンと感覚を共有しているから、相手が誰かはすぐに分かった。
「ダンジョンの侵入者か。4人組で……」
「!! お父さん! やっぱり来ちゃった」
「行くぞ。レナ、嫌なら待ってろ」
「!! 待って下さい先生!」
弟子は先生を何とか止めようと後を追うが、何もできなかった。
部屋に侵入した冒険者4人組。そこへソルとレナが出迎える。
「ソル=デイブレイクだな。私は……!? レ、レナ!? なぜお前がここにいるんだ!?」
「!! お父さん!」
レナの父親は自分の娘がこんなダンジョンにいることに大きく戸惑う。
「いつか来るとは分かっていたぜ……お前は勇者『双剣のディラス』だな。俺はお前の娘のレナを見習いダンジョンマスターとして雇っているんだ」
「じゃあ最近見つけた仕事って、ダンジョンマスターだったのか!? お父さんはそんな事許さんぞ!」
「お父さん! この人はダンジョンマスターだけど悪い人じゃないから! お父さんの治療費を出してくれたのも先生だから!」
『ダンジョンマスターは悪い奴』という考えに染まっていて、その言葉通り数多くのダンジョンマスターを倒してきた父親を何とか説得しようとレナは必死だ。
「何!? 俺の治療費を出してくれたのはソル、お前だったのか!?」
「そういう事になるな。世の中どこで誰がつながっているか分かったもんじゃねえ、とは言うがここまでとはね」
「俺の治療費を出してくれたことは有り難いが、レナにこんな仕事をさせるのは気に食わん」
冒険者の中で幸運にも引退出来て結婚して子供を授かった者たちは、自分の子供は冒険者にさせない者はとても多い。
冒険者と言えど実際には、危険、キツイ、時には殺しに発展する汚れ仕事、と地位は低いからだ。
もちろん魔王の討伐などの名誉ある仕事を成し遂げれば「勇者」の仲間入りになることも出来るが、
それは才能があってそれを日々の鍛錬で引き出せることが出来た上に、強運をも併せ持つ極めて限られた者のみ。
大抵は志半ばで骸と化す仕事だ。
「ダンジョンマスターとしてこの辺りでは有名らしいが、実力はどうなんだ?」
「焦らなくていい、じっくりと味あわせてやるからさ」
ソルがそう言うと彼の後ろから牛頭の巨人であるミノタウロスと、虎頭の大男である人虎が1体ずつ、それに人狼が3体現れた。
「ククク……俺はチームプレーこそが全力なんでな。数の暴力で押してきても文句言うなよ」
「フン、上等だとも。この程度の魔物など飽きる程倒している!」
「お父さん! 先生! 2人とも止めてよこんな事!」
明らかに殺し合いが行われそうな雰囲気に、レナは今にも泣きだしそうな声と表情で2人に止めるように懇願する。が……。
「レナ、お前は黙ってろ。男と男の決闘に女は口出しするもんじゃない。ドラ、ゴン、お前たちは戦いたくなければ戦わなくて結構。レナを守ってやってくれ」
「レナ、お父さんなら大丈夫だ。絶対に横槍を入れるんじゃないぞ」
「そんな……!」
彼女の願いは2人には届かない。
「全力で行け! 遠慮はいらん! 手加減が通じる相手じゃない!」
「お父さん、絶対にこのダンジョンに来ると思うの。完全武装で家を出たし」
「だろうな『双剣のディラス』を名乗る程の勇者だ。当然来るに決まってる。もちろん手は打ってる」
「先生、まさかお父さんを……?」
「最悪の場合はそうなるな。でないと俺が殺される。カタキを討つまで俺は死ねないし、お前の父親のために死んでやるほどお人よしでも無いんでね」
最悪の場合は、お前の父親を殺すことになる。師匠は弟子に冷酷極まる事を告げた。
「辞めてくださいよ! 先生がお父さんに手をかける所なんて見たくない! 逃げる事はできないのですか!?」
「出来ん。魔王デイブレイクを討つにはこの国に滞在し続けなくてはいけないからな。
別の場所にダンジョンを構えてもどっちみちディラスはやって来るから、逃げたところでぶつかる時期が多少遅くなる程度だ。
結局、ディラスとは戦わないといけないんだよ。これだけは避けては通れん」
現実は非情である。レナにとって大切な人たち同士で殺し合いが行われようとしていた。どちらに着く事も出来なかった彼女だが、ついにその時が来る。
昼頃、ダンジョンに侵入者がやって来た。ソルもレナもダンジョンマスターとしてダンジョンと感覚を共有しているから、相手が誰かはすぐに分かった。
「ダンジョンの侵入者か。4人組で……」
「!! お父さん! やっぱり来ちゃった」
「行くぞ。レナ、嫌なら待ってろ」
「!! 待って下さい先生!」
弟子は先生を何とか止めようと後を追うが、何もできなかった。
部屋に侵入した冒険者4人組。そこへソルとレナが出迎える。
「ソル=デイブレイクだな。私は……!? レ、レナ!? なぜお前がここにいるんだ!?」
「!! お父さん!」
レナの父親は自分の娘がこんなダンジョンにいることに大きく戸惑う。
「いつか来るとは分かっていたぜ……お前は勇者『双剣のディラス』だな。俺はお前の娘のレナを見習いダンジョンマスターとして雇っているんだ」
「じゃあ最近見つけた仕事って、ダンジョンマスターだったのか!? お父さんはそんな事許さんぞ!」
「お父さん! この人はダンジョンマスターだけど悪い人じゃないから! お父さんの治療費を出してくれたのも先生だから!」
『ダンジョンマスターは悪い奴』という考えに染まっていて、その言葉通り数多くのダンジョンマスターを倒してきた父親を何とか説得しようとレナは必死だ。
「何!? 俺の治療費を出してくれたのはソル、お前だったのか!?」
「そういう事になるな。世の中どこで誰がつながっているか分かったもんじゃねえ、とは言うがここまでとはね」
「俺の治療費を出してくれたことは有り難いが、レナにこんな仕事をさせるのは気に食わん」
冒険者の中で幸運にも引退出来て結婚して子供を授かった者たちは、自分の子供は冒険者にさせない者はとても多い。
冒険者と言えど実際には、危険、キツイ、時には殺しに発展する汚れ仕事、と地位は低いからだ。
もちろん魔王の討伐などの名誉ある仕事を成し遂げれば「勇者」の仲間入りになることも出来るが、
それは才能があってそれを日々の鍛錬で引き出せることが出来た上に、強運をも併せ持つ極めて限られた者のみ。
大抵は志半ばで骸と化す仕事だ。
「ダンジョンマスターとしてこの辺りでは有名らしいが、実力はどうなんだ?」
「焦らなくていい、じっくりと味あわせてやるからさ」
ソルがそう言うと彼の後ろから牛頭の巨人であるミノタウロスと、虎頭の大男である人虎が1体ずつ、それに人狼が3体現れた。
「ククク……俺はチームプレーこそが全力なんでな。数の暴力で押してきても文句言うなよ」
「フン、上等だとも。この程度の魔物など飽きる程倒している!」
「お父さん! 先生! 2人とも止めてよこんな事!」
明らかに殺し合いが行われそうな雰囲気に、レナは今にも泣きだしそうな声と表情で2人に止めるように懇願する。が……。
「レナ、お前は黙ってろ。男と男の決闘に女は口出しするもんじゃない。ドラ、ゴン、お前たちは戦いたくなければ戦わなくて結構。レナを守ってやってくれ」
「レナ、お父さんなら大丈夫だ。絶対に横槍を入れるんじゃないぞ」
「そんな……!」
彼女の願いは2人には届かない。
「全力で行け! 遠慮はいらん! 手加減が通じる相手じゃない!」
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