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大地のための旅
第49話 出発
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ソルがディラスへの挨拶を済ませてから数日。
「レナ、しつこいようだが本当にここでやり残した事は無いか? もう帰って来れなくてもいいか?」
「何回も聞くんですね。大丈夫です。やりたいことは全部やりました」
「よし分かった。じゃあ行くか」
いよいよ旅立ちの時を迎える。
外では既に手配した馬車に荷物を全部積みこんでいた。
さらに事前に召喚部屋でケンタウロスを2体呼び出し、馬車を引く馬代わりとして使う事にしていた。呼び出された側からどんな仕事をするかと問われたので答えたら随分嫌がっていたが。
「先生、ダンジョンは放置でいいんですか?」
「廃棄手続きをしたからそのうち土が戻ってまた埋まる。たまに廃棄手続きを忘れて放置されたのが遺跡って奴だな」
なるほど。じゃあ冒険者がいじくりまわして大地を傷つける事は無さそうだ。
「よし、じゃあ行くぞ。出発だ」
「ハァーア。分かりましたよ。にしても俺達を馬車馬扱いするとはねぇ。今回の召喚主はハズレだなこりゃ。ダンジョンマスターを選べないのは辛い所だなぁ」
文句を垂れながらもケンタウロス2体は馬車を引き、出発した。
ケンタウロスは本物の馬ほどは馬力は無いが、馬車の周りをドラとゴン、それにウルフェンが守りながら歩くには十分な速度は出ていた。
この国は発展しているのか街道も整備されており、馬車2台がすれ違える程幅も広くてまっすぐだった。
「先生。旅っていうと山賊が襲い掛かって来ないか心配なんですけど。私たち装飾品いっぱい身に付けてますし……」
「いくら山賊と言えど、わざわざドラゴンが2体も護衛している旅人を襲おうなんて奴はいないだろ。多分誰からも襲われずに済むだろうな」
ソルはドラとゴンを指さして安心しきった表情で伝えた。確かにドラゴンを2体も相手にしようだなんてまともな山賊ならまずやらない愚行だ。
しかもケンタウロスが2体に人狼までいる。だったらなおさら、と言える。
町を発ってしばらく。特に何事もなく旅をしていたが大荷物を背負って木陰で休んでいた男が立ち上がり、手を振って止めさせた。
「何だい? アンタ?」
「アンタ等強そうだね。ちょっと隣の村まで行商に行くんだ。行く方向が同じなら一緒についていっていいかい? 1人じゃ不安で……カネは出すから」
「分かった。あいにく馬車は荷物がいっぱいなんだが、それでもいいか?」
「ああ構わない。一緒に歩くだけでも十分だ」
行商人や吟遊詩人といった旅をする職業に就いている人というのは、なるべく集団で旅をするように心がけている。
1人でいるより複数人の方が襲われにくいし、特に野宿するなら見張りが出来るのがでかい。冒険者ギルドはそういう人のために同行者を紹介する事もやっているそうだ。
「いやぁ~助かったよ。この辺は山賊の情報は聞いてないけどやっぱり不安でね。今回は安心して旅が出来そうだよ。
にしてもアンタ等はそれだけの護衛を連れてるって事は勇者かい? やっぱり勇者って儲かる仕事なんだな」
「まぁそんなとこだな。殺し殺されの仕事なだけあって収入がデカくないとやってられねえ仕事だよ」
ソルは半分デタラメの事を言ってごまかす。ダンジョンマスターであることがバレたら多かれ少なかれ厄介な事になるからだ。
「あ、そうそう。隣国なんかで魔王が出たとかいう噂、聞いたことはあるか?」
「いや、知らないねぇ。よその国の噂は滅多に聞かないからねぇ」
どうやらこの辺では魔王の情報は無いらしい。しばらくは特に目的地を決めない放浪の旅が続くと思われる。
まぁそれも悪くない。ソルはそう思いながら馬車に揺られていた。
「レナ、しつこいようだが本当にここでやり残した事は無いか? もう帰って来れなくてもいいか?」
「何回も聞くんですね。大丈夫です。やりたいことは全部やりました」
「よし分かった。じゃあ行くか」
いよいよ旅立ちの時を迎える。
外では既に手配した馬車に荷物を全部積みこんでいた。
さらに事前に召喚部屋でケンタウロスを2体呼び出し、馬車を引く馬代わりとして使う事にしていた。呼び出された側からどんな仕事をするかと問われたので答えたら随分嫌がっていたが。
「先生、ダンジョンは放置でいいんですか?」
「廃棄手続きをしたからそのうち土が戻ってまた埋まる。たまに廃棄手続きを忘れて放置されたのが遺跡って奴だな」
なるほど。じゃあ冒険者がいじくりまわして大地を傷つける事は無さそうだ。
「よし、じゃあ行くぞ。出発だ」
「ハァーア。分かりましたよ。にしても俺達を馬車馬扱いするとはねぇ。今回の召喚主はハズレだなこりゃ。ダンジョンマスターを選べないのは辛い所だなぁ」
文句を垂れながらもケンタウロス2体は馬車を引き、出発した。
ケンタウロスは本物の馬ほどは馬力は無いが、馬車の周りをドラとゴン、それにウルフェンが守りながら歩くには十分な速度は出ていた。
この国は発展しているのか街道も整備されており、馬車2台がすれ違える程幅も広くてまっすぐだった。
「先生。旅っていうと山賊が襲い掛かって来ないか心配なんですけど。私たち装飾品いっぱい身に付けてますし……」
「いくら山賊と言えど、わざわざドラゴンが2体も護衛している旅人を襲おうなんて奴はいないだろ。多分誰からも襲われずに済むだろうな」
ソルはドラとゴンを指さして安心しきった表情で伝えた。確かにドラゴンを2体も相手にしようだなんてまともな山賊ならまずやらない愚行だ。
しかもケンタウロスが2体に人狼までいる。だったらなおさら、と言える。
町を発ってしばらく。特に何事もなく旅をしていたが大荷物を背負って木陰で休んでいた男が立ち上がり、手を振って止めさせた。
「何だい? アンタ?」
「アンタ等強そうだね。ちょっと隣の村まで行商に行くんだ。行く方向が同じなら一緒についていっていいかい? 1人じゃ不安で……カネは出すから」
「分かった。あいにく馬車は荷物がいっぱいなんだが、それでもいいか?」
「ああ構わない。一緒に歩くだけでも十分だ」
行商人や吟遊詩人といった旅をする職業に就いている人というのは、なるべく集団で旅をするように心がけている。
1人でいるより複数人の方が襲われにくいし、特に野宿するなら見張りが出来るのがでかい。冒険者ギルドはそういう人のために同行者を紹介する事もやっているそうだ。
「いやぁ~助かったよ。この辺は山賊の情報は聞いてないけどやっぱり不安でね。今回は安心して旅が出来そうだよ。
にしてもアンタ等はそれだけの護衛を連れてるって事は勇者かい? やっぱり勇者って儲かる仕事なんだな」
「まぁそんなとこだな。殺し殺されの仕事なだけあって収入がデカくないとやってられねえ仕事だよ」
ソルは半分デタラメの事を言ってごまかす。ダンジョンマスターであることがバレたら多かれ少なかれ厄介な事になるからだ。
「あ、そうそう。隣国なんかで魔王が出たとかいう噂、聞いたことはあるか?」
「いや、知らないねぇ。よその国の噂は滅多に聞かないからねぇ」
どうやらこの辺では魔王の情報は無いらしい。しばらくは特に目的地を決めない放浪の旅が続くと思われる。
まぁそれも悪くない。ソルはそう思いながら馬車に揺られていた。
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