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大地のための旅
第53話 国の支援
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その日、ヤイタ地方の住人が吉報を持って皆に告げた。
「聞いてくれ! 明日、王国の補給隊が到着するらしいんだ! もちろん水もたくさん持ってやって来るそうだ! あと1日耐えれば水が飲めるぞ!」
一応井戸からは再び水が出るようにはなってはいたが、元の量には遠く及ばない。水が出るようになっただけ少しはマシだと言えるが根本的な解決には至ってない。
そこへ飛び込んできた補給隊到達の吉報は、住人たちに希望を与えるには十分だった。
「先生、王国の補給部隊が明日到着するそうですよ」
「ああ、それは聞いている。補給部隊だから俺達を討伐しに来たわけじゃあ……無いよな?」
ソルが気がかりだったのは物資補給は大義名分で、本当は自分達の討伐をしに来るのではないのか? という疑惑だった。
何の前触れも無しに突然飢えや渇きが起きたら魔王やダンジョンマスターの仕業を疑うのが常という物。
討伐、そうでなくても調査のための隊を派遣するとしてもおかしくない。
こちら側の戦力としてはドラゴンのドラにゴン、人狼のウルフェン、ケンタウロスが2体とそれなりにいるので、本格的な討伐隊相手でなければ勝てると思うが、油断は禁物だ。
翌日……噂通り国から派遣された補給隊が町に到着した。
「懐かしいな。この町はガキの頃から変わってないな」
「隊長、懐かしいって……この町に何かあるんですか?」
「ああ、俺はこの町の孤児院出身なんだよ。先生に会うのは1年ぶりくらいになるのかなぁ」
街を救うという重大な仕事で来たとはいえ、1年顔を合わせてない恩師に出会えるのは悪い話ではなかった。もうご高齢だし元気にしているだろうか?
もしかしたら身体が弱って寝込んでいるかもしれない。期待と不安が入り混じっていた。
「一列に並んでください! 大丈夫です。水はたっぷりありますので」
水を満載した樽を何個も積んだ馬車の前に人々が列をなしていた。町の住民に給水や飲料の支給をする一方、隊長は孤児院を訪ねていた。
恩師である先生はしっかりした足腰で杖も使わずに歩いており、その元気な姿を見て不安は杞憂に終わった。
「先生! お久しぶりです! 救援が遅れて申し訳なく思っています!」
「良いんですよ。その様子だと王国兵士としてしっかりと働いているようじゃないか。あのイタズラ者のウルスが立派になったものだなぁ」
「先生、それって俺が5~6歳の頃の話じゃないですか。今の俺は結婚して子供もいるんですよ?」
「すまんな。この年になると昔に比べて時間が経つのが早くなってな」
およそ1年ぶりの再会。話は弾んだ。
「ところで給水が始まってるんですが本当に良いんですか? 先生たちも水不足で困っているでしょうに」
「構いません。水が無くて困ってる人に優先的に回してください。孤児院には後回しで構いませんよ。ところでここで長い事おしゃべりしてていいのかね? 仕事があるんだろ?」
「え、ええまぁ。そろそろ戻りますね。久しぶりに元気なお姿を見れてよかったです。では」
隊長のウルスが仕事場に戻ろうとした時、部下がやって来た。
「隊長、ここにおられたんですか。魔王ならびにダンジョンマスターの調査結果が出そろいました。結論から申し上げますと、います」
「!! 分かった。明日向かおう。準備してくれ」
「ハッ!」
「ウルス……?」
「先生には関係のない話です。ご安心してください」
仕事の話を先生に聞かれたが、この時のウルスは特に問題は無いだろうと思っていた。
この時はまさか、あの先生がダンジョンマスターの味方になるだなんて、思っても無かったからだ。
「聞いてくれ! 明日、王国の補給隊が到着するらしいんだ! もちろん水もたくさん持ってやって来るそうだ! あと1日耐えれば水が飲めるぞ!」
一応井戸からは再び水が出るようにはなってはいたが、元の量には遠く及ばない。水が出るようになっただけ少しはマシだと言えるが根本的な解決には至ってない。
そこへ飛び込んできた補給隊到達の吉報は、住人たちに希望を与えるには十分だった。
「先生、王国の補給部隊が明日到着するそうですよ」
「ああ、それは聞いている。補給部隊だから俺達を討伐しに来たわけじゃあ……無いよな?」
ソルが気がかりだったのは物資補給は大義名分で、本当は自分達の討伐をしに来るのではないのか? という疑惑だった。
何の前触れも無しに突然飢えや渇きが起きたら魔王やダンジョンマスターの仕業を疑うのが常という物。
討伐、そうでなくても調査のための隊を派遣するとしてもおかしくない。
こちら側の戦力としてはドラゴンのドラにゴン、人狼のウルフェン、ケンタウロスが2体とそれなりにいるので、本格的な討伐隊相手でなければ勝てると思うが、油断は禁物だ。
翌日……噂通り国から派遣された補給隊が町に到着した。
「懐かしいな。この町はガキの頃から変わってないな」
「隊長、懐かしいって……この町に何かあるんですか?」
「ああ、俺はこの町の孤児院出身なんだよ。先生に会うのは1年ぶりくらいになるのかなぁ」
街を救うという重大な仕事で来たとはいえ、1年顔を合わせてない恩師に出会えるのは悪い話ではなかった。もうご高齢だし元気にしているだろうか?
もしかしたら身体が弱って寝込んでいるかもしれない。期待と不安が入り混じっていた。
「一列に並んでください! 大丈夫です。水はたっぷりありますので」
水を満載した樽を何個も積んだ馬車の前に人々が列をなしていた。町の住民に給水や飲料の支給をする一方、隊長は孤児院を訪ねていた。
恩師である先生はしっかりした足腰で杖も使わずに歩いており、その元気な姿を見て不安は杞憂に終わった。
「先生! お久しぶりです! 救援が遅れて申し訳なく思っています!」
「良いんですよ。その様子だと王国兵士としてしっかりと働いているようじゃないか。あのイタズラ者のウルスが立派になったものだなぁ」
「先生、それって俺が5~6歳の頃の話じゃないですか。今の俺は結婚して子供もいるんですよ?」
「すまんな。この年になると昔に比べて時間が経つのが早くなってな」
およそ1年ぶりの再会。話は弾んだ。
「ところで給水が始まってるんですが本当に良いんですか? 先生たちも水不足で困っているでしょうに」
「構いません。水が無くて困ってる人に優先的に回してください。孤児院には後回しで構いませんよ。ところでここで長い事おしゃべりしてていいのかね? 仕事があるんだろ?」
「え、ええまぁ。そろそろ戻りますね。久しぶりに元気なお姿を見れてよかったです。では」
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「隊長、ここにおられたんですか。魔王ならびにダンジョンマスターの調査結果が出そろいました。結論から申し上げますと、います」
「!! 分かった。明日向かおう。準備してくれ」
「ハッ!」
「ウルス……?」
「先生には関係のない話です。ご安心してください」
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この時はまさか、あの先生がダンジョンマスターの味方になるだなんて、思っても無かったからだ。
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