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天界の掃除人 ~ギルドを追放された直後神様に拾われて天界の掃除人に。あれぇ? 古巣の皆さま、お前要らないクビだって言ってたよね?~
第2話 戦神に酒の神。掃除の日々は続く
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「えーと、今日は戦神に酒の神に……」
女神イリアスに雇われて本格的に仕事を始めてから1週間。天界の掃除人として星の海の上に浮かぶ天界に点在する神様の住居である神殿をめぐり、中を掃除するのにもすっかり慣れた。
あと女神イリアスと名乗る女は本当に女神イリアスだった。後日人間界の神殿で見た女神イリアスを模した彫像そっくりそのままという姿だったし、
何よりこの天界に連れてくる力があるというのは本物であると信じるに値するものだった。
「おお、お前か。女神イリアスが拾ったという掃除人は」
この日は最初に世界各地の騎士や傭兵からあつく信仰されている戦神の元で仕事をする。戦神なだけあって筋肉質で見事な逆三角形ながっしりとした身体で、漂う風格も堂々たる立派なものだ。
神様の住居というよりは武器庫かと思う位に、所狭しと武器が陳列されている神殿で掃除を始める。ホウキでホコリを掃いて雑巾で床を磨く、3年間ギルドでやってきたことなので慣れたものだ。
テキパキと掃除をしている最中に家主である戦神が語りかけてくる。
「いやぁ、君が来てくれるのを待ってたんだ。自分でこういうのもなんだが正直私は戦う事は得意なのだがそれ以外は何も出来ん戦バカでな、生活能力が皆無なんだ。
この前珍しく自分で神殿の掃除をしたら、捧げものとして信者から飾りだと言ってもらった焼き物の皿を落として割る始末だ。結構気に入っていたのにバカな真似をしたもんだと後悔したよ」
「は、はぁ……そうですか」
神話や伝説の類では絶対に語られない、いや『語らせない』内容だ。神様というと文字通り「雲の上の人」というイメージがあるがそれは人間たちが勝手に美化しているだけであって、
実際には人間と同じようにドジを踏むし失敗もする、というかなり人間臭い部分も多々あるのだ。そうこうしている間に手際よく掃除を終える。
「終わったか。私がやるよりもかなり早かったな」
「ええまぁ。地上では12の頃から3年間こんな暮らしをしてたので慣れたものですよ」
「次は酒の神の元へ行くそうだな……言っとくがあの爺さんは朝から酒を飲んで酔っ払ってるから、まともに話をしようとは思わない方が良いな。昔の自慢話を延々と聞かされるぞ」
「は、はぁ……分かりました。ご忠告どうもです」
1日に何人かの神々の元を飛び回って掃除するため、時間も限られている。十分な掃除をしたと判断して次の神……酒の神の元へと向かう。
「いやぁお前かぁ! 新しく雇われた天界の掃除人というのは! ヒック、まぁいい、酒でも飲んで語り合おうではないか?」
酒の神である初老の男は、戦神の忠告通り酔っぱらっていた。酒の神とは言え、朝っぱらから飲んで酔っ払っているとはかなりの『強者』だ。
酒好きで有名なドワーフ達から特にあつく信仰されているのもうなづける。
「お言葉ですが仕事が終わってからにしてくれませんか? さすがに酒を飲みながらの仕事は問題になりますので。多分バレたら1発でクビになりますよ」
「ふーむ、生真面目な奴だな……気に入った。なら仕事が終わったらまた来てくれ、いつでも待ってるぞ。ヒック」
そんなことを言う酒の神を無視していたるところに酒樽が積まれてある神殿の掃除を始める。
酒の神の神殿はどこへ行っても酒の臭いが漂っていて、仕事が終わった後に酒に酔った冒険者や上司に絡まれるという、あまり酒にいい思い出の無い彼にとってはちょっとイラッとする臭いだ。
とはいえ仕事だからと我慢してテキパキと掃除を行う。酒の神も掃除には慣れていないのか神殿には思ってる以上にホコリがたまっている。バケツに汲んだ水はあっという間に真っ黒になっていった。
(神様と言えど本当に人間臭い部分があるんだな……)
そう思いながらもここの神殿の掃除も終えて、次の場所へと向かった。
「あ、イリアス様」
酒の神の神殿を出て次の場所へ向かう途中、女神イリアスに出会う。
「どう? 1週間たつけど仕事の方は順調かしら?」
「順調ですよ。休みが週に2日もあるのが良いですね。前の仕事は1日しかなかったですよ」
「そう。他の神からはあなたが来てから心が軽くなったってかなりの好評よ」
「え? それはいったいどういう意味で?」
心が軽くなる? そりゃ掃除してキレイになった我が家は居心地が良いだろうが……どういう意味だ? 彼は問う。
「前にあなたは「掃除スキルLV999」を持ってるのは話したよね? それで『心の汚れ』簡単に言えばストレスを洗い流す力もあるのよ。それのおかげね」
「へぇ~、そりゃまた便利な能力ですねぇ」
「私があなたを雇ったのはその能力が欲しかったのもあるのよ? 昔に比べれば随分進歩したけどまだまだ人間は見る目が無いのよねぇ。
スキルを持ってるあなた自身がその自覚の無さだから本当に誰1人も気づかなかったんでしょうね。せっかくの才能が埋もれてもったいない話だわ」
……となると今頃ギルドはどうなっているんだろう。まぁ今更どうなろうが知ったことじゃないが。
【次回予告】
「天界の掃除人」を追い出したギルド「ドラゴンズテイル」の面々は彼のスキルで快適な仕事環境を得ていたのに一切気づかずにストレスに押しつぶされる毎日を送っていた。
第3話 「ストレスに悩まされる日々」
女神イリアスに雇われて本格的に仕事を始めてから1週間。天界の掃除人として星の海の上に浮かぶ天界に点在する神様の住居である神殿をめぐり、中を掃除するのにもすっかり慣れた。
あと女神イリアスと名乗る女は本当に女神イリアスだった。後日人間界の神殿で見た女神イリアスを模した彫像そっくりそのままという姿だったし、
何よりこの天界に連れてくる力があるというのは本物であると信じるに値するものだった。
「おお、お前か。女神イリアスが拾ったという掃除人は」
この日は最初に世界各地の騎士や傭兵からあつく信仰されている戦神の元で仕事をする。戦神なだけあって筋肉質で見事な逆三角形ながっしりとした身体で、漂う風格も堂々たる立派なものだ。
神様の住居というよりは武器庫かと思う位に、所狭しと武器が陳列されている神殿で掃除を始める。ホウキでホコリを掃いて雑巾で床を磨く、3年間ギルドでやってきたことなので慣れたものだ。
テキパキと掃除をしている最中に家主である戦神が語りかけてくる。
「いやぁ、君が来てくれるのを待ってたんだ。自分でこういうのもなんだが正直私は戦う事は得意なのだがそれ以外は何も出来ん戦バカでな、生活能力が皆無なんだ。
この前珍しく自分で神殿の掃除をしたら、捧げものとして信者から飾りだと言ってもらった焼き物の皿を落として割る始末だ。結構気に入っていたのにバカな真似をしたもんだと後悔したよ」
「は、はぁ……そうですか」
神話や伝説の類では絶対に語られない、いや『語らせない』内容だ。神様というと文字通り「雲の上の人」というイメージがあるがそれは人間たちが勝手に美化しているだけであって、
実際には人間と同じようにドジを踏むし失敗もする、というかなり人間臭い部分も多々あるのだ。そうこうしている間に手際よく掃除を終える。
「終わったか。私がやるよりもかなり早かったな」
「ええまぁ。地上では12の頃から3年間こんな暮らしをしてたので慣れたものですよ」
「次は酒の神の元へ行くそうだな……言っとくがあの爺さんは朝から酒を飲んで酔っ払ってるから、まともに話をしようとは思わない方が良いな。昔の自慢話を延々と聞かされるぞ」
「は、はぁ……分かりました。ご忠告どうもです」
1日に何人かの神々の元を飛び回って掃除するため、時間も限られている。十分な掃除をしたと判断して次の神……酒の神の元へと向かう。
「いやぁお前かぁ! 新しく雇われた天界の掃除人というのは! ヒック、まぁいい、酒でも飲んで語り合おうではないか?」
酒の神である初老の男は、戦神の忠告通り酔っぱらっていた。酒の神とは言え、朝っぱらから飲んで酔っ払っているとはかなりの『強者』だ。
酒好きで有名なドワーフ達から特にあつく信仰されているのもうなづける。
「お言葉ですが仕事が終わってからにしてくれませんか? さすがに酒を飲みながらの仕事は問題になりますので。多分バレたら1発でクビになりますよ」
「ふーむ、生真面目な奴だな……気に入った。なら仕事が終わったらまた来てくれ、いつでも待ってるぞ。ヒック」
そんなことを言う酒の神を無視していたるところに酒樽が積まれてある神殿の掃除を始める。
酒の神の神殿はどこへ行っても酒の臭いが漂っていて、仕事が終わった後に酒に酔った冒険者や上司に絡まれるという、あまり酒にいい思い出の無い彼にとってはちょっとイラッとする臭いだ。
とはいえ仕事だからと我慢してテキパキと掃除を行う。酒の神も掃除には慣れていないのか神殿には思ってる以上にホコリがたまっている。バケツに汲んだ水はあっという間に真っ黒になっていった。
(神様と言えど本当に人間臭い部分があるんだな……)
そう思いながらもここの神殿の掃除も終えて、次の場所へと向かった。
「あ、イリアス様」
酒の神の神殿を出て次の場所へ向かう途中、女神イリアスに出会う。
「どう? 1週間たつけど仕事の方は順調かしら?」
「順調ですよ。休みが週に2日もあるのが良いですね。前の仕事は1日しかなかったですよ」
「そう。他の神からはあなたが来てから心が軽くなったってかなりの好評よ」
「え? それはいったいどういう意味で?」
心が軽くなる? そりゃ掃除してキレイになった我が家は居心地が良いだろうが……どういう意味だ? 彼は問う。
「前にあなたは「掃除スキルLV999」を持ってるのは話したよね? それで『心の汚れ』簡単に言えばストレスを洗い流す力もあるのよ。それのおかげね」
「へぇ~、そりゃまた便利な能力ですねぇ」
「私があなたを雇ったのはその能力が欲しかったのもあるのよ? 昔に比べれば随分進歩したけどまだまだ人間は見る目が無いのよねぇ。
スキルを持ってるあなた自身がその自覚の無さだから本当に誰1人も気づかなかったんでしょうね。せっかくの才能が埋もれてもったいない話だわ」
……となると今頃ギルドはどうなっているんだろう。まぁ今更どうなろうが知ったことじゃないが。
【次回予告】
「天界の掃除人」を追い出したギルド「ドラゴンズテイル」の面々は彼のスキルで快適な仕事環境を得ていたのに一切気づかずにストレスに押しつぶされる毎日を送っていた。
第3話 「ストレスに悩まされる日々」
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