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ハズレスキル「会話」は実はダンジョンと会話して仲良くなれる最強スキルでした
第2話 地上戦
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迷宮を出てねぐらである町……複数のダンジョンの近くにある場所でやってくる冒険者目当てに出来た所、へと帰ってきた。
宿屋で寝る前にとりあえずこの弓……のようなものがどういう物なのか鑑定してもらうために店に寄った。
「ほほぉ、こいつは「ライトニングボウ」だな。良く見つけたな」
世界一の規模を誇る大帝国の国家資格であるアイテム鑑定スキルを身に着けた(……と、本人が言うにはだが)露店を1人で切り盛りする鑑定屋のオヤジは、持ち帰った財宝の正体を見定める。
「貴重な物なんですか?」
「ショボいダンジョンばかりのこの辺じゃ「たまに見る」って程度だな。もっとランクの高いダンジョンでないと頻繁には見ないものだな。まぁお前さんが使う分には良いんじゃないのか?
所有者の魔力を糧に雷の力を宿した魔法の矢を放つんだ。武器としてはなかなか優秀だぜ? で、どうする? 買うか?」
鑑定屋に持ち込まれた商品は「鑑定代と技術料、買い取り手数料もろもろを差し引いた代金をもらう代わりに売る」か「鑑定代と技術料を払って買う」かのどちらかとなる。
「うーん……良いでしょう。買います」
ボイドはなけなしのカネを払い、ライトニングボウを買う。
「はい毎度あり。また来いよ」
日に焼けたシワの多い顔を笑顔にして鑑定屋のオヤジは若者からカネを受け取った。
鑑定屋を後にしたボイドは酒場へと寄る。ドリンクで渇きを癒すのと同時に情報収集だ。耳を澄ますと噂話が聞こえてくる。
「オイ聞いたか? もうすぐ南の迷宮が地上戦を始めるらしいぜ」
「ああ聞いたぜその噂。今日その迷宮に入ろうとしたけど結界が張ってあって入れなかったからな。かますとしたら明日か明後日、だな」
地上戦……普段は迷宮に棲んでいる魔物が地上に湧き出てきて人類と戦う恒例の行事だ。
不定期に起きるその現象の前兆としてそれが始まる1~2日前に入り口が封鎖され、中の冒険者は強制的に入り口まで吐き出されて入れなくなる。
これは世界中にあるどこの迷宮でも同じだそうだ。
地上戦は人類対魔物の総力戦だ。活躍できれば名声を得られるまたとないチャンスだし、実際著名な冒険者はみんな地上戦での活躍で注目されるようになった人物ばかりだ。
このあたりの迷宮は強い敵はそうそういないので、駆け出し冒険者が腕試しするには絶好の機会だった。
翌日……南の迷宮の近郊で動きがあった。
「隊長! 魔物の出現を確認! その数、およそ30程度!」
「来るぞぉ! 迎撃用意っ!」
町を守る自警団+駆け出し冒険者一同という、普段指揮する軍団としては少々規模がでかいがそれでも十分扱えるほどの物を率いる隊長は、何度も地上戦を経験しているだけあって冷静だ。寄せ集めにしては上々に動く軍団だった。
(前は怖かったけど……今ならいける!)
ボイドは今までは使い古された数打ちの安物の剣に革の鎧程度しか武装が無かったが、今はこの辺りでは比較的珍しい強力な武器であるライトニングボウがあるため不安はぐっと減った。
本人の力量も無いともちろんダメだが、やはりいい武器というのは持ってるだけで勇気と安心感をくれるものだ。
先日練習したのと同じように弓を引くと雷の魔力を帯びた矢が自動的につがえられる。彼は狙いをつけて矢を放つと普通の矢とは違って重力を無視してまっすぐ飛び、ゾンビやスライムの身体に突き刺さる。
(すげぇ!)
使い古された数打ちの安物の剣では決して出せない威力の矢を安全圏内から放てる。その強さや安心感から目の前に広がるゾンビやスライムの群れが報酬に見えてくる。
活躍できれば出世できるかも! と彼は少しだけ微笑みながら戦線に参加していく。
地上戦が開始されて15分……ゾンビやスライムといった雑魚敵は駆逐され、残りは南の迷宮のボス敵であるデーモン1体のみとなった。
しかしここからデーモンは粘る。魔力を巧みに操り自らを守る盾、および攻撃のための矛とする。
「う、うわぁ!」
魔力の塊を飛ばして遠くの敵を叩き、また拳に魔力を宿らせ威力を増幅し、同時に攻撃を弾く盾代わりにする。デーモンの飛び道具である魔力の塊をモロに食らい、冒険者の1人が戦線を離脱する。
「クソッ! さすがに手ごわいな!」
ボイドは息を切らしながらデーモンに近づき、雷の矢を放つ。顔目がけて放ったが腕で防がれ届かない。
そんな中、敵が動く。デーモンは倒れた冒険者を持ち上げ、自分たち目がけて投げつけようとする!
(今だ!)
ボイドは雷の矢を放ち、それは狙い通り左足のヒザに命中する。
「!!」
デーモンは不意打ちを食らったのか体勢を崩し、投げつけようとした冒険者を手放す。その隙を隊長は逃さない。業物の剣を振り、デーモンにトドメの1撃を食らわせた。
ドサッ。という音と共に魔物は倒れ、直後他の魔物と同様に倒れた瞬間に跡形も無く消えた。
人類の勝利である。
戦いが終わって、戦働きに応じて報酬を受け取る時間となる。ボイドは並の冒険者よりも少し重い銭袋を受け取った。魔物の撃破数が最多だという事に加え、デーモンを討ち取るサポートをしたのが評価されたのだ。
「ボイド、お前の弓による援護は素晴らしかったな。感謝する」
戦いが終わり、彼は隊長から声をかけられた。
「今回の戦では頭1つ抜けた活躍をしたそうじゃないか。次回もあったらよろしく頼むぞ」
彼はそう言ってボイドの肩をポンと叩いた。
【次回予告】
順調にレベル上げを続けるボイド。今の自分に最も合う魔物を出してもらっているおかげで普通の冒険者よりも効率よくレベルが上がっていた。
第3話 「レベルを上げて装備も充実」
宿屋で寝る前にとりあえずこの弓……のようなものがどういう物なのか鑑定してもらうために店に寄った。
「ほほぉ、こいつは「ライトニングボウ」だな。良く見つけたな」
世界一の規模を誇る大帝国の国家資格であるアイテム鑑定スキルを身に着けた(……と、本人が言うにはだが)露店を1人で切り盛りする鑑定屋のオヤジは、持ち帰った財宝の正体を見定める。
「貴重な物なんですか?」
「ショボいダンジョンばかりのこの辺じゃ「たまに見る」って程度だな。もっとランクの高いダンジョンでないと頻繁には見ないものだな。まぁお前さんが使う分には良いんじゃないのか?
所有者の魔力を糧に雷の力を宿した魔法の矢を放つんだ。武器としてはなかなか優秀だぜ? で、どうする? 買うか?」
鑑定屋に持ち込まれた商品は「鑑定代と技術料、買い取り手数料もろもろを差し引いた代金をもらう代わりに売る」か「鑑定代と技術料を払って買う」かのどちらかとなる。
「うーん……良いでしょう。買います」
ボイドはなけなしのカネを払い、ライトニングボウを買う。
「はい毎度あり。また来いよ」
日に焼けたシワの多い顔を笑顔にして鑑定屋のオヤジは若者からカネを受け取った。
鑑定屋を後にしたボイドは酒場へと寄る。ドリンクで渇きを癒すのと同時に情報収集だ。耳を澄ますと噂話が聞こえてくる。
「オイ聞いたか? もうすぐ南の迷宮が地上戦を始めるらしいぜ」
「ああ聞いたぜその噂。今日その迷宮に入ろうとしたけど結界が張ってあって入れなかったからな。かますとしたら明日か明後日、だな」
地上戦……普段は迷宮に棲んでいる魔物が地上に湧き出てきて人類と戦う恒例の行事だ。
不定期に起きるその現象の前兆としてそれが始まる1~2日前に入り口が封鎖され、中の冒険者は強制的に入り口まで吐き出されて入れなくなる。
これは世界中にあるどこの迷宮でも同じだそうだ。
地上戦は人類対魔物の総力戦だ。活躍できれば名声を得られるまたとないチャンスだし、実際著名な冒険者はみんな地上戦での活躍で注目されるようになった人物ばかりだ。
このあたりの迷宮は強い敵はそうそういないので、駆け出し冒険者が腕試しするには絶好の機会だった。
翌日……南の迷宮の近郊で動きがあった。
「隊長! 魔物の出現を確認! その数、およそ30程度!」
「来るぞぉ! 迎撃用意っ!」
町を守る自警団+駆け出し冒険者一同という、普段指揮する軍団としては少々規模がでかいがそれでも十分扱えるほどの物を率いる隊長は、何度も地上戦を経験しているだけあって冷静だ。寄せ集めにしては上々に動く軍団だった。
(前は怖かったけど……今ならいける!)
ボイドは今までは使い古された数打ちの安物の剣に革の鎧程度しか武装が無かったが、今はこの辺りでは比較的珍しい強力な武器であるライトニングボウがあるため不安はぐっと減った。
本人の力量も無いともちろんダメだが、やはりいい武器というのは持ってるだけで勇気と安心感をくれるものだ。
先日練習したのと同じように弓を引くと雷の魔力を帯びた矢が自動的につがえられる。彼は狙いをつけて矢を放つと普通の矢とは違って重力を無視してまっすぐ飛び、ゾンビやスライムの身体に突き刺さる。
(すげぇ!)
使い古された数打ちの安物の剣では決して出せない威力の矢を安全圏内から放てる。その強さや安心感から目の前に広がるゾンビやスライムの群れが報酬に見えてくる。
活躍できれば出世できるかも! と彼は少しだけ微笑みながら戦線に参加していく。
地上戦が開始されて15分……ゾンビやスライムといった雑魚敵は駆逐され、残りは南の迷宮のボス敵であるデーモン1体のみとなった。
しかしここからデーモンは粘る。魔力を巧みに操り自らを守る盾、および攻撃のための矛とする。
「う、うわぁ!」
魔力の塊を飛ばして遠くの敵を叩き、また拳に魔力を宿らせ威力を増幅し、同時に攻撃を弾く盾代わりにする。デーモンの飛び道具である魔力の塊をモロに食らい、冒険者の1人が戦線を離脱する。
「クソッ! さすがに手ごわいな!」
ボイドは息を切らしながらデーモンに近づき、雷の矢を放つ。顔目がけて放ったが腕で防がれ届かない。
そんな中、敵が動く。デーモンは倒れた冒険者を持ち上げ、自分たち目がけて投げつけようとする!
(今だ!)
ボイドは雷の矢を放ち、それは狙い通り左足のヒザに命中する。
「!!」
デーモンは不意打ちを食らったのか体勢を崩し、投げつけようとした冒険者を手放す。その隙を隊長は逃さない。業物の剣を振り、デーモンにトドメの1撃を食らわせた。
ドサッ。という音と共に魔物は倒れ、直後他の魔物と同様に倒れた瞬間に跡形も無く消えた。
人類の勝利である。
戦いが終わって、戦働きに応じて報酬を受け取る時間となる。ボイドは並の冒険者よりも少し重い銭袋を受け取った。魔物の撃破数が最多だという事に加え、デーモンを討ち取るサポートをしたのが評価されたのだ。
「ボイド、お前の弓による援護は素晴らしかったな。感謝する」
戦いが終わり、彼は隊長から声をかけられた。
「今回の戦では頭1つ抜けた活躍をしたそうじゃないか。次回もあったらよろしく頼むぞ」
彼はそう言ってボイドの肩をポンと叩いた。
【次回予告】
順調にレベル上げを続けるボイド。今の自分に最も合う魔物を出してもらっているおかげで普通の冒険者よりも効率よくレベルが上がっていた。
第3話 「レベルを上げて装備も充実」
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