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恋人同士の決闘
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「私たち、これで決闘をするのはもう何度目になるか分からないわね」
「ああ。そうだな。もう一々覚えてなんかいらんないからな」
彼女のボヤキに対して俺はそう返す。
人かげもまばらな場所で俺たち二人は対峙していた。
おそらく誰から見ても俺たち二人は恋人同士にみえるだろう。それは事実で俺も彼女の事を愛しているし、彼女も俺の事を同じように愛してくれている……と思う。少なくとも俺の目からすれば。
「だからこそ」だ。「だからこそ」俺達は決闘をしなくてはならない。
「5つ数えて、振り返って撃つ。良いわね?」
「ああ」
流れるように彼女はお決まりのセリフを言う。お互い背中合わせになり右手には「銃」を持つ。
「1……」
「2……」
「3……」
「4……」
数えていくたびにお互い離れていき、そして……
「5!!」
お互い振り返って撃つ! が、彼女の方が早く引き金を引いて「銃弾」が俺に当たる。
「ぐっ……」
俺はうめき声と共に倒れた。
「……もういいか?」
地面に倒れた俺は彼女に合図を送る。
「うん。良いよ」
彼女がそう言ったので俺は服に付いた土を払いながら立ち上がる。「銃弾に当たった」がケガは一切負っていない。というか「負うわけがない」とでも言うか。
「いつもありがとね。私のわがままに付き合ってくれて」
「良いさ。こんな決闘ごっこで満足するなら安いもんだよ」
「そう。本当にありがとね」
彼女はにこりと微笑んだ。
そもそものきっかけは彼女が安かったのでたまたまレンタルした西部劇の映画にハマって以来、今ではすっかり西部劇やマカロニウェスタンのマニアになって、作中に出てくるガンマンに憧れるようになった事だ。
そんな彼女に決闘用の銃……と言っても俺が作った輪ゴム銃だが。を渡したところ大変に好評で、今では近所の公園で決闘ごっこをするのが定番のデートコースとなった。
そこでは俺よりも早く彼女が撃って俺が銃弾……と言ってもただの輪ゴムだが。に倒れるのがお約束だったが、彼女はそれで満足している。
子供がやる西部劇ごっこみたいな事を大の大人がやってて恥ずかしくないと言えば嘘になるが、まぁモテる男はつらいものだという事で今のところは付き合っている。
後に彼女が俺の妻となる、1ヵ月前の出来事だった。
「ああ。そうだな。もう一々覚えてなんかいらんないからな」
彼女のボヤキに対して俺はそう返す。
人かげもまばらな場所で俺たち二人は対峙していた。
おそらく誰から見ても俺たち二人は恋人同士にみえるだろう。それは事実で俺も彼女の事を愛しているし、彼女も俺の事を同じように愛してくれている……と思う。少なくとも俺の目からすれば。
「だからこそ」だ。「だからこそ」俺達は決闘をしなくてはならない。
「5つ数えて、振り返って撃つ。良いわね?」
「ああ」
流れるように彼女はお決まりのセリフを言う。お互い背中合わせになり右手には「銃」を持つ。
「1……」
「2……」
「3……」
「4……」
数えていくたびにお互い離れていき、そして……
「5!!」
お互い振り返って撃つ! が、彼女の方が早く引き金を引いて「銃弾」が俺に当たる。
「ぐっ……」
俺はうめき声と共に倒れた。
「……もういいか?」
地面に倒れた俺は彼女に合図を送る。
「うん。良いよ」
彼女がそう言ったので俺は服に付いた土を払いながら立ち上がる。「銃弾に当たった」がケガは一切負っていない。というか「負うわけがない」とでも言うか。
「いつもありがとね。私のわがままに付き合ってくれて」
「良いさ。こんな決闘ごっこで満足するなら安いもんだよ」
「そう。本当にありがとね」
彼女はにこりと微笑んだ。
そもそものきっかけは彼女が安かったのでたまたまレンタルした西部劇の映画にハマって以来、今ではすっかり西部劇やマカロニウェスタンのマニアになって、作中に出てくるガンマンに憧れるようになった事だ。
そんな彼女に決闘用の銃……と言っても俺が作った輪ゴム銃だが。を渡したところ大変に好評で、今では近所の公園で決闘ごっこをするのが定番のデートコースとなった。
そこでは俺よりも早く彼女が撃って俺が銃弾……と言ってもただの輪ゴムだが。に倒れるのがお約束だったが、彼女はそれで満足している。
子供がやる西部劇ごっこみたいな事を大の大人がやってて恥ずかしくないと言えば嘘になるが、まぁモテる男はつらいものだという事で今のところは付き合っている。
後に彼女が俺の妻となる、1ヵ月前の出来事だった。
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