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30 みにくいアヒルの子、現る
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ある池のほとりに、アヒルの母さんがいました。
卵を温め続けて一週間。二週間。三週間。——最後の一つだけ、なかなか孵(かえ)らない。
「きっと大物なのよ!」と母さんは言いました。
そしてついに、ポン! と割れて出てきたのは、どう見てもアヒルではない何かでした。
首はやたら長く、足はスタイリッシュ、目つきはどこか哲学的。
近所のアヒルたちはざわつきました。
「おい、あいつWi-Fi電波拾えそうじゃね?」
「いや、むしろ電波出してるぞ」
みにくいアヒルの子は泣きました。
「ぼ、ぼくもみんなと一緒にガーガーしたいのに……!」
するとカエルが言いました。
「ガーガーより“グーグル”したほうがええんちゃう?」
傷ついた彼は飛び出し、動物界の“転職フェア”へ向かいました。
ブタは言いました。
「君、飛べる? 飛べない? じゃあダメだね」
ウマは言いました。
「走れる? 走れない? じゃあダメだね」
タヌキは言いました。
「化けれる? 化けれない? じゃあ、はい次~」
みにくい子は項垂れました。
「ぼく、何もできない……」
そこへ一羽のペンギンが現れました。
「おい、オマエ、北極行ったことある?」
「興味は、あります」
「よし、南極集合な!」
「いや、遠すぎる!」
季節は変わり、雪が降りました。
みにくいアヒルの子は、凍った池でうっかり自撮りしました。
するとその写真を見た白鳥たちがザワつきました。
「ちょ、誰この美形!? 新メンバー!?」
「SNS映えする! さっそく拡散しよう」
白鳥たちは彼を囲み、ポーズを撮影しました。
「え、ぼく……もしかして、君たちの仲間?」
「当たり前だろ! その長い首、どこから見てもスワンだぜ!」
みにくいアヒルの子は涙をこぼしました。
「ぼく、やっと動物転職じゃなくて、居場所を見つけたんだ……!」
そして春。
池のほとりでは、母さんアヒルが新しい卵を温めていました。
一つだけ、やたら重たい卵があります。
「また大物かしらねえ」
ポン! と割れて出てきたのは——
アヒルの姿をした、めっちゃ筋肉質なカエルだった。
「ケロッケロッケロー! プロテインは裏庭ですか!?」
「……うん、やっぱりうちの子、みんな個性的ね」
そっと見なかったことにしました……
卵を温め続けて一週間。二週間。三週間。——最後の一つだけ、なかなか孵(かえ)らない。
「きっと大物なのよ!」と母さんは言いました。
そしてついに、ポン! と割れて出てきたのは、どう見てもアヒルではない何かでした。
首はやたら長く、足はスタイリッシュ、目つきはどこか哲学的。
近所のアヒルたちはざわつきました。
「おい、あいつWi-Fi電波拾えそうじゃね?」
「いや、むしろ電波出してるぞ」
みにくいアヒルの子は泣きました。
「ぼ、ぼくもみんなと一緒にガーガーしたいのに……!」
するとカエルが言いました。
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「化けれる? 化けれない? じゃあ、はい次~」
みにくい子は項垂れました。
「ぼく、何もできない……」
そこへ一羽のペンギンが現れました。
「おい、オマエ、北極行ったことある?」
「興味は、あります」
「よし、南極集合な!」
「いや、遠すぎる!」
季節は変わり、雪が降りました。
みにくいアヒルの子は、凍った池でうっかり自撮りしました。
するとその写真を見た白鳥たちがザワつきました。
「ちょ、誰この美形!? 新メンバー!?」
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「え、ぼく……もしかして、君たちの仲間?」
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