📗夢日記から生まれたショート小説

ノアキ光

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18 迷子の子ども

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駅前で泣いている小さな男の子を見つけた。
「大丈夫? お母さんは?」
「……わかんない」

放っておけず、僕は交番へ連れて行こうと思った。だが彼は首を横に振り、
「いやだ。おじさんのおうちに行きたい」
と、涙で濡れた目で訴えた。

正直、迷った。けれど雨も降ってきたし、少し落ち着かせてから考えようと、自宅に連れて帰ってしまった。

温かいスープを出すと、子どもは嬉しそうに笑った。名前を聞いても教えてくれない。ただ、ぽつりとこう言った。

「ありがとう。やっぱり、君は“選ばれた人”だね」

ぞわり、と背筋が冷える。
「選ばれた?」

子どもはスープを飲み干すと、すっかり安心した様子で寝息を立てた。僕も疲れて眠りについた。

――目が覚めると、部屋は見知らぬ光景に変わっていた。窓の外は真紅の空、浮遊する黒い影。家具も家電もすべて消え、木製の長椅子だけが残されている。

子どもが、そこに座っていた。もう幼い声ではなく、低く響く声で。

「迷子なのは、僕じゃない。君の方なんだ」

そう言って彼はにやりと笑った。

次の瞬間、僕は理解した。――ここは、あの世だ。
子どもは立ち上がり、肩に手を置いて囁いた。

「案内役はいつも“子ども”の姿なんだよ。油断するからね」


「迷子」だと思って助けた子どもは、実は死者を彼岸へ導く存在。

迷子だったのは、むしろ自分自身……だったのか。

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