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第72話 策略と忠誠――異端排斥派の誤算
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王都アルセイアの中心部、壮麗な石造りの館が静寂に包まれていた。
そこは、ヴェルトール公爵家の本邸――王国の歴史と共に歩んできた名門貴族の館。
この場所に住まう者たちは、代々、王国最強の剣士を輩出してきた誇り高き家系だった。
だが、今、その誇りに満ちた家の中に、不穏な空気が漂っていた。
館の奥、広々とした執務室。
その中心に座るのは、ヴェルトール公爵家の当主、ダリウス・ヴェルトール。
壮年の男である彼は、厳格な表情を浮かべ、深々と椅子にもたれかかっていた。
机の上には、幾つもの報告書が乱雑に置かれている。
どの書類にも、今この王都を騒がせている「勇者と剣聖の決闘」の内容が記されていた。
「……ありえん。」
低く、静かな声が執務室に響く。
それは、怒りを押し殺した、重苦しい声音だった。
ダリウスは、鋭い眼差しで目の前の書類を睨みつけた。
──剣聖、敗北す。
──決闘の末、勇者に忠誠を誓う。
どれも、信じがたい内容だった。
彼の甥《おい》であり、王国最強と謳われた剣士、カリム・ヴェルトールが──
異世界から召喚された勇者に敗れたなどという事が、現実に起こり得るのか?
「ダリウス公。」
隣に座る男が、口を開いた。
バルコス・リシュトン侯爵。
異端排斥派の重鎮であり、王国の魔法士貴族の代表的人物だ。
彼の表情には、隠しきれない怒りが滲んでいる。
「この報告が事実であるならば、もはや看過できん。」
低く唸るように言うバルコス。
彼もまた、決闘の一部始終を王宮の訓練場でこの目で見ていた。
カリム・ヴェルトールが、勇者・九条迅に敗れた。
そして――その後、カリムは自らの意志で勇者のもとにつくと宣言した。
「……カリムは何を考えているのだ?」
バルコスが忌々しげに呟く。
「たしかに、勇者は異世界から召喚されて以降、数々の功績を上げている。王国軍でも一目置かれる存在になってきたのは事実だ。
だが、それとこれとは話が違う。」
バルコスは拳を握りしめる。
「カリムは、我らが王国騎士団の象徴。王国最強の剣士だ。
そんな男が、たった一度の決闘に敗れた程度で、異世界人に従うなどという愚行を犯すはずがない。
まったくもって、理解できん……!」
怒りを露わにするバルコス。
しかし、ダリウスは違った。
彼は、目を閉じ、沈黙を守ったまま考え込んでいた。
そして、静かに息を吐き、低く呟く。
「……いや。
カリムが、そう簡単に誰かの下につくはずがない。」
その言葉に、バルコスが眉をひそめる。
「……どういうことだ?」
ダリウスは机の上の書類を手に取り、じっと見つめる。
その瞳の奥には、確かな確信と――わずかな迷いが混じっていた。
「カリムは幼い頃から、常に“頂点”に立つ者だった。
どれほどの名剣士が相手であろうと、決して屈することはなかった。」
「そして、誰の剣も認めず、ひたすら自分の剣を研ぎ澄ませてきた。」
「そんなカリムが、“敗北”を認めた? いや、それだけではない……“忠誠”を誓っただと?」
ダリウスは報告書を机に叩きつけ、苛立たしげに顔を上げる。
「考えられる可能性は、二つ。
一つは、勇者がカリムの剣士としての誇りを打ち砕くほどの圧倒的な実力を持っていたということ。
もう一つは……カリムが何らかの策を持って、あえて勇者のもとに従ったということ。」
ダリウスの言葉に、バルコスが険しい顔をする。
「……つまり、カリムが勇者に忠誠を誓ったのは“演技”だと言いたいのか?」
「それ以外に説明がつかん。」
ダリウスは断言する。
「カリムは、誰かに従うような男ではない。
ならば、彼が勇者のもとにつく理由はただ一つ。
勇者の隙を探るための策略だ。」
バルコスはしばし考え込んだ後、静かに頷いた。
「……なるほど。確かに、それなら筋が通る。
そう考えれば、カリムの行動も納得がいく……!」
バルコスの目に、冷徹な光が宿る。
「ならば、この状況は我々にとって好機かもしれんな。」
「カリムが勇者のもとにいるということは、異端の勇者の動向を探る“監視者”が、すでに送り込まれているということだ。」
「……そういうことだ。」
ダリウスは静かに頷く。
(――まあ、実際には、カリムは簡単には誰かに屈するはずがない……いや、しかし……)
ダリウスの脳裏には、決闘後のカリムの様子が浮かぶ。
(あの戦いの後……あいつの表情は、まるで……)
(まるで、本当に勇者に心酔しているかのようだった……。)
だが、それを考えた瞬間、ダリウスは小さく首を振った。
(……いや、まさか。)
「この状況を利用するべきだ。」
ダリウスは決断する。
「カリムには、引き続き勇者のそばにいてもらう。」
「そして、勇者の力がどのようなものなのか、徹底的に監視させるのだ。」
バルコスは満足げに頷いた。
「……異端の勇者が、本当に王国にとって有益な存在なのか――それを見極める必要がある。」
こうして、ダリウスとバルコスは、カリムが勇者の元にいることを認めた。
しかし、この決断が、後に大きな波紋を呼ぶことを――彼らはまだ知らなかった。
◇◆◇
ダリウスとバルコスが会談を終えたその翌日、王都の貴族街では、ある噂が瞬く間に広がっていた。
「剣聖カリム・ヴェルトールが、勇者の弟子になったらしい。」
それは、元々の事実から大きく歪んだ、根も葉もない話だった。
しかし、貴族街では話の尾ひれがつき、誤解が誤解を生んで、さらに妙な方向へと変化していった。
「いや、弟子ではなく、側近として仕えるらしいぞ。」
「むしろ、勇者がカリムを手懐けたんだとか……?」
「違う! カリム殿は、勇者の剣となることを誓ったのだ!」
「剣ではなく、愛では?(小声)」
「なるほど……!」
「なるほど」じゃない。
だが、噂というものは恐ろしい。
どこからともなく出てきた「愛では?」という一言が、驚くほどの勢いで拡散されていった。
そして、その噂はついに、ヴェルトール家の邸宅にも届くこととなる――。
◇◆◇
「な……何だと!?!?!?!?!?!?」
カリムの叔父であり、ヴェルトール家の当主、ダリウス・ヴェルトールは、怒号を上げて机を叩いた。
「カリムが……勇者の愛に堕ちた……だと……!?」
報告を受けた彼の顔は、紅潮している。
驚き、困惑、そして怒り――複雑な感情が入り混じっていた。
「……誰がそんな馬鹿げた噂を流した!?」
ダリウスが怒鳴るように言うと、部屋の隅で控えていた執事が、咳払いを一つしてから答えた。
「……王都の貴族街で広まりつつある噂でございます。当初は『剣聖が勇者の弟子になった』という話だったのですが、そこから転じて……」
「転じすぎだろう!!!」
ダリウスは叫びながら額を押さえた。
「誰がそんなことを言い出したのか分からんのか!??」
「それが……特定には至っておりません。ただ、どうも貴族街の奥方たちの間で妙な盛り上がりを見せているようで……」
「奥方たちだと!?」
「彼女らは話のネタを見つけると、止まることを知りませんから……。」
執事が苦い表情で肩をすくめる。
貴族街の奥方たちは、とにかく社交と噂話を楽しむ生き物だ。
今回の「勇者と剣聖の関係」は、彼女らにとって絶好の話題になってしまったのだろう。
「……ふざけるな!!!」
ダリウスは再び机を叩いた。
「カリムが勇者のもとにいるのは、王国の未来を見据えた戦略だ! それを“愛”などと……!」
怒りに震えるダリウスをよそに、執事は小さく咳払いをする。
「……しかし、当のカリム様が、その噂をまるで否定していないという事実もございます。」
「なに?」
ダリウスが怪訝な顔をする。
「カリム様は、騎士団長の座を辞する際に、こう発言されたとか……。」
執事は、報告書を取り出して静かに読み上げた。
「『私は生涯を通して守るべき人を見つけたのだ』」
「『彼の隣にいる時だけ、私は本当の私でいられる』」
「『彼だけが、私の孤独を埋められるのだ』」
「……………」
ダリウスの顔が、みるみるうちに青ざめる。
「…………何だ、その……あまりにも誤解を生む言葉は……。」
執事は静かに微笑みながら言った。
「……ですので、噂に尾ひれがついたのでしょう。」
「バカ者があああああああああ!!!!!」
ダリウスは叫びながら、椅子から立ち上がった。
「なぜ、誤解を招くようなことを言う!? いや、あのバカは“対等な実力者”としての意味で言っているのだろうが……!!」
だが、王都の貴族たちは、そんな解釈をしていない。
そして、バルコス・リシュトン侯爵が、この噂を聞いて黙っているはずもなかった。
◇◆◇
「許せん。」
ヴェルトール家を出た直後、バルコスは小さく呟いた。
彼の顔には、深い怒りが滲んでいた。
「異端の勇者が、剣聖の心まで支配したとでもいうのか……?」
彼の頭の中には、決闘でのカリムの敗北が何度もよぎる。
あれほどの剣士が、勇者の剣の前に屈した。
それは、王国の力の均衡を揺るがしかねない大事件だった。
そして、もしも噂が本当ならば――
もしも、本当にカリムが勇者に取り込まれたのならば――
「剣聖の影響力を持つ者が、異端の勇者を支持する」 という前代未聞の状況が生まれることになる。
「……今は、静観するしかないか。」
バルコスは深いため息をつきながら、夜の街へと消えていった。
そこは、ヴェルトール公爵家の本邸――王国の歴史と共に歩んできた名門貴族の館。
この場所に住まう者たちは、代々、王国最強の剣士を輩出してきた誇り高き家系だった。
だが、今、その誇りに満ちた家の中に、不穏な空気が漂っていた。
館の奥、広々とした執務室。
その中心に座るのは、ヴェルトール公爵家の当主、ダリウス・ヴェルトール。
壮年の男である彼は、厳格な表情を浮かべ、深々と椅子にもたれかかっていた。
机の上には、幾つもの報告書が乱雑に置かれている。
どの書類にも、今この王都を騒がせている「勇者と剣聖の決闘」の内容が記されていた。
「……ありえん。」
低く、静かな声が執務室に響く。
それは、怒りを押し殺した、重苦しい声音だった。
ダリウスは、鋭い眼差しで目の前の書類を睨みつけた。
──剣聖、敗北す。
──決闘の末、勇者に忠誠を誓う。
どれも、信じがたい内容だった。
彼の甥《おい》であり、王国最強と謳われた剣士、カリム・ヴェルトールが──
異世界から召喚された勇者に敗れたなどという事が、現実に起こり得るのか?
「ダリウス公。」
隣に座る男が、口を開いた。
バルコス・リシュトン侯爵。
異端排斥派の重鎮であり、王国の魔法士貴族の代表的人物だ。
彼の表情には、隠しきれない怒りが滲んでいる。
「この報告が事実であるならば、もはや看過できん。」
低く唸るように言うバルコス。
彼もまた、決闘の一部始終を王宮の訓練場でこの目で見ていた。
カリム・ヴェルトールが、勇者・九条迅に敗れた。
そして――その後、カリムは自らの意志で勇者のもとにつくと宣言した。
「……カリムは何を考えているのだ?」
バルコスが忌々しげに呟く。
「たしかに、勇者は異世界から召喚されて以降、数々の功績を上げている。王国軍でも一目置かれる存在になってきたのは事実だ。
だが、それとこれとは話が違う。」
バルコスは拳を握りしめる。
「カリムは、我らが王国騎士団の象徴。王国最強の剣士だ。
そんな男が、たった一度の決闘に敗れた程度で、異世界人に従うなどという愚行を犯すはずがない。
まったくもって、理解できん……!」
怒りを露わにするバルコス。
しかし、ダリウスは違った。
彼は、目を閉じ、沈黙を守ったまま考え込んでいた。
そして、静かに息を吐き、低く呟く。
「……いや。
カリムが、そう簡単に誰かの下につくはずがない。」
その言葉に、バルコスが眉をひそめる。
「……どういうことだ?」
ダリウスは机の上の書類を手に取り、じっと見つめる。
その瞳の奥には、確かな確信と――わずかな迷いが混じっていた。
「カリムは幼い頃から、常に“頂点”に立つ者だった。
どれほどの名剣士が相手であろうと、決して屈することはなかった。」
「そして、誰の剣も認めず、ひたすら自分の剣を研ぎ澄ませてきた。」
「そんなカリムが、“敗北”を認めた? いや、それだけではない……“忠誠”を誓っただと?」
ダリウスは報告書を机に叩きつけ、苛立たしげに顔を上げる。
「考えられる可能性は、二つ。
一つは、勇者がカリムの剣士としての誇りを打ち砕くほどの圧倒的な実力を持っていたということ。
もう一つは……カリムが何らかの策を持って、あえて勇者のもとに従ったということ。」
ダリウスの言葉に、バルコスが険しい顔をする。
「……つまり、カリムが勇者に忠誠を誓ったのは“演技”だと言いたいのか?」
「それ以外に説明がつかん。」
ダリウスは断言する。
「カリムは、誰かに従うような男ではない。
ならば、彼が勇者のもとにつく理由はただ一つ。
勇者の隙を探るための策略だ。」
バルコスはしばし考え込んだ後、静かに頷いた。
「……なるほど。確かに、それなら筋が通る。
そう考えれば、カリムの行動も納得がいく……!」
バルコスの目に、冷徹な光が宿る。
「ならば、この状況は我々にとって好機かもしれんな。」
「カリムが勇者のもとにいるということは、異端の勇者の動向を探る“監視者”が、すでに送り込まれているということだ。」
「……そういうことだ。」
ダリウスは静かに頷く。
(――まあ、実際には、カリムは簡単には誰かに屈するはずがない……いや、しかし……)
ダリウスの脳裏には、決闘後のカリムの様子が浮かぶ。
(あの戦いの後……あいつの表情は、まるで……)
(まるで、本当に勇者に心酔しているかのようだった……。)
だが、それを考えた瞬間、ダリウスは小さく首を振った。
(……いや、まさか。)
「この状況を利用するべきだ。」
ダリウスは決断する。
「カリムには、引き続き勇者のそばにいてもらう。」
「そして、勇者の力がどのようなものなのか、徹底的に監視させるのだ。」
バルコスは満足げに頷いた。
「……異端の勇者が、本当に王国にとって有益な存在なのか――それを見極める必要がある。」
こうして、ダリウスとバルコスは、カリムが勇者の元にいることを認めた。
しかし、この決断が、後に大きな波紋を呼ぶことを――彼らはまだ知らなかった。
◇◆◇
ダリウスとバルコスが会談を終えたその翌日、王都の貴族街では、ある噂が瞬く間に広がっていた。
「剣聖カリム・ヴェルトールが、勇者の弟子になったらしい。」
それは、元々の事実から大きく歪んだ、根も葉もない話だった。
しかし、貴族街では話の尾ひれがつき、誤解が誤解を生んで、さらに妙な方向へと変化していった。
「いや、弟子ではなく、側近として仕えるらしいぞ。」
「むしろ、勇者がカリムを手懐けたんだとか……?」
「違う! カリム殿は、勇者の剣となることを誓ったのだ!」
「剣ではなく、愛では?(小声)」
「なるほど……!」
「なるほど」じゃない。
だが、噂というものは恐ろしい。
どこからともなく出てきた「愛では?」という一言が、驚くほどの勢いで拡散されていった。
そして、その噂はついに、ヴェルトール家の邸宅にも届くこととなる――。
◇◆◇
「な……何だと!?!?!?!?!?!?」
カリムの叔父であり、ヴェルトール家の当主、ダリウス・ヴェルトールは、怒号を上げて机を叩いた。
「カリムが……勇者の愛に堕ちた……だと……!?」
報告を受けた彼の顔は、紅潮している。
驚き、困惑、そして怒り――複雑な感情が入り混じっていた。
「……誰がそんな馬鹿げた噂を流した!?」
ダリウスが怒鳴るように言うと、部屋の隅で控えていた執事が、咳払いを一つしてから答えた。
「……王都の貴族街で広まりつつある噂でございます。当初は『剣聖が勇者の弟子になった』という話だったのですが、そこから転じて……」
「転じすぎだろう!!!」
ダリウスは叫びながら額を押さえた。
「誰がそんなことを言い出したのか分からんのか!??」
「それが……特定には至っておりません。ただ、どうも貴族街の奥方たちの間で妙な盛り上がりを見せているようで……」
「奥方たちだと!?」
「彼女らは話のネタを見つけると、止まることを知りませんから……。」
執事が苦い表情で肩をすくめる。
貴族街の奥方たちは、とにかく社交と噂話を楽しむ生き物だ。
今回の「勇者と剣聖の関係」は、彼女らにとって絶好の話題になってしまったのだろう。
「……ふざけるな!!!」
ダリウスは再び机を叩いた。
「カリムが勇者のもとにいるのは、王国の未来を見据えた戦略だ! それを“愛”などと……!」
怒りに震えるダリウスをよそに、執事は小さく咳払いをする。
「……しかし、当のカリム様が、その噂をまるで否定していないという事実もございます。」
「なに?」
ダリウスが怪訝な顔をする。
「カリム様は、騎士団長の座を辞する際に、こう発言されたとか……。」
執事は、報告書を取り出して静かに読み上げた。
「『私は生涯を通して守るべき人を見つけたのだ』」
「『彼の隣にいる時だけ、私は本当の私でいられる』」
「『彼だけが、私の孤独を埋められるのだ』」
「……………」
ダリウスの顔が、みるみるうちに青ざめる。
「…………何だ、その……あまりにも誤解を生む言葉は……。」
執事は静かに微笑みながら言った。
「……ですので、噂に尾ひれがついたのでしょう。」
「バカ者があああああああああ!!!!!」
ダリウスは叫びながら、椅子から立ち上がった。
「なぜ、誤解を招くようなことを言う!? いや、あのバカは“対等な実力者”としての意味で言っているのだろうが……!!」
だが、王都の貴族たちは、そんな解釈をしていない。
そして、バルコス・リシュトン侯爵が、この噂を聞いて黙っているはずもなかった。
◇◆◇
「許せん。」
ヴェルトール家を出た直後、バルコスは小さく呟いた。
彼の顔には、深い怒りが滲んでいた。
「異端の勇者が、剣聖の心まで支配したとでもいうのか……?」
彼の頭の中には、決闘でのカリムの敗北が何度もよぎる。
あれほどの剣士が、勇者の剣の前に屈した。
それは、王国の力の均衡を揺るがしかねない大事件だった。
そして、もしも噂が本当ならば――
もしも、本当にカリムが勇者に取り込まれたのならば――
「剣聖の影響力を持つ者が、異端の勇者を支持する」 という前代未聞の状況が生まれることになる。
「……今は、静観するしかないか。」
バルコスは深いため息をつきながら、夜の街へと消えていった。
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