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第128話 また会う日まで
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ノーザリア王国の王宮前。
昼下がりの光が石畳を照らし、遠くでは馬車の準備が進められている。
王命独行の一行は、出発の時を迎えようとしていた。
王宮の正門前には、ガウェイン王と第二王子フィリオスが並んで立っていた。
その視線には、はっきりとした感謝の色が浮かんでいる。
「勇者殿、リディア殿、そしてライネル殿——」
王の重々しい声が、静かに響く。
「この度の王妃の治療、心より礼を申し上げる」
王は深く頭を下げた。
「セラフィーナの病は、既に手の施しようがないものと思っていた。だが……お主らの力で、希望が見えた」
「まだ油断できる状態じゃありませんよ、陛下」
迅は軽く首を振った。
「進行が抑えられるだけでも十分な効果だとは思いますが、完治とは程遠い。まだまだ治療が必要です」
王は頷き、すぐ隣で口を開いたのはフィリオスだった。
「……兄上にずっと『母上はもう長くないかも知れない』と言われ続け、諦めかけていました。でも、母上が救われる可能性が少しでも見えただけでも、とても嬉しいんです。」
その言葉には、どこか棘があった。
(……やっぱり兄弟仲はあまりよろしくない感じか)
迅はそんなことを思いながら、少し視線を横に向けた。
ライネルが少し居心地悪そうにしているのが目に入る。
だが、その眼鏡越しの目には、明らかに達成感が宿っていた。
——この男は、やはり魔法士としての誇りを持っている。
普段の皮肉屋な態度とは裏腹に。
「とりあえず、定期的な治療はこの白銀級冒険者様にお願いしてください。」
迅は、まるで軽い冗談のように言いながら、ライネルの肩をポンッと叩いた。
「……ッ」
ライネルがギョッとした顔をする。
そして、すぐに向けられる王と第二王子の視線。
「……ライネル殿」
王がゆっくりと口を開いた。
「セラフィーナの治療——お願いできるか?」
「……」
ライネルは、しばし沈黙した。
そして、眼鏡の位置を直しながら、低く答えた。
「……引き受けましょう」
静かだが、確かな決意がこもっていた。
そのやり取りを見ていたミィシャが、小声でエリナに囁く。
(……これって、王からの直接ミッションを定期的に受けることになったってことじゃねえーか!?)
ミィシャは落ち着きない様子で続ける。
(つまり、一生食いっぱぐれないってことか!?)
興奮した様子のミィシャに、エリナが(シッ!)と釘を刺す。
ライネルは、そんな仲間の様子を一瞬だけ横目で見ながら、すぐに前を向いた。
「……九条迅《くじょうじん》。」
ライネルが迅を見据える。
「君の知識、見識、そして手腕《しゅわん》——それらは確かに驚嘆《きょうたん》に値するものだった」
「おお、光栄だな。」
「……君に会えて、よかった」
その言葉には、彼なりの敬意が込められていた。
迅は、少しだけ口の端を上げた。
「そりゃ嬉しいね」
シンプルな答えだった。
だが、ライネルはそれを聞くと、ふっとわずかに笑った。
この数日間、何度となく言葉を交わし、衝突もした。
だが、確かに得るものはあったのだろう。
そんな空気を感じ取りながら、迅は王宮の階段を一歩下りた。
その視線の先——。
第一王子ルクレウスが立っていた。
——その笑顔を浮かべたまま。
ノーザリア王宮の正門前。
別れの挨拶が交わされる中、ルクレウスは、一歩引いた場所で佇んでいた。
金色の髪を風になびかせ、相変わらずの整った微笑みを湛えて。
しかし——。
(……あの目、舞踏会の時と違うな)
迅は、一瞬だけ目を細めた。
ルクレウスの瞳には、確かに冷たいものが宿っていた。
それは、舞踏会の時に見たものよりも、さらに深く、鋭く。
それでいて、どこか探るような色も見える。
まるで、迅の存在そのものを、確かめるかのような視線。
「……また近いうちに会うことになると思うよ、迅クン」
柔らかい声色。
しかし、その響きの奥には、隠しきれないものがあった。
「そりゃどういう意味だ?」
迅は飄々と返しながら、無意識に警戒心を研ぎ澄ませる。
「さあ?」
ルクレウスは肩をすくめ、微笑んだ。
だが、確信している。
彼は何かを考えている——それも、ただの挨拶以上の意味を持つことを。
迅の中に、僅かに緊張が走る。
(……何を企んでやがる)
だが、ここで詮索しても仕方がない。
「またな」
そう短く返し、迅は視線を外した。
ルクレウスも、それ以上は何も言わなかった。
ただ、名残惜しそうに目を細めると、ゆっくりとした足取りで王宮の奥へと消えていった。
——何かが動き出している。
迅は、それを直感した。
だが、それが何なのかは、まだ分からない。
ただ一つ、確信していることは——。
(……俺たちは、近いうちにまたノーザリアに来ることになりそうだな)
そんな予感を抱きながら、迅は、王宮を背にして歩き出した。
◇◆◇
王宮の門がゆっくりと開かれる。
その向こうには、青空の下、陽の光を浴びた馬車が待っていた。
王命独行《おうめいどっこう》が、ノーザリア王国を発つ時が来た。
冷たい風が吹き抜ける中、“銀嶺の誓い《シルバー・オース》“の三人が見送りに並んでいた。
「……もう出発なのね」
エリナが、少し寂しそうに呟く。
リディアは、彼女の横顔をそっと見つめながら微笑んだ。
「また、すぐに会うことになる気がするわ」
「……ええ、私もそんな気がしますわ」
エリナの声は穏やかだったが、その瞳の奥には、まだ何か秘めた思いがあるように見えた。
(彼女も、今回の件で色々と考えたのね)
そんなことを思いながら、リディアはカリムの方へ目を向ける。
出発の刻限が迫る中、ミィシャが別れを惜しむようにカリムへと駆け寄った。
「おいカリム、もう行っちまうのか?」
普段の快活な口調とは少し違い、どこか寂しそうな声音だった。
しかし、次の瞬間。
「なら、最後にしっかりカリムの温もりを感じさせてもらうぜ!」
そう宣言するや否や、ミィシャは勢いよくカリムに抱きついた。
「む、ミィシャ殿!? 落ち着かれよ!?」
カリムが目を見開くが、ミィシャの力強い抱擁から逃れることはできなかった。
「お、おい! 流石に腕の力が強すぎるのではないか!?」
「別に問題ねえだろ? これが”銀嶺の誓い”の女戦士の力ってやつだ! しっかり覚えとけよ!」
ミィシャは豪快に笑いながらも、どこか名残惜しそうに彼を抱きしめたままだった。
「まったく……」
カリムは困ったようにため息をつきながらも、その腕を強引に解こうとはしない。
むしろ、その表情には微かに穏やかな色が宿っていた。
(……仲良くなったのね)
少し離れた場所で見ていたリディアは、クスリと微笑む。
意外と甘え上手なミィシャに対し、カリムは最初こそ戸惑っていたものの、まんざらでもなさそうだった。
彼女の気持ちを”戦士としての親愛”と受け止めているようだが——それは、果たして本当にそうなのか。
「次に会う時は、もっと強くなってるぜ! カリムが驚くくらいにな!」
ミィシャは満面の笑みを浮かべながら、ぎゅっとカリムの背を叩く。
「うむ、期待しているぞ。」
カリムは真剣な眼差しを向け、ミィシャの肩にそっと手を置いた。
「貴殿の実力は既に申し分ないが……戦士とは、常に進化し続けるものだ。次に再会する時、どのような成長を遂げているのか、楽しみにしているぞ」
「………寂しいにゃ」
一瞬、ミィシャの口から無意識に”にゃ”の語尾が漏れた。
そのことに気付いて、彼女はハッとする。
(や、やべぇ……つい本音が……!)
顔を赤くして口を押さえるが、カリムは気付いた様子もなく、真面目に頷いていた。
「うむ、ではまた、次の機会に!」
「……! そ、そうだな!」
ミィシャは慌てて腕をほどき、少し距離を取る。
(あぁ~~~、完全に油断した……!!)
恥ずかしさを誤魔化すように、バンバンと自分の頬を叩く。
その姿を見ながら、カリムは微かに笑みを漏らしていた。
(ふむ、なかなか面白い女戦士だな)
ミィシャのことを、戦士として頼もしく思っている。
だが、彼女の抱擁が、仲間としての親愛だけではないことに——カリムはまだ気づいていなかった。
ミィシャとカリムのやり取りを微笑ましく見ていたリディアだったが、ふと、背筋に小さな違和感を覚えた。
視線を感じる——。
(……あ)
振り向くと、ライネルがじっとこちらを見つめていた。
いや、正確には、“見つめすぎていた”。
「……最後に、リディアたんの姿を目に焼き付けておかないと」
「………………」
彼の真剣な表情に、リディアは思わず引き攣った笑みを浮かべる。
「そ、そんなに見つめられると、ちょっと落ち着かないのだけれど」
「お別れの前に"推し"を視界に焼き付けるのは、当然のことだろう?」
ライネルは冷静に言い放つが、その目は微動だにせず、まるで精密なスキャンでもしているかのようにリディアの全体像を捉えているようだった。
「いや、そういうものではないと思うわ」
「君の魅力を、この目にしっかりと刻んでおくのさ」
「……それも、そういうものではないと思うのだけれど」
「ならば、最後にハグを——」
「しないわよ!」
即座に拒否すると、ライネルは肩をすくめて溜息をついた。
「……残念だ」
その口調はどこか冗談めいていたが、軽く眼鏡を押し上げた彼の顔には、いつもの冷静な雰囲気よりも、わずかに寂しさが滲んでいた。
(……ほんとにもう)
リディアは呆れながらも、どこか微笑ましさを感じ、言葉を返そうとした——その時。
ライネルの表情が、ふっと和らいだ。
「……君にも、会えてよかった」
その一言は、先ほどまでの軽口とは違い、真剣な声音だった。
リディアは、一瞬だけ驚き、そして、自然と微笑んだ。
「……ありがとう、ライネル」
彼女の胸の奥が、少しだけ温かくなる。
ライネルは、軽く眼鏡の位置を直しながら、静かに頷いた。
——別れは名残惜しくとも、きっとまた会える。
そんな確信が、リディアの中に芽生えていた。
エリナは、ふと微笑を浮かべたまま、リディアに一歩近づいた。
すれ違う瞬間、彼女の甘やかな香りがリディアの鼻先をかすめる。
それはまるで、優雅な薔薇のような、けれどどこか芯の強さを感じさせる香りだった。
「……迅様のこと」
囁くような声が、リディアの耳元に届く。
それは、柔らかく、それでいて確かな意志を孕んでいた。
「私も、まだ負けたつもりはありませんわよ」
リディアは、少し驚いたように目を瞬かせた。
だが——次の瞬間。
彼女の唇が、ゆっくりと微笑を形作る。
「……受けて立つわ」
静かに、しかし力強くそう返すと、エリナの瞳が僅かに揺れた。
ほんの一瞬。
だが、すぐにその青い瞳は、再び誇り高き輝きを取り戻す。
そして、ふっと口元を上げた。
「ええ、ご覚悟なさいませ」
二人の間に、見えない火花が散る。
穏やかな微笑みを交わしながら、その瞳の奥では、それぞれの決意が交錯していた。
それは宣戦布告ではない。
けれど、確かにこれは——戦いの幕開け。
そのやり取りを、迅は不思議そうに眺めていた。
「……何の話だ?」
首を傾げながら、やや訝しげな視線を向けてくる。
しかし——。
リディアとエリナは、互いに視線を交わし、ふっと笑った。
「「内緒!」」
二人の声が重なる。
迅は「えぇ……」と心底納得できない顔をしていた。
それが可笑しくて、リディアはくすくすと笑い、エリナも満足げに微笑んでいた。
——そして、遠くで旅立ちの鐘が鳴った。
——エリナが、最後に迅に向き直る。
彼女は、ゆっくりと手を差し出した。
「貴方がたと会えたことが、今回の事件での唯一にして最大の僥倖《ぎょうこう》でしたわ」
迅は、その手をしっかりと握る。
「ああ。元気でな、エリナさん」
その瞬間——。
エリナが、彼の手をグッと引いた。
「……?」
不意の動きに、迅の身体がわずかに前へと引かれる。
エリナはその隙を逃さず、ぐっと距離を詰めた。
ほんの一瞬の出来事だった。
彼女の金色の髪が陽の光を受けてきらめき、僅かに薔薇の香りがふわりと漂う。
距離は——近い。
迅は思わず目を瞬《またた》かせた。
エリナの瞳はまっすぐ迅を捉え、揺るぎない光を宿している。
そして——。
「さん付けはやめて、“エリナ”って呼んで」
耳元で囁くように、その言葉を紡ぐ。
ほんの少しだけ、艶《つや》を帯びた声音。
けれど、冗談めかした雰囲気は一切ない。
その真剣さに、迅の呼吸がわずかに詰まる。
まっすぐすぎる瞳。
その奥に秘めた感情を、彼は探ろうとする。
だが——。
「……あ、ああ、分かった、エリナ」
そう返すのが精一杯だった。
エリナは満足げな笑みを浮かべ、そっと距離を戻す。
しかし、その笑みはどこか勝ち誇ったものだった。
「よろしいですわ」
ふわりと舞うスカートの裾。
優雅な動作で一歩引きながら、それでも彼女の視線はまっすぐ迅を見つめている。
——それを、じっと見つめる影があった。
リディアだ。
彼女は静かに口を引き結び、ほんの少しだけ眉を寄せている。
(ムムム……)
もちろん、深刻な感情ではない。
だけど、何とも言えない気持ちが胸の奥に広がる。
迅のことを知るのは自分の方が先だった。
一番近くで彼の思考を理解してきたのも自分のはずだった。
なのに——。
(……いいわ、負けないんだから)
淡々とした表情を保ちながら、リディアはエリナの方をチラリと見やる。
エリナは、どこか誇らしげに微笑んでいた。
まるで、「このくらいのアプローチは当然ですわよ?」とでも言いたげな表情で。
リディアは、静かに息を吐いた。
次の瞬間——。
エリナの瞳がふっと冷静な光を帯び、彼女は最後に静かに言葉を紡ぐ。
「……私の勘が正しければ、皆様とは近々またお会いすることになると思いますわ」
そして、そっと迅に一歩近づき——。
「第一王子ルクレウスには、くれぐれも気をつけてください」
まるで風に紛れるような、かすかな囁き。
その声は、さっきまでの柔らかい笑みとは違う、研ぎ澄まされた警戒心に満ちていた。
迅は、一瞬目を細める。
——第一王子、ルクレウス。
その名が、頭の中で静かに反響する。
彼は昨夜の舞踏会で確かに笑っていた。
けれど、その奥に滲む冷たさに、迅は違和感を覚えていた。
(……やっぱり、何かあるのか)
迅は無言で頷く。
エリナは、満足げに目を細め、もう一度だけ迅の手を握ると、ゆっくりと手を離した。
——その場に、再び冷たい風が吹き抜けた。
「——そろそろ出発じゃ!」
ロドリゲスの声が響き渡る。
王宮の前に停められた馬車の車輪が、わずかにきしみながら動き始めた。
ゆっくりと、しかし確実に——アルセイア王国へと向かう道を進んでいく。
門の前に立つ“銀嶺の誓い”の三人は、それぞれ名残惜しそうに旅立ちゆく勇者一行を見つめていた。
「……カリム、元気でにゃ!」
ミィシャが両手を口に添えて、精一杯の声を投げる。
カリムは、馬車の窓から顔を出し、凛とした笑みを浮かべた。
「貴殿もな、ミィシャ殿!」
その真剣な眼差しに、ミィシャは少し驚いたように目を瞬かせる。
——カリムは、彼女の成長を心から期待しているのだろう。
「……チッ、そんな顔されたら、頑張るしかねぇじゃねえか」
ミィシャはふっと笑い、拳を軽く握った。
「ライネル! しっかり王妃の治療を頼むわよ!」
リディアが窓越しに声をかけると、ライネルは眼鏡を押し上げながら、静かに微笑む。
「ああ……任せてくれ。」
「……絶対よ?」
「——当然だ」
リディアの真剣な視線を受け止めるように、ライネルは静かに頷いた。
「エリナ、またな!」
「ええ、またお会いしましょう」
迅の声に、エリナは穏やかに微笑みながら、それでもどこか寂しげに、手を小さく振る。
そして——馬車は王宮の門をくぐり、ゆっくりと遠ざかっていく。
エリナ、ライネル、ミィシャの三人は、その後ろ姿をじっと見送っていた。
どこか心にぽっかりと穴が空いたような静けさが、王宮の前に広がる。
誰もが、すぐにはその場を動くことができなかった。
彼らとの時間が、確かにここにあったのだと、名残惜しむように。
リディアは、そっと風を感じながら目を閉じる。
肌を撫でる風が、どこか柔らかく感じられた。
(——きっと、また会える)
そう確信しながら、静かに馬車の中の迅の方を見つめた。
彼もまた、どこか遠くを見つめるように、窓の外を眺めていた。
この旅は終わり、また新たな道が始まる——。
そう感じながら、リディアはそっと小さく微笑んだ。
昼下がりの光が石畳を照らし、遠くでは馬車の準備が進められている。
王命独行の一行は、出発の時を迎えようとしていた。
王宮の正門前には、ガウェイン王と第二王子フィリオスが並んで立っていた。
その視線には、はっきりとした感謝の色が浮かんでいる。
「勇者殿、リディア殿、そしてライネル殿——」
王の重々しい声が、静かに響く。
「この度の王妃の治療、心より礼を申し上げる」
王は深く頭を下げた。
「セラフィーナの病は、既に手の施しようがないものと思っていた。だが……お主らの力で、希望が見えた」
「まだ油断できる状態じゃありませんよ、陛下」
迅は軽く首を振った。
「進行が抑えられるだけでも十分な効果だとは思いますが、完治とは程遠い。まだまだ治療が必要です」
王は頷き、すぐ隣で口を開いたのはフィリオスだった。
「……兄上にずっと『母上はもう長くないかも知れない』と言われ続け、諦めかけていました。でも、母上が救われる可能性が少しでも見えただけでも、とても嬉しいんです。」
その言葉には、どこか棘があった。
(……やっぱり兄弟仲はあまりよろしくない感じか)
迅はそんなことを思いながら、少し視線を横に向けた。
ライネルが少し居心地悪そうにしているのが目に入る。
だが、その眼鏡越しの目には、明らかに達成感が宿っていた。
——この男は、やはり魔法士としての誇りを持っている。
普段の皮肉屋な態度とは裏腹に。
「とりあえず、定期的な治療はこの白銀級冒険者様にお願いしてください。」
迅は、まるで軽い冗談のように言いながら、ライネルの肩をポンッと叩いた。
「……ッ」
ライネルがギョッとした顔をする。
そして、すぐに向けられる王と第二王子の視線。
「……ライネル殿」
王がゆっくりと口を開いた。
「セラフィーナの治療——お願いできるか?」
「……」
ライネルは、しばし沈黙した。
そして、眼鏡の位置を直しながら、低く答えた。
「……引き受けましょう」
静かだが、確かな決意がこもっていた。
そのやり取りを見ていたミィシャが、小声でエリナに囁く。
(……これって、王からの直接ミッションを定期的に受けることになったってことじゃねえーか!?)
ミィシャは落ち着きない様子で続ける。
(つまり、一生食いっぱぐれないってことか!?)
興奮した様子のミィシャに、エリナが(シッ!)と釘を刺す。
ライネルは、そんな仲間の様子を一瞬だけ横目で見ながら、すぐに前を向いた。
「……九条迅《くじょうじん》。」
ライネルが迅を見据える。
「君の知識、見識、そして手腕《しゅわん》——それらは確かに驚嘆《きょうたん》に値するものだった」
「おお、光栄だな。」
「……君に会えて、よかった」
その言葉には、彼なりの敬意が込められていた。
迅は、少しだけ口の端を上げた。
「そりゃ嬉しいね」
シンプルな答えだった。
だが、ライネルはそれを聞くと、ふっとわずかに笑った。
この数日間、何度となく言葉を交わし、衝突もした。
だが、確かに得るものはあったのだろう。
そんな空気を感じ取りながら、迅は王宮の階段を一歩下りた。
その視線の先——。
第一王子ルクレウスが立っていた。
——その笑顔を浮かべたまま。
ノーザリア王宮の正門前。
別れの挨拶が交わされる中、ルクレウスは、一歩引いた場所で佇んでいた。
金色の髪を風になびかせ、相変わらずの整った微笑みを湛えて。
しかし——。
(……あの目、舞踏会の時と違うな)
迅は、一瞬だけ目を細めた。
ルクレウスの瞳には、確かに冷たいものが宿っていた。
それは、舞踏会の時に見たものよりも、さらに深く、鋭く。
それでいて、どこか探るような色も見える。
まるで、迅の存在そのものを、確かめるかのような視線。
「……また近いうちに会うことになると思うよ、迅クン」
柔らかい声色。
しかし、その響きの奥には、隠しきれないものがあった。
「そりゃどういう意味だ?」
迅は飄々と返しながら、無意識に警戒心を研ぎ澄ませる。
「さあ?」
ルクレウスは肩をすくめ、微笑んだ。
だが、確信している。
彼は何かを考えている——それも、ただの挨拶以上の意味を持つことを。
迅の中に、僅かに緊張が走る。
(……何を企んでやがる)
だが、ここで詮索しても仕方がない。
「またな」
そう短く返し、迅は視線を外した。
ルクレウスも、それ以上は何も言わなかった。
ただ、名残惜しそうに目を細めると、ゆっくりとした足取りで王宮の奥へと消えていった。
——何かが動き出している。
迅は、それを直感した。
だが、それが何なのかは、まだ分からない。
ただ一つ、確信していることは——。
(……俺たちは、近いうちにまたノーザリアに来ることになりそうだな)
そんな予感を抱きながら、迅は、王宮を背にして歩き出した。
◇◆◇
王宮の門がゆっくりと開かれる。
その向こうには、青空の下、陽の光を浴びた馬車が待っていた。
王命独行《おうめいどっこう》が、ノーザリア王国を発つ時が来た。
冷たい風が吹き抜ける中、“銀嶺の誓い《シルバー・オース》“の三人が見送りに並んでいた。
「……もう出発なのね」
エリナが、少し寂しそうに呟く。
リディアは、彼女の横顔をそっと見つめながら微笑んだ。
「また、すぐに会うことになる気がするわ」
「……ええ、私もそんな気がしますわ」
エリナの声は穏やかだったが、その瞳の奥には、まだ何か秘めた思いがあるように見えた。
(彼女も、今回の件で色々と考えたのね)
そんなことを思いながら、リディアはカリムの方へ目を向ける。
出発の刻限が迫る中、ミィシャが別れを惜しむようにカリムへと駆け寄った。
「おいカリム、もう行っちまうのか?」
普段の快活な口調とは少し違い、どこか寂しそうな声音だった。
しかし、次の瞬間。
「なら、最後にしっかりカリムの温もりを感じさせてもらうぜ!」
そう宣言するや否や、ミィシャは勢いよくカリムに抱きついた。
「む、ミィシャ殿!? 落ち着かれよ!?」
カリムが目を見開くが、ミィシャの力強い抱擁から逃れることはできなかった。
「お、おい! 流石に腕の力が強すぎるのではないか!?」
「別に問題ねえだろ? これが”銀嶺の誓い”の女戦士の力ってやつだ! しっかり覚えとけよ!」
ミィシャは豪快に笑いながらも、どこか名残惜しそうに彼を抱きしめたままだった。
「まったく……」
カリムは困ったようにため息をつきながらも、その腕を強引に解こうとはしない。
むしろ、その表情には微かに穏やかな色が宿っていた。
(……仲良くなったのね)
少し離れた場所で見ていたリディアは、クスリと微笑む。
意外と甘え上手なミィシャに対し、カリムは最初こそ戸惑っていたものの、まんざらでもなさそうだった。
彼女の気持ちを”戦士としての親愛”と受け止めているようだが——それは、果たして本当にそうなのか。
「次に会う時は、もっと強くなってるぜ! カリムが驚くくらいにな!」
ミィシャは満面の笑みを浮かべながら、ぎゅっとカリムの背を叩く。
「うむ、期待しているぞ。」
カリムは真剣な眼差しを向け、ミィシャの肩にそっと手を置いた。
「貴殿の実力は既に申し分ないが……戦士とは、常に進化し続けるものだ。次に再会する時、どのような成長を遂げているのか、楽しみにしているぞ」
「………寂しいにゃ」
一瞬、ミィシャの口から無意識に”にゃ”の語尾が漏れた。
そのことに気付いて、彼女はハッとする。
(や、やべぇ……つい本音が……!)
顔を赤くして口を押さえるが、カリムは気付いた様子もなく、真面目に頷いていた。
「うむ、ではまた、次の機会に!」
「……! そ、そうだな!」
ミィシャは慌てて腕をほどき、少し距離を取る。
(あぁ~~~、完全に油断した……!!)
恥ずかしさを誤魔化すように、バンバンと自分の頬を叩く。
その姿を見ながら、カリムは微かに笑みを漏らしていた。
(ふむ、なかなか面白い女戦士だな)
ミィシャのことを、戦士として頼もしく思っている。
だが、彼女の抱擁が、仲間としての親愛だけではないことに——カリムはまだ気づいていなかった。
ミィシャとカリムのやり取りを微笑ましく見ていたリディアだったが、ふと、背筋に小さな違和感を覚えた。
視線を感じる——。
(……あ)
振り向くと、ライネルがじっとこちらを見つめていた。
いや、正確には、“見つめすぎていた”。
「……最後に、リディアたんの姿を目に焼き付けておかないと」
「………………」
彼の真剣な表情に、リディアは思わず引き攣った笑みを浮かべる。
「そ、そんなに見つめられると、ちょっと落ち着かないのだけれど」
「お別れの前に"推し"を視界に焼き付けるのは、当然のことだろう?」
ライネルは冷静に言い放つが、その目は微動だにせず、まるで精密なスキャンでもしているかのようにリディアの全体像を捉えているようだった。
「いや、そういうものではないと思うわ」
「君の魅力を、この目にしっかりと刻んでおくのさ」
「……それも、そういうものではないと思うのだけれど」
「ならば、最後にハグを——」
「しないわよ!」
即座に拒否すると、ライネルは肩をすくめて溜息をついた。
「……残念だ」
その口調はどこか冗談めいていたが、軽く眼鏡を押し上げた彼の顔には、いつもの冷静な雰囲気よりも、わずかに寂しさが滲んでいた。
(……ほんとにもう)
リディアは呆れながらも、どこか微笑ましさを感じ、言葉を返そうとした——その時。
ライネルの表情が、ふっと和らいだ。
「……君にも、会えてよかった」
その一言は、先ほどまでの軽口とは違い、真剣な声音だった。
リディアは、一瞬だけ驚き、そして、自然と微笑んだ。
「……ありがとう、ライネル」
彼女の胸の奥が、少しだけ温かくなる。
ライネルは、軽く眼鏡の位置を直しながら、静かに頷いた。
——別れは名残惜しくとも、きっとまた会える。
そんな確信が、リディアの中に芽生えていた。
エリナは、ふと微笑を浮かべたまま、リディアに一歩近づいた。
すれ違う瞬間、彼女の甘やかな香りがリディアの鼻先をかすめる。
それはまるで、優雅な薔薇のような、けれどどこか芯の強さを感じさせる香りだった。
「……迅様のこと」
囁くような声が、リディアの耳元に届く。
それは、柔らかく、それでいて確かな意志を孕んでいた。
「私も、まだ負けたつもりはありませんわよ」
リディアは、少し驚いたように目を瞬かせた。
だが——次の瞬間。
彼女の唇が、ゆっくりと微笑を形作る。
「……受けて立つわ」
静かに、しかし力強くそう返すと、エリナの瞳が僅かに揺れた。
ほんの一瞬。
だが、すぐにその青い瞳は、再び誇り高き輝きを取り戻す。
そして、ふっと口元を上げた。
「ええ、ご覚悟なさいませ」
二人の間に、見えない火花が散る。
穏やかな微笑みを交わしながら、その瞳の奥では、それぞれの決意が交錯していた。
それは宣戦布告ではない。
けれど、確かにこれは——戦いの幕開け。
そのやり取りを、迅は不思議そうに眺めていた。
「……何の話だ?」
首を傾げながら、やや訝しげな視線を向けてくる。
しかし——。
リディアとエリナは、互いに視線を交わし、ふっと笑った。
「「内緒!」」
二人の声が重なる。
迅は「えぇ……」と心底納得できない顔をしていた。
それが可笑しくて、リディアはくすくすと笑い、エリナも満足げに微笑んでいた。
——そして、遠くで旅立ちの鐘が鳴った。
——エリナが、最後に迅に向き直る。
彼女は、ゆっくりと手を差し出した。
「貴方がたと会えたことが、今回の事件での唯一にして最大の僥倖《ぎょうこう》でしたわ」
迅は、その手をしっかりと握る。
「ああ。元気でな、エリナさん」
その瞬間——。
エリナが、彼の手をグッと引いた。
「……?」
不意の動きに、迅の身体がわずかに前へと引かれる。
エリナはその隙を逃さず、ぐっと距離を詰めた。
ほんの一瞬の出来事だった。
彼女の金色の髪が陽の光を受けてきらめき、僅かに薔薇の香りがふわりと漂う。
距離は——近い。
迅は思わず目を瞬《またた》かせた。
エリナの瞳はまっすぐ迅を捉え、揺るぎない光を宿している。
そして——。
「さん付けはやめて、“エリナ”って呼んで」
耳元で囁くように、その言葉を紡ぐ。
ほんの少しだけ、艶《つや》を帯びた声音。
けれど、冗談めかした雰囲気は一切ない。
その真剣さに、迅の呼吸がわずかに詰まる。
まっすぐすぎる瞳。
その奥に秘めた感情を、彼は探ろうとする。
だが——。
「……あ、ああ、分かった、エリナ」
そう返すのが精一杯だった。
エリナは満足げな笑みを浮かべ、そっと距離を戻す。
しかし、その笑みはどこか勝ち誇ったものだった。
「よろしいですわ」
ふわりと舞うスカートの裾。
優雅な動作で一歩引きながら、それでも彼女の視線はまっすぐ迅を見つめている。
——それを、じっと見つめる影があった。
リディアだ。
彼女は静かに口を引き結び、ほんの少しだけ眉を寄せている。
(ムムム……)
もちろん、深刻な感情ではない。
だけど、何とも言えない気持ちが胸の奥に広がる。
迅のことを知るのは自分の方が先だった。
一番近くで彼の思考を理解してきたのも自分のはずだった。
なのに——。
(……いいわ、負けないんだから)
淡々とした表情を保ちながら、リディアはエリナの方をチラリと見やる。
エリナは、どこか誇らしげに微笑んでいた。
まるで、「このくらいのアプローチは当然ですわよ?」とでも言いたげな表情で。
リディアは、静かに息を吐いた。
次の瞬間——。
エリナの瞳がふっと冷静な光を帯び、彼女は最後に静かに言葉を紡ぐ。
「……私の勘が正しければ、皆様とは近々またお会いすることになると思いますわ」
そして、そっと迅に一歩近づき——。
「第一王子ルクレウスには、くれぐれも気をつけてください」
まるで風に紛れるような、かすかな囁き。
その声は、さっきまでの柔らかい笑みとは違う、研ぎ澄まされた警戒心に満ちていた。
迅は、一瞬目を細める。
——第一王子、ルクレウス。
その名が、頭の中で静かに反響する。
彼は昨夜の舞踏会で確かに笑っていた。
けれど、その奥に滲む冷たさに、迅は違和感を覚えていた。
(……やっぱり、何かあるのか)
迅は無言で頷く。
エリナは、満足げに目を細め、もう一度だけ迅の手を握ると、ゆっくりと手を離した。
——その場に、再び冷たい風が吹き抜けた。
「——そろそろ出発じゃ!」
ロドリゲスの声が響き渡る。
王宮の前に停められた馬車の車輪が、わずかにきしみながら動き始めた。
ゆっくりと、しかし確実に——アルセイア王国へと向かう道を進んでいく。
門の前に立つ“銀嶺の誓い”の三人は、それぞれ名残惜しそうに旅立ちゆく勇者一行を見つめていた。
「……カリム、元気でにゃ!」
ミィシャが両手を口に添えて、精一杯の声を投げる。
カリムは、馬車の窓から顔を出し、凛とした笑みを浮かべた。
「貴殿もな、ミィシャ殿!」
その真剣な眼差しに、ミィシャは少し驚いたように目を瞬かせる。
——カリムは、彼女の成長を心から期待しているのだろう。
「……チッ、そんな顔されたら、頑張るしかねぇじゃねえか」
ミィシャはふっと笑い、拳を軽く握った。
「ライネル! しっかり王妃の治療を頼むわよ!」
リディアが窓越しに声をかけると、ライネルは眼鏡を押し上げながら、静かに微笑む。
「ああ……任せてくれ。」
「……絶対よ?」
「——当然だ」
リディアの真剣な視線を受け止めるように、ライネルは静かに頷いた。
「エリナ、またな!」
「ええ、またお会いしましょう」
迅の声に、エリナは穏やかに微笑みながら、それでもどこか寂しげに、手を小さく振る。
そして——馬車は王宮の門をくぐり、ゆっくりと遠ざかっていく。
エリナ、ライネル、ミィシャの三人は、その後ろ姿をじっと見送っていた。
どこか心にぽっかりと穴が空いたような静けさが、王宮の前に広がる。
誰もが、すぐにはその場を動くことができなかった。
彼らとの時間が、確かにここにあったのだと、名残惜しむように。
リディアは、そっと風を感じながら目を閉じる。
肌を撫でる風が、どこか柔らかく感じられた。
(——きっと、また会える)
そう確信しながら、静かに馬車の中の迅の方を見つめた。
彼もまた、どこか遠くを見つめるように、窓の外を眺めていた。
この旅は終わり、また新たな道が始まる——。
そう感じながら、リディアはそっと小さく微笑んだ。
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