真祖竜に転生したけど、怠け者の世界最強種とか性に合わないんで、人間のふりして旅に出ます

難波一

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第五章 魔導帝国ベルゼリア編

第72話 地雷ガールと、執事ボーイ

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 川のせせらぎと、鳥のさえずり。

 昼下がりの森はどこまでも穏やかで、リュナの足取りもご機嫌だった。鼻歌まじりにぴょこぴょこと石を飛び越え、腰を揺らしながら川辺に出る。

 そのときだった。

 

 「……ん?」

 

 視界の端、草むらの中に、不自然に伸びた“なにか”を見つけた。

 最初はただの落ちた人形か何かかと思った。が、近づいてみると──それは明らかに少女だった。

 年の頃は自分と同じか少し下くらい。
 けれど、その姿は──異様だった。

 

 (……何っすか、この子……)

 

 ツヤのある紫髪にほんのりピンクのメッシュのグラデーション、ツインテールの根本には白いふわふわのファーアクセ、口元にはテラテラのグロス。

 黒レースのトップスにピンクのミニスカ、網タイツに、脚にはガーター型の──謎のハーネス。

 そのいでたちは明らかに“地雷系女子”と呼ばれるものだった。

 

 思わずリュナは数歩引きながら、しゃがみ込む。

 

 「……おーい、大丈夫っすかー?」

 

 肩を軽くぺしぺしと叩くと、少女はゆっくりと目を開けた。

 

 「……そ……そこな娘……妾を……助けよ……」

 

 「…………いや、アンタ誰?」

 

 ジト目で問うリュナ。

 だって、怪しすぎるのだ。

 地雷感が服から滲み出てる上に、口調だけ“妾”とか言っちゃってるのも異常者ポイントが高い。

 

 「ちょ、まって。めちゃくちゃ怪しーんですけど?」

 

 「ゆ、ゆえあって……妾は今……力が出ぬのじゃ……」

 

 少女は胸元を押さえながら、ゼーゼーと喘ぎ、まるで舞台役者のように芝居がかった口調で続けた。

 

 「人里まで……運んでくれるだけで……構わぬ……何、タダとは言わぬ……相応の礼は……しよう……」

 

 (こりゃ本格的にヤベーヤツだな……)

 

 リュナは一瞬、本当に倒れてる人かもと思った自分を反省しかけたが──すぐにその同情心も引っ込んだ。

 

 「いや……礼とかいーから、アンタが何者か教えてくれないっすかね?」

 

 目を細めて見下ろすと、少女はぷるぷると指を震わせながら──

 

 「……いいから、いいから……近う寄れ……」

 

 弱々しく微笑んだ。

 

 (……あ、やっぱダメだこいつ)

 

 リュナは鼻で笑って、距離を取ったまま立ち上がった。

 

 「……言葉のキャッチボールの出来ないヤツっすね、アンタ……。」

 

 それでも少女は微動だにせず、草むらに倒れたまま、うるうるの瞳を向けて手招きを続けていた。



 「……ほんっと、しょうがないっすね……」

 

 ため息を吐きつつも、リュナは草むらに倒れた少女へと慎重に歩を進めた。

 無防備なふりして実はワナとか──そんな疑念が脳裏をよぎるほど、この地雷系少女の見た目と態度は信用ならない。


 けれど。

 見捨てる訳にもいかない。


 リュナが膝をつき、あと一歩のところで身をかがめた──その瞬間だった。

 

 「……へ?」

 

 パァン!!!

 

 乾いた音が辺りに響いた。

 

 少女の手に握られていたが、リュナの右頬をしっかり、真横に叩きつけたのだ。

 その威力はさして強くはなかったが、あまりの唐突さにリュナの思考が停止する。

 

 「……………は?」

 

 目をぱちくりさせる彼女の前で、少女はまるで物を捨てるように札束を地面にポトリと落とし──

 

 「ほれ、拾うがいい」

 

 と、あくまで上から目線で微笑んだ。

 

 「…………」

 

 リュナは無言で数秒、空を見た。

 そして目を閉じ、深呼吸。

 何かを堪えるように、黒マスクの奥で唇を噛み

 ──そして、

 

 すっ……と札束を拾い上げた。

 

 その手は微かに震えている。

 だが、表情は無だった。

 

 次の瞬間──

 

 スパァン!!!

 

 今度は、少女の頭に向けて、その札束がスナップと共に振り抜かれた。

 

 「グエッ!!」

 

 奇妙な悲鳴を上げ、少女は顔面から草むらに突っ伏す。

 ファーアクセがズレ、ピンクの髪に土がついた。

 だが少女はすぐにムクリと顔を上げ、スッとした目でリュナを見つめた。

 

 「……貴様、何をする」

 

 「それは、あーしのセリフだし!!」

 

 リュナの怒鳴り声が炸裂した。

 頬に残る札の感触をぬぐいながら、彼女はじりじりと迫る。

 

 「……テメェ、何いきなりヒトの顔面ハタいてくれちゃってんすか……!?」

 

 「なにを怒っておる?」

 

 少女は目をぱちぱちさせて、本気で疑問そうに首をかしげた。

 

 「札束で頬を叩かれるのは、全人類の夢じゃろ?」

 

 「知るか!!ヒトによるだろうが!!そんなもんは!!」

 

 リュナのツッコミが炸裂する。

 彼女は勢いよく、少女の胸ぐらを掴み――ひょい、と持ち上げた。

 

 細っこい身体は軽く、ひょろりと浮かび上がる。

 

 「……あーしはそんなもんいらねんだよ!」

 

 少女は持ち上げられながらも、じっとリュナの瞳を見つめ──

 

 「ほう……お主の“欲”は、別の所にある、と……。それはそれで、興味深いが……」

 

 と、ぽつりと呟く。

 

 だが次の瞬間、しれっと口角を上げて、

 

 「……おお、そうそう。その調子じゃ。そのまま妾を人里まで運ぶがよい」

 

 と、まさかの女王様ムーブ。

 

 リュナは、ぶら下がる少女の顔を見て──しばし沈黙。

 そして、深いため息をついた。



 「……この状況で、よくそんなエラそーな態度取れるっすね、アンタ……」

 

 呆れたようにそう言いながらも、リュナは掴んだ胸ぐらを放さない。

 ぬいぐるみのような軽さの少女を片手で支えたまま、草むらに立たせる。

 

 その時だった。

 

 少女の腰元──ベルトに下がっていた小さなポーチが、カサッと揺れた。

 

 コロン……

 

 「ん?」

 

 地面に転がり落ちたのは、ピンポン玉ほどの銀色の球体。

 草の合間にきらりと光るそれを見て、リュナはしゃがみ込む。

 

 「何か落ちたっすよ、これ……」

 

 少女をそっと草むらに座らせると、リュナはその銀色の玉を拾い上げた。

 

 「あっ……! それは……!」

 

 少女の声が、今までとは違う響きを帯びる。慌てたような、不安なような、どこか焦りの混じった声音だった。

 

 「んー……?」

 

 リュナは銀の玉をじっと見つめ、指先で丁寧にくるくるとアルミホイルを剥いていく。

 

 すると、中から出てきたのは――

 

 「……おにぎり、っすか?」

 

 ピンポン玉サイズの、小さな、小さな“おにぎり”。

 それは見た目こそ質素だが、表面は白米の美しい輝きが見られ、ほのかにスパイシーな香りが立ちのぼる。

 

 「……あれ? この匂い……」

 

 リュナは無意識に鼻を近づけ、くんくんと匂いをかぐ。

 

 その瞬間、ついさっき感じたばかりの感覚が、鼻腔の奥をくすぐった。

 香辛料のバランス、炒め玉ねぎの深み……そして、ほんのりとした酸味。

 

 「…………これ、まさか……」

 

 疑念が確信へ変わる前に、リュナは黒マスクを顎まで下ろし、“ぱくっ”と口に入れていた。

 もちもちとした米の中から、柔らかく溶けたルーと、刻まれた肉とじゃがいもがとろけ出す。

 

 「……これ、兄さんのカレーじゃね?」

 

 その味は、まさしく──

 アルドが作っていた、あの“特製カレー”の味だった。

 

 「……あ……ああああああーーーーーっ!!?」

 

 突然、少女が悲鳴を上げる。

 リュナが振り返ると、彼女は座ったまま、肩を震わせていた。

 

 「そ、それは……少しずつ……ほんの少しずつ……大事に食べていた……カレー……」

 

 震える声。

 

 「……妾の、最後の、ひとくちだったのに……!!」

 

 ぽろ、ぽろ、と。

 彼女の目から、涙が零れ落ちた。

 

 リュナは一瞬、時が止まったように凍りつく。

 

 「えっ……ちょ、マジで……? うそ……」

 

 あまりにも素直に泣かれてしまい、普段なら言い返す彼女の声も、完全に裏返った。

 

 「ご、ごめんって! いやホント、勝手に食べたのはあーしが悪かったよ!」

 

 両手をバタバタさせながら、リュナは慌てて少女の前にしゃがみ込む。

 

 「そ、それじゃ……その、これを“お礼”ってことにしよ? あーしが、人里まで連れてってやっからさ! な?」

 

 必死の宥めにも、少女の涙は止まらなかった。



 ◇◆◇



 「……許さぬ」

 

 少女が、ぐらつく膝でよろよろと立ち上がる。

 その顔は涙で濡れ、鼻も赤い。けれどその瞳だけは、ギラギラと怒気に燃えていた。

 

 「よくも……よくも妾の、最後の楽しみを……!」

 

 リュナはぽかんと、片眉を上げる。

 (また始まったっすか……地雷タイム)

 

 「……このカレーの価値も分からず、勝手に食いおって……!」

 

 少女の怒声が震える。

 

 「──貴様から……対価を""するッ!!」

 

 その瞬間、風が止んだ。

 森の空気が、ピンと張り詰める。

 

 「……!」

 

 リュナの眉がぴくりと跳ねる。



 (なんだ……!? コイツ……急に空気が変わったっす……!)

 

 さっきまでただのワガママ泣き虫だと思っていた相手が、まるで違う存在のように見えた。



 しかし──

 

 「……あっ!」

 

 少女が、突然ぽつりと呟いた。

 手は自分の右腿へと滑り、そこに巻かれた黒革のガーターベルトをさわさわとまさぐる。

 

 (し、しまった……!! 今は“魔神器セブン・コード”が無いのじゃった!!)

 

 心の中で、悲鳴を上げる。

 あれがなければ“契約”は行使できない。

 威圧だけで済ますはずだったのに、つい癖で“徴収”の構えを取ってしまった──!

 

 一方、リュナは。

 

 「……テメー、今、あーしに何しようとした……?」

 

 先ほどまでとは打って変わり、声に冷たさが混じっていた。

 その瞳は、まるで猛獣が獲物を測るような色をしている。

 

 「……“森で道に迷った一般人”って訳じゃなさそーっすね」

 

 その言葉と同時に、リュナの背中から──


 ぶわ、と音を立てて衣が膨らみ、黒銀の鱗に覆われた竜の“翼”が生える。

 肩甲骨のあたりから、さらに“腕”が生える。長く、しなやかで、爪の先には雷光がチリチリと走る。

 竜の力。人の形を模した獣の腕と翼が、異形のシルエットを描き出した。

 

 「っ……!?」

 

 少女の目が、恐怖と焦燥に揺れる。

 

 (こ、こやつ……!? ただの人間の小娘では……ない!?)

 

 風が鳴る。

 見合う二人の間に、葉が一枚、ふわりと舞い落ちた。

 

 (し、しまった……! 今の状態で攻撃の構えを取ってしまったのは、あまりにも迂闊うかつ……!)

 

 この森に漂う魔力の残り香。

 この女から感じる“竜の力”の強度。

 

 (ま、まさか……この者、あの“咆哮竜”の……!?)

 

 地雷少女の顔から、サーッと血の気が引いていく。

 一方、リュナはその反応を見て、わざと口元をニィと吊り上げた。

 

 「……で? “”んじゃなかったっすか?」

 

 翼を広げ、竜腕の一つを少女の顎に添える。

 まるで、挑発するように。

 

 「──やってみれば?」

 

 ぞわり、と。

 少女の背に、嫌な汗が伝う。



 ◇◆◇



 リュナの瞳が、冷たく細められた。

 

 「……お望み通り、“人のいる所”まで連れてってやるっすよ」

 

 言葉こそ穏やかに聞こえるが、その声音は、凍るような低さだった。

 竜の翼が微かに羽ばたくたび、周囲の空気がビリビリと揺れる。

 

 「ただし──“尋問対象”としてっすケド」

 

 竜腕の一本が、少女の頭上に向けて、ぬるりと伸びていく。

 本体は腕組みをしたまま、一歩も動かず。

 まるで──女王が、眼下の虫を摘まみ取るかのように。

 

 「はわわっ……!?」

 

 地雷系少女が情けない声をあげ、ぷるぷると後ずさった。

 (ヤバいヤバいヤバいヤバい……! ど、どうする!? では、此奴こやつには太刀打ちできん……!)

 

 がさっ。

 

 その時だった。

 森の奥から、風を割くような疾風が走る。

 

 「──お嬢様!!」

 

 その声は、鋭く、力強かった。

 

 リュナが目を細めて振り返る。

 その視界に飛び込んできたのは──

 

 黒髪を後ろで結い、燕尾服をまとった一人の男だった。

 白手袋に身を包んだ左手には、銀の鞘に収まった長剣。

 整った顔立ちには冷静な怒りが浮かび、その足取りはまるで風のごとく。

 

 「ベル!!」

 

 少女が、縋るようにその名を呼ぶ。

 男──は、ひと息に間合いを詰めた。

 

 「何っすか、アンタ!? この女の仲間っすか!?」

 

 リュナが、右の竜腕を男へと振るう。

 空気が裂け、爪が弾丸のように迫る──

 

 しかし。

 

 「……受けろ、

 

 ベルザリオンは、空中で静かに鞘に手をかけ──

 シュッと、わずか数センチだけ、銀の剣身が露わになった。

 

 次の瞬間──

 

 ギィィィィィン!!

 

 黒と銀の光がぶつかり合う。

 竜爪が、銀の刃に受け流され、火花のような雷が空間に散った。

 

 (コイツ……!!)

 

 リュナの表情に、僅かに驚愕が混じる。

 

 (あーしの“竜腕”を受け流した……!?
 ……なかなか腕の立つヤツっすね。)

 (それよりも……あの剣!!あれは、尋常じゃないっす……!)

 

 目の前の銀剣。

 それは、まるで“知っている気配”を宿していた。

 

 (……この感じ……まるで、兄さんみたいな……!)

 

 本能が告げていた。

 “あれには触れない方がいい”。

 

 「貴女は……の仲間……ですか?」

 「……お嬢様の御身に手をかけるとは、覚悟の上と見ました」

 

 ベルザリオンは少女の前に立ち、その身で庇うように構える。

 抜刀の構え──だが。

 

 「け……! 真竜!!」

 

 叫ぶと同時に、剣を抜こうとする。

 だが──

 

 「……なっ!?」

 

 剣が、鞘から抜けない。

 銀の刃が、震えていた。まるで拒絶するかのように。

 

 「アポクリフィスが……戦う事を、拒否している……!?」

 

 ベルザリオンの目に、混乱が走る。

 そして、リュナを見据え──

 

 「……まさか…!?」


 「──貴方は、“あのお方”の眷属けんぞく…なのですか?」

 

 “あのお方”。

 その言葉に、リュナの眉がピクリと跳ねた。

 

 「は……? 何言ってんすか、アンタら……!?」

 

 リュナはまだ、戦闘態勢を解かないまま、警戒の視線を二人に向けていた。

 

 その表情には、“訳の分からなさ”と“本能的な警戒”が、入り混じっていた。

 

 地雷系少女も、唖然とした様子でベルザリオンを見つめる。

 

 「な、なんじゃと……!? この小娘が……!?」

 

 森に沈む空気が、さらに張り詰めていく。



 ◇◆◇



 空気が、一瞬で静まり返った。


 空間に残る黒と銀の稲光がやがて消え、リュナの竜腕の一本が、空中で止まっている。


 目の前に立つ男──執事服に身を包んだ、『ベル』と呼ばれた青年が、尚も剣の鞘を握りしめ、慎重に剣を納めようとしていた。


 だが、その剣は、まるで抜けないかのように、鞘の中で震えている。



 「……何っすか、それ?」



 竜腕を一度引っ込めながら、リュナが半眼で問いかけた。

 口調は軽いが、背中の翼はまだたたまれていない。視線は、鋭いまま。


 青年──ベルザリオンは、手の中の剣を見つめたまま、小さく呟いた。



 「……間違いない……アポクリフィスが共鳴している……」



 そして、次の瞬間。



 「──はっ!」



 リュナが思わず身を引くほどの勢いで、ベルザリオンはその場に土下座した。

 地面に手をつき、顔を下げる。

 落ち着いたはずの空気が、今度は異様な静けさに包まれる。



 「さ、先程は、私と、私のあるじが大変、失礼致しました……!」



 ベルザリオンの声は、まっすぐで、切実だった。



 「どうか、御容赦下さい……!私達は、貴方様の“御主人様”にご用があって、この地を訪れたのです……!」


 「……ご、御主人様?」



 リュナは思わず眉をひそめた。 


 (今、“あーしのご主人様”って言った……?兄さんのこと……?)

 竜腕をゆっくりと引っ込め、翼も小さく羽ばたいて静かにたたむ。

 空気が柔らかくなったのを感じて、リュナは一歩前に出た。


 だが、その横では──


 「ふんっ」


 例の地雷系少女が、プイッと横を向いて口を尖らせていた。

 目にはまだ涙の跡が残っているが、どこかムッとした表情で腕を組んでいる。



 (なんなんすか、この子は……)



 リュナは心の中で思わず頭を抱えたが、すぐに目の前の土下座男に意識を戻す。

 ベルザリオンは顔を上げ、真っすぐにリュナを見据えた。

 その瞳に、迷いはなかった。



 「……どうか、貴方様の御主人様へ、御目通り願えないでしょうか」



 そこまで言って、少し息を整えたあと、彼は続けた。


 「──新・ノエリア領の領主、ブリジット様……」


 リュナは「えっ?」と顔をしかめた。


 「……そして……」


 ベルザリオンは、どこか神妙な顔で口を開いた。



 「……偉大なるカレー料理人……」


 「六場道三郎ろくばみちさぶろう殿に……!」



 その瞬間。



 「…………は?」



 リュナの脳内で、スッと何かがフリーズした。



 「……いや、二人目誰だよ……」
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