真祖竜に転生したけど、怠け者の世界最強種とか性に合わないんで、人間のふりして旅に出ます

難波一

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第五章 魔導帝国ベルゼリア編

第90話 アルド vs. 召喚高校生① ──雷神の刃、封じられた竜泡──

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風が止まった。空気が、ピンと張り詰めている。

 

眼前には、8人の少年少女。

みんな、揃いのような軍服を纏い、肩には装飾の少ない銀の徽章。

恐らく階級や組織名を示すものだろうが、俺の知識にはない。


──あれ?やっぱり8人だった。


気配は9つある気がしたんだけど……。

 

……ていうか。

 

(えぇ……まだ子供じゃん……)

 

全員が明らかに十代。

前世の俺と比較しても、明らかに遥かに若い。

身長、顔立ち、体格、肌の質感——どれを取っても、まだ“未成熟”の域を出ない。

一人だけ、明らかに気迫を放っている少年がいるけど、それでもたぶん、若い。

 

(高校生くらいの年齢か……?)

(それにしても、日本人みたいな顔立ちしてるな、この子達……)

 

遥か昔の記憶の中の教室で見てきたような顔だ。

文化祭の準備でワイワイしていた、制服姿の少年少女たち。

そんな、まだ幼さの残る顔立ちと、目の前の軍服姿が、どうにも不釣り合いに見える。

 

けど——

 

いや!たとえ高校生くらいの年齢だって、やっていい事と悪い事の判断くらいしなきゃダメだ!

見ず知らずの散歩中の犬(※犬ではない)をいきなり対物ライフルで撃つとか、Z世代とかいうレベルじゃない。Z戦士でもやらない。

 

俺の背後では、シャボン玉に包まれたグェルくんが、静かに警戒の唸り声を上げていた。

ポメちゃんの方は、若干戦意喪失してる感じもするけど、勇気を振り絞って震えながらも唸り声を上げてる感じ。

二匹とも、5メートルを超える巨体のフェンリル種だが、シャボン玉の中で大人しくしててくれてる。

けれど、彼らが攻撃に移ろうとしないのは、俺が意図的に「待て」をかけてるからだ。

無用な殺傷を避けたい。

俺は、“対話の余地”を信じてる。

 

だからこそ、俺は前に出て、彼らに声をかけた。

対話はする。だが、言うべき事は言う。

 

「……あのさぁ、君たち。」

「うちのグェルくんをいきなりライフルで狙撃するとか、どういうつもり?」

「当たってたら、怪我じゃ済まないのは分かるでしょ?冗談じゃすまないんだよ?」

 

言葉は穏やかに、だけど目は外さずに。睨むように見据えた。

子供だからといって、許されることじゃないよ、これは。

散歩中のヨソん家の犬を対物ライフルで撃つなんて、扮装地帯の過激派でもやらねぇぞ、と。

 

俺の言葉に、誰も反応しなかった。

わずかに風が通り抜ける。

数秒の沈黙——いや、“溜め”だ。次に来る行動のための。

 

それを破ったのは、隊の先頭に立っていた、一人の少年だった。

 

軍帽を被った鋭い目の少年。整った顔立ちに、冷たい意志が宿っている。

彼は、ゆっくりと俺に向かって歩を進めてきた。

無言のまま、視線だけを真っすぐ俺へと向けたまま。

 

あれ?俺から話しかけたのに、完全無視な感じ?

 

何も返ってこない。代わりに——

 

「……っ!」

 

少年の手が、腰のサーベルに触れた。

その瞬間、空気がビリビリと震えた。電気の走るような感覚。

鞘の中で、何かが“加速”している。

 

——ズバッ!!

 

閃光のような速度で、剣が抜かれた。


「あぶねっ。」


俺は反射的に上体を引いて、その一撃を回避した。

目の前の空間に、浅く刻まれた斬撃の軌跡。

雷光のような残滓が、空中に揺れている。

 

(……速いな、今の。剣速だけなら、あの時のと互角くらいの速さかも。)

(けど……ま、問題無いな。)



つーかさ、こっちが交渉の余地をある所を見せてやったってのに、問答無用で斬りかかって来る?普通。

 

彼は俺を見上げ、冷たい目をしたまま、剣を構え直す。

一切のためらいも、葛藤もない。

ただ“排除すべき対象”を見るような、機械のような視線。

 

いや、覚悟キマり過ぎでしょ、この子。

子どもに見えるけど戦闘狂集団なの?



いや、やっぱなんかおかしいぞ、この子達……!?

 
剣技も体裁も確かだ。でも、人間らしい“揺らぎ”が無い。

呼吸の深さも、筋肉の緊張も、意志の揺れも——無い。

まるで何かに突き動かされてるような、感情の奥行きがない行動。

 

俺の脳裏に、ふとよぎる可能性。

けれど確証はない。

ただ一つだけ、強く、はっきりと胸に残った。

 

——この子たちは、“普通じゃない”。

そして、ここはもう、平和的に済む場所じゃない。

 

「……はぁ」



俺は、小さくため息をついた。

 

「ったく……どーすっかね、これ……?」



 ◇◆◇



 目の前に立ちはだかる8人の若者達。

 皆、それぞれ手に武器を構え、こちらに敵意マンマンの視線を向けている。

 これが噂の"キレる若者"ってやつか!



 「……どけ!! 人の姿をした異形め!」

 

 その少年は、真正面から俺に歩み寄りながら、サーベルを振りかざしてきた。

 振るわれた言葉は、予想よりも遥かに鋭かった。

 まあ、言葉の内容自体は、その通りっちゃその通りではある。でも、そんなハッキリ言う?ちょっと傷つくんだけど。

 外見こそ高校生くらいだが、その瞳には恐れも迷いもない。

 

 「僕たちは……この先に進まなければならないんだ!」

 

 ぴたりと足を止め、サーベルの切っ先をこちらに突きつけながら、彼は言い切った。

 

 「元の世界へ、帰るために!!」

 

 ……は?

 

 その一言が、頭の中でこだまのように反響する。

 今、なんて言った……? 元の世界? 帰る?

 

 (……『元の世界へ帰る』……だって!?)

 

 咄嗟に眉をしかめる。胸の奥に、鈍い違和感が走る。

 

 (いや待て……それってまさか……)

 

 その瞬間、他の7人の少年少女も叫ぶ。

 

 「おおおっ!」

 「そうよ……! うちらはここで止まるわけにはいかないの!」

 「家に帰るまで立ち止まってられねぇんだよ!」

 

 それぞれが武器を構え、魔力を帯び、全員が戦闘態勢に入っていく。

 

 (っ……こいつら……まじで、日本からの転移者……!?)

 

 確信めいた予感が、肌の裏を這いずる。

 だが、そんな思考を割って入るように、後方から少年の声が上がった。

 

 「気をつけろ!一条の“雷鳴剣”を避けたぞ、そいつ!?」

 

 この子、一条って名前なのね。

 まんま日本の苗字じゃねーか。これは確定か?

 

 一条と呼ばれた少年はすかさず叫んだ。

 

 「久賀!! 西條!! 撃つんだ!!」

 

 次の瞬間、久賀と呼ばれた少年が、対物ライフルを肩に担ぐように構えた。

 長大な銃身からにじむ魔力に、嫌な予感がする。

 隣にいた西條という少年が、手をかざし、何かの魔法を込め始める。

 銃口が赤く、唸るように光り始めた。

 

 (これは……さっきより威力が大きそうだね。)

 

 引き金が引かれた。目測で10メートル。


 ───ドゥン!!!


 轟音が腹に響くのを感じる間も無い。

 高速で接近する破壊の塊を──俺は、右足でその弾丸を真上に蹴り上げた。



「どらっしゃァ!!」

 

 ガギィィィンッ!!

 

 衝撃と共に、弾丸は軌道を逸れ、トンネルの天井に突き刺さった。

 ズズッ……バキィン!

 石材が割れ、細かい砂利がぱらぱらと降り注いでくる。

 

 俺は小さく息を吐いて、前の少年達を睨み返す。

 あっぶないなぁ……俺じゃなかったら死んでるよ?これ。
 
 まあ、俺は受けても多分ダメージは無いと思うけど、跳弾が誰かに当たると危ないからね。


 そのまま睨みつけると、あの一条って子の目には、まるで“怪物”でも見るような鋭さが宿っていた。


「アンチ・マテリアル・ライフルの弾丸を、蹴りで………!?」

「──化け物め……!」

 

 ……なあ……俺、普通に人型だよな?

 

 まじまじと自分の手を見る。

 肌の色も、骨格も、喋り方も──この子達と大差ないはずだ。

 

 (なのに、なんでだ……)

 

 なぜ、日本から来たはずの彼らが、見ず知らずの人間相手に、ためらいもなく引き金を引けるんだ?

 

 (おいおい、どうなってんだ……)

 

 頭の片隅で、どこかが軋む。

 見えてるはずの“当たり前”が、目の前の現実と合致しない。

 

 しかも、さっきから戦いに向かう目をしてるくせに、その裏にある“何か”が異様なんだ。

 感情の熱が、どこか空虚だ。

 “やる気”に見せかけた、命令された人形のような……

 
 背筋が冷たくなる。


 けれど俺は、ゆっくりと深呼吸して──言葉を投げた。

 

 「……いや、だからさぁ」

 

 静かに、だけどはっきりと。

 

 「こっちが話し合いで平和的に解決しようとしてるのに、なんで問答無用で仕掛けてくんの?」

 

 背後で、シャボン玉のような魔力障壁に包まれていたグェルくんとポメちゃんが、同時に「フンッ」と鼻を鳴らす。

 二匹とも、完全に“戦闘モード”だ。

 

 「確かに、俺も君達の人形を壊しちゃったかもしれないけどさ。分かってると思うけど、先に襲ってきたの君らだからね?」

 

 一条が無言でサーベルを構え直す。

 それを見て、俺は再び思う。

 

 (ダメだ……この子ら、聞く耳持ってない)

 

 子どもっぽいけど──こいつら……割と本気で殺しに来てるよな。


 ──この世界に召喚された、恐らく日本の高校生たち。

 元は普通の若者だったはずの彼らが、なぜこんな風になっているのか。

 答えはまだ、見えてこなかった。

 

 だが──わかることが一つある。

 

 “これ以上、問答しても無駄だ”ということ。

 

 俺は、小さく首を鳴らすと、構えを取った。

 

 「……はあ。やれやれ」

 

 目の前の8人に向けて、小さく呟く。

 

 「とりあえず、とっ捕まえて話を聞くしかないのか?」

 

 トン、と地を踏む。

 戦闘の幕が、静かに上がった。



 ◇◆◇



──さて、と。

 

(とりあえず、まだ子どもだし……いきなりぶん殴るのもアレだしな。捕まえて、いろいろ聞き出すか)

 

俺は深く息を吐き、指先を軽く鳴らす。

 

「"竜泡ドラグ・スフェリオン"。」

 

透明な膜が弾けるように、僕の周囲にシャボン玉が次々と膨らみ始めた。

トンネルの空気がほんのわずかに湿り、泡の中に魔力の虹色がきらめく。

囲い込むように、ゆっくりと浮かび上がる“泡の檻”。

これで、軽く拘束するだけだ。

多少の動きは取れるが、逃げられない。

 

("竜泡"で包んじゃえば、内側からも外側からも何も出来ないからね。安全に捕獲できる!)

 

だが、そのときだった。

 

「佐倉ッ!! このシャボン玉はヤバい!! “封じて”くれ!!」

 

隊長らしき少年──あの一条少年が、後方に向かって怒鳴った。

 

「……りょーかいっ!」

 

返事をしたのは、派手な金髪をハーフアップにした、ギャルっぽい女子。

ピンクのグロスが光る唇を引き結び、すぅぅ、と息を大きく吸い込んだ。

 

「"封印呪法スフラギータ"!!」

 

その瞬間。

空気が“沈んだ”。

いや──息が、止まった。

 

彼女が息を止めた途端、俺の“泡”が──パチン、と破裂した。

一つ、二つ、三つ……次々に、膨らんでいた泡が弾けていく。

まるで、誰かが針で突いたように。

 

「……!?」

 

後方で守っていたグェルくんとポメちゃんの周囲に展開していた泡も、同時に割れた。

ポメちゃんが

「あわわわ!?泡が割れちゃいました~!?」

と不思議そうに呟き、グェルくんは

「アルド坊ちゃんのスキルを……!?あの人間達の仕業なのかッ…!?」

と、地面に着地し戦闘態勢を取る。

 

俺は目を見開いたまま、口をついて出た言葉は──

 

「──ウソだろ……!?」

 
信じられない……!


このスキル、"竜泡"は本来、真祖竜の魔力によって半物理化した、謂わば、『人智を超えた力』だ。


それが……

 

(あの女の子のスキル……“息を止めてる間だけ、相手のスキルを封じる”って感じか……!?)

(やば。これ……マジで"チートスキル"じゃん!!)

 

まさか、真祖竜のスキルが、一時的にとはいえ、人間の手によって止められるなんて……

正直、かなり想定外だった。


そんなことが出来る人間が、この世界にいるなんて……


──この世界の人間じゃないから、出来たのか?
ひょっとして。
 

でも。

 

(……封じられてるのは、《竜泡》だけみたいだな)

 

他の感覚は正常。魔力の流れも制限されていない。

俺は軽く首を回しながら、目の前に立つ一条と名乗っていた少年を見据える。

向こうもまた、俺を警戒しながら構えを解かない。

後ろでは、まだ息を止めている佐倉という少女が、顔を真っ赤にしながら“封印”を続けていた。

 

「……へぇ。やるね」

 

自然と、そう呟いていた。

内心では、かなり驚いていた。でも、表情は崩さずにいる。

 

だって、こっちは“大人”なんだから。

 

(さて……どうしたもんかな)

 

これまでの相手と違いすぎる。


相手は、こっちの言葉に聞く耳を持たない、恐らく日本からの転移者であろう高校生達。

力に任せて全員ぶちのめしてしまうのは簡単だろうけど、それは俺の中のモラルが許さない。


一旦、状況を整理しよう。


要するに、
全力で殺しにかかって来るこの子達を、極力ケガさせないようにスマートに無力化し、かつ、背後にいるグェルくん&ポメちゃんにも決して傷は負わせず、この場をなんとか丸くおさめる。


よし、これが俺の勝利条件だ!


──いや、結構むずくない?
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