真祖竜に転生したけど、怠け者の世界最強種とか性に合わないんで、人間のふりして旅に出ます

難波一

文字の大きさ
95 / 257
第五章 魔導帝国ベルゼリア編

第93話 第二王子グェル② ──漢になるんだ。今、ここで。──

しおりを挟む
 それは、谷間の里に激震が走った日だった。

 空を引き裂くような咆哮が響き渡ると、警鐘の遠吠えが幾重にも重なり、フェンリルたちの里全体が戦闘態勢に入った。


 「来たか……“裏切り者”が」


 グェルは小さく呟いた。

 兄・フレキ。

 フェンリルの王家に生まれ、己の強大な魔力を嫌い、人間に加担して姿を消したオス


 ──そして今、よりにもよって“人間の女”を2人連れて戻ってきた。


 「みんな、聞けッ!! これは我らが誇りの問題だ!」


 “百の牙”の面々が、グェルの号令に雄叫びで応えた。

 そしてグェル率いる"百の牙"は、フェンリルの里の地下"試練の闘技場"で、一人の少女と戦う事となる。



 黒マスクを付けた褐色の少女、リュナ。


 ──咆哮竜ザグリュナ。


 その力の一端を初めて目の前で見た時、グェルは理解した。


 「勝てるわけがない」と。


 地を割るような一歩一歩。

 背中から伸びる黒銀の“竜の腕”が、一振りするだけで地面ごと味方を薙ぎ倒し、"百の牙"の仲間たちは次々と気絶していった。

 

「くっ……まだだ、まだやれる……!」

 

 震える声で叫びながら、グェルは喉奥に魔力を込めた。


「合体魔法——"獣雷断界ケルヴォルク"、展開ッ!!」

 

 獣雷の魔力陣が地に走り、数十頭の仲間と意識を繋げる。

 それは、フェンリル族最強の連携術の一つ。

 自分たちの誇りを結晶にした一撃……の、はずだった。

 

 だが。

 

「——ふーん。」

 

リュナが小さく鼻を鳴らし、口を開いた。

 

「『動くな』。」

 

 竜の咆哮が、言葉に乗せて響き渡る。

 静かに呟かれたその言葉と共に、グェルたちの魔法陣が、粉々に砕け散った。

 魔力の波動が、煙のようにかき消えていく。

 

「そ、そんな……っ!?」

 

 グェルの膝が、力を失ったように崩れる。

 

(うそだ……ボクたちの合体魔法が、“咆哮”ひとつで……?)

 

 信じた力が、無様に砕け散った。

 味方は皆、焦点の合わない目で動きを止めている。

 辛うじて意識を保てているのは、もう自分だけ。

 けれど、自分も……もう、立ってなどいられない。

 

 リュナが、静かに歩み寄ってくる。

 その一歩一歩が、地響きのように思える。

 

 目の前に迫る、圧倒的な“強さ”。

 

(ああ……やっぱり、ボクは……)

(王族のくせに、魔力は兄様より低くて……)

(統率で這い上がっただけの、ダメなヤツなんだ……)

 

 全身が震えた。

 震える足では立つのもやっと、震える脚で情けなく踏ん張るしかなかった。

 

 そして。


 「『おすわり』っ!!」


 死を覚悟した時、響いたリュナの声。

 それは、命ではなく、戦意のみを奪う咆哮だった。

 ぺたんと尻餅のように座り込む。


 ——じわりと、足元が温かく濡れた。

 

「あ……」

 

 膀胱の感覚が消えていたことに、ようやく気づいた。

 誇りも、威厳も、何もかもが流れ出ていくようだった。



「クッサ……まずは"トイレトレーニング"から始めなきゃっすね。」



 冷たく吐き捨てる様にリュナが言う。

 己の不甲斐無さが、グェルの心を抉る。
 


 ——ぐすっ。

 ——ぽろ……ぽろ。

 

 涙が溢れた。

 声にならない嗚咽が、喉の奥で震える。

 顔を上げる勇気もなく、ただ地面を見つめながら、グェルはぽつりと呟いた。

 

「ボク……なんで、こんなにも……弱いんだろう……」

 

 優しい兄を馬鹿にして。

 強くなろうとあがいて。

 必死に、誇りを保とうとしたのに。

 

 全部、無意味だった。

 

 強さの本質を前に、自分の全てが、粉々に砕かれていく——。



 ◇◆◇



 ——グェルの目に、涙がにじんでいた。


 震える肩、力なく垂れた尻尾。

 あれだけ誇り高かったはずのフェンリル部隊"百の牙"の隊長が、今や地に崩れ、己の不甲斐なさに嗚咽している。

 

 その様子を、リュナは黙って見ていた。

 口元からずり落ちていた黒マスクを、ひとつ小さく息を吐いて引き上げ、ふたたび口を覆う。

 

 ——そして、ズカズカとグェルに歩み寄るや否や。

 

 バシンッ!!

 

「いてっ!?」

 

 音も鮮やかに、グェルの頭にリュナの平手が飛んだ。

 

「泣いてんじゃねーっすよ。」

 

 声に、微かに怒気が混じっていた。

 

「アンタ、オスだろ? フェンリルの王族だろ? なにその情けない顔は?」

 

「で、でも……ボクは……兄様みたいな魔力も、才能も……何もないから……っ」

 

 グェルは涙ぐみながら、ぽつぽつと呟く。



「兄様は……なんでも持ってる。古き慣習を捨てて、新しい世界に踏み出す勇気も……」

「でも……ボクは……弱いから……皆を守れる自信なんて……ッ」

 

 言葉の最後は、ほとんどかすれた。

 伏せた視線の奥で、黒曜石のような瞳が、揺れていた。

 

 リュナは、その顔をしばらく黙って見下ろしていた。

 そして——。

 

「うらっ!!!」

 

 ドガッ!!

 

「ぐへっ!?」

 

 乾いた衝撃音がグェルの頭蓋を打ち抜いた。

 リュナの右脚がきれいに伸び、鋭角の踵落としが、フェンリル王子の頭頂部を襲ったのだった。

 

 ゴスンッと音を立てて地面に突っ伏したグェルが、よろよろと顔を上げる。



「な、なにするんですかぁ……」

 

 泣き言混じりの声を聞きながら、リュナは鼻を鳴らす。

 

「いいかブタ犬、よう聞けっすよ?」

 

 マスクの下で、にやりと口角が上がる。

 

「あーしは、元・フォルティア荒野の主、咆哮竜ザグリュナだ。」

「そんなあーしの蹴り受けて、まだ喋ってるアンタが、弱いわけねーだろーが!!」

 

「……へ?」

 

「しかもなぁ? さっきの部下たちもそうっすよ。」

「手加減してっけどよ、あーしの竜腕や蹴りで即死しねぇ連中なんざ、そうそういねぇっての。」

 

 グェルの耳が、ぴくりと動く。

 

「なーにが“兄様みたいな才能がない”だ。ヘタレてんじゃねーっすよ。」

 

 リュナは腕を組んで、ふんと鼻で笑った。

 

「才能がないなら、鍛えりゃいーじゃん。」

「強くなりたいなら、強くなる努力すりゃいーじゃん。」

「王族が聞いて呆れるっつの。泣いてうずくまって、“ボク弱いんで”とか。ガキっすか、テメーは。」

 

 言葉は乱暴だったが、その芯は温かかった。

 

「……でも、ボク、本当に強くなれるのかな……?」

 

 その呟きに、リュナは鼻を鳴らした。

 

「なれるっしょ。」

 

 間髪入れず、強く、確信を込めて言った。



「ヘタレそうになったら、あーしが蹴り入れてでも気合い入れてやんよ。」

「だから、あーしに蹴り入れられたら『気合い入れて貰ってる!』と思って、どんなに痛くても『お礼』を言うよーに!分かったっすか?』

 

 そして——マスクの下で、にやりと笑った。

 それはまるで、母親が我が子の背中をぐいっと押すような、厳しくも優しい微笑だった。

 

 グェルの胸が、じんわりと熱くなる。

 

(あれ……なんだろう、この気持ち……)

(叱られたの、初めてなのに……)

 

 どこか、懐かしいような——温かいような。

 幼い頃、母に抱かれた記憶はない。

 母のぬくもりを知らないグェルにとって、このリュナの叱責と励ましは、“愛情”という名の雷鳴のような衝撃だった。

 

(ボク……もう少し、頑張ってみたい……)

 

 ただ、頷くのが精一杯だった。

 だがその瞳には、ほんの僅かに、決意の光が宿っていた。



 ◇◆◇



 フォルティア荒野の夜は、かつてよりもずっと穏やかになった。

 それは、咆哮竜ザグリュナが静かにトップを降り、跡を継いだ者たちが争いではなく、未来を選んだからだ。


 そして——。


 月明かりに照らされた崖の上、小さなフェンリルの影が、一人黙々と魔力の操作を繰り返していた。

 

 グェル・フェンリル。かつて「百の牙」を率いた隊長は、今やただの一匹の修行者に戻っていた。

 

 「ふんっ……!」

 

 大きな身体に魔力が集中していき、毛皮に覆われた肉体の表面が、震える様に波打っている。


 その瞳には迷いがない。ただ、ひたすらに。

 

 ——リュナ様を守れるくらいの、強いオスになりたい。

 

 それが、今のグェルのすべてだった。

 

 自分は兄様のように優しくも、器もない。

 アルド坊ちゃんの様な圧倒的な強さもない。

 けれど、だからこそ思った。

 あのマスクの少女が、笑っていられる未来を。あの蹴りを、これからも、もらえる未来を。

 

 「……に、しても……」

 

 跳躍を止めたグェルが、こそっと尻尾で汗を拭いながら呟く。

 

 「……やっぱり、“抱っこされたい”って理由、変だったかなぁ……」

 

 ふと脳裏に浮かんだのは、兄フレキとのある会話。

 

 ——『なんで、“縮小”スキルを覚えたいの?』

 ——『り、リュナ様に抱っこされたいからッ!!(照)』

 

 言ったあと、全力で後悔した。だが兄は、柔らかく笑って「そっか」と一言だけ返してくれた。

 

 (……兄様の“縮小”スキルは、身体の質量ごと圧縮して、パワーは衰えないまま、サイズだけを縮める技……)

 (魔力総量の少ないボクにこそ、うってつけのスキル。だけど──)

 (ボクにあの真似は難しい……でも……)

 

 「……ボクにしかできない“圧縮”が、きっとあるはずなんだ」

 

 魔力が少ない自分には、精密な魔力制御こそが最大の武器。

 自分の全魔力の流れを細部に渡ってコントロールし、戦闘に適した形へと昇華させる。

 そして、フレキとは違う形での“変化”を手に入れる。それが今の目標だった。

 

 そのために頼ったのが——最近、新たに開拓団に加わった、とあるチャラい魔王だった。

 

 

 ◆◇◆

 

「ちょいちょい! グェルくん?また魔力が拡散してるぞ~。集中~集中~!」

 

 フォルティアの南端、溶岩の窪地跡。

 そこに、サングラスをかけたツーブロックの男——ヴァレン・グランツが立っていた。

 

 その傍らで、グェルが小さく唸る。

 

 「は、はい、ヴァレン様ッ! でも、圧縮したつもりでも……すぐ暴走するんです……!」

 

 「うーん。ま、派手さがないヤツほど地道に努力するしかないからね。地道は美徳だぜ?」

 

 口調は軽いが、ヴァレンの指導は意外なほど的確だった。

 

「なにしろ、魔力ってのは"感情"と密に繋がってるからな。リュナのこと想ってる時の方が、魔力の波長、綺麗だったぜ?」

 

「なっ!? ヴァ、ヴァレン様、ち、ちがいますッ……!」

 

 真っ赤になるグェルの額に、ヴァレンはぴとりと手を当てた。

 

「嘘つけ~。 ピュアピュアなのはすぐバレるって。……いいじゃねぇか。誰かを想って強くなれるって、マジで尊いぜ?」

 

 

 その言葉に、グェルはぎゅっと前足を握った。

 

 自分の魔力量は、他の王族と比べれば少ない。

 けれど——自分にしかない武器がある。

 自分は、まだ”完成していない技”を、つかもうとしている。

 

(兄様の“縮小”とは違う……)

(ボクは、“圧縮した魔力で身体の形状そのものを戦闘に適した形に変化させる”……)

 

 まだ名前はない。形も未完成。

 けれど、それが完成した時——

 グェルは、かつての自分とはまるで違う存在になるだろう。

 

 

 「ふんっ!!」

 

 グェルの大きな身体が、全身隅々まで魔力を行き渡らせ、身体全体が薄く光る。

 

 その肉体が、僅かに圧縮され、形状を変えた。

 

「おっ、今のはいいじゃん? それそれ。集中すればできるじゃないか、グェルくん!」

 

「ボクは、ボクの戦い方で……!」

 

 息を切らしながらも、グェルの目には確かな光が宿っていた。

 その小さな背中に、微かに影が差す。

 

 未完成のスキルは、今まさに——覚醒の寸前だった。

 

 その名もまだ知られぬ技は、やがて来る戦いの中で、新たな閃光となって咲く。

 

 そしてそれは、かつて涙に濡れていた子犬が、自分の手で掴み取った最初の“誇り”になるのだった。


 色欲の魔王、ヴァレン・グランツは、その姿を見ながらサングラスの奥で目を細める。



 「──頑張れよ、グェルくん。キミみたいなキャラが、好きなコの為に頑張る展開が……一番アツいんだ。」

 

────────────────



 フォルティア荒野の地下トンネル。

 壁面を走る光るラインが照らす薄明かりの中。

 そのただ中に、黒と白の異形が、静かに立っていた。

 顔は、完全にハト。

 全身は、漆黒の燕尾服(タキシード)に身を包み、紳士的なポーズで片手を胸元に当てているが、その所作はどこか粘着質で不気味だった。


「ホロッホー……」


 首を斜めにかしげて、ピッジョーネは、カツカツと靴底を砂地に突いて笑った。

 ——見た目こそ滑稽だが、立ち上がる魔力の気配は、明らかに“魔王四天王”。

 場違いなほどの威圧感が、空気を重く染めていた。

 対するは、小さな黒パグ……の姿をしたフェンリル王族、グェル。

 その横には、体毛を逆立てたポメラニアン型のフェンリル、ポルメレフが控えている。

 グェルは小さな鼻をくんくんと鳴らし、周囲の魔力の流れを慎重に見極めていた。

 背中には汗が滲んでいる。鼻の頭にまで緊張の光が浮かぶ。

 けれど、目だけは——まっすぐに、相手を見据えていた。


 (この感覚……覚えてる。以前、フェンリルの里にやってきた"魔王四天王"至高剣・ベルザリオンと同じプレッシャー……ッ!!)

 (本来なら、ボクなんかが太刀打ちできる相手じゃあない……!)

 (でも、逃げたくない。ボクはもう……)



「行くぞッ、ポルメレフ!」



 グェルは叫んだ。
 声は裏返りそうになったが、それでも、全身にこもる決意が言葉を震わせていた。


「ボクは……ここで、強いオスになるッ!!」


 叫びとともに、グェルの瞳がキリッと引き締まる。

 けっして美形ではない。むしろ、愛嬌たっぷりのパグ顔のままだ。

 だが——

 その表情には、紛れもない“王族の矜持”が宿っていた。


「はいな!隊長~!」


 ポルメレフが嬉しそうに唸る。

 もこもこした体毛を震わせ、牙をむき出しにして吠えた。


「隊長がそこまで覚悟決めたなら、ウチだって頑張っちゃいますよ~!」


 グェルは小さく頷いた。

 風が止む。

 静けさが広がる地下トンネルの中——

 二頭のフェンリルと、一羽の異形の魔人が、ついに対峙した。


 そして、物語は動き出す。


 王族の名を背負う、パグ型フェンリル・グェルの、“漢”としての戦いが、今、始まる。
しおりを挟む
感想 52

あなたにおすすめの小説

足手まといだと言われて冒険者パーティから追放されたのに、なぜか元メンバーが追いかけてきました

ちくわ食べます
ファンタジー
「ユウト。正直にいうけど、最近のあなたは足手まといになっている。もう、ここらへんが限界だと思う」 優秀なアタッカー、メイジ、タンクの3人に囲まれていたヒーラーのユウトは、実力不足を理由に冒険者パーティを追放されてしまう。 ――僕には才能がなかった。 打ちひしがれ、故郷の実家へと帰省を決意したユウトを待ち受けていたのは、彼の知らない真実だった。

婚約破棄された翌日、兄が王太子を廃嫡させました

由香
ファンタジー
婚約破棄の場で「悪役令嬢」と断罪された伯爵令嬢エミリア。 彼女は何も言わずにその場を去った。 ――それが、王太子の終わりだった。 翌日、王国を揺るがす不正が次々と暴かれる。 裏で糸を引いていたのは、エミリアの兄。 王国最強の権力者であり、妹至上主義の男だった。 「妹を泣かせた代償は、すべて払ってもらう」 ざまぁは、静かに、そして確実に進んでいく。

家族転生 ~父、勇者 母、大魔導師 兄、宰相 姉、公爵夫人 弟、S級暗殺者 妹、宮廷薬師 ……俺、門番~

北条新九郎
ファンタジー
 三好家は一家揃って全滅し、そして一家揃って異世界転生を果たしていた。  父は勇者として、母は大魔導師として異世界で名声を博し、現地人の期待に応えて魔王討伐に旅立つ。またその子供たちも兄は宰相、姉は公爵夫人、弟はS級暗殺者、妹は宮廷薬師として異世界を謳歌していた。  ただ、三好家第三子の神太郎だけは異世界において冴えない立場だった。  彼の職業は………………ただの門番である。  そして、そんな彼の目的はスローライフを送りつつ、異世界ハーレムを作ることだった。  ブックマーク・評価、宜しくお願いします。

白いもふもふ好きの僕が転生したらフェンリルになっていた!!

ろき
ファンタジー
ブラック企業で消耗する社畜・白瀬陸空(しらせりくう)の唯一の癒し。それは「白いもふもふ」だった。 ある日、白い子犬を助けて命を落とした彼は、異世界で目を覚ます。 ふと水面を覗き込むと、そこに映っていたのは―― 伝説の神獣【フェンリル】になった自分自身!? 「どうせ転生するなら、テイマーになって、もふもふパラダイスを作りたかった!」 「なんで俺自身がもふもふの神獣になってるんだよ!」 理想と真逆の姿に絶望する陸空。 だが、彼には規格外の魔力と、前世の異常なまでの「もふもふへの執着」が変化した、とある謎のスキルが備わっていた。 これは、最強の神獣になってしまった男が、ただひたすらに「もふもふ」を愛でようとした結果、周囲の人間(とくにエルフ)に崇拝され、勘違いが勘違いを呼んで国を動かしてしまう、予測不能な異世界もふもふライフ!

「お前は無能だ」と追放した勇者パーティ、俺が抜けた3秒後に全滅したらしい

夏見ナイ
ファンタジー
【荷物持ち】のアッシュは、勇者パーティで「無能」と罵られ、ダンジョン攻略の直前に追放されてしまう。だが彼がいなくなった3秒後、勇者パーティは罠と奇襲で一瞬にして全滅した。 彼らは知らなかったのだ。アッシュのスキル【運命肩代わり】が、パーティに降りかかる全ての不運や即死攻撃を、彼の些細なドジに変換して無効化していたことを。 そんなこととは露知らず、念願の自由を手にしたアッシュは辺境の村で穏やかなスローライフを開始。心優しいエルフやドワーフの仲間にも恵まれ、幸せな日々を送る。 しかし、勇者を失った王国に魔族と内通する宰相の陰謀が迫る。大切な居場所を守るため、無能と蔑まれた男は、その規格外の“幸運”で理不尽な運命に立ち向かう!

元おっさんの俺、公爵家嫡男に転生~普通にしてるだけなのに、次々と問題が降りかかってくる~

おとら@ 書籍発売中
ファンタジー
アルカディア王国の公爵家嫡男であるアレク(十六歳)はある日突然、前触れもなく前世の記憶を蘇らせる。 どうやら、それまでの自分はグータラ生活を送っていて、ろくでもない評判のようだ。 そんな中、アラフォー社畜だった前世の記憶が蘇り混乱しつつも、今の生活に慣れようとするが……。 その行動は以前とは違く見え、色々と勘違いをされる羽目に。 その結果、様々な女性に迫られることになる。 元婚約者にしてツンデレ王女、専属メイドのお調子者エルフ、決闘を仕掛けてくるクーデレ竜人姫、世話をすることなったドジっ子犬耳娘など……。 「ハーレムは嫌だァァァァ! どうしてこうなった!?」 今日も、そんな彼の悲鳴が響き渡る。

田舎農家の俺、拾ったトカゲが『始祖竜』だった件〜女神がくれたスキル【絶対飼育】で育てたら、魔王がコスメ欲しさに竜王が胃薬借りに通い詰めだした

月神世一
ファンタジー
​「くそっ、魔王はまたトカゲの抜け殻を美容液にしようとしてるし、女神は酒のつまみばかり要求してくる! 俺はただ静かに農業がしたいだけなのに!」 ​ ​ブラック企業で過労死した日本人、カイト。 彼の願いはただ一つ、「誰にも邪魔されない静かな場所で農業をすること」。 ​女神ルチアナからチートスキル【絶対飼育】を貰い、異世界マンルシア大陸の辺境で念願の農場を開いたカイトだったが、ある日、庭から虹色の卵を発掘してしまう。 ​孵化したのは、可愛らしいトカゲ……ではなく、神話の時代に世界を滅亡させた『始祖竜』の幼体だった! ​しかし、カイトはスキル【絶対飼育】のおかげで、その破壊神を「ポチ」と名付けたペットとして完璧に飼い慣らしてしまう。 ​ポチのくしゃみ一発で、敵の軍勢は老衰で塵に!? ​ポチの抜け殻は、魔王が喉から手が出るほど欲しがる究極の美容成分に!? ​世界を滅ぼすほどの力を持つポチと、その魔素を浴びて育った規格外の農作物を求め、理知的で美人の魔王、疲労困憊の竜王、いい加減な女神が次々にカイトの家に押しかけてくる! ​「世界の管理者」すら手が出せない最強の農場主、カイト。 これは、世界の運命と、美味しい野菜と、ペットの散歩に追われる、史上最も騒がしいスローライフ物語である!

この聖水、泥の味がする ~まずいと追放された俺の作るポーションが、実は神々も欲しがる奇跡の霊薬だった件~

夏見ナイ
ファンタジー
「泥水神官」と蔑まれる下級神官ルーク。彼が作る聖水はなぜか茶色く濁り、ひどい泥の味がした。そのせいで無能扱いされ、ある日、無実の罪で神殿から追放されてしまう。 全てを失い流れ着いた辺境の村で、彼は自らの聖水が持つ真の力に気づく。それは浄化ではなく、あらゆる傷や病、呪いすら癒す奇跡の【創生】の力だった! ルークは小さなポーション屋を開き、まずいけどすごい聖水で村人たちを救っていく。その噂は広まり、呪われた女騎士やエルフの薬師など、訳ありな仲間たちが次々と集結。辺境の村はいつしか「癒しの郷」へと発展していく。 一方、ルークを追放した王都では聖女が謎の病に倒れ……。 落ちこぼれ神官の、痛快な逆転スローライフ、ここに開幕!

処理中です...