悪徳女弁護士はリア充に嫉妬する

とものりのり

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悪徳女弁護士はタピオカドリンクを飲んでみたい

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私の名前は坂上涼子28歳。独身で弁護士をやっている。

最近興味があるのはタピオカドリンクだ。
去年だか一昨年だったかに流行ったが、ミーハーな感じが恥ずかしくて手を出せなかった。未だに飲んだ事が無い。

今ならブームも過ぎ去ったので店員からもただのタピオカドリンク好きだと思われるだろう。

あの太いストロー、底に沈んだ豆みたいなの。多分あれがタピオカ本体なのだろう。オシャレだ。オシャレすぎる。あれを飲みながら公園を歩いたら私もオシャレになれる気がする。

でも、ブームが去ったとは言えあのオシャレな飲み物は私にはまだハードルが高いのかもしれない、、

「そうか、なるほど」
独り言が出てしまった。
普通の人は興味のある物にはすぐに飛びつくのよ。こんなあれこれ考えながら足を止めたりしないはず。

そう、タピオカドリンク一つ買うくらい普通にやれば良い。そう、普通に普通に普通にしてれば良い。いざとなったら弁護士バッジを見せれば良い。こんな時のために弁護士資格を持ってるんだから。

近所のカフェへ行ってみる。

席に着くと若い女性店員が注文を取りに来る。常に笑顔で客である私をまっすぐ見つめている。凄く仕事熱心なのだろう。
でもここはやる気のないおじさん店員が望ましかった。

「ふぅぅぅ」
ゆっくり息を吐き出す。普通に注文すれば良い。誰も気に留めない日常の一コマだ。普通を装って、、いや、私は普通のはずよ。
「タキザワドリンク1つ」

しまった!気負いすぎて噛んだ。いや、言い間違えた。学生時代バスケ部の部長の私よりオシャレで人気者で輝いていた副部長のタキザワがこんな所で邪魔をしてくるとは!

店員は頭にはてなマークを浮かべた表情でこちらを見ている。
流石に学生ではタピオカドリンクをタキザワドリンクと言い間違えた事には気付かないか。おそらくベテラン店員であれば何も無かったかのように「タピオカドリンク1つですね」と復唱して来ただろう。

ここで「タピオカドリンクを1つ」と言えばタピオカドリンクをタキザワドリンクと言い間違えた事がバレる。これは恥ずかしい!弁護士バッジを見せるか?いや、ここじゃない!

そして私は普通を装って言った。
「オレンジジュース1つください」
「オレンジジュース1つですね。かしこまりました。少々お待ちください」

私にはタピオカドリンクはまだ早かったようだ。
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