フードデリバリー配達員をやっていたら異世界に自由に行けるようになったので、日本からいろいろな物をデリバリーして大金持ちを目指します!

クレール・クール

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黒龍

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「これが陛下からの贈り物だよ」

 アルフォンスさんが取り出したのは、豪奢な意匠がほどこされた金色の鍵。黒い龍が巻き付いているデザインで、ゲームなら明らかに最後の戦いに向かおうという頃に手に入るような雰囲気の鍵……といえば伝わるかな。

「これは?」

「見ての通り、鍵だね」

「いや、それは分かりますけど」

「その龍は、初代国王が討伐したと言われている黒龍だよ。なんでも、その時の龍の素材がいまだに王家には保存されていて国宝にもその素材が使われている物がいくつかあるんだそうだ」

「へえー黒龍ですか。それは凄い……って、まさか?この鍵に使われてたりしないですよね」

「ははは、さすがにそれはないと思うよ」

「よかった。そんな物を渡されたらどうしようと思いましたよ。それで、この鍵はなんなんですか?」

 国王からの贈り物っていうくらいだし、もしかしたら宝箱でも贈られてきてて、その鍵だったりするのかな? 金銀財宝がザックザクでウッハウハ。モルタの件の贈り物だろうし、そのくらいはあってもおかしくはないよな。

「うん、じゃあ実際に行ってみようか。エリシャも準備はできているな?」

「はいお父様。いつでも参れますわ」

 ん? 宝物庫てきな所に行くのかな?

 で、なぜかまた馬車の中。

 マジリハ湖のほとりをガタゴト揺られていく。

「なんか、ドナドナされてる気分なんだけど」

 サエちゃん、俺もだよ。

 馬車はさらに走ることしばし。広い湖の外周をゆっくりと進んでいく。マジリハの町にやってきてしばらく経つけど、こんなにこっちにきたのは初めてだ。

 ガタゴト道がしだいにきれいに整備された道に変わり、小さな林を抜けるとそこには大きな屋敷が構えれられていた。

「あ、あの門、黒龍の形だ」

「うむ。代々王家の方々がご療養で使われる屋敷だからな。王家の象徴である黒龍が屋敷の者を守るという意味合いがあるらしい」

「え、でも初代国王に黒龍は討たれたんですよね? その黒龍が王家を守るんですか?」

「倒れる前に心を入れ替え、国王陛下に死後も永遠の忠誠を誓ったのだそうだ。だからかは知らないが、黒龍の素材で作られた物には黒龍の加護が宿っているのだそうだ」

「なるほど、そうなんですね」

「さあ、この鍵で屋敷の門を開けてくれたまえ」

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