52 / 266
四 照魔の鏡
8
しおりを挟む
串矢さんに案内されて、僕は家の二階に上がった。階段を上がってすぐのところにある部屋を串矢さんは視線で示し、
「ここが、娘の部屋です」
と言った。
「……入っても大丈夫でしょうか?」
「必ずノックをしてから入るようにと言われています。そうすれば、問題ないと思います」
串矢さんは部屋の扉をノックすると、
「真奈、入るわよ」
とやや大きな声で部屋の中に呼びかけた。串矢さんが扉を開け、僕はそれに続いた。部屋の中は綺麗に整頓されており、奇抜なものもない、普通の女の子の部屋、という印象で、それが逆に意外だった。
「――真奈。こちらが笹岩楓さん。新しい家庭教師の方よ」
串矢さんの言葉に反応して、部屋の右奥の勉強机で本を読んでいた少女がこちらを向く。
美しい少女だった。可憐よりも秀麗という形容の方が相応しいように思える。目はやや吊り上がっており、それでいて黒目が大きい。顔の骨格はすっきりと細く、白い肌にやや色素の薄い腰まで伸びた黒髪が絶妙に映えている。
「――初めまして、笹岩 楓です。今日からよろしくお願いします」
僕が挨拶すると、少女――真奈さんはゆっくりと立ち上がり、
「串矢真奈。真奈でいいよ。せんせー」
「ここが、娘の部屋です」
と言った。
「……入っても大丈夫でしょうか?」
「必ずノックをしてから入るようにと言われています。そうすれば、問題ないと思います」
串矢さんは部屋の扉をノックすると、
「真奈、入るわよ」
とやや大きな声で部屋の中に呼びかけた。串矢さんが扉を開け、僕はそれに続いた。部屋の中は綺麗に整頓されており、奇抜なものもない、普通の女の子の部屋、という印象で、それが逆に意外だった。
「――真奈。こちらが笹岩楓さん。新しい家庭教師の方よ」
串矢さんの言葉に反応して、部屋の右奥の勉強机で本を読んでいた少女がこちらを向く。
美しい少女だった。可憐よりも秀麗という形容の方が相応しいように思える。目はやや吊り上がっており、それでいて黒目が大きい。顔の骨格はすっきりと細く、白い肌にやや色素の薄い腰まで伸びた黒髪が絶妙に映えている。
「――初めまして、笹岩 楓です。今日からよろしくお願いします」
僕が挨拶すると、少女――真奈さんはゆっくりと立ち上がり、
「串矢真奈。真奈でいいよ。せんせー」
0
あなたにおすすめの小説
逃げた弟のかわりに溺愛アルファに差し出されました。初夜で抱かれたら身代わりがばれてしまいます💦
雪代鞠絵/15分で萌えるBL小説
BL
逃げた弟の身代わりとなり、
隣国の国王である溺愛アルファに嫁いだオメガ。
しかし実は、我儘で結婚から逃げ出した双子の弟の身代わりなのです…
オメガだからと王宮で冷遇されていたので、身代わり結婚にも拒否権が
なかたのでした。
本当の花嫁じゃない。
だから何としても初夜は回避しなければと思うのですが、
だんだん王様に惹かれてしまい、苦しくなる…という
お話です。よろしくお願いします<(_ _)>
お好きになさって下さい、私は一切気にしませんわ
Kouei
恋愛
婚約者のクレマンド様は、いつも私との約束を破ってばかり。
理由は決まって『従妹ライラ様との用事』
誕生日会にすら来なかった彼に、私はついに告げた。
「どうぞ、私以外のご令嬢をエスコートするなり、お出かけするなり、関係を持つなり、どうぞお好きになさって下さい。私は一切気にしませんわ」
二人の想いは、重なり合えるのだろうか ……
※他のサイトにも公開しています。
織田信長 -尾州払暁-
藪から犬
歴史・時代
織田信長は、戦国の世における天下統一の先駆者として一般に強くイメージされますが、当然ながら、生まれついてそうであるわけはありません。
守護代・織田大和守家の家来(傍流)である弾正忠家の家督を継承してから、およそ14年間を尾張(現・愛知県西部)の平定に費やしています。そして、そのほとんどが一族間での骨肉の争いであり、一歩踏み外せば死に直結するような、四面楚歌の道のりでした。
織田信長という人間を考えるとき、この彼の青春時代というのは非常に色濃く映ります。
そこで、本作では、天文16年(1547年)~永禄3年(1560年)までの13年間の織田信長の足跡を小説としてじっくりとなぞってみようと思いたった次第です。
毎週の月曜日00:00に次話公開を目指しています。
スローペースの拙稿ではありますが、お付き合いいただければ嬉しいです。
(2022.04.04)
※信長公記を下地としていますが諸出来事の年次比定を含め随所に著者の創作および定説ではない解釈等がありますのでご承知置きください。
※アルファポリスの仕様上、「HOTランキング用ジャンル選択」欄を「男性向け」に設定していますが、区別する意図はとくにありません。
「お前を愛することはない」と言われたお飾りの妻ですが、何か?
あんど もあ
ファンタジー
「お前を愛することはない!」「そんな事を言うために女性の寝室に押し入ったのですか? もう寝るつもりで化粧を落として髪をほどいて寝着に着替えてるのに! 最っ低!」
仕事大好き女が「お飾りの妻最高!」と恋愛感情無しで結婚したらこうなるよね、というお話。
いつまでもドアマットと思うなよ
あんど もあ
ファンタジー
二年前に母を亡くしたミレーネは、後妻と妹が家にやって来てからすっかり使用人以下の扱いをされている。王宮で舞踏会が開催されるが、用意されたのは妹のドレスだけ。そんなミレーネに手を差し伸べる人が……。
与兵衛長屋つれあい帖 お江戸ふたり暮らし
かずえ
歴史・時代
旧題:ふたり暮らし
長屋シリーズ一作目。
第八回歴史・時代小説大賞で優秀短編賞を頂きました。応援してくださった皆様、ありがとうございます。
十歳のみつは、十日前に一人親の母を亡くしたばかり。幸い、母の蓄えがあり、自分の裁縫の腕の良さもあって、何とか今まで通り長屋で暮らしていけそうだ。
頼まれた繕い物を届けた帰り、くすんだ着物で座り込んでいる男の子を拾う。
一人で寂しかったみつは、拾った男の子と二人で暮らし始めた。
異世界からの召喚者《完結》
アーエル
恋愛
中央神殿の敷地にある聖なる森に一筋の光が差し込んだ。
それは【異世界の扉】と呼ばれるもので、この世界の神に選ばれた使者が降臨されるという。
今回、招かれたのは若い女性だった。
☆他社でも公開
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる