文明トカゲ

ペン牛

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五 似姿の恋

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(ここか……すごいな)
 廃ビル、としか形容しようがないビルだった。窓は割れ、壁はひび割れ、よく見るとあちこちに落書きがしてある。
 携帯のライトを点けると、それを明かりにして中へ入っていく。ごみが落ちている以外はがらんとしていて、目立ったものはない。
 ――上の階から、かすかに人の声が聞こえた。携帯のライトで足元をしっかりと照らしながら、慎重に、だが急いで階段を探す。
 特に何事もなく階段は見つかった。足音を殺して上っていくと人の声はどんどん大きくなっていき、三階まで上ったところではっきりと聞き取れるまでになった。泣き叫ぶような、低い男の声。
「私には力がある! このトカゲを殺すのに十分な力がな! だというのに何故貴様は死なん!? 何故耐えられる!? おかしいだろう!? そうだ! こんなことはおかしい!」
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