文明トカゲ

ペン牛

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六 完全の家

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「あ」
 呆気に取られたような顔で梓が振り返る。満面の笑みでこちらに携帯のカメラを向けている迷塚さん。
「――隙あり」
(あぁ――なんだかよくわからないけど、僕らは今、終わったんだな)
 直後、再び真蛇と化した梓を辛うじて鎮めてから、僕達は解散した。

 自分のアパートで夕食を食べ終え、携帯を確認すると梓からメッセージが来ていた。
『楓、怒ってない?』
『怒ってないよ。そんなに気にしなくても大丈夫だから』
『だって、冷静になって考えたら私すごいことしちゃったって……』
 確かに今日の梓はすごかった。というか人間を超えていたような気がしたが、どうか僕の見間違いだと思いたい。トカゲというものを知ってから日に日に現実は不安定になっていく。梓にはできる限り、その揺らぎの外にいてほしかった。
『そもそもあれは迷塚さんが暴走気味だったのが大きいし』
『うーん、でも……あ、先輩から何か変な連絡とか来てない? 大丈夫?』
 確かに僕は今日迷塚さんと連絡先を交換した。少し不安には思ったが梓の大学の先輩ということなら断れない。
『大丈夫だよ。それに迷塚さんは困った人だけど悪い人じゃないし』
 少し時間が空いて、
『……やっぱり楓は楓だね』
 と返信が来た。さて、どう返信しようかと考えていると、
『や~、今日は美味しい情報ありがとぉ~、楓ちゃんは今あずさんとイチャイチャしてるところかな? もしピンポイントで邪魔できたんならやったぜ☆』
 迷塚さんから頭の痛くなるメッセージが来た。
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