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八 懐旧の澱
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(……いいなぁ)
外気で冷やされる頭とは対照的に体は露天風呂のお湯で温められる。モノトーンのように鮮明な寒暖差がなんとも快い。
お湯に浸かったまま周囲を見渡すと、露天風呂だけではなく浴室内にあるものとは違うタイプのサウナ、そして釜風呂があるようだった。
(釜風呂、か。入ったことないし、空いたら入ってみようかな)
釜風呂は流石に二つしかなく、両方とも入っている人がいた。とはいえ別に急いでいるわけでもない。露天風呂のお湯は温度も低いし、このまま浸かって待っていても問題はないだろう。
(……温泉って、こんなにいいものだったんだな。子供の頃はわからなかった)
両親と温泉に行った時はどんな風だっただろうか。思い出そうとして、まるでブレーカーが落ちるように、やめた。あぁ、あの時僕は、永遠に脳裏から消し去ってしまいたいものを見たのだ。
(……過去のことは過去のことだ。別にもう、どうだっていい)
お湯で顔を洗う。流石に体が熱くなってきたので露天風呂の縁に腰かけて体を冷やす。そういえばまだ空を見上げていなかったな、と思い出し、首を上に向ける。
雲の城が薄く被さった、透明な青。
外気で冷やされる頭とは対照的に体は露天風呂のお湯で温められる。モノトーンのように鮮明な寒暖差がなんとも快い。
お湯に浸かったまま周囲を見渡すと、露天風呂だけではなく浴室内にあるものとは違うタイプのサウナ、そして釜風呂があるようだった。
(釜風呂、か。入ったことないし、空いたら入ってみようかな)
釜風呂は流石に二つしかなく、両方とも入っている人がいた。とはいえ別に急いでいるわけでもない。露天風呂のお湯は温度も低いし、このまま浸かって待っていても問題はないだろう。
(……温泉って、こんなにいいものだったんだな。子供の頃はわからなかった)
両親と温泉に行った時はどんな風だっただろうか。思い出そうとして、まるでブレーカーが落ちるように、やめた。あぁ、あの時僕は、永遠に脳裏から消し去ってしまいたいものを見たのだ。
(……過去のことは過去のことだ。別にもう、どうだっていい)
お湯で顔を洗う。流石に体が熱くなってきたので露天風呂の縁に腰かけて体を冷やす。そういえばまだ空を見上げていなかったな、と思い出し、首を上に向ける。
雲の城が薄く被さった、透明な青。
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