文明トカゲ

ペン牛

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九 望遠の楯

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「そっか――やっぱり、私って、駄目だね」
 何もかもが穏やかな声だった。そこには怒りや妬み嫉み、そういった負の感情は一切なく、ただ事実を事実として見る静寂があった。
「……私も、聞いていいですか?」
 真奈さんが、梓のことをまっすぐに見つめて言った。
「あ……ちょ、ちょっと待って! ラーメン! ラーメン伸びちゃうと美味しくないから、食べ終わるまで、ね?」
 真奈さんは梓の言葉に一瞬不快そうに目を細めたが、すぐに自分もカップラーメンの残りを食べ始めた。二人は黙々とカップラーメンを食べる。僕もそれに続く。
(真奈さんが梓に聞きたいことって一体……)
 僕には想像がつかない。本当に僕のことが好きなのか、とか、覚悟はあるのか、とかそういったことだろうか?
 最初にラーメンを食べ終え、カップを置いたのは梓だった。その後に僕、そして真奈さんと続いた。
「ご馳走様、楓」
「……せんせー、ご馳走様」
「あぁ、うん。お粗末様でした」
 食事が終わると、真奈さんはローテーブルの上で両手を握り締めて言った。
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