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十 文明と影
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初めて降りるバス停。初めて向かう名前も知らない川沿いの空き地。そこに行けば僕は終わるとわかっている。あぁ、だがそれは、今までもそうだった。絶対の死地。人間ではどうしようもない絶望の中に何度も放り込まれて、それでも今こうして生きている。ならば、あるいは今度も、生きて戻る道があるのではないだろうか、と。
(……この考えが間違っていたとしても、僕は行かなければならない)
携帯で法山が送ってきた住所を確認する。ここから歩いて十分もない。歩みを進める。もうすぐだ。もうすぐそこに、僕のために用意された破滅の姿が――
「――やぁ、よく来たね。楓」
空き地は想像していたよりも狭かった。土と砂と石とわずかに生えた草、潰れた空き缶にペットボトルに吸い殻。およそ意味を見出せるもののない開けた空間に、
「……佐治、さん」
力を抜いて立っている法山と、跪いている佐治さん。僕にとってあまりにも鮮明な意味を持つ二つの人の形が立っている。
一体この場で何が起きたのか。想像することはできる。むしろ容易だ。だが、僕はその想像を許容したくない。
佐治さんはまだ銃を握っている。玩具だとわかっていても威圧されるような、巨大で美しい暗黒の銃。
「もう、わかっているだろう?」
柔らかな声で法山が僕に問いかける。佐治さんは法山に頭を垂れたまま、身じろぎもしない。
「――佐治は、僕には勝てなかった」
(……この考えが間違っていたとしても、僕は行かなければならない)
携帯で法山が送ってきた住所を確認する。ここから歩いて十分もない。歩みを進める。もうすぐだ。もうすぐそこに、僕のために用意された破滅の姿が――
「――やぁ、よく来たね。楓」
空き地は想像していたよりも狭かった。土と砂と石とわずかに生えた草、潰れた空き缶にペットボトルに吸い殻。およそ意味を見出せるもののない開けた空間に、
「……佐治、さん」
力を抜いて立っている法山と、跪いている佐治さん。僕にとってあまりにも鮮明な意味を持つ二つの人の形が立っている。
一体この場で何が起きたのか。想像することはできる。むしろ容易だ。だが、僕はその想像を許容したくない。
佐治さんはまだ銃を握っている。玩具だとわかっていても威圧されるような、巨大で美しい暗黒の銃。
「もう、わかっているだろう?」
柔らかな声で法山が僕に問いかける。佐治さんは法山に頭を垂れたまま、身じろぎもしない。
「――佐治は、僕には勝てなかった」
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