政略カップルと切ない王子様

まび

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出会い

王子?!

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なんか多部君と話しながらかなり長い道を歩いてたら
2時間目には教室に着いた
私あの道に出るまであんな長い距離走ったっけ?
数学の先生には怒られるけど
まぁ、2時間目についてよかった
古典の授業はつまんないけど
すると
前の席の優奈から手紙がまわってきた
開くと

[あんたなんで遅刻したくせに学園の王子と登校してんのよ?!]

学園の王子?
誰?

[誰それ]

優奈にそう書いて送ると
優奈がいきなり振り返った
「え」
唖然となる教室
「愛梨、学園の王子のことも知らんの?!」
でもそんなことは無視して言う優奈
優奈が言った瞬間 
「え」
って声も聞こえたけど
そんな有名なの?
そして優奈がまた口を開こうとした時
「桐魏さんしずかに」
先生が注意した。



キーンコーンカーンコーン
ガサッ
私が机にノートを直していると。
「なーに呑気にノート直してんのよ」
「優奈」

優奈がコツンと頭を小突いてきた

「とゆーかあんた学園の王子も知らないわけ?」
またそれ?
授業中ずっと考えてたけどやっぱ思い当たる人いないし。
「だれ?」

はぁー

また優奈は朝のようなため息をつく
「ほらあそこにいるじゃん」
優奈が指さしたのは窓際の席。
私がそっちを見ると
サラサラの髪
整った顔
聞こえてくる寝息はどこか低い………



って

多部君?!

「多部君?!」
マジか
多部君がこの学園の王子だったとは…
まぁ確かに
カッコいい?とは思うけど…
「っね、かっこいいでしょ」
優奈が威張ることではないけどね
そんなことを呟きながらも
やっぱり多部君が学園の王子という事実に驚いていた。
「で、なんで王子と登校してんのよ」
コツ
また小突いた。
優奈これ癖じゃない?
「なにって、道に迷ったらなんか教室まで案内してくれた」
「にしてはおそくなかった?」
え…
いやそんなこと言われてもさ
道が長かっただけでしょ
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