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第八話 出会い
しおりを挟むスクルド召喚から数日後、俺は今図書館へ向かっている。
当初の予定では召喚を行なった次の日から図書館に通い続けるはずだったのだが、フレアさんから。
「学校がない間はギルドのルールを覚える為に依頼を受けてもらうぞ」
との事で、俺は連日ギルドの依頼を受けていた。
そして今日は初登校の前日、学校の準備もあるだろうからという事で今日は依頼を受けなくていいことになっている。
正直、今更行った所で どうにもならないだろうと思ったが、家に居てもする事が無いので図書館に行くことにした。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
ピークスの町にある図書館
ピークスの町は学校に近い事もあり、普段は学生が勉強の為に訪れたり、教授が資料を求めて立ち寄ったりとそこそこ人がいるそうなのだが、今日は平日の午前中という事もあって人の姿は見えなかった。
「そういえば俺、図書館って初めてかも」
「ヤマトは図書館で勉強って感じじゃないもんね」
「余計なお世話だ」
「それで今更何の本を読みに来たの?」
「とりあえず、リベラルの歴史に関する本を探そうと思ってる」
「へぇ~、そんな事知らなくても生きていけるのにヤマトは殊勝だね~」
「いやいや、案外重要だと思うぜ。歴史ってのは」
「そんなもんかね」
「そんなもんだ」
スクルドは興味なさげにそう答え、ふらふらと何処かに行ってしまった。
「とりあえず俺は歴史に関する本棚を見つけるとするか・・」
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
探し始めてから数分後、
俺はあることに気づいた。
この図書館は本の種類によって本が分けられていないという事を。
これで一体どう探し出せばいいんだよ・・
少なく見積もっても五万冊はあるぞ・・
俺が本を手にとっては戻す。手にとっては戻すという作業を続けていると、不意に背後から声を掛けられる。
「あの・・・どの様な本をお探しですか・・?」
「?!え、えーと、歴史に関する本を探してて・・」
弱々しい声の主は小柄な女性で前髪が目を隠す様に伸びた女性だった。
「ごめんなさい・・・どうやら驚かしてしまったみたいで・・・歴史の本ならあちらにあるので・・・案内しますね」
「すいません、ありがとうございます」
「図書館は・・・始めてですか?」
「はい、あまり立ち寄る機会がなくて・・・」
決して間違えたことは言ってない筈。
「だと思いました・・・ここの図書館は特殊で・・・整理整頓を簡単にする為に・・ルーンで管理されているので・・・読みたい本のルーンを見つけなくては・・・いけないのです・・ルーン文字は・・・本棚に書かれているので・・・それを参考にしてください」
この世界ではそんな事もできるのか・・
そういえばルーンっていうと地球で単語は聞いたことあるけど・・・魔術に属するんだっけ?
後でスクルドに聞いてみるかな。
「歴史の本なら・・・ここです」
「ありがとう、助かったよ」
「いえ・・感謝される様な事では」
「いやいや、そんな事ないぞ。あのまま探し続けたら俺は全ての本を確認してたからな!」
「そうですか・・・なら良かったです・・では・・・私はこれで・・失礼します」
「ああ、助かったよ。ありがとう」
彼女は去り際に小さくお辞儀をして足早にその場を去って行った・・・
そういえば彼女・・・声を掛けてくれた時全く気配を感じ取れなかったけど・・・もしかして幽霊?
「それはないから安心しなー」
「ひっ!!なんだお前かよ・・・急に心を読むな!」
「ごめんねー、なんだか面白そうな事考えている人がいるなーと思ったから」
「これそんなに面白い事か?」
「さぁ?どうだろうね?」
さあ?ってお前自身の感性じゃねぇか、
「でも、ここで面白い事が一つ起こったんだよねー」
「はぁ?なんのことだ?」
「フフフ♪♪楽しみだなー!」
「??」
その後、俺はその本を借りて家に帰った。
スクルドの言ってる事は理解できなかったが、大体適当な事を言っているので、俺は深く考える事はしなかった。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
「それでどうでしたか?図書館は?読みたい物が見つかりました?」
「ああ、親切な人のおかげで見つかったよ」
今俺たちは夕食を食べている。
夕食での会話の内容は図書館についてだった。
「親切な人?それって前髪がとても長くて小柄な方じゃないですか?」
「そうだけど・・知り合いか?」
「はい!というか、クラスメイトですね!私とリリアの」
「そうだったのか!というか、リリアって学校行ってたの?普段家にいるけど・・・」
ここ数日間俺が家にいる時はずっと家にいた気がするけど、もしかして不登校?
「ヤマトが一人じゃ心配でね、リリアには学校を休んで貰ってたの」
「え?!そうだったの?悪い事したな・・・」
「いえ、私はそこそこ成績が良いので数日学校に行かなくても問題ないです」
それはなんか違う気がするなー
「そういえばそのクラスメイトも今日は学校の筈だろ?なんで行ってないんだ?」
「ユウナは成績優秀者ですから、実習さえ出てれば良いんですよ!」
「そんな事あるの?俺の行く学校は?」
「ありますよ!一応私とリリアもそうなんですけど、出席しといた方が良いこともあるんで出席してますが」
やっぱりこの二人はハイスペックなんだな、
ルナはパッと見た感じは普通の女の子だけど、中々器用に物事をこなすし、
リリアは見るからに普通じゃないからな。
「多分ヤマトさんも私達と同じ待遇になると思いますよ!テスト次第ですが」
「それじゃあ、俺は無理だな」
だって何もこの世界について知らないもん。
テストとか解ける気がしない。
「世の中案外上手く行くものですよ、ヤマト様」
「それはごく一部の人間だけだから・・」
全く・・こいつらは何を根拠にそんな事を言っているんだ?
それにしても・・ユウナか・・随分と縁があるみたいだな
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
翌日、俺は今、これから通うであろう学校の正門前にいるのだが・・・
「この学校すごいな・・・」
東京ドーム何個分だろ?
なんて事を考えてしまうくらい広い敷地だった。
「私も最初はここの広さに驚きましたよ!なんせ校舎はギルドより小さいのに、校庭は迷いの森並みに大きいですから!」
「しかも、昇降口まではご親切に森になっていますからね、魔物侵入を防ぐ為とか言ってますが、これ新入生は迷子で酷い目にあいますよ」
「とりあえず進みましょう、早くしないと約束の時間に遅れますから」
「そうだな」
俺たちは暫く森の中を歩く、
迷いの森とは違い道がしっかりあるので良いのだが、それでも毎朝ここを通ると考えると若干嫌になってくる。
よく見て見ると森の至るとことに魔法陣が描かれている。
おそらく魔物が侵入した時の為の物だろう。
そんな物騒な森を10分程歩くと森の出口が見えた。
「さぁ!あそこが出口ですよ!」
俺たちはルナの指差す出口に向かう、
すると森を抜けた先に一人の男性が怠そうに立っていた。
髪はボサボサでシワのたくさんついた白衣、くわえ煙草に少しずれた眼鏡。
いかにもダメな大人の雰囲気を醸し出していた。
「よぉ、遅かったじゃねぇかルナ」
「あれ?時間には間に合ってると思いますが・・」
「あれ?そうだっけ?まぁ、ルナの言うことだからな。あってるだろ」
適当過ぎやしませんかね?
「待ち合わせの時間とかそんなことはどうでもいいや。時間もあんましねぇしな」
「早速始めようぜ、クラス分けテスト。新入生のヤマト君」
そう言いその男は突然、俺に氷柱を飛ばしてきた。
俺は咄嗟にその氷柱を炎の壁でガードする。
「ほぅ、中々いい反応速度だ。これはフレアも唸るわけだ」
男は感心したように言葉を続ける。
「さぁ、ルールは簡単だ。どちらかが降参すればテストはお終い。その結果次第でクラスは決めよう」
・・・なるほどね、俺なら成績優秀者になれるってそういうことか
上等じゃねぇか・・やってやるよ!!
俺は右手に魔力を集中させる
次第に俺の右手の指輪が赤く光り始める。
「さっきは不意を突かれて挨拶がわりに氷柱を貰っちまったからな・・そのお返しに俺はあつ~い斬撃をプレゼントしてやるよ!!」
指輪が変化を始める。
そして指輪は一振りの炎を纏った刀に変わった。
「へぇ、珍しい武器を使うんだな。だが、その挨拶は受け取れないな」
「まあまあ、そんな事を言わずに受け取って下さいよ」
両者共にその場を駆け出し、距離を詰める。
こうして、カンザキ・ヤマトの少し遅めのクラス分けテストが始まった・・・
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