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霊晶
しおりを挟む(なんで水晶玉?)
「この水晶玉は触れた人間の霊力の多さによって色が変化する霊晶というものです」
「霊力が少ない順に」
赤→橙→黄→緑→青→藍→紫
「というふうに色が変わります。」
「赤の濃い色と橙の薄めの色が平均で黄が良い方」
「ちなみに俺は」
中村先生が霊晶に触れる。すると、さっきまで透明だった霊晶が黄色に変わった。
「おっ、すげぇ黄だ!」
「へぇー、面白そう!」
「これも試験だからな、霊力が多ければ評価も高くなる」
「うわ、俺大丈夫かな」
「俺、紫だせるかもw」
「じゃ、名前呼んだら前に出て霊晶に触れろ」
「田中 健」
「お、俺からか」
男の子が教卓の前に立ち水晶玉に触れる
水晶玉は橙の少し薄めの色に変化した
中村先生は名簿のようなものに何かを書き込んでいく
「佐藤 優真」
次の人は霊晶の色が赤に変化した。
「上田 大輔」
次の人は薄めの赤に変化した。
次々と名前が呼ばれていく。今のところ黄が出た人が1人、他は赤か橙だった。
(水流園さんは私は霊力が多いって言ってたな、黄になるのかな)
────そして
「月出 こはく」
私の番になった。
「え、月出ってあの!?」
何故か周りがザワザワし出した、みんなの視線が痛い。
(これみんなに見られながらやるの、嫌だな…)
私は早く終わらせようとすぐに席を立ち教卓の前へ行き、水晶に触れた
すると、水晶の色が濃いめの青に変わった
『えっ!?』
「え、やばくね?」
「まぁ、月出家だし」
「霊晶がおかしくなった説ない?w」
私は困惑して先生の方を見る、先生も目を見開いて驚いていた。
が、すぐに最初の気怠げな表現に戻った
「次、日下 結」
次の人の名前が呼ばれたってことは水晶の判断は正しかったってこと?
私は自分の席に戻った
結ちゃんが水晶に触れると、水晶玉の色は緑になった
「おぉ、こっちもすげぇ」
「2回連続で霊力多すぎだろ、やっぱあの水晶がおかしいんじゃね?」
「お前ひねくれてんなぁ」
「はい、次」
結ちゃんがピースをしながら戻ってくる。
「いぇーい」
「こはくちゃん凄いね青って」
『ありがとう、結ちゃんも凄いけどね』
「んふふ」
「私たちこれ受かるんじゃないかな」
『んーどうだろ実技と面接があるからね…』
『もし2人とも受かってたら仲良くしてね』
「もちろん」
その後も色んな人が水晶に触れるが大体の人が赤か橙だった。
「風弥 豹牙」
中村先生が名前を呼んだ、恐らくこの人で最後だろう
水晶に触れる
色は濃い黄に変わった
「チッ」
何か不服だったのか、不機嫌そうな顔をしている
「よし、これで全員終わったな。席に戻れ」
そう言われ男の子が席に戻ろうとする、その途中で私の横に来て私を睨みつけたあと
「チッ」
舌打ちをして席に戻って行った。
(私なんかした!?)
「おぉ~バチバチだねぇ」
「こはくちゃんもガン飛ばしてみたら?」
『そんなことしないよ』
「あははっ」
「じゃ、次は実技試験するんで各自体育館シューズを持って受験番号順に並んで俺についてきてください」
先生はドアを開け、教室を出て行った
みんな言われた通りに急いで受験番号順に並び先生についていく
『実技試験って何するのかな?』
小声で後ろにいる結ちゃんに聞いた。
「多分、基本四術がどの程度できるのか確認するんだと思う」
「こはくちゃんは基本四術はどれくらい使える?」
『私は治癒以外なら使えるよ』
「身体強化がちょっと下手だけど結界張るのにはかなり自信あるよ」
『結ちゃんは?どれくらい使える?』
「私も治癒以外ならある程度できるかな」
「私は身体強化が得意で結界張るのが苦手なんだよね」
『私と真逆だね』
「スリッパを脱いで体育館シューズを履いて体育館に入ってください」
喋っている間に目的地についたらしい、実技試験は体育館で行われるようだ。
「脱いだスリッパはそこの透明なやつに入れといて」
私はスリッパを脱いで透明なカゴの中にスリッパを入れ、邪魔にならないように端の方でしゃがんで体育館シューズを履いていた。
─────ドンッ
『いたっ』
誰かがぶつかってきた。
私は誰とぶつかったのか確認するために上を見上げた
「お前邪魔、ボサっとしてんなよ」
ぶつかってきたのはさっき私を睨みつけてきた男の子だった。確か名前は風弥 豹牙
『すみません…』
ぶつかったので一応謝っておく。
「チッ」
風弥豹牙は私にぶつかったことを謝るわけでもなく舌打ちをして体育館の中に入っていった
(なに!?アイツ!)
怒りが沸々と沸き起こる
「こはくちゃんどうかしたの?」
『いや、なんでもないよ…』
「体育館入ろう」
『うん』
私は結ちゃんの後に続いて体育館に入った。
───────────────────
番外編【こはく・豹牙】
『初めて名前聞いた時から思ってたんだけどさ』
「あ゙ぁ゛?」
『風弥 豹牙って』
『刻み生姜みたいだよね』
「殺すぞ」
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