異世界ドア

ゆきの子

文字の大きさ
1 / 6

プロローグ1〜磯本千尋という少年〜

しおりを挟む
この俺、磯本千尋は、両親の遺伝子の奇跡とも言える混血の産物だ。母親はイギリス人であり、父親は日本人だった。その結果、日本人の顔立ちに、母親からの遺伝で金髪を持って生まれた。

「ねぇ、なんであんなに変な髪色なの?」

「金髪ってめずらしいね」

同じ小学校に通うクラスメイトたちは俺の髪色に興味津々だったが、それは友達になるきっかけにはならなかった。彼らは俺を異端視し、だんだんと遠ざけていった。

金髪―それは俺を特別な存在にしてくれる一方で、同時に様々なトラブルを引き寄せる原因ともなった。日本社会においては、異国の風貌は異端視されがちだ。

子供ながらに人々の興味や嫉妬の視線を感じいた。時には羨望のまなざしもあれば、嫌悪の視線もある。だが、その中で俺は自分を見失わずにいた。

「ねぇ、何でみんなは髪が金髪だからって変な目でみてくるの?」
「大丈夫!千尋は何も変じゃないよ」

俺は母親に何度も相談をしていた。
そんな心の支えとなっていた両親も俺が8歳の時に交通事故で他界した。
子供ながらに俺は全てが嫌になっていた。
友達もいない、家族もいなくなった。

絶望という感情を幼くして覚えた。

俺を育てる人は親戚の中の一人になった。しかし、彼らは俺を受け入れることなく煙たがるようになった。異端の子供を育てる負担が彼らにとっては大きすぎるというのだ。
俺は身内であるはずの彼らから距離を置かれ、孤独な日々を送ることになった。

「なんであの子を私たちが育てないといけないのよ」
「馬鹿っお前!そんな言葉本人の前では口にするな。まだあの子は幼いんだ」
「あなたの兄さんの息子だからって何もウチで引き取ることないでしょ!家系の事も考えてよ。それに私のお腹の中にはアナタの子が…」

こんな台詞が毎晩聴こえてくる。
親戚たちは俺に対して冷たく、時には侮蔑の言葉を投げかけることもあった。
それはそうだろう。赤の他人を育てなくてはならないのだから。
彼らの中には、俺を自分たちの血を引く者として認めたがらない者もいた。俺は自分が居場所を失ったような気持ちになり、常に孤独感に苛まれていた。

そんなある日、地元のサッカークラブの試合を見に行った。ピッチ上で選手たちが駆け回り、ボールが跳ねる音が耳に響く中、俺は何かを感じた。

「サッカーやってみたい」

それは、自分もあんな風に動き回りたい、仲間と共に汗を流したいという強い願いだった。

試合後、私は勇気を振り絞って、クラブに入団することを決意した。俺の家庭環境を知ってかコーチ達から無償でスパイクなど貰った。
初めての練習では、ボールに触れるたびに心が躍った。サッカーの世界は私を受け入れ、俺自身もその中で自由に生きることができた。

サッカークラブは俺の居場所となり、仲間たちは純粋に仲間として受け入れてくれた。彼らとの絆は強く、孤独な日々を埋めてくれた気がした。

「おい、千尋!次の試合も頑張ろうな!」

「ありがとう、みんな。一緒に戦えて嬉しいよ」

サッカーは私に自信を与え、新たな希望を見出させてくれた。これからも、私は仲間たちと共に、夢を追い続けたいと思っていた。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

性別交換ノート

廣瀬純七
ファンタジー
性別を交換できるノートを手に入れた高校生の山本渚の物語

あるフィギュアスケーターの性事情

蔵屋
恋愛
この小説はフィクションです。 しかし、そのようなことが現実にあったかもしれません。 何故ならどんな人間も、悪魔や邪神や悪神に憑依された偽善者なのですから。 この物語は浅岡結衣(16才)とそのコーチ(25才)の恋の物語。 そのコーチの名前は高木文哉(25才)という。 この物語はフィクションです。 実在の人物、団体等とは、一切関係がありません。

服を脱いで妹に食べられにいく兄

スローン
恋愛
貞操観念ってのが逆転してる世界らしいです。

私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。

MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。

夫婦交換

山田森湖
恋愛
好奇心から始まった一週間の“夫婦交換”。そこで出会った新鮮なときめき

貞操逆転世界で出会い系アプリをしたら

普通
恋愛
男性は弱く、女性は強い。この世界ではそれが当たり前。性被害を受けるのは男。そんな世界に生を受けた葉山優は普通に生きてきたが、ある日前世の記憶取り戻す。そこで前世ではこんな風に男女比の偏りもなく、普通に男女が一緒に生活できたことを思い出し、もう一度女性と関わってみようと決意する。 そこで会うのにまだ抵抗がある、優は出会い系アプリを見つける。まずはここでメッセージのやり取りだけでも女性としてから会うことしようと試みるのだった。

JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――

のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」 高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。 そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。 でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。 昼間は生徒会長、夜は…ご主人様? しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。 「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」 手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。 なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。 怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。 だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって―― 「…ほんとは、ずっと前から、私…」 ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。 恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。

処理中です...