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第十章 ママのエッセイが完結した日、その次に続くは僕らだ。
第五十三回 千佳、急行する。
しおりを挟む――可奈も一緒に。公営住宅の四棟、駆け上がる階段を。
僕は何があったのかを知らずにいる。……訊く前に、僕は可奈の手を引き、駆け出していた。それでも、泣きべそを掻く可奈の顔が物語っている。
梨花の身に何かが起きている。
可奈は動揺すると、テンパって、何を言っているのかわからない時がある。なので、可奈と一緒にこの目で、自分の目で見た方が確かだ。……可奈もそれを求めているのだ。
――梨花。
心の中で幾度も、繰り返される君の名。三〇三号室、インターホンを押す、まだ早朝にも拘らず押す、押している。玄関のドアが開いて、美津子ママがそこにいる。
ゴクリと固唾を呑み込むも、
「梨花……どうですか?」と、訊く……その傍らで、可奈もその言葉に便乗していた。
囁くほどの音量。……でも、それでも心強かった。
「……来てくれて、ありがとうね。
梨花も、喜んでくれるよ。……ちゃんと、伝えておくからね」
と、美津子ママの目に涙が……
何故だろう?
僕はその時、一瞬だけど息苦しさを感じた。それに、とても体が熱くて……
「梨花に会して下さい」
「千佳?」「千佳ちゃん?」……と、可奈も美津子ママも、僕の顔を見る。
「お邪魔します!」と言って、僕は襖を開ける。ベランダが隣接している六畳の、梨花のお部屋の襖を開けた。「千佳ちゃん、駄目」と止める美津子ママの言葉を制しつつも。
そこには梨花が――はあ、はあ……と、喘ぎながら、お布団の中にいた。
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