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執事ルークス×悪役令息
お仕事探し①
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「ん……」
チチチ…とさえずる鳥の鳴き声で目を覚ます
バターと紅茶の香りがほんのりジェノヴィの鼻先に漂い、それにつられてゆっくりと身体を起こす。
目の前には、ルークスが朝食が乗ったサルヴァを持ってピシッと立っている。シルバーの光沢が朝の木漏れ日に反射してキラリと輝いている。
「ジェノヴィ様、おはようございます。昨日もお疲れ様です。本日の朝食はスクランブルエッグにベーコン、紅茶はストレートティーをご用意しました。ミルクがよろしければ、こちらにご用意しております」
ベッドトレイに出来立ての温かい食事が並べられ、白い光沢のあるカップに紅茶が注がれる。同時に、ジェノヴィの腹を刺激してキュルル…と食事を求める抗議の音が鳴る。
「お召し上がりください」と紅茶を音を立てずにベットトレイに置くルークス。完璧執事人間ここにあり、だ。
スクランブルエッグの濃厚なふわふわ触感と、ベーコンの肉厚ジューシー感を口の中で存分に味わいながら、ジェノヴィは頭を抱える。
「ルークス……俺、既にダメ人間になってるよ……こんなに尽くされたらさあ……」
うう....と情けないうなり声を漏らしながらも、朝食を口に運ぶ手は止まらない。
しっかり綺麗に平らげた皿を、ルークスがテキパキと片付ける。
「ジェノヴィ様、何をおっしゃいますか!」と言いながらササ、とクローゼットにある服を出していく。
「ジェノヴィ様にそのような事は一切ございません!」
着替えを手伝おうとするルークスをそっと押しのけて、彼の手元にある服を受け取る。
ルークスは少々残念そうな顔になっている。
「いやでもこれ、平民じゃなくていつもと変わらない貴族生活じゃん……」
白い汚れひとつないワイシャツとピッ、と伸ばしインディゴカラーの拡張高いカマーベストを身につける。パチン、パチンと金属ボタンの音が静かな部屋に響き渡る。
「そろそろちゃんと定職に着きたい。この状態って完全にフリーターだし……」
ーギルド倉庫整理、一日店番、短期事務仕事…
ジェノヴィは冒険者ギルドで冒険者登録をしていないため、一回の仕事で高収入が得られるモンスター退治といった仕事はできない。そのため商業ギルド内に張り出されている仕事しか受けることができず、またその仕事もあまり割のいい仕事はあまり張り出されていない上、短期的なものが主である。
「ですから、私がここより西の帝都に行って働きに出ますからー」
「絶対ダメ!!てか俺が嫌なんだって!それって完全に養われちゃってるじゃん!」
ジェノヴィは腰に手をやり、ルークスにずいっと迫る。
ルークスは顔を少し赤くしながら咄嗟に顔を逸らした。
(あ、ちょっと怖かったかな…)
心の奥底で反省しつつ、ぐいーーっと身体を伸ばす。
「よしっ」と気合を入れて、黒地に金刺繍のクラバットを首元にキュッと絞める。
「今日こそは、ちゃんとした仕事を見つけるぞ!」
チチチ…とさえずる鳥の鳴き声で目を覚ます
バターと紅茶の香りがほんのりジェノヴィの鼻先に漂い、それにつられてゆっくりと身体を起こす。
目の前には、ルークスが朝食が乗ったサルヴァを持ってピシッと立っている。シルバーの光沢が朝の木漏れ日に反射してキラリと輝いている。
「ジェノヴィ様、おはようございます。昨日もお疲れ様です。本日の朝食はスクランブルエッグにベーコン、紅茶はストレートティーをご用意しました。ミルクがよろしければ、こちらにご用意しております」
ベッドトレイに出来立ての温かい食事が並べられ、白い光沢のあるカップに紅茶が注がれる。同時に、ジェノヴィの腹を刺激してキュルル…と食事を求める抗議の音が鳴る。
「お召し上がりください」と紅茶を音を立てずにベットトレイに置くルークス。完璧執事人間ここにあり、だ。
スクランブルエッグの濃厚なふわふわ触感と、ベーコンの肉厚ジューシー感を口の中で存分に味わいながら、ジェノヴィは頭を抱える。
「ルークス……俺、既にダメ人間になってるよ……こんなに尽くされたらさあ……」
うう....と情けないうなり声を漏らしながらも、朝食を口に運ぶ手は止まらない。
しっかり綺麗に平らげた皿を、ルークスがテキパキと片付ける。
「ジェノヴィ様、何をおっしゃいますか!」と言いながらササ、とクローゼットにある服を出していく。
「ジェノヴィ様にそのような事は一切ございません!」
着替えを手伝おうとするルークスをそっと押しのけて、彼の手元にある服を受け取る。
ルークスは少々残念そうな顔になっている。
「いやでもこれ、平民じゃなくていつもと変わらない貴族生活じゃん……」
白い汚れひとつないワイシャツとピッ、と伸ばしインディゴカラーの拡張高いカマーベストを身につける。パチン、パチンと金属ボタンの音が静かな部屋に響き渡る。
「そろそろちゃんと定職に着きたい。この状態って完全にフリーターだし……」
ーギルド倉庫整理、一日店番、短期事務仕事…
ジェノヴィは冒険者ギルドで冒険者登録をしていないため、一回の仕事で高収入が得られるモンスター退治といった仕事はできない。そのため商業ギルド内に張り出されている仕事しか受けることができず、またその仕事もあまり割のいい仕事はあまり張り出されていない上、短期的なものが主である。
「ですから、私がここより西の帝都に行って働きに出ますからー」
「絶対ダメ!!てか俺が嫌なんだって!それって完全に養われちゃってるじゃん!」
ジェノヴィは腰に手をやり、ルークスにずいっと迫る。
ルークスは顔を少し赤くしながら咄嗟に顔を逸らした。
(あ、ちょっと怖かったかな…)
心の奥底で反省しつつ、ぐいーーっと身体を伸ばす。
「よしっ」と気合を入れて、黒地に金刺繍のクラバットを首元にキュッと絞める。
「今日こそは、ちゃんとした仕事を見つけるぞ!」
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ご感想ありがとうございます!
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遅筆ながら、そちらも番外編として描きたい所存ですので、リクエストにお答えしたく思っております。
ご指摘の名前の部分、名前のところが全部ルクシオになってたので修正いたしました!
本当にすみませんでした!💦
ありがとうございます😭✨
ありがたきお言葉〜!!!張形のところ結構気に入ってるので、嬉しいですな……むふふ
スッゴク面白エロかったです‼️ 出来れば執事のルークのcpも読みたいです✨
ご感想ありがとうございます!
執事ルークスルート、ちゃんと進めてなくてすみません(土下座
今後、執事ルークス×悪役令息ルート書いていきますので、ぜひ見ていただければ幸いですm(_ _)m
第2皇子ルクシオルートの番外編にて、ちらっと執事ルークスの出番がでてくるかもなので、そちらもぜひ宜しくお願いします!