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【第1章】旅男娼の幕開け
サンドリア帝国露店通り
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転移魔法によって、目的地に一瞬にして着いたリーブルは、夜の繁華街となったサンドリア帝国の中央街の露店通りを歩いている。
サンドリア帝国は貿易の心臓部と言われる程、各国の名産品がこぞって集まる街で、外から来る観光客も多く夜は昼とは違う活気をみせている。
特に露店通りは出来たてを直ぐに食べることが出来るため、1番人気があるエリアだ。
露店通りの屋台で客と店員の話し声がこぞって飛び交う。その中で、『サンドリア名物!ホーン肉串』と大きく露店看板が掲げられている店で、リーブルは今か今かとそわそわ待っている。
「サンドリア名物、ホーン肉串お待ち!熱いから気をつけてね美人さん!」
「ふふ、ありがとうございます。」
「いやあ~、こんっな美人なお客さんに来て貰えるなんて嬉しいねえ!今日ギルドから仕入れたホーン牛だから新鮮で美味いよ!」
「それはそれは……楽しみです。では」とリーブルが手に持っている串肉の表面の皮をカリ、と軽く噛み、その後に小さな口で串肉を頬張ると、中の肉汁がじゅわりと溢れて口の端に垂れる。
リーブルは慌てて舌で肉汁をぺろりと舐め取り、再度肉をモグモグ咀嚼する。
「はむ、……ん、カリカリで……中がふっくらで……ホーン牛の串焼きは初めて食べましたが、とってもコクがあっておいしいですね。」
フッフッフ、と店主は腕を組んで得意げに話し出した。
「そうだろう?それに、この串肉のタレはウチの秘伝のタレを使ってるから他では味わえないよ~?」
「まあ!秘伝のタレ……気になりますね、どんなタレを?」
「こらこら!それは教えられないよ~!秘伝だからね!」
「ふふ、そうでしたね。うっかりです。」
ははは、と店主と会話をしていたその時、ワアアと露店通りの先にある、円形の石造りのドームから歓声があがっている。
「お!今日も闘技場が盛り上がってるな~!」
店主がドームを向いてそう発言した時、「あ」とリーブルがうっかりしていたかのような声を出した。そして、串肉をはむはむと急ぎ頬張っている。
「いけないいけない。うっかり忘れるところでした。……すみません、こちらの串肉、出来たてのをある分だけ頂いても?」
「おお!?出来たてのは結構あるから……50本になるけどいいのかい?」
「ええ、このあとあちらの闘技場で差し入れをしたいので。」
店主はニヤニヤしながら、出来たての肉串を一気に詰め込んでいる。
「ほほ~う?さてはお客さん、今日のイチオシの闘士にプレゼントかな?」
リーブルははちみつ色の瞳を蕩けさせるかのように、うっとりとした顔で頬に手をやり微笑んだ。
「ふふ、私の1番のお気に入りの方……ですから♡」
「かー!羨ましいねえ!ほれ!持ってきな!合計で銀貨1、銅1000枚札5だよ!」
リーブルは串肉の入った袋を受け取り、店主に銀貨3枚を渡し、闘技場へと向かう。
慌てて店主はリーブルを引き留めようとした。
「あ、おいおい!銀貨2枚分多いよ!」
「とても美味しかったので、チップですよ。ありがとうございました。」
リーブルは店主に手を振り、すぐに踵を返して闘技場へと一直線に走り出した。
「……かぁ~、なんつー良い美人さんだぜ。あの美人さんに串肉貰える奴は相当幸せだなぁおい……」
サンドリア帝国は貿易の心臓部と言われる程、各国の名産品がこぞって集まる街で、外から来る観光客も多く夜は昼とは違う活気をみせている。
特に露店通りは出来たてを直ぐに食べることが出来るため、1番人気があるエリアだ。
露店通りの屋台で客と店員の話し声がこぞって飛び交う。その中で、『サンドリア名物!ホーン肉串』と大きく露店看板が掲げられている店で、リーブルは今か今かとそわそわ待っている。
「サンドリア名物、ホーン肉串お待ち!熱いから気をつけてね美人さん!」
「ふふ、ありがとうございます。」
「いやあ~、こんっな美人なお客さんに来て貰えるなんて嬉しいねえ!今日ギルドから仕入れたホーン牛だから新鮮で美味いよ!」
「それはそれは……楽しみです。では」とリーブルが手に持っている串肉の表面の皮をカリ、と軽く噛み、その後に小さな口で串肉を頬張ると、中の肉汁がじゅわりと溢れて口の端に垂れる。
リーブルは慌てて舌で肉汁をぺろりと舐め取り、再度肉をモグモグ咀嚼する。
「はむ、……ん、カリカリで……中がふっくらで……ホーン牛の串焼きは初めて食べましたが、とってもコクがあっておいしいですね。」
フッフッフ、と店主は腕を組んで得意げに話し出した。
「そうだろう?それに、この串肉のタレはウチの秘伝のタレを使ってるから他では味わえないよ~?」
「まあ!秘伝のタレ……気になりますね、どんなタレを?」
「こらこら!それは教えられないよ~!秘伝だからね!」
「ふふ、そうでしたね。うっかりです。」
ははは、と店主と会話をしていたその時、ワアアと露店通りの先にある、円形の石造りのドームから歓声があがっている。
「お!今日も闘技場が盛り上がってるな~!」
店主がドームを向いてそう発言した時、「あ」とリーブルがうっかりしていたかのような声を出した。そして、串肉をはむはむと急ぎ頬張っている。
「いけないいけない。うっかり忘れるところでした。……すみません、こちらの串肉、出来たてのをある分だけ頂いても?」
「おお!?出来たてのは結構あるから……50本になるけどいいのかい?」
「ええ、このあとあちらの闘技場で差し入れをしたいので。」
店主はニヤニヤしながら、出来たての肉串を一気に詰め込んでいる。
「ほほ~う?さてはお客さん、今日のイチオシの闘士にプレゼントかな?」
リーブルははちみつ色の瞳を蕩けさせるかのように、うっとりとした顔で頬に手をやり微笑んだ。
「ふふ、私の1番のお気に入りの方……ですから♡」
「かー!羨ましいねえ!ほれ!持ってきな!合計で銀貨1、銅1000枚札5だよ!」
リーブルは串肉の入った袋を受け取り、店主に銀貨3枚を渡し、闘技場へと向かう。
慌てて店主はリーブルを引き留めようとした。
「あ、おいおい!銀貨2枚分多いよ!」
「とても美味しかったので、チップですよ。ありがとうございました。」
リーブルは店主に手を振り、すぐに踵を返して闘技場へと一直線に走り出した。
「……かぁ~、なんつー良い美人さんだぜ。あの美人さんに串肉貰える奴は相当幸せだなぁおい……」
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