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【第1章】旅男娼の幕開け
スパルダス闘技場①
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闘技場『スパルダス』
約500年前に設立され、闘技場の不敗伝説を誇る英雄の名が闘技場の名前として取られており、今もなお帝国では夢物語として語り継がれている。
最初は名も無き闘士であった青年が突如として現れ、瞬く間に100戦100勝の不敗伝説を残し、最強闘士『スパルダス』として名を与えられ、またその栄誉から褒美として王になると共に闘技場の名を刻むこととなったのだ。
-そして、この闘技場は今も変わらずその姿を保っている。
受付では、本日の仕合選手2人の名前を張り出した巨大な羊皮紙にでかでかと掛け金の合計が書かれている。
受付のガタイのいい男が、観客たちの手に持っている貨幣を数えながらバンバン貼り紙を叩いている
「さあさあさあー!はったはったー!今回の挑戦者は北方の元軍団長サー・カーラードと、今も尚負け無し!次代のスパルダスを継ぐ男『ブラッド』との試合だよー!さー、賭け受付はこっちだよー!!」
「カーラードに銀2!」「ブラッドに銀1!」
と、野太い男たちの声でごった返す中、白く細い手がスッ、と挙げられた。
「あの、すみません」
受付の男が、ごった返す男たちの群れの中から顔を覗かせ、白い手の持ち主を確認した。
「おお!こりゃとんだ美人さんが来たねー、いらっしゃーい!観戦かい?」
「ええ。あと……差し入れをしたくて……ブラッド選手の所へは行けますか?」
白い手の持ち主『リーブル』は、串肉の袋を抱えながら、受付までヨタヨタと近づいてくる。
受付の男は、ほー!と自身の顎を撫でた
「ブラッドにかい!?はー、今日の挑戦者の差し入れに来る女の子はめちゃくちゃいたけど、ブラッドの差し入れは珍しいねー!」
「そうですか?とってもカッコイイじゃないですか。」
ふふ、とリーブルが微笑むと、受付の男も「羨ましいねえ」と口角が緩んでいく。
「いやいや……なんてったってあの筋肉がすごいからね!サビの酷い仮面までかぶってて、みーんな恐れちまってるよ……。」
受付の男は、自身のいるカウンター横の扉を指さした。
「あ、そうそう!ブラッドはこっちの扉入って突き当たり左にいけば控え室に突き当たるから。右側は挑戦者の控え室だから間違えないようにね!」
「ありがとうございます」
……
『闘士控え室:ブラッド』
分厚い木造の扉をぎい、とゆっくり開けるリーブル。
石造りの少し湿った部屋の中には、錆び付いたいかにも重々しい古びた鉄兜を頭からすっぽり隠すように被った、筋肉隆々の男が、ストレッチをしている。
リーブルは、「ブラッド♡」と満面の笑みでトテテ、とスキップでもするかのように、男に近づいていく。
「ブラッド、遅くなってしまってすみません。これ、差し入れのホーン牛の肉串……ブラッド、こういう屋台のお肉好きでしょう?よかったら食べて……ひゃっ」
ひょいと抱き上げられたリーブルの身体が、ブラッドと呼ばれた男の膝にのせられる。
ぎゅう、と抱きしめられるリーブルは、少し困った顔をしながらも、内心嬉しそうなささやかな笑みでツツ……と鉄兜を指でなぞる
「ん、ブラッド……1人にしてしまってすみません……よしよし……ふふ、まだお時間ありますよね。たくさん撫でてあげないと……」
愛おしそうに鉄兜を撫でるリーブル。
鉄兜をブラッドの口が見えるところまであげると、リーブルは頬を「よしよし」と言いながら撫でている。ブラッドはリーブルのうなじを自身の大きな手のひらで寄せて、ちゅむ、とキスをする。
「ん、ん♡」とリーブルが声を漏らしていると、ブラッドの手がリーブルの腰に移動して、さすさすと腰を撫でている
「ん、ブラッド……♡♡あ、だめですよ、仕合……んう……」
リーブルはぷは、と口を離し、鉄兜を元に戻すと「めっ」と指でツン、と鉄兜を押した
「一旦、キスだけで……ね?終わったらたくさんしましょ……んう……ちゅ♡」
ブラッドは少し間を置いて、ゆっくりと首を縦に振った。
約500年前に設立され、闘技場の不敗伝説を誇る英雄の名が闘技場の名前として取られており、今もなお帝国では夢物語として語り継がれている。
最初は名も無き闘士であった青年が突如として現れ、瞬く間に100戦100勝の不敗伝説を残し、最強闘士『スパルダス』として名を与えられ、またその栄誉から褒美として王になると共に闘技場の名を刻むこととなったのだ。
-そして、この闘技場は今も変わらずその姿を保っている。
受付では、本日の仕合選手2人の名前を張り出した巨大な羊皮紙にでかでかと掛け金の合計が書かれている。
受付のガタイのいい男が、観客たちの手に持っている貨幣を数えながらバンバン貼り紙を叩いている
「さあさあさあー!はったはったー!今回の挑戦者は北方の元軍団長サー・カーラードと、今も尚負け無し!次代のスパルダスを継ぐ男『ブラッド』との試合だよー!さー、賭け受付はこっちだよー!!」
「カーラードに銀2!」「ブラッドに銀1!」
と、野太い男たちの声でごった返す中、白く細い手がスッ、と挙げられた。
「あの、すみません」
受付の男が、ごった返す男たちの群れの中から顔を覗かせ、白い手の持ち主を確認した。
「おお!こりゃとんだ美人さんが来たねー、いらっしゃーい!観戦かい?」
「ええ。あと……差し入れをしたくて……ブラッド選手の所へは行けますか?」
白い手の持ち主『リーブル』は、串肉の袋を抱えながら、受付までヨタヨタと近づいてくる。
受付の男は、ほー!と自身の顎を撫でた
「ブラッドにかい!?はー、今日の挑戦者の差し入れに来る女の子はめちゃくちゃいたけど、ブラッドの差し入れは珍しいねー!」
「そうですか?とってもカッコイイじゃないですか。」
ふふ、とリーブルが微笑むと、受付の男も「羨ましいねえ」と口角が緩んでいく。
「いやいや……なんてったってあの筋肉がすごいからね!サビの酷い仮面までかぶってて、みーんな恐れちまってるよ……。」
受付の男は、自身のいるカウンター横の扉を指さした。
「あ、そうそう!ブラッドはこっちの扉入って突き当たり左にいけば控え室に突き当たるから。右側は挑戦者の控え室だから間違えないようにね!」
「ありがとうございます」
……
『闘士控え室:ブラッド』
分厚い木造の扉をぎい、とゆっくり開けるリーブル。
石造りの少し湿った部屋の中には、錆び付いたいかにも重々しい古びた鉄兜を頭からすっぽり隠すように被った、筋肉隆々の男が、ストレッチをしている。
リーブルは、「ブラッド♡」と満面の笑みでトテテ、とスキップでもするかのように、男に近づいていく。
「ブラッド、遅くなってしまってすみません。これ、差し入れのホーン牛の肉串……ブラッド、こういう屋台のお肉好きでしょう?よかったら食べて……ひゃっ」
ひょいと抱き上げられたリーブルの身体が、ブラッドと呼ばれた男の膝にのせられる。
ぎゅう、と抱きしめられるリーブルは、少し困った顔をしながらも、内心嬉しそうなささやかな笑みでツツ……と鉄兜を指でなぞる
「ん、ブラッド……1人にしてしまってすみません……よしよし……ふふ、まだお時間ありますよね。たくさん撫でてあげないと……」
愛おしそうに鉄兜を撫でるリーブル。
鉄兜をブラッドの口が見えるところまであげると、リーブルは頬を「よしよし」と言いながら撫でている。ブラッドはリーブルのうなじを自身の大きな手のひらで寄せて、ちゅむ、とキスをする。
「ん、ん♡」とリーブルが声を漏らしていると、ブラッドの手がリーブルの腰に移動して、さすさすと腰を撫でている
「ん、ブラッド……♡♡あ、だめですよ、仕合……んう……」
リーブルはぷは、と口を離し、鉄兜を元に戻すと「めっ」と指でツン、と鉄兜を押した
「一旦、キスだけで……ね?終わったらたくさんしましょ……んう……ちゅ♡」
ブラッドは少し間を置いて、ゆっくりと首を縦に振った。
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