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【第2章】集うものたち
向かう2人(と尾行1人)
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ーサンドリアス街道。
ルークスベル公国に続く街道であり、サンドリアス帝国が都度整備をしているため、この街道は常にガタツキのない道となっている。
サンドリアス帝国には、ルークスベル公国他、街へ行くための鉄道網が多く敷かれているが、サンドリアス街道もまた、公国の他に、周辺の小さな諸外国に行くための魔導バスも街道真ん中の専用道路を走っている。
小さな町などは、まだ魔導バスが普及しておらず乗り合い馬車が使用され、サンドリアス帝国にも乗合馬車停留所が備わっているが、近々魔導バスの普及が広まっていくとのことで、乗り合い馬車の使用も見直されるとの事だ。
とまあ…街道を走る魔導バスを利用する人が多い中、リーヴルとブラッドは、歩行者用街道をゆっくりと歩いている。
チチチ、と穏やかな小鳥の声とそよ風に靡く街道樹の葉がサワサワとした音を楽しんでいた。
「ん~、いい天気ですね。」
「そうだな。」
しばらく歩いていると、遊歩道の途中にいくつか看板が立てかけてあり、リーヴルが確認するとそこには『無人温泉コノサキ』という文字と地図が印字されていた。
「この道を真っ直ぐいくと、温泉に入れるみたいですね。夜はそこで休憩してきましょう。」
「温泉……」
じっ…とリーブルを見つめるブラッドに、リーブルは口元に指をやり微笑んだ。
「…あ、もしかして今えっちなこと考えてましたね?」
ぴくん、とブラッドが反応する。リーブルの言葉に素直に頷くと、少し間を置いて、リーブルが頬を染めた。
「ちょっとした冗談だったんですけど…もう。」
「…今すぐシたry」
「こら!ダメですからね!早く行きますよ!」
ブラッドの言葉を遮りタタ、と走るリーブル。が、レンガ道の小さな隙間に靴先が引っかかる。
「わっ」と声を上げた瞬間、ブラッドがリーブルを素早く抱える。
ブラッドの腕に腰掛ける形で抱き抱えられ、そのままブラッドは素早く走る。
初め、歩いていた時にリーブルたちを追い越したバスが最初の地点のバス停に停留していたが、それをすぐにブラッドは追い越した。
バスにいた人々は、目の前を通り過ぎた僅かな影に
驚き「なんだなんだ」と窓から顔を出している。
「は、速いですよブラッドっ…下ろして…というか見られたら恥ずかしッ…」
「見ない。…見せない。」
スン、とした口調でリーブルを絶対に下ろすまいとしっかり抱き抱えながらどんどん街道を走り抜ける。ブラッドの精悍な顔つきは、もはや疲れ知らずといったところなのか汗ひとつかいていない。
リーブルは耳を赤くしながら、走るブラッドの首筋に顔を埋める。
(いやまあ、そりゃあこんなに速いスピードなら誰も視認できないでしょうけども…)
「わ、私が恥ずかしいんですってば…!もうぅっっ…」
カアアッ、と耳から頬にかけてどんどん赤くするリーブルを見て、フッ、と口角を僅かに上げるブラッド。
スピードを緩めることなく、温泉のある地点まで駆け抜けていった。
「や…は、っや……。速すぎんだろあのニーサン」
一方、2人に気づかれないように尾行をしていたキールィクは、街道から少し外れた横の、木の上にいた。
これ以上離れられても困るので、足に俊敏付与の魔法をかけて、すぐに後を追った。
ルークスベル公国に続く街道であり、サンドリアス帝国が都度整備をしているため、この街道は常にガタツキのない道となっている。
サンドリアス帝国には、ルークスベル公国他、街へ行くための鉄道網が多く敷かれているが、サンドリアス街道もまた、公国の他に、周辺の小さな諸外国に行くための魔導バスも街道真ん中の専用道路を走っている。
小さな町などは、まだ魔導バスが普及しておらず乗り合い馬車が使用され、サンドリアス帝国にも乗合馬車停留所が備わっているが、近々魔導バスの普及が広まっていくとのことで、乗り合い馬車の使用も見直されるとの事だ。
とまあ…街道を走る魔導バスを利用する人が多い中、リーヴルとブラッドは、歩行者用街道をゆっくりと歩いている。
チチチ、と穏やかな小鳥の声とそよ風に靡く街道樹の葉がサワサワとした音を楽しんでいた。
「ん~、いい天気ですね。」
「そうだな。」
しばらく歩いていると、遊歩道の途中にいくつか看板が立てかけてあり、リーヴルが確認するとそこには『無人温泉コノサキ』という文字と地図が印字されていた。
「この道を真っ直ぐいくと、温泉に入れるみたいですね。夜はそこで休憩してきましょう。」
「温泉……」
じっ…とリーブルを見つめるブラッドに、リーブルは口元に指をやり微笑んだ。
「…あ、もしかして今えっちなこと考えてましたね?」
ぴくん、とブラッドが反応する。リーブルの言葉に素直に頷くと、少し間を置いて、リーブルが頬を染めた。
「ちょっとした冗談だったんですけど…もう。」
「…今すぐシたry」
「こら!ダメですからね!早く行きますよ!」
ブラッドの言葉を遮りタタ、と走るリーブル。が、レンガ道の小さな隙間に靴先が引っかかる。
「わっ」と声を上げた瞬間、ブラッドがリーブルを素早く抱える。
ブラッドの腕に腰掛ける形で抱き抱えられ、そのままブラッドは素早く走る。
初め、歩いていた時にリーブルたちを追い越したバスが最初の地点のバス停に停留していたが、それをすぐにブラッドは追い越した。
バスにいた人々は、目の前を通り過ぎた僅かな影に
驚き「なんだなんだ」と窓から顔を出している。
「は、速いですよブラッドっ…下ろして…というか見られたら恥ずかしッ…」
「見ない。…見せない。」
スン、とした口調でリーブルを絶対に下ろすまいとしっかり抱き抱えながらどんどん街道を走り抜ける。ブラッドの精悍な顔つきは、もはや疲れ知らずといったところなのか汗ひとつかいていない。
リーブルは耳を赤くしながら、走るブラッドの首筋に顔を埋める。
(いやまあ、そりゃあこんなに速いスピードなら誰も視認できないでしょうけども…)
「わ、私が恥ずかしいんですってば…!もうぅっっ…」
カアアッ、と耳から頬にかけてどんどん赤くするリーブルを見て、フッ、と口角を僅かに上げるブラッド。
スピードを緩めることなく、温泉のある地点まで駆け抜けていった。
「や…は、っや……。速すぎんだろあのニーサン」
一方、2人に気づかれないように尾行をしていたキールィクは、街道から少し外れた横の、木の上にいた。
これ以上離れられても困るので、足に俊敏付与の魔法をかけて、すぐに後を追った。
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