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麻友の異世界探訪
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「・・・ユ・・マ・・ユ・マユ・・大丈夫」
「・・・!」
麻友は名前を呼ばれて飛び起きた。
「⁈」
その瞬間全身に痛みが走った。
「無理しないで。貴女の身体は傷ついてるの」
そうだ。魔王に蹂躙された事をおもいだす。
「あいつは人を人と思わない冷たい奴よ。女はただの快楽の道具としか思ってない」
王妃の顔が怒りで赤く染まる。
「身体は拭いたけど、変なところは無い?」
「王妃様自ら拭いてくれたのですか?」
「ええ。貴女は大事な使者だから」
「? 使者?」
王妃は胸元から指輪を取り出した。
「貴女はこれを届けてくれた」
王妃の手のひらで指輪は青く輝いていた。
「これ・・・ですか?」
「ええ。これは大事な指輪。もう戻って来ないと、許されないと思っていた。でも、戻って来た。再び私の元へ・・・」
王妃は涙ぐみながら指輪を握りしめた。その様子を見ながら、麻友は意味が分からないと首を傾げた。
「お楽しみだったようだな」
「それは魔王様も同じでは」
別室で魔王と教皇が向き合って座っていた。
「あと、三カ月後ですね」
「そうだ。三カ月後に世界は変わる」
魔王は立ち上がり、窓を開け放した。
「あと三カ月で儂は世界をこの手に握る」
「その日が楽しみですな」
魔王はニタニタと笑う教皇を見てポツリと言った。
「そうなれば王妃は無用になる。お前に下げ渡しても構わないが・・・」
「ええーーー!」
その言葉に教皇は椅子を蹴って立ち上がり、喜びの表情を見せた。
「そ、それは本当ですか」
「儂は新しい王妃を迎える。人間の王妃なぞ無用だ」
確かに三カ月後の儀式が済めば、新しい王妃が誕生する事になる。教皇は今にもヨダレを垂らしそうな面持ちで再度尋ねた。
「ほ、本当にターニャ様を私に・・・」
「分からんな。人間なんて年老いるし、身体も若い時とは違うのに、そんなにターニャが良いのか?」
「そ、それは女は若い方が良いですが、ターニャ様は別です」
惚れた弱み。幾つになっても教皇にとって王妃ターニャは格別の存在らしい。
「フフフ。その為にも儀式は成功させねば。アルベールがあれを探してるようだ。分からない所にちゃんと隠してあるな」
「勿論です。しかし、あれを見つけてもアルベール様にはどうする事も出来ないのでは?」
「まあな。だが、どんな些細な不安要素も取り除いておかねばならない」
「承知してます。あれの隠し場所は私しか知りません。安心して下さい」
再び二人は顔を見せ合い笑った。
「マユ。これは貴女に預けます。大事に持っていてくださいね」
「は、はい」
王妃から指輪を受け取り、指にはめた。その様子を見て王妃は少し微笑んだ様に見えたのは目の錯覚か。
「一つ、魔王の近くにはその指輪を近づけないでくださいね」
「は、はい。分かりました」
王妃は納得したかな様にうなづくと部屋を出て行った。
(な、何なのだろう?)
訳が分からないが、指輪を見つめた。この指輪がだだの指輪では無いと言う事が分かった。
「お兄様はまた出掛けてしまったの」
ベアトリーチェは詰まらなそうに肩を落とした。
「また・・・ですか?」
「そう。何かを探してる様な感じなの。もうじき儀式があるから・・・」
ベアトリーチェは寂しげな表情を浮かべた。
「儀式って?」
「・・・」
更にベアトリーチェの表情が曇る。
「今日は何して遊びます?」
「そうね。子犬が産まれたと聞いたの。見に行きたいわ」
ベアトリーチェは無理に笑顔を作っている様に見えた。
(儀式って何なのだろう)
すでに歩き始めたベアトリーチェの後を追いかける。
「・・・!」
麻友は名前を呼ばれて飛び起きた。
「⁈」
その瞬間全身に痛みが走った。
「無理しないで。貴女の身体は傷ついてるの」
そうだ。魔王に蹂躙された事をおもいだす。
「あいつは人を人と思わない冷たい奴よ。女はただの快楽の道具としか思ってない」
王妃の顔が怒りで赤く染まる。
「身体は拭いたけど、変なところは無い?」
「王妃様自ら拭いてくれたのですか?」
「ええ。貴女は大事な使者だから」
「? 使者?」
王妃は胸元から指輪を取り出した。
「貴女はこれを届けてくれた」
王妃の手のひらで指輪は青く輝いていた。
「これ・・・ですか?」
「ええ。これは大事な指輪。もう戻って来ないと、許されないと思っていた。でも、戻って来た。再び私の元へ・・・」
王妃は涙ぐみながら指輪を握りしめた。その様子を見ながら、麻友は意味が分からないと首を傾げた。
「お楽しみだったようだな」
「それは魔王様も同じでは」
別室で魔王と教皇が向き合って座っていた。
「あと、三カ月後ですね」
「そうだ。三カ月後に世界は変わる」
魔王は立ち上がり、窓を開け放した。
「あと三カ月で儂は世界をこの手に握る」
「その日が楽しみですな」
魔王はニタニタと笑う教皇を見てポツリと言った。
「そうなれば王妃は無用になる。お前に下げ渡しても構わないが・・・」
「ええーーー!」
その言葉に教皇は椅子を蹴って立ち上がり、喜びの表情を見せた。
「そ、それは本当ですか」
「儂は新しい王妃を迎える。人間の王妃なぞ無用だ」
確かに三カ月後の儀式が済めば、新しい王妃が誕生する事になる。教皇は今にもヨダレを垂らしそうな面持ちで再度尋ねた。
「ほ、本当にターニャ様を私に・・・」
「分からんな。人間なんて年老いるし、身体も若い時とは違うのに、そんなにターニャが良いのか?」
「そ、それは女は若い方が良いですが、ターニャ様は別です」
惚れた弱み。幾つになっても教皇にとって王妃ターニャは格別の存在らしい。
「フフフ。その為にも儀式は成功させねば。アルベールがあれを探してるようだ。分からない所にちゃんと隠してあるな」
「勿論です。しかし、あれを見つけてもアルベール様にはどうする事も出来ないのでは?」
「まあな。だが、どんな些細な不安要素も取り除いておかねばならない」
「承知してます。あれの隠し場所は私しか知りません。安心して下さい」
再び二人は顔を見せ合い笑った。
「マユ。これは貴女に預けます。大事に持っていてくださいね」
「は、はい」
王妃から指輪を受け取り、指にはめた。その様子を見て王妃は少し微笑んだ様に見えたのは目の錯覚か。
「一つ、魔王の近くにはその指輪を近づけないでくださいね」
「は、はい。分かりました」
王妃は納得したかな様にうなづくと部屋を出て行った。
(な、何なのだろう?)
訳が分からないが、指輪を見つめた。この指輪がだだの指輪では無いと言う事が分かった。
「お兄様はまた出掛けてしまったの」
ベアトリーチェは詰まらなそうに肩を落とした。
「また・・・ですか?」
「そう。何かを探してる様な感じなの。もうじき儀式があるから・・・」
ベアトリーチェは寂しげな表情を浮かべた。
「儀式って?」
「・・・」
更にベアトリーチェの表情が曇る。
「今日は何して遊びます?」
「そうね。子犬が産まれたと聞いたの。見に行きたいわ」
ベアトリーチェは無理に笑顔を作っている様に見えた。
(儀式って何なのだろう)
すでに歩き始めたベアトリーチェの後を追いかける。
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