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麻友の異世界探訪
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「王妃様!」
「マユ。ご苦労様でした。剣を・・・」
「は、はい」
麻友は持っていた剣を王妃に渡した。それを受け取った王妃は感慨深めに見つめ、そして抱きしめたい。
長い間抱きしめていた剣をテーブルの上に置いて、ポツリと囁いた。
「やっと返って来ました・・・」
「はい。長かったですね」
ミアの母親も呟いた。
(一体これは何なのだろう)
「マユ」
「は、はい」
「アルベールはどうでしたか」
息子の王子に何が起きたのか知っているのだろうか?
「は、はい。王子は炎に包まれ酷い火傷を」
「そうですか」
王妃は深いため息を吐くと麻友を見つめた。
「しばらくの間、マユにこの剣を持っていて欲しいのですが」
「わ、私がですか?」
「私の部屋には魔王や教皇などが出入りするので、見つけられてしまうかも知れません。ハナの家では遠過ぎます」
(ハナ? ミアのお母さんか。初めて知った)
「お願いできますか?」
王妃とミアの必死の眼差しに頷くしかない。
「わ、分かりました。お預かりします」
「ありがとう、マユ」
剣を握り麻友は疑問に思う事を口にした。
「あのぉ~、一つ聞いても良いですか」
「何でしょう。答えられる事であれば」
「この剣は一体・・・」
王妃とミアの母親は目を合わせた。
「それはフォーリの剣と言って、魔王を倒すことの出来る唯一の武器です」
「えええーーー!」
大きな声を上げた麻友にミアの母親は、シーと唇に指を当てた。
「す、すいません」
小声で謝る。
「この国の王家に代々伝わってきたものです。その剣は王家の血筋の者しか扱えないのです」
(え、だって王家にの血筋の者って、居るのか?)
「私の夫、アルベルトは毒を飲まされながらも、この剣を振るい魔王を倒そうとしました。ですが、剣は教皇によって偽物とすり替えられていたのです」
(それでは・・・)
「剣は行方不明になっていました。ですが、今ここに戻ってきた・・・」
王妃が剣に手を当てると、嵌められていた宝石が呼応するかな様に小さく光った。
「夫は死後、この小屋に放置されてました。私が夫の遺体と対面したのは三日後でした」
三日も会えない事情を麻友は理解した。
「この床下に、私や夫を慕う者達で埋葬しました。本当は王墓に埋葬したかった」
「ターニャ様・・・」
涙ぐむ王妃を、ミアの母親も涙をこらえながら慰める。
「私はこの二十年間、永遠に許されないと思っていました。でも、麻友、貴女が現れた。指輪を持って」
「・・・へっ?」
王妃は麻友の指で光り続ける指輪をさして言った。
「その指輪の中には亡き夫の魂が込められています」
「えっ・・・」
叫びそうになって、慌てて手で口を押さえる。
「魔王に殺され、地獄の果てに落とされそうになった夫の魂を咄嗟に指輪に閉じ込め、私は異世界に飛ばしました。この世界にあれば見つけられてしまう可能性があったので」
麻友は初めて指輪の正体を知った。
「あれから二十年。諦めて居ました。私の犯した罪を夫は許してはくれないのだと」
王妃は手を伸ばし麻友の手を握った。その温かみが指輪にも通じたかの様に優しく光った。
「ターニャ様。そろそろ戻りませんと」
ミアの母親の言葉に王妃は我に帰ると、コクリと頷いた。
「詳しい事はまた後で話します」
そう言うと、ミアの母親に促され小屋を出て言った。
「私達も出ましょう。ここは城内、いつ何時見張りが来るとも限りませんから」
「は、はい」
辺りをそっと見渡し、二人は小屋の外に出た。ミアの母親は抜け穴から外へ、麻友はドレスの中に剣を忍ばせ、裏口から自室に戻った。
小さなクローゼットの後ろに剣を隠す。
「はあ~・・・」
剣を隠すと、ドッと汗が吹き出て来た。大変な物を預かってしまった。と言うのが実感だ。
(これからどうなるの?)
これからこの国で大変な事が起こりそうだと言うのは分かった。その鍵を握っているのが自分だと思うと興奮し、震えてとなって全身を襲う。
(わ、私、頑張る!)
麻友は密かに拳を握った。
「マユ。ご苦労様でした。剣を・・・」
「は、はい」
麻友は持っていた剣を王妃に渡した。それを受け取った王妃は感慨深めに見つめ、そして抱きしめたい。
長い間抱きしめていた剣をテーブルの上に置いて、ポツリと囁いた。
「やっと返って来ました・・・」
「はい。長かったですね」
ミアの母親も呟いた。
(一体これは何なのだろう)
「マユ」
「は、はい」
「アルベールはどうでしたか」
息子の王子に何が起きたのか知っているのだろうか?
「は、はい。王子は炎に包まれ酷い火傷を」
「そうですか」
王妃は深いため息を吐くと麻友を見つめた。
「しばらくの間、マユにこの剣を持っていて欲しいのですが」
「わ、私がですか?」
「私の部屋には魔王や教皇などが出入りするので、見つけられてしまうかも知れません。ハナの家では遠過ぎます」
(ハナ? ミアのお母さんか。初めて知った)
「お願いできますか?」
王妃とミアの必死の眼差しに頷くしかない。
「わ、分かりました。お預かりします」
「ありがとう、マユ」
剣を握り麻友は疑問に思う事を口にした。
「あのぉ~、一つ聞いても良いですか」
「何でしょう。答えられる事であれば」
「この剣は一体・・・」
王妃とミアの母親は目を合わせた。
「それはフォーリの剣と言って、魔王を倒すことの出来る唯一の武器です」
「えええーーー!」
大きな声を上げた麻友にミアの母親は、シーと唇に指を当てた。
「す、すいません」
小声で謝る。
「この国の王家に代々伝わってきたものです。その剣は王家の血筋の者しか扱えないのです」
(え、だって王家にの血筋の者って、居るのか?)
「私の夫、アルベルトは毒を飲まされながらも、この剣を振るい魔王を倒そうとしました。ですが、剣は教皇によって偽物とすり替えられていたのです」
(それでは・・・)
「剣は行方不明になっていました。ですが、今ここに戻ってきた・・・」
王妃が剣に手を当てると、嵌められていた宝石が呼応するかな様に小さく光った。
「夫は死後、この小屋に放置されてました。私が夫の遺体と対面したのは三日後でした」
三日も会えない事情を麻友は理解した。
「この床下に、私や夫を慕う者達で埋葬しました。本当は王墓に埋葬したかった」
「ターニャ様・・・」
涙ぐむ王妃を、ミアの母親も涙をこらえながら慰める。
「私はこの二十年間、永遠に許されないと思っていました。でも、麻友、貴女が現れた。指輪を持って」
「・・・へっ?」
王妃は麻友の指で光り続ける指輪をさして言った。
「その指輪の中には亡き夫の魂が込められています」
「えっ・・・」
叫びそうになって、慌てて手で口を押さえる。
「魔王に殺され、地獄の果てに落とされそうになった夫の魂を咄嗟に指輪に閉じ込め、私は異世界に飛ばしました。この世界にあれば見つけられてしまう可能性があったので」
麻友は初めて指輪の正体を知った。
「あれから二十年。諦めて居ました。私の犯した罪を夫は許してはくれないのだと」
王妃は手を伸ばし麻友の手を握った。その温かみが指輪にも通じたかの様に優しく光った。
「ターニャ様。そろそろ戻りませんと」
ミアの母親の言葉に王妃は我に帰ると、コクリと頷いた。
「詳しい事はまた後で話します」
そう言うと、ミアの母親に促され小屋を出て言った。
「私達も出ましょう。ここは城内、いつ何時見張りが来るとも限りませんから」
「は、はい」
辺りをそっと見渡し、二人は小屋の外に出た。ミアの母親は抜け穴から外へ、麻友はドレスの中に剣を忍ばせ、裏口から自室に戻った。
小さなクローゼットの後ろに剣を隠す。
「はあ~・・・」
剣を隠すと、ドッと汗が吹き出て来た。大変な物を預かってしまった。と言うのが実感だ。
(これからどうなるの?)
これからこの国で大変な事が起こりそうだと言うのは分かった。その鍵を握っているのが自分だと思うと興奮し、震えてとなって全身を襲う。
(わ、私、頑張る!)
麻友は密かに拳を握った。
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