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麻友の異世界探訪
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(な、何?)
誰かが身体の内に入り込んで来るのを感じた。
『我が息子、アルベールよ』
麻友の口から男の声が出てきた。見知らぬ誰かが話してるのはわかる。自分を通して誰かが王子に伝えたい事があるのだろう。
『剣を持て。そして真の姿を見せるのだ』
「真の姿って・・・俺は、俺は・・・」
『それは仮の姿。アルベールよ、剣を持て』
「駄目だ、俺には持てない・・・」
王子は頭を振り、後ろへ下がる。
『魔王を倒し、妹を助けるのだ』
「妹・・・ベアトリーチェ・・・」
「そうです。このままでは妹君は一生獣人を生み続ける傀儡になってしまうのですよ!」
アルフォンスが背後から王子の肩を掴み、現実に起こっている事を告げた。
「ベアトリーチェ・・ベアが・・・」
「そうです。王子、ベアトリーチェ様を救えるのは貴方だけなのです!」
「ベアを・・・救う?」
王子の表情が変わった。愛する妹を救いたいと言う思いは少しを変わってはいない。その為に自分は神剣を探し続けていたのだから。
「ベアを、妹を・・・」
王子は恐る恐る差し出された剣に手を伸ばす。
『握るのだ。決して離すな』
王子は剣を握った。
「うわわわわーーーー!!」
王子の絶叫が小屋中に響き渡った。手から、肩、そして炎は全身に回った。炎の中、王子の顔が苦悶に歪む。力尽き剣を離そうとするところを、アルベルト王が憑依した麻友の手が離させまいと上からしっかりと押さえる。
「だ、駄目だ・・・」
『頑張るのだ、我が息子よ』
激しく燃え盛る炎。どの位燃え続けのか、やがて炎はパッと止まった。
(えっ?)
麻友の目に最初に入ったのは黄金に輝く髪だった。
「おおおーー!」
感嘆の声が沸き起こる。母親譲りの美しい金色の髪と青い瞳。色白の肌、牙は消え、精悍で引き締まった口元。稀に見る美青年だ。麻友もその姿から目を離せない。
(正に王子様だぁ~♡)
「お、俺は・・・」
「アルベール王子」
アルフォンス一同は王子の前に跪いた。
「父王アルベルト様に良く似ておられる。貴方こそ真のこの国の王となるべきお方。今こそ、魔王を倒す時です」
「俺が、アルベルト王の? 何故、どう言う事なのだ?」
「簡単な事です。魔王に犯される前にアルベルト王のお種は王妃様の中で息づいておられたのです。だが、そのままで生まれれば直ぐに殺されたでしょう。そこで、流れ込んできた魔王の精子を被り外見は獣人として生まれたのです」
「そ、そんな事・・・」
「出来ます。王妃様は白の魔術師フォーリの末裔です。地獄に落とされそうになった王の魂も指輪に咄嗟に封じ込め、異世界に飛ばしましたから」
(えっ?)
ではこの指輪は・・・。
「王が閉じ込められた指輪です。やっと、戻ってきた。麻友殿、ありがとう」
「あ、いや、私は拾っただけだから・・・」
「王子。行きましょう。魔王を倒すのです」
美しき青年になったアルベールは決心した様に前を向いた。いつも思っていたのは妹を助けたいという思い。その思いが叶えられるのだ。
「分かった」
王子は剣を握りしめ、妹を救う為一歩踏み出した。
誰かが身体の内に入り込んで来るのを感じた。
『我が息子、アルベールよ』
麻友の口から男の声が出てきた。見知らぬ誰かが話してるのはわかる。自分を通して誰かが王子に伝えたい事があるのだろう。
『剣を持て。そして真の姿を見せるのだ』
「真の姿って・・・俺は、俺は・・・」
『それは仮の姿。アルベールよ、剣を持て』
「駄目だ、俺には持てない・・・」
王子は頭を振り、後ろへ下がる。
『魔王を倒し、妹を助けるのだ』
「妹・・・ベアトリーチェ・・・」
「そうです。このままでは妹君は一生獣人を生み続ける傀儡になってしまうのですよ!」
アルフォンスが背後から王子の肩を掴み、現実に起こっている事を告げた。
「ベアトリーチェ・・ベアが・・・」
「そうです。王子、ベアトリーチェ様を救えるのは貴方だけなのです!」
「ベアを・・・救う?」
王子の表情が変わった。愛する妹を救いたいと言う思いは少しを変わってはいない。その為に自分は神剣を探し続けていたのだから。
「ベアを、妹を・・・」
王子は恐る恐る差し出された剣に手を伸ばす。
『握るのだ。決して離すな』
王子は剣を握った。
「うわわわわーーーー!!」
王子の絶叫が小屋中に響き渡った。手から、肩、そして炎は全身に回った。炎の中、王子の顔が苦悶に歪む。力尽き剣を離そうとするところを、アルベルト王が憑依した麻友の手が離させまいと上からしっかりと押さえる。
「だ、駄目だ・・・」
『頑張るのだ、我が息子よ』
激しく燃え盛る炎。どの位燃え続けのか、やがて炎はパッと止まった。
(えっ?)
麻友の目に最初に入ったのは黄金に輝く髪だった。
「おおおーー!」
感嘆の声が沸き起こる。母親譲りの美しい金色の髪と青い瞳。色白の肌、牙は消え、精悍で引き締まった口元。稀に見る美青年だ。麻友もその姿から目を離せない。
(正に王子様だぁ~♡)
「お、俺は・・・」
「アルベール王子」
アルフォンス一同は王子の前に跪いた。
「父王アルベルト様に良く似ておられる。貴方こそ真のこの国の王となるべきお方。今こそ、魔王を倒す時です」
「俺が、アルベルト王の? 何故、どう言う事なのだ?」
「簡単な事です。魔王に犯される前にアルベルト王のお種は王妃様の中で息づいておられたのです。だが、そのままで生まれれば直ぐに殺されたでしょう。そこで、流れ込んできた魔王の精子を被り外見は獣人として生まれたのです」
「そ、そんな事・・・」
「出来ます。王妃様は白の魔術師フォーリの末裔です。地獄に落とされそうになった王の魂も指輪に咄嗟に封じ込め、異世界に飛ばしましたから」
(えっ?)
ではこの指輪は・・・。
「王が閉じ込められた指輪です。やっと、戻ってきた。麻友殿、ありがとう」
「あ、いや、私は拾っただけだから・・・」
「王子。行きましょう。魔王を倒すのです」
美しき青年になったアルベールは決心した様に前を向いた。いつも思っていたのは妹を助けたいという思い。その思いが叶えられるのだ。
「分かった」
王子は剣を握りしめ、妹を救う為一歩踏み出した。
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