転生したら王だった

如月はるな

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侯爵の家族の元へ行って見ました

転生したら王だった

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   俺は閉会後アンドルーに抱きついた。
「な、何ですか!」
「いやぁ、良く頑張ったなぁって」
「・・・う、嘘も方便ともうしますし・・・」
「よしよし、頑張った、頑張った」
「お止め下さい!」
   折角頭を撫でてるのに、つれないぞアンドルー。
「それでさ、侯爵の家族の元に行きたいんだけど・・・」
「スルツ地方ですね。温暖でワインで有名なところです」
「ワイン?」
「元々侯爵家はワイン造りで財を成した貴族です。それを輸出で更に大きくしたようです」
   俺は侯爵の資料を集め、彼の地元へ出発する用意をする。
「家族は妻のジャンヌ、息子のダッド・グレイ、そして彼の妻子ですね」
「愛人とかは居ないんだ」
「いくらなんでも同じ家には・・・」
   と、途中まで言ってオードリーは俺の顔を見た。
「・・・すみません」
「何だよ、オレが変な人みたいじゃないか」
(実際変だけど)
   俺とアンドルーとオードリーは馬車に乗り込み、スルツへ向かう事にした。


「で、何でフィオナちゃんが居るわけ?」
   出かけようと乗り込んだ馬車に入るとすでにフィオナが座っていた。
「旅行に行く訳じゃないんだよ」
「はい。分かっております」
「コーデリアさんには許可貰ったの?」
「勿論。お母様が見聞を広めるのに良い機会だからとお許し下さいました」
(コーデリアさん!   この母にしてこの子か)
   俺は肩を落とした。アンドルーもオードリーも仕方ないと言う顔をしている。
   まあ、ここで議論していても仕方無いので、出発する事にした。
「でも、王自ら会いに行かなくても良いのではありませんか?」
   オードリーに言われて、俺もフィオナちゃんとあまり変わらないかも知れないと思った。だって、もっと見聞広めたいだろう。一応、俺の国なんだからさ。


  半日くらいでスルツに着いた。緑豊かな街だ。山の遠くまで樹木が植えられたいる。
「果樹の木が多いみたいだね」
「ワインの他にも、オレンジやレモン、オリーブなども栽培してるようですね」
「凄く素敵な所だ」
   こんなに素敵な街なのに、どこで邪な気持ちが育ったのか。
「見えて来ました。侯爵邸です」
   ワイン畑を通り過ぎた奥に邸宅はあった。
「大きいなぁ」
   邸宅とは言えない規模だ。
(まるでベルサイユ宮殿みたいだな)
   それほど豪華な建物だったのだ。
「よほど、財が有り余っているようですね」
   広々とした、手入れの行き届いた庭園を抜け、入り口に着く。
「ようこそいらっしゃいました」
   この家の執事なのだろう。俺ら一行を出迎えた。
「奥様達は奥に揃っておいでです」
   磨き抜かれた廊下を歩き、奥の応接間に向かう。
   扉の奥に侯爵の家族が立って俺達を出迎えた。中央の中年女性が侯爵の妻なのだろう。
「本日は陛下直々おいでくださいまして、恐れいります」
「あ、そんな堅苦しい挨拶は要らないですから、座りませんか」
   俺は笑うと彼らに椅子に座るように言った。
「そんな、罪人の家族の身でそんな事は・・・」
「皆さんは罪人ではありませんから」
   俺の言葉に侯爵の家族はパチパチと目をしばたいた。
「話は座ってしましょう」
   なおも立ち続ける家族に、アンドルーが座るように勧めた。その言葉にようやく一同は椅子に腰を下ろした。
「実は皆さんと話ししたいなぁと、思いまして」
「はぁ・・・」
「お母様、喉乾いた」
   息子のダッド・グレイの幼い娘が口を開いた。
「そうだよね。俺も喉乾いたな」
「そ、それでは飲み物を・・・」
   執事に飲み物を持ってくるように、侯爵夫人が言う。
「かしこまりました」
   執事が飲み物を運んでくる間、俺は小さな女の子に名前を尋ねた。
「お名前は?」
「ジュリア」
「いくつ?」
   女の子な指を三本立てた。どの時代でも小さな子の動作は同じだなと、俺は微笑ましく思った。
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