女神様から同情された結果こうなった

回復師

文字の大きさ
91 / 184
学園ロワイヤル編 9・10日目

1-10-4 鬼畜?外道?

しおりを挟む
 佐竹たちとの会談まで1時間の時間がある。その間にどう行動するかの話し合いをしようと思う。

「もう一気に俺が蹴りをつけていいか? 教頭は表面上は話し合いとか言ってきてるけど、向こうは俺を殺す気満々みたいだし、自分でけじめも付けたいからね」

「龍馬君はダメって言ってるでしょ。実は龍馬君が寝てる間にもう話し合いは終わってるの……」
「え? 桜どういう事だ?」

「前にも言ったけど、これ以上龍馬君は佐竹たちと拘らないでほしい」

「兄様は見てて。菜奈たちで何とかするから」
「ん、龍馬は何もしちゃダメ」
「そうじゃ……妾たちに任せておればよい」
「先生前回は見逃してあげたのにな……やはり全然懲りてなかったんですね。3回目はないです」

 桜に続いて、菜奈・雅・フィリア・美弥ちゃん先生の発言だが、俺に何もするなという。

「え~と、俺に何もするな、只、見ていろと?」

「「「うん」」」

 正直納得いかない。だが、嫁たちが怖い……目が怖い! 俺が寝てる間にどんな話し合いがされたんだ? ナビーに聞くか。

『……秘密だそうです……フィリア様に口止めされています』
『はぁ? なんだよそれ? ナビーって俺よりフィリアの方を優先なの? やっぱ元神には逆らえないの?』

『……そういうのではないですが、ナビーも今は言いたくないのです』

 あの従順なナビーが裏切った! 元女神のフィリアには逆らえないのかな……。
 そういやフィリアのステータスは種族のところ、『人族?』になってたな。ひょっとしてまだ女神なんじゃないのか? う~ん、解らん。

 でも、嫁が増えるとこうなっちゃうのか……数の暴力というやつかな。既に俺って尻に敷かれてるというやつなの? 嫁たちにお尻を叩かれてあくせく働かないといけないの? 皆、可愛いからいいけどね! 超頑張っちゃうけどね! 美味しい物を食べさすために頑張って働きますよ!

 はぁ~、ちょっと虚しくなってきた……。

「もういいです……解りました。何もしません、ず~っと見ています」

「そう拗ねるでない。其方を想っての事じゃ、嫁を信じないでどうする? 龍馬、今回は見ておるのじゃ」
「解った。皆あまり無茶はしないようにね」

「「「はい」」」



 そろそろ時間だ、この場で皆に各種パッシブを張っておく。現場近くでシールドを張ると、魔力探知でシールドを張ったのがばれる可能性もある。俺だけはシールドを張っていない。物理防御と魔法防御だけ掛けておく。
 皆には内緒だが、即死しない程度に怪我を負う気でいるのだ。正当防衛にしておいて、返り討ちにしてやる。
 嫁たちは怒るだろうが、やっぱ自分で片を付けたいのだ。


 体育館は生活魔法の【ライト】が10個ほど天井付近に浮かんでいて凄く明るい。以前の薄暗かった頃とは大違いだ。皆のレベルを底上げしたので、魔力量に余裕ができたおかげでもある。

 体育館はカレーの良いにおいが充満している。うっ……この匂いはすきっ腹にしみる。格技場の男子たちも、う~~とか言っている。その気持ち分かるぞ! 俺も今そんな感じだ!

 体育館に入ったら、高畑先生がすぐにやってきた。

「森里先生、ご馳走様でした。皆、喜んでいたわ。料理部のカレーって凄いのね。食堂のとは比べ物にならないくらい美味しいわ」

 そうなのだ。同じカレールウを使っているのに、何種類かのスパイスと調味料を加えて、食堂のモノとは別物のカレーができあがるのだ。

「高畑先生、私は何もしていません。お礼なら料理部員の娘たちに言ってあげてください」

「「「料理部の皆さん、ご馳走様でした! 美味しかったよ!」」」


 料理部は中等部の部活だ。自分たちより年上のお姉様方に口々にお礼や感謝の言葉をもらって嬉しそうだ。 
 良い雰囲気なのにな……今からあいつらに壊されると思うと腹立たしい。


「「あ~~ハティちゃん! 逢いたかったよ!」」

 おや? ハティ人気も増えているな。ハティは超可愛いからな。沙希の手にうだかれていたハティが、皆の声に答える。

「ミャン!」
「「「キャー! 可愛い!」」」

 相変わらず愛想の良いことで……お前はセラピー犬か!




 佐竹たちが教頭を伴って体育館に時間通りやってきた。

「森里先生、態々集まってもらってすまないね~」
「坂下さん、今日はどういった御用でしょうか?」

「おやおや、もう教頭先生とは言ってくれないのかな?」
「いつまでそのような肩書きに固執なされるのです? もう給金を払ってくれる者もいないのですよ」

「お金が払われないからといって、生徒を見捨てて良いという話ではないだろう? 教師として生徒を守る義務があるのだよ?」

「どの口が言う! 兄様を見捨てておいて! その口、二度と開かないように縫い付けるわよ!」

 菜奈が既に切れそうだが、佐竹が間に割って入ってくる。

「まぁまぁ教頭先生、話が進まないので少しお静かに願います。白石、久しぶりだな?」
「そうだな? 俺が怖くて男子寮から出てこれなかったのか? 随分引きこもっていたじゃないか?」

「うっ……お前あれだけやられてまだ懲りてないのか?」
「俺が1回でも参ったとかすまないとかお前に言った事あったか?」

「そうだったな。くくくっ、嫌な目で睨んで絶対詫びなかったよな? でも、お前の前で直美とやった時は流石に泣いていたじゃないか? しかも、フル勃起! ひゃはは! 思い出しただけで笑える!」

 あ! ヤバい! 後ろの嫁たちから凄まじい殺気が放たれている。田中と泉本は殺気に気付いたが、他のやつらは気付いていないようだ。こいつらレベルが高いのに全然ダメだな。

 ハティなんか嫁たちのあまりの殺気にビビッて、沙希の膝の上に逃げてフルフル震えているぐらいなのに。

「で、何の用があるんだ?」
「いや~俺も悪かったって思ってよ。お前があまりにも詫びを入れないから、だんだんエスカレートしちまって、ついついやり過ぎちゃったんだよなぁ~。一応謝っておこうと思ってよ。何でも明日の朝、ここを出て行くんだって?」

「ああ、ここに居ても生産性がないからな。いずれ飢えて死ぬ。食料のあるうちに、近くの街を目指す」
「ああそれそれ、それに俺たちも連れて行ってくれよ」

 一緒に行く気なんかないくせに、よくもまぁ。拒否するのを分かっていて俺を煽る気だ。お前たちの計画では謝っておいて、俺が油断したところで隙を突いて不意打ちするんじゃなかったのか?


「ここに居る女子全員の総意で却下だそうだ」
「全員って事はないだろう? ここには俺の女の直美も居るしな。なぁ~直美! また、皆の前でヒーヒー言わせてやるからな! お前は人に自分のヨガってる声を聴かれると感じるんだろ? ひゃはは!」


 こいつアホだな……俺も~し~らね。さっきまで腹立たしかったけど……今は後ろの嫁たちが怖い! マジで怖い! それが分からないこいつはある意味羨ましい! この恐怖はホラーだ! ハティ、お漏らししてなきゃいいけど……チラッと見ると、やっぱ沙希の太ももに顔を突っ込んでブルブル震えてる。だが、頭隠して尻隠さず状態だ……可愛いけどね。やっぱ野性の本能があるハティのほうが敏感に分かっちゃうんだな。

 皆にはもう少し殺気を抑える練習をさせよう。

「他に何か言いたいことは? ないなら俺たちは戻らせてもらう、明日早いからな」
「俺たちは連れていかないってか? ところで何で俺と会うのに手ぶらなんだよ?」

「話し合いがしたいって言ってきたのはそっちだろ? 何で武器が要るんだよ?」
「ひゃはは! 教頭さんよ~聞いたか? 俺の言ったとおりだろ? こいつは甘いんだよ! レベルも19しかないのに、なに偉そうにリーダーぶってるんだ? さっさと死ね!」

 佐竹はいきなり剣を抜いて心臓めがけて突いてきた! 【身体強化】をレベル10にしているようで、一瞬のできごとだった。

 俺はさっと体をずらして、肩口に剣を貫通させた。

「「「キャー!」」」

 女子たちの悲鳴が体育館にこだまする!

「ん! 龍馬何やってるの!?」
「兄様!?」
「え? 龍馬君? どうして?」

 シールドを張ってなく俺の肩に剣が貫通してるのを見て、嫁たちが疑問と驚きを見せている。
 だが俺は強烈な痛みとは裏腹に、内心ガッツポーズをとっていた! これで合法的に殺せる……。

「ひゃはは! ホレみろ! 白石なんかこの程度なんだよ! お前ら、なにビビッてたんだ!? 俺に蹴られまくって、好きな女がやられてる前でシクシク泣いてた奴が強いわけないだろうが!」

 奴は俺に刺した剣をグリグリ捻りながらそうほざいた……グリグリ攻撃は痛い!

 真っ先に動いたのは、嫁たちではなくハティだった。沙希から飛び退き、佐竹の前で鼻に皺を寄せ可愛い唸りを上げ威嚇している。初めてみるハティの怒った威嚇顔だ。でも、ちょっと可愛い。

「ウッゥゥ~~ミャン!」

 おお! ハティお得意の風魔法攻撃だ! バシュっと首元を刎ねたが、シールドが張られていて弾かれた。
 ハティは初めて見たシールドに首をかしげて悩んでいる。初見のシールドなので、何で首が落ちないのか分からないのだ。キング戦に連れていってなかったからね。後でちゃんと教えてやらないとな。

 でも偉いぞ! 主人の危機に真っ先に動くとは可愛いやつめ! あとで、ミックスジュースを作ってやろう!


「なんだ? このチビスケ、魔法を撃ってきたぞ! 只の仔犬じゃないのか?」

 目視しにくい風魔法だったが、何か攻撃を受けたのは流石に分かったようだ。

「お前ら何ボーっと見てんだ、桃源郷だ! 酒池肉林だ! 男とブスは殺して数を減らせ! くれてやる餌が勿体ない! そらっ、とっとと間引きを始めろ!」


 佐竹がそう叫んだのだが―――
 食事じゃなく、餌? あきれてなんも言えんわ、もう殺そう……。
しおりを挟む
感想 523

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

誰一人帰らない『奈落』に落とされたおっさん、うっかり暗号を解読したら、未知の遺物の使い手になりました!

ミポリオン
ファンタジー
旧題:巻き込まれ召喚されたおっさん、無能で誰一人帰らない場所に追放されるも、超古代文明の暗号を解いて力を手にいれ、楽しく生きていく  高校生達が勇者として召喚される中、1人のただのサラリーマンのおっさんである福菅健吾が巻き込まれて異世界に召喚された。  高校生達は強力なステータスとスキルを獲得したが、おっさんは一般人未満のステータスしかない上に、異世界人の誰もが持っている言語理解しかなかったため、転移装置で誰一人帰ってこない『奈落』に追放されてしまう。  しかし、そこに刻まれた見たこともない文字を、健吾には全て理解する事ができ、強大な超古代文明のアイテムを手に入れる。  召喚者達は気づかなかった。健吾以外の高校生達の通常スキル欄に言語スキルがあり、健吾だけは固有スキルの欄に言語スキルがあった事を。そしてそのスキルが恐るべき力を秘めていることを。 ※カクヨムでも連載しています

【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。

三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎ 長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!? しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。 ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。 といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。 とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない! フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!

ボクが追放されたら飢餓に陥るけど良いですか?

音爽(ネソウ)
ファンタジー
美味しい果実より食えない石ころが欲しいなんて、人間て変わってますね。 役に立たないから出ていけ? わかりました、緑の加護はゴッソリ持っていきます! さようなら! 5月4日、ファンタジー1位!HOTランキング1位獲得!!ありがとうございました!

バーンズ伯爵家の内政改革 ~10歳で目覚めた長男、前世知識で領地を最適化します

namisan
ファンタジー
バーンズ伯爵家の長男マイルズは、完璧な容姿と神童と噂される知性を持っていた。だが彼には、誰にも言えない秘密があった。――前世が日本の「医師」だったという記憶だ。 マイルズが10歳となった「洗礼式」の日。 その儀式の最中、領地で謎の疫病が発生したとの凶報が届く。 「呪いだ」「悪霊の仕業だ」と混乱する大人たち。 しかしマイルズだけは、元医師の知識から即座に「病」の正体と、放置すれば領地を崩壊させる「災害」であることを看破していた。 「父上、お待ちください。それは呪いではありませぬ。……対処法がわかります」 公衆衛生の確立を皮切りに、マイルズは領地に潜む様々な「病巣」――非効率な農業、停滞する経済、旧態依然としたインフラ――に気づいていく。 前世の知識を総動員し、10歳の少年が領地を豊かに変えていく。 これは、一人の転生貴族が挑む、本格・異世界領地改革(内政)ファンタジー。

勇者パーティーを追放されたので、張り切ってスローライフをしたら魔王に世界が滅ぼされてました

まりあんぬさま
ファンタジー
かつて、世界を救う希望と称えられた“勇者パーティー”。 その中で地味に、黙々と補助・回復・結界を張り続けていたおっさん――バニッシュ=クラウゼン(38歳)は、ある日、突然追放を言い渡された。 理由は「お荷物」「地味すぎる」「若返くないから」。 ……笑えない。 人付き合いに疲れ果てたバニッシュは、「もう人とは関わらん」と北西の“魔の森”に引きこもり、誰も入って来られない結界を張って一人スローライフを開始……したはずだった。 だがその結界、なぜか“迷える者”だけは入れてしまう仕様だった!? 気づけば―― 記憶喪失の魔王の娘 迫害された獣人一家 古代魔法を使うエルフの美少女 天然ドジな女神 理想を追いすぎて仲間を失った情熱ドワーフ などなど、“迷える者たち”がどんどん集まってくる異種族スローライフ村が爆誕! ところが世界では、バニッシュの支援を失った勇者たちがボロボロに…… 魔王軍の侵攻は止まらず、世界滅亡のカウントダウンが始まっていた。 「もう面倒ごとはごめんだ。でも、目の前の誰かを見捨てるのも――もっとごめんだ」 これは、追放された“地味なおっさん”が、 異種族たちとスローライフしながら、 世界を救ってしまう(予定)のお話である。

タダ働きなので待遇改善を求めて抗議したら、精霊達から『破壊神』と怖れられています。

渡里あずま
ファンタジー
出来損ないの聖女・アガタ。 しかし、精霊の加護を持つ新たな聖女が現れて、王子から婚約破棄された時――彼女は、前世(現代)の記憶を取り戻した。 「それなら、今までの報酬を払って貰えますか?」 ※※※ 虐げられていた子が、モフモフしながらやりたいことを探す旅に出る話です。 ※重複投稿作品※ 表紙の使用画像は、AdobeStockのものです。

ハズレスキル【地図化(マッピング)】で追放された俺、実は未踏破ダンジョンの隠し通路やギミックを全て見通せる世界で唯一の『攻略神』でした

夏見ナイ
ファンタジー
勇者パーティの荷物持ちだったユキナガは、戦闘に役立たない【地図化】スキルを理由に「無能」と罵られ、追放された。 しかし、孤独の中で己のスキルと向き合った彼は、その真価に覚醒する。彼の脳内に広がるのは、モンスター、トラップ、隠し通路に至るまで、ダンジョンの全てを完璧に映し出す三次元マップだった。これは最強の『攻略神』の眼だ――。 彼はその圧倒的な情報力を武器に、同じく不遇なスキルを持つ仲間たちの才能を見出し、不可能と言われたダンジョンを次々と制覇していく。知略と分析で全てを先読みし、完璧な指示で仲間を導く『指揮官』の成り上がり譚。 一方、彼を失った勇者パーティは迷走を始める……。爽快なダンジョン攻略とカタルシス溢れる英雄譚が、今、始まる!

処理中です...