98 / 120
水神殿への帰還
8-1 バナムへの出発
しおりを挟む
明日はバナムに向けてガラさんの護衛依頼で出発するため、今日はいろいろ雑用を済ませる事にした。
まずナシル親子を連れ冒険者ギルドに向かい、ガラ商会から新たに出ている親子への指名依頼を受諾させた。
薬草採取のみなら冒険者ランクを上げる必要はないのだが、ナシルさんが冒険者としてやる気を出しているので、少し様子を見る事にしたのだ。
ガラさんにお願いをして親子に護衛依頼を受けさせたのだが、形式だけで実際には親子に給金は出ない。
俺の我儘なので、ギルドへの依頼料は俺が出している。この辺は商人相手にあまりなぁなぁにすると、付け込まれそうなのでしっかり線引きしておく。
「イリスさん、おはようございます」
「リョウマ君おはよう、明日はバナムに出発だね」
「ええ、結構ハーレンに滞在しましたが忙しくて観光はあまりできませんでしたけどね。あ、これ追加で売ってあげます。ワニ1と牛5です」
「エッ!? 追加で売ってくれるの? やった! また臨時でボーナスが貰える!」
「エッ!? イリスさん全然関係ないのに、いくらもらっているのですか?」
「ちょっとだけよ……それよりリョウマ君の気が変わらないうちにすぐ倉庫に行きましょ」
ごまかしやがった……イリスさんには多少世話になってるとはいえ、ただ受付で座ってただけで利益が流れるのは釈然としない。ギルドマスターとそういう契約をしているようなので仕方ないとは思うのだけど……。
「あ、イリスさん以外の職員でこれ食べてください。ポテトチップスです」
インベントリから大量のポテトチップスを取出し、他の受付嬢に手渡す。昨日ソシアたちに皮むきさせたやつを揚げて持ってきたのだ。高価な油を大量に使って『揚げる』という調理法がない世界なので、ポテチは簡単なのに珍しいだろう。
「なんで私以外なのよ! 意地悪言わないで私にも食べさせてよ」
「特に何もしてないのに不当にお金が流れてるのが気に入らない……頑張ったのは俺とマチルダさんたちなのに……」
「買取査定とか私が専属でついてるじゃない……」
イリスさんの声はしりすぼみで小さい、自分でもちょっと自覚はあるようだ。
「買取査定はイリスさんのギルド職員としての通常業務でしょ? 俺たちが特別って訳じゃないですよね?」
「うっ、そうだけど……分かったわ。臨時ボーナス分は受付嬢で分配するなら納得してくれる?」
「ええ、それならいいです。偶々俺たちの専属担当になったからと、一人だけ運よく稼ぐのは他の者も納得いかないでしょうし」
周りの他の受付嬢たちも頷いてる。
「もう、分かりました! 今回リョウマ君が売ってくれる分と、先日追加で売ってくれた分の配当は明日じゃ間に合わないけど、どうしようか?」
「そうですね。金額が確定したらメールだけ送ってくれればいいです。後でバナムかこっちで受け取るようにします」
「じゃあ、オークションで金額が確定したら連絡入れるわね」
「はい、お願いします」
「リョウマ君、時々ハーレンにも来てね」
「ええ、そのうち海の方にも行きたいので、またお菓子を持ってきますね」
イリスさんと少し世間話をしてギルドを後にした。巨人のギルド長がこなかったので少し気になったが、またそのうち会えるだろう。他の受付嬢や職員からもしばしのお別れの挨拶をしてもらえたので気分は上々だ。
ギルドを出たその足で孤児院に行く。今回、フェイはマチルダさんに預けてきた。
ナシル親子はギルド前で解散した……彼女たちにもいろいろ準備があるだろう。
孤児院ではオーク3頭、牛2頭分の肉をカーミラさんに預け、子供たちに食べさせてもらうようお願いした。
カーミラさんはひょっとしたら仕事で居ないかと思っていたが、神殿に女手が無いので週3日しか外では働いていないそうだ。この人数の子供の面倒を1人で見るのって大変だろうな……大きな孤児院ならシスターが手伝ってくれるのだが、こんな小さな神殿では仕方がないのかもしれない。
「水神殿に行くので暫く来れないです。牛のお肉はお金に余裕がないのであれば売ってもらってもかまいませんので、その辺はメリウ神父と相談して決めてください」
「リョウマ君ありがとう。それと報告だけど、子供たちの服を昨日買わせてもらったわ。皆、凄く喜んでいたわ」
「そうですか、それは良かったです。いつもと違う服を着ると気分がウキウキしますからね」
神父と子供たちは授業中との事なので、会わずに行くことにした。
「リョウマ君、またハーレンに来ることがあったら必ず遊びに来てね」
「ええ、そうします」
最後にガラ商会へ行き明日の荷物を引き取った。
「リョウマ君、君の【亜空間倉庫】はまだ入りそうだね? でも、これ以上はダメかな?」
「今回だけという事ならもう1台分くらいなら構いませんよ。ナシル親子の事で無茶をお願いした件もありますし、今回は特別です」
「そうか! ありがとう。じゃあ、もう1台分すぐに手配するので、30分程時間をくれないか?」
「ええ、そのくらいなら構いません。それとガラさんに仕入れて欲しい物があるのですがいいですか?」
「なんだい? リョウマ君の頼みなら大抵の物は仕入れてみせるよ」
「オリハルコンを、剣3本打てるくらいの量と、ブラックメタル鉱石を10kg程仕入れて欲しいのですが」
「ブラックメタルははっきり言って今はミスリルより安い。精錬できないのだからいくら希少でも宝の持ち腐れだからね。でもそんなものどうするんだ?」
「まぁ、いろいろですね。安いなら20kg程欲しいです。可能ですか?」
「ああ、ブラックメタルは問題ないけど、純度の高い良いオリハルコンは高いぞ。今回のリョウマ君の稼ぎがほぼ無くなっちゃうがいいのか?」
「ええ、構いません。配当の分から差し引いてもらって結構です。足らなかったらその分は現金で支払います」
「今日渡すつもりで、これまでの分のお金は用意してあるがどうする? 一旦清算しておいて鉱石を仕入れた時に請求をするのでもいいが、できたらオリハルコンの仕入れ金額が大きいのでこのままこのお金は預からせて欲しい」
「そうですね、そのお金で仕入れてもらって、残りは差し引きでって事でいいですよ」
「そうか、その方が俺としてはありがたい。では仕入れは任せてくれ。できるだけ良い物を安く仕入れて見せる」
「追加で頼んでおいたお米はありましたか?」
「ああ、米と香辛料もちゃんと仕入れてあるぞ」
「バナムまでの食はこれでばっちりですね。期待しててください」
「実はかなり楽しみで仕方ない。今回はあのログハウスに泊めてくれるんだよね?」
「ええ、外部に情報を漏らさないという条件は守ってもらいますけどね」
「それは確約する。商人は信用が大事だからね、約束は守るよ」
追加分の荷車をインベントリに収納し、今日の予定は終了した。
追加で用意した荷車の中身が生ものばかりだったのは見なかった事にしてあげよう。ガラさんに時間停止機能付きなのを言った覚えはないのだが、ちゃっかり気付いているようだ。商人はこれだから油断できない。
宿に戻り湿原遠征の報酬を皆に配る。
「パエルさんとサリエさんは、今回の報酬を俺の在庫から使った材料費として徴収しますがいいですね?」
「勿論です。でもそれくらいでは足らないのではないですか?」
「ん、むしろ所持金分で作ってくれて感謝!」
「パエルさんは雷獣の魔石を提供してくれているので良いですよ。それにお金の話をするのならそのアクセサリーやアイテムポーチ1個で数十億します。今更ですので気にしないでいいです」
「あの……私たち750万も受け取っていいのですか?」
「ちょっと渡し過ぎな気もしますが、俺たち兄妹はお金には困っていませんので、それで拠点とする家でも買ってください。フェイも楽しんでいたようですし、俺も湿原遠征はいい勉強になりましたので、それは授業料です。あ、只、パエルさんのクランからの借り入れは今回の事でチャラにしてあげてくださいね。サリエさんも所持金は0ですが、いろいろあげた品を活用して頑張ってこれから稼いでください」
「ええ、クランの貸は私たちが今回得た分で十分です。皆も良いわね?」
「「ええ、勿論よ」」
「ん、頑張る。リョウマありがとう」
ソシアは猫ちゃんネックレスをイジイジしながら幸せそうな顔をしている。武器こそ作ってやっていないが装備やらアクセサリー、アイテムポーチだけでも相当なもののはずだ、幸せ絶頂なのだろう。
自室に戻り明日が早いので今日はフェイと早々に寝る事にした。
翌朝7時に東門前集合になっている。
ナシル親子はちゃんと先に来ている。前回の集合時、新人の俺たちが最後だったため、ナシルさんには新人は早めに来てベテラン組を待たせないようにと指導したのだ。自分たちの失敗した事をさせる訳にはいかない。
「リョウマお兄ちゃん、フェイお姉ちゃんおはよう!」
「ああ、おはよう。メリルは朝から元気だな。ナシルさんもおはようございます」
「はい、リョウマ君、フェイちゃんおはようございます。この子ったら昨夜ははしゃいじゃってなかなか寝なかったのですよ」
「だって町から出るの初めてなんだもん! 凄く楽しみ!」
「そうなのか? じゃあ、門から出たのも薬草採取の時が初めてだったのか?」
「うん、そうだよ」
「リョウマ君おはよう、出発初日は良い天気だな」
「ガラさんおはようございます。移動中の雨は嫌ですからね。晴れてくれて良かったです」
全員が集まったところで、ガラさんの出発時の説明が行われる。
「皆さんおはよう、私がこの商隊のリーダーをする、商人ギルド所属のガラだ。出発前に各自自己紹介と簡単な取り決めをしておく。もし移動途中に盗賊に襲われた場合、戦力差を考慮して、戦闘か全面降伏かを決めるのは私が判断する。戦闘になり討伐できた場合、本隊商人が3・冒険者が7の取り分とする。戦利品の中で欲しい品があった場合はその場で交渉して個人で買い取りという事にする。魔獣が出た場合、今回は全額冒険者に譲るとしよう。冒険者側の取り分の配分はそっちで話し合って決めてくれ。冒険者側のリーダーを紹介する。クラン『灼熱の戦姫』のリーダーマチルダさんだ」
今回俺とフェイはマチルダさんのパーティーの所属扱いになっている。他のパーティーとの協調性を見る為にランクアップの査定に良いからとイリスさんに言われたためだ。
それにしてもガラさんの挨拶、前回と一緒だな。定型文を読み上げてるようで笑ってしまった。
マチルダさんの挨拶も終わり、冒険者ですり合わせを行う。これも前回同様だった。
・倒した魔獣は討伐者がもらえる
・剥ぎ取り時間は与えないので、各自【亜空間倉庫】に保管
・容量不足の場合は2割安で商人が買い取る
・7等級以上の魔獣は、全て『灼熱の戦姫』が請け負う
・8等級以下は優先的に低ランク冒険者にまわすので、早めに合図を送る事
・大群が出て乱戦になった場合、『灼熱の戦姫』6、他4で分配する
今回追従組の商人は3人いる。
小型の馬車の商人は、アイアンランクの冒険者を各2名ずつ雇っているようだ。
中型馬車の商人はシルバーランク2名だ。これで儲けあるのかな……不思議だ。
・本隊商人2人、御者2名、『灼熱の戦姫』の6名と俺たち兄妹・ナシル親子2名・大型馬車2台
・追尾組商人A:雇われたシルバーランク冒険者2名・中型馬車1台
・追尾組商人B:雇われたアイアン冒険者2名・小型馬車1台
・追尾組商人C:雇われたアイアン冒険者2名・小型馬車1台
今回ナシル親子には時々馬車から降りて走ってもらう。勿論馬の方が早い為、直ぐに差がついて置いていかれるのだが、休憩地点で追いつくように計算してある。
親子でぜぇぜぇ言っているが【疲労回復】付与の付いたペンダントを渡してある為にちょっと休めば直ぐに治まる。メリルはちょっと涙目だが、圧倒的に体力がないのだから少し頑張ってもらう。
午前中にトータルで7km程走ってもらったが、昼食は2人とも平気な顔でぺろりと平らげた。
ガラさんたちも昼食は喜んでくれた。
初日昼食メニュー
・水牛の牛丼
・白菜の漬物
・けんちん汁
・バニラアイス
14時ぐらいの最後の休憩地点前でまた親子に5km程走ってもらっていたのだが、念の為に一緒に走らせていたフェイが林の中に急に飛び込んで行ってしまった。MAPでは小動物の反応しかしていない。
なんだろうと思っていたら、5分程して帰ってきたフェイの手にうりぼうが捕まっていた。
「兄様! この子凄く可愛いです! 飼っていいですか!」
「ダメだ! どこから連れてきた! 返して来い!」
この駄竜、猪の子供を攫ってきたのだ。確かに可愛いが、そんなの今だけだ! 1年もしないうちにすぐに大型犬ぐらいにまで成長して可愛くなくなる。意外と賢く飼い主にはある程度懐くのだが、他の者がテリトリー内に入ると牙で襲ってくるので飼うのは却下だ! 2年もすれば80Kg程にもなる。3年すれば100kgオーバーもいるほどだ。危険極まりない。
「嫌です! 飼いたいです!」
「フェイちゃん、野生動物は犬じゃないんだからダメよ。お母さんもきっと探しているわよ?」
ナイスだマチルダさん、俺も子供の頃何回か子犬を拾ってきてじーちゃんに返しに連れて行かれた事があったのを覚えているが、うりぼうは流石にないだろ。フェイのやつ困ったもんだ。もう少し育っているなら肉として確保するのだが、流石に小さすぎて可哀想だ。魔獣でもない野生動物なので逃がしてやるのが賢明だ。
涙目になりながらも、マチルダさんに連れられて返してきたようだ。
「マチルダさんお手数掛けました。メリルならともかく、フェイが皆の足引っ張ってどうする」
「うーっ、だってあの子可愛いのに! 兄様のケチ!」
フェイはまだ諦め切れないようだが無視だ。
大きな出来事といえばこのくらいで、無事初日の野営地に到着した。
追尾組の者が一生懸命野営の為の設営をしているが、俺たちはログハウスを空地に召喚して終わりだ。
初めて見る者はびっくりしていたが、質問ははぐらかしてさっさと中に入る事にした。
外の冒険者に、夜番は『灼熱の戦姫』で全部やると伝えてある。
初めて中に入ったガラさんは見る物全てに驚いていたが、お風呂とトイレには感激していた。ベッドやトイレを是非仕入れさせてくれと言ってきたが、その事は最初に断ってあるはずだと言い却下した。
夕飯前に風呂に入ってもらい、さっぱりしてから食べる事にする。サウナも開放し、1時間程の長風呂を終えた。ガラさんほどの商人になれば家に風呂はあるが、それでも毎日は入らないそうだ。
先に男性陣が入り、一旦湯を抜いて【クリーン】で浄化した後女性陣と交代だ。
ちょっと無理をさせてお疲れのメリル親子のみ【アクアフロー】でマッサージをフェイに頼んだ。
これで明日全快状態でまたランニングが可能だろう。
俺はその間に夕飯の準備だ。
夕飯のメニュー
・バイトタートルの鍋(すっぽん鍋)
・レバ刺し・ハツ刺し
・鶏のから揚げ
・途中の雑炊
・ミックスジュース
・プリン
夕飯も大盛況だった。気を良くしたガラさんが、商品のエールを出してきたほどだ。
冷えてなかったので、魔法で冷やしてやったら皆ガブガブ飲んだ。
明日大丈夫か心配だったが、ソシアさんが回復するからと言って飲むのを止めようとしなかった。
フェイもうりぼうの事でまだ拗ねているのか、ミックスジュースを結構な量飲んでいた。
お酒じゃないのは可愛いが、そんなに飲むとお腹壊すよ。
フェイはマチルダさんたちと寝ると言うので、片付けは明日の朝にして、先に寝る事にした。
まずナシル親子を連れ冒険者ギルドに向かい、ガラ商会から新たに出ている親子への指名依頼を受諾させた。
薬草採取のみなら冒険者ランクを上げる必要はないのだが、ナシルさんが冒険者としてやる気を出しているので、少し様子を見る事にしたのだ。
ガラさんにお願いをして親子に護衛依頼を受けさせたのだが、形式だけで実際には親子に給金は出ない。
俺の我儘なので、ギルドへの依頼料は俺が出している。この辺は商人相手にあまりなぁなぁにすると、付け込まれそうなのでしっかり線引きしておく。
「イリスさん、おはようございます」
「リョウマ君おはよう、明日はバナムに出発だね」
「ええ、結構ハーレンに滞在しましたが忙しくて観光はあまりできませんでしたけどね。あ、これ追加で売ってあげます。ワニ1と牛5です」
「エッ!? 追加で売ってくれるの? やった! また臨時でボーナスが貰える!」
「エッ!? イリスさん全然関係ないのに、いくらもらっているのですか?」
「ちょっとだけよ……それよりリョウマ君の気が変わらないうちにすぐ倉庫に行きましょ」
ごまかしやがった……イリスさんには多少世話になってるとはいえ、ただ受付で座ってただけで利益が流れるのは釈然としない。ギルドマスターとそういう契約をしているようなので仕方ないとは思うのだけど……。
「あ、イリスさん以外の職員でこれ食べてください。ポテトチップスです」
インベントリから大量のポテトチップスを取出し、他の受付嬢に手渡す。昨日ソシアたちに皮むきさせたやつを揚げて持ってきたのだ。高価な油を大量に使って『揚げる』という調理法がない世界なので、ポテチは簡単なのに珍しいだろう。
「なんで私以外なのよ! 意地悪言わないで私にも食べさせてよ」
「特に何もしてないのに不当にお金が流れてるのが気に入らない……頑張ったのは俺とマチルダさんたちなのに……」
「買取査定とか私が専属でついてるじゃない……」
イリスさんの声はしりすぼみで小さい、自分でもちょっと自覚はあるようだ。
「買取査定はイリスさんのギルド職員としての通常業務でしょ? 俺たちが特別って訳じゃないですよね?」
「うっ、そうだけど……分かったわ。臨時ボーナス分は受付嬢で分配するなら納得してくれる?」
「ええ、それならいいです。偶々俺たちの専属担当になったからと、一人だけ運よく稼ぐのは他の者も納得いかないでしょうし」
周りの他の受付嬢たちも頷いてる。
「もう、分かりました! 今回リョウマ君が売ってくれる分と、先日追加で売ってくれた分の配当は明日じゃ間に合わないけど、どうしようか?」
「そうですね。金額が確定したらメールだけ送ってくれればいいです。後でバナムかこっちで受け取るようにします」
「じゃあ、オークションで金額が確定したら連絡入れるわね」
「はい、お願いします」
「リョウマ君、時々ハーレンにも来てね」
「ええ、そのうち海の方にも行きたいので、またお菓子を持ってきますね」
イリスさんと少し世間話をしてギルドを後にした。巨人のギルド長がこなかったので少し気になったが、またそのうち会えるだろう。他の受付嬢や職員からもしばしのお別れの挨拶をしてもらえたので気分は上々だ。
ギルドを出たその足で孤児院に行く。今回、フェイはマチルダさんに預けてきた。
ナシル親子はギルド前で解散した……彼女たちにもいろいろ準備があるだろう。
孤児院ではオーク3頭、牛2頭分の肉をカーミラさんに預け、子供たちに食べさせてもらうようお願いした。
カーミラさんはひょっとしたら仕事で居ないかと思っていたが、神殿に女手が無いので週3日しか外では働いていないそうだ。この人数の子供の面倒を1人で見るのって大変だろうな……大きな孤児院ならシスターが手伝ってくれるのだが、こんな小さな神殿では仕方がないのかもしれない。
「水神殿に行くので暫く来れないです。牛のお肉はお金に余裕がないのであれば売ってもらってもかまいませんので、その辺はメリウ神父と相談して決めてください」
「リョウマ君ありがとう。それと報告だけど、子供たちの服を昨日買わせてもらったわ。皆、凄く喜んでいたわ」
「そうですか、それは良かったです。いつもと違う服を着ると気分がウキウキしますからね」
神父と子供たちは授業中との事なので、会わずに行くことにした。
「リョウマ君、またハーレンに来ることがあったら必ず遊びに来てね」
「ええ、そうします」
最後にガラ商会へ行き明日の荷物を引き取った。
「リョウマ君、君の【亜空間倉庫】はまだ入りそうだね? でも、これ以上はダメかな?」
「今回だけという事ならもう1台分くらいなら構いませんよ。ナシル親子の事で無茶をお願いした件もありますし、今回は特別です」
「そうか! ありがとう。じゃあ、もう1台分すぐに手配するので、30分程時間をくれないか?」
「ええ、そのくらいなら構いません。それとガラさんに仕入れて欲しい物があるのですがいいですか?」
「なんだい? リョウマ君の頼みなら大抵の物は仕入れてみせるよ」
「オリハルコンを、剣3本打てるくらいの量と、ブラックメタル鉱石を10kg程仕入れて欲しいのですが」
「ブラックメタルははっきり言って今はミスリルより安い。精錬できないのだからいくら希少でも宝の持ち腐れだからね。でもそんなものどうするんだ?」
「まぁ、いろいろですね。安いなら20kg程欲しいです。可能ですか?」
「ああ、ブラックメタルは問題ないけど、純度の高い良いオリハルコンは高いぞ。今回のリョウマ君の稼ぎがほぼ無くなっちゃうがいいのか?」
「ええ、構いません。配当の分から差し引いてもらって結構です。足らなかったらその分は現金で支払います」
「今日渡すつもりで、これまでの分のお金は用意してあるがどうする? 一旦清算しておいて鉱石を仕入れた時に請求をするのでもいいが、できたらオリハルコンの仕入れ金額が大きいのでこのままこのお金は預からせて欲しい」
「そうですね、そのお金で仕入れてもらって、残りは差し引きでって事でいいですよ」
「そうか、その方が俺としてはありがたい。では仕入れは任せてくれ。できるだけ良い物を安く仕入れて見せる」
「追加で頼んでおいたお米はありましたか?」
「ああ、米と香辛料もちゃんと仕入れてあるぞ」
「バナムまでの食はこれでばっちりですね。期待しててください」
「実はかなり楽しみで仕方ない。今回はあのログハウスに泊めてくれるんだよね?」
「ええ、外部に情報を漏らさないという条件は守ってもらいますけどね」
「それは確約する。商人は信用が大事だからね、約束は守るよ」
追加分の荷車をインベントリに収納し、今日の予定は終了した。
追加で用意した荷車の中身が生ものばかりだったのは見なかった事にしてあげよう。ガラさんに時間停止機能付きなのを言った覚えはないのだが、ちゃっかり気付いているようだ。商人はこれだから油断できない。
宿に戻り湿原遠征の報酬を皆に配る。
「パエルさんとサリエさんは、今回の報酬を俺の在庫から使った材料費として徴収しますがいいですね?」
「勿論です。でもそれくらいでは足らないのではないですか?」
「ん、むしろ所持金分で作ってくれて感謝!」
「パエルさんは雷獣の魔石を提供してくれているので良いですよ。それにお金の話をするのならそのアクセサリーやアイテムポーチ1個で数十億します。今更ですので気にしないでいいです」
「あの……私たち750万も受け取っていいのですか?」
「ちょっと渡し過ぎな気もしますが、俺たち兄妹はお金には困っていませんので、それで拠点とする家でも買ってください。フェイも楽しんでいたようですし、俺も湿原遠征はいい勉強になりましたので、それは授業料です。あ、只、パエルさんのクランからの借り入れは今回の事でチャラにしてあげてくださいね。サリエさんも所持金は0ですが、いろいろあげた品を活用して頑張ってこれから稼いでください」
「ええ、クランの貸は私たちが今回得た分で十分です。皆も良いわね?」
「「ええ、勿論よ」」
「ん、頑張る。リョウマありがとう」
ソシアは猫ちゃんネックレスをイジイジしながら幸せそうな顔をしている。武器こそ作ってやっていないが装備やらアクセサリー、アイテムポーチだけでも相当なもののはずだ、幸せ絶頂なのだろう。
自室に戻り明日が早いので今日はフェイと早々に寝る事にした。
翌朝7時に東門前集合になっている。
ナシル親子はちゃんと先に来ている。前回の集合時、新人の俺たちが最後だったため、ナシルさんには新人は早めに来てベテラン組を待たせないようにと指導したのだ。自分たちの失敗した事をさせる訳にはいかない。
「リョウマお兄ちゃん、フェイお姉ちゃんおはよう!」
「ああ、おはよう。メリルは朝から元気だな。ナシルさんもおはようございます」
「はい、リョウマ君、フェイちゃんおはようございます。この子ったら昨夜ははしゃいじゃってなかなか寝なかったのですよ」
「だって町から出るの初めてなんだもん! 凄く楽しみ!」
「そうなのか? じゃあ、門から出たのも薬草採取の時が初めてだったのか?」
「うん、そうだよ」
「リョウマ君おはよう、出発初日は良い天気だな」
「ガラさんおはようございます。移動中の雨は嫌ですからね。晴れてくれて良かったです」
全員が集まったところで、ガラさんの出発時の説明が行われる。
「皆さんおはよう、私がこの商隊のリーダーをする、商人ギルド所属のガラだ。出発前に各自自己紹介と簡単な取り決めをしておく。もし移動途中に盗賊に襲われた場合、戦力差を考慮して、戦闘か全面降伏かを決めるのは私が判断する。戦闘になり討伐できた場合、本隊商人が3・冒険者が7の取り分とする。戦利品の中で欲しい品があった場合はその場で交渉して個人で買い取りという事にする。魔獣が出た場合、今回は全額冒険者に譲るとしよう。冒険者側の取り分の配分はそっちで話し合って決めてくれ。冒険者側のリーダーを紹介する。クラン『灼熱の戦姫』のリーダーマチルダさんだ」
今回俺とフェイはマチルダさんのパーティーの所属扱いになっている。他のパーティーとの協調性を見る為にランクアップの査定に良いからとイリスさんに言われたためだ。
それにしてもガラさんの挨拶、前回と一緒だな。定型文を読み上げてるようで笑ってしまった。
マチルダさんの挨拶も終わり、冒険者ですり合わせを行う。これも前回同様だった。
・倒した魔獣は討伐者がもらえる
・剥ぎ取り時間は与えないので、各自【亜空間倉庫】に保管
・容量不足の場合は2割安で商人が買い取る
・7等級以上の魔獣は、全て『灼熱の戦姫』が請け負う
・8等級以下は優先的に低ランク冒険者にまわすので、早めに合図を送る事
・大群が出て乱戦になった場合、『灼熱の戦姫』6、他4で分配する
今回追従組の商人は3人いる。
小型の馬車の商人は、アイアンランクの冒険者を各2名ずつ雇っているようだ。
中型馬車の商人はシルバーランク2名だ。これで儲けあるのかな……不思議だ。
・本隊商人2人、御者2名、『灼熱の戦姫』の6名と俺たち兄妹・ナシル親子2名・大型馬車2台
・追尾組商人A:雇われたシルバーランク冒険者2名・中型馬車1台
・追尾組商人B:雇われたアイアン冒険者2名・小型馬車1台
・追尾組商人C:雇われたアイアン冒険者2名・小型馬車1台
今回ナシル親子には時々馬車から降りて走ってもらう。勿論馬の方が早い為、直ぐに差がついて置いていかれるのだが、休憩地点で追いつくように計算してある。
親子でぜぇぜぇ言っているが【疲労回復】付与の付いたペンダントを渡してある為にちょっと休めば直ぐに治まる。メリルはちょっと涙目だが、圧倒的に体力がないのだから少し頑張ってもらう。
午前中にトータルで7km程走ってもらったが、昼食は2人とも平気な顔でぺろりと平らげた。
ガラさんたちも昼食は喜んでくれた。
初日昼食メニュー
・水牛の牛丼
・白菜の漬物
・けんちん汁
・バニラアイス
14時ぐらいの最後の休憩地点前でまた親子に5km程走ってもらっていたのだが、念の為に一緒に走らせていたフェイが林の中に急に飛び込んで行ってしまった。MAPでは小動物の反応しかしていない。
なんだろうと思っていたら、5分程して帰ってきたフェイの手にうりぼうが捕まっていた。
「兄様! この子凄く可愛いです! 飼っていいですか!」
「ダメだ! どこから連れてきた! 返して来い!」
この駄竜、猪の子供を攫ってきたのだ。確かに可愛いが、そんなの今だけだ! 1年もしないうちにすぐに大型犬ぐらいにまで成長して可愛くなくなる。意外と賢く飼い主にはある程度懐くのだが、他の者がテリトリー内に入ると牙で襲ってくるので飼うのは却下だ! 2年もすれば80Kg程にもなる。3年すれば100kgオーバーもいるほどだ。危険極まりない。
「嫌です! 飼いたいです!」
「フェイちゃん、野生動物は犬じゃないんだからダメよ。お母さんもきっと探しているわよ?」
ナイスだマチルダさん、俺も子供の頃何回か子犬を拾ってきてじーちゃんに返しに連れて行かれた事があったのを覚えているが、うりぼうは流石にないだろ。フェイのやつ困ったもんだ。もう少し育っているなら肉として確保するのだが、流石に小さすぎて可哀想だ。魔獣でもない野生動物なので逃がしてやるのが賢明だ。
涙目になりながらも、マチルダさんに連れられて返してきたようだ。
「マチルダさんお手数掛けました。メリルならともかく、フェイが皆の足引っ張ってどうする」
「うーっ、だってあの子可愛いのに! 兄様のケチ!」
フェイはまだ諦め切れないようだが無視だ。
大きな出来事といえばこのくらいで、無事初日の野営地に到着した。
追尾組の者が一生懸命野営の為の設営をしているが、俺たちはログハウスを空地に召喚して終わりだ。
初めて見る者はびっくりしていたが、質問ははぐらかしてさっさと中に入る事にした。
外の冒険者に、夜番は『灼熱の戦姫』で全部やると伝えてある。
初めて中に入ったガラさんは見る物全てに驚いていたが、お風呂とトイレには感激していた。ベッドやトイレを是非仕入れさせてくれと言ってきたが、その事は最初に断ってあるはずだと言い却下した。
夕飯前に風呂に入ってもらい、さっぱりしてから食べる事にする。サウナも開放し、1時間程の長風呂を終えた。ガラさんほどの商人になれば家に風呂はあるが、それでも毎日は入らないそうだ。
先に男性陣が入り、一旦湯を抜いて【クリーン】で浄化した後女性陣と交代だ。
ちょっと無理をさせてお疲れのメリル親子のみ【アクアフロー】でマッサージをフェイに頼んだ。
これで明日全快状態でまたランニングが可能だろう。
俺はその間に夕飯の準備だ。
夕飯のメニュー
・バイトタートルの鍋(すっぽん鍋)
・レバ刺し・ハツ刺し
・鶏のから揚げ
・途中の雑炊
・ミックスジュース
・プリン
夕飯も大盛況だった。気を良くしたガラさんが、商品のエールを出してきたほどだ。
冷えてなかったので、魔法で冷やしてやったら皆ガブガブ飲んだ。
明日大丈夫か心配だったが、ソシアさんが回復するからと言って飲むのを止めようとしなかった。
フェイもうりぼうの事でまだ拗ねているのか、ミックスジュースを結構な量飲んでいた。
お酒じゃないのは可愛いが、そんなに飲むとお腹壊すよ。
フェイはマチルダさんたちと寝ると言うので、片付けは明日の朝にして、先に寝る事にした。
0
あなたにおすすめの小説
クラス転移したら種族が変化してたけどとりあえず生きる
アルカス
ファンタジー
16歳になったばかりの高校2年の主人公。
でも、主人公は昔から体が弱くなかなか学校に通えなかった。
でも学校には、行っても俺に声をかけてくれる親友はいた。
その日も体の調子が良くなり、親友と久しぶりの学校に行きHRが終わり先生が出ていったとき、クラスが眩しい光に包まれた。
そして僕は一人、違う場所に飛ばされいた。
いきなり異世界って理不尽だ!
みーか
ファンタジー
三田 陽菜25歳。会社に行こうと家を出たら、足元が消えて、気付けば異世界へ。
自称神様の作った機械のシステムエラーで地球には帰れない。地球の物は何でも魔力と交換できるようにしてもらい、異世界で居心地良く暮らしていきます!
【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。
三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎
長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!?
しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。
ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。
といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。
とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない!
フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!
異世界は流されるままに
椎井瑛弥
ファンタジー
貴族の三男として生まれたレイは、成人を迎えた当日に意識を失い、目が覚めてみると剣と魔法のファンタジーの世界に生まれ変わっていたことに気づきます。ベタです。
日本で堅実な人生を送っていた彼は、無理をせずに一歩ずつ着実に歩みを進むつもりでしたが、なぜか思ってもみなかった方向に進むことばかり。ベタです。
しっかりと自分を持っているにも関わらず、なぜか思うようにならないレイの冒険譚、ここに開幕。
これを書いている人は縦書き派ですので、縦書きで読むことを推奨します。
【一時完結】スキル調味料は最強⁉︎ 外れスキルと笑われた少年は、スキル調味料で無双します‼︎
アノマロカリス
ファンタジー
調味料…それは、料理の味付けに使う為のスパイスである。
この世界では、10歳の子供達には神殿に行き…神託の儀を受ける義務がある。
ただし、特別な理由があれば、断る事も出来る。
少年テッドが神託の儀を受けると、神から与えられたスキルは【調味料】だった。
更にどんなに料理の練習をしても上達しないという追加の神託も授かったのだ。
そんな話を聞いた周りの子供達からは大爆笑され…一緒に付き添っていた大人達も一緒に笑っていた。
少年テッドには、両親を亡くしていて妹達の面倒を見なければならない。
どんな仕事に着きたくて、頭を下げて頼んでいるのに「調味料には必要ない!」と言って断られる始末。
少年テッドの最後に取った行動は、冒険者になる事だった。
冒険者になってから、薬草採取の仕事をこなしていってったある時、魔物に襲われて咄嗟に調味料を魔物に放った。
すると、意外な効果があり…その後テッドはスキル調味料の可能性に気付く…
果たして、その可能性とは⁉
HOTランキングは、最高は2位でした。
皆様、ありがとうございます.°(ಗдಗ。)°.
でも、欲を言えば、1位になりたかった(⌒-⌒; )
異世界召喚でクラスの勇者達よりも強い俺は無能として追放処刑されたので自由に旅をします
Dakurai
ファンタジー
クラスで授業していた不動無限は突如と教室が光に包み込まれ気がつくと異世界に召喚されてしまった。神による儀式でとある神によってのスキルを得たがスキルが強すぎてスキル無しと勘違いされ更にはクラスメイトと王女による思惑で追放処刑に会ってしまうしかし最強スキルと聖獣のカワウソによって難を逃れと思ったらクラスの女子中野蒼花がついてきた。
相棒のカワウソとクラスの中野蒼花そして異世界の仲間と共にこの世界を自由に旅をします。
現在、第四章フェレスト王国ドワーフ編
レベルが上がらない【無駄骨】スキルのせいで両親に殺されかけたむっつりスケベがスキルを奪って世界を救う話。
玉ねぎサーモン
ファンタジー
絶望スキル× 害悪スキル=限界突破のユニークスキル…!?
成長できない主人公と存在するだけで周りを傷つける美少女が出会ったら、激レアユニークスキルに!
故郷を魔王に滅ぼされたむっつりスケベな主人公。
この世界ではおよそ1000人に1人がスキルを覚醒する。
持てるスキルは人によって決まっており、1つから最大5つまで。
主人公のロックは世界最高5つのスキルを持てるため将来を期待されたが、覚醒したのはハズレスキルばかり。レベルアップ時のステータス上昇値が半減する「成長抑制」を覚えたかと思えば、その次には経験値が一切入らなくなる「無駄骨」…。
期待を裏切ったため育ての親に殺されかける。
その後最高レア度のユニークスキル「スキルスナッチ」スキルを覚醒。
仲間と出会いさらに強力なユニークスキルを手に入れて世界最強へ…!?
美少女たちと冒険する主人公は、仇をとり、故郷を取り戻すことができるのか。
この作品はカクヨム・小説家になろう・Youtubeにも掲載しています。
異世界に召喚されて2日目です。クズは要らないと追放され、激レアユニークスキルで危機回避したはずが、トラブル続きで泣きそうです。
もにゃむ
ファンタジー
父親に教師になる人生を強要され、父親が死ぬまで自分の望む人生を歩むことはできないと、人生を諦め淡々とした日々を送る清泉だったが、夏休みの補習中、突然4人の生徒と共に光に包まれ異世界に召喚されてしまう。
異世界召喚という非現実的な状況に、教師1年目の清泉が状況把握に努めていると、ステータスを確認したい召喚者と1人の生徒の間にトラブル発生。
ステータスではなく職業だけを鑑定することで落ち着くも、清泉と女子生徒の1人は職業がクズだから要らないと、王都追放を言い渡されてしまう。
残留組の2人の生徒にはクズな職業だと蔑みの目を向けられ、
同時に追放を言い渡された女子生徒は問題行動が多すぎて退学させるための監視対象で、
追加で追放を言い渡された男子生徒は言動に違和感ありまくりで、
清泉は1人で自由に生きるために、問題児たちからさっさと離れたいと思うのだが……
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる