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水神殿への帰還
8-15 強化訓練 1
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東門を出て街道を進んでいるのだが、下級魔獣がちょくちょく出る。
ハーレン~バナム間は商人の物流や乗合馬車が頻繁に出るのでそれほど多くの魔獣は出ない。
一方バナム~ガスト間は騎士の定期巡回も少なく、乗合馬車も月に一度しか出ない。商人も人口の少ないバナムにはそうそう訪れないため、騎士の巡回直後の数日でもない限り街道での下級魔獣の遭遇頻度は高いのだ。ただ、そういう理由から盗賊は全くでない。襲う対象が通らないのだからまぁ当然な話だ。
キングに乗っ取られるまでは、騎士の巡回が少ないこちら側に小規模盗賊団の根城があったようだが、今はこの周囲に盗賊は全くいないようだ。
それと水神殿に近付くほど上位の魔獣は減ってくるので、サーベルタイガーのような危険な魔獣は少ないそうだ。
「俺たち兄弟だけならガストの村まで走って2日あれば着くのだけど、ナシルさんたちは遅くても6日で到着してもらいます」
通常の旅人は、徒歩なら1日30~50km、ロバで40~60km、荷馬車で50~80km、馬で80~120km程の移動距離なのだそうだ。勿論無理をさせればそれ以上の距離を稼ぐことができるが、普通途中の村や比較的安全な野営地点までの距離で抑えるそうだ。
無理をさせて馬が途中で死亡して動けなくなった場合、荷物を捨てて徒歩で移動するか、救助がくるまで魔獣に襲われる危険を孕んだまま待つしかなくなる。後日、捨て置いた荷物を取りに戻っても、そこにまだ残っているとは限らない。
旅をするなら余裕をもって安全マージンを取るのが常識なのだ。
本来ガストまで馬車で2日半の距離だが、冒険者になったばかりの女子たちだ。6日で行くのは結構きついかもしれないが、俺には秘策がある。
この数日走らせまくったおかげで【身体強化】が二人に付いていたのだ。メリルはともかく、一般人のナシルさんにスキルコピーを使う気のない俺だが、自分で獲得したスキルなら、ちょっと弄ってレベル2つ程なら熟練レベルを上げてあげてもいいと思っている。
意地悪でコピーしてあげないのではなく、これは彼女の為だ。
【コネクト】で彼女たちのステータスと繋げ【カスタマイズ】を使って【身体強化】をレベル3に上げてやった。
魔法スキルは自己習得させるつもりだ。魔法の方は熟練レベルを上げたら誰でも発動できてしまうため、魔力操作が上手くないとどこに飛んで行くか分からないので危険なのだ。フレンドリーファイアでもされたらたまったものじゃないからね。
フレンドリーファイアとは誤射の事を言うのだけど、味方に魔法を誤って撃ちこむ事だ。
【剣術】などの技術系は強制的にレベルを上げても上手く使えない。自転車の乗り方は分かっているのに、練習しないと最初は乗れないのと同じような弊害が起こるのだ。ただ、扱い方は解るので、これも強制的に上げておくと習得が格段に早くなる。扱いは解っているのだから、体に技術が馴染むように反復練習をすればいいだけだからだ。今の俺がその状態で、練習不足で中々近接戦が上達していない。
初日は午後からの4時間程だったが、25km程移動できた。【身体強化】を2レベル上げただけでかなりまだ余裕がありそうだった。初日なので走るのはこのくらいにして、別の課題を与える。
「今日から剣の訓練を朝夕2回行う。教える流派は、ナシルさんの母国ガレリア国の正統剣術のガレリア流剣術だ」
基本の型を一通り覚えたらすぐに【剣術】レベル1が付くはずだ。
初心者の型は、攻めが3つ、受けが3つだ。これをマスターすればDランク魔獣なら問題なく倒せる。
「リョウマお兄ちゃん、メリルもやっぱり剣術覚えた方が良いのかな?」
「この数日、冒険者たちと一緒に旅をしてきて見ただろ? 魔法使いでも腰に短剣は装備してある。敵が沢山きて魔力が無くなった時、最後に自分を守れるのは己の力なんだ。それに魔力回復剤は高いから極力剣で倒せる敵は剣で倒した方が良い。メリルは特にヒーラーになれるんだから、MPは極力温存して立ち回る訓練をしないといけない。領主の娘が魔力切れで、もう少しで盗賊たちに犯されるところだっただろ? 盗賊なんかそれほど強くないんだから【剣術】レベル9もあればそこそこ対処できるんだ。【剣術】に【無詠唱】で魔法を混ぜたら無敵だぞ。盗賊ごとき、余裕で倒せるようになる。理想をいえば剣の腕前も【剣鬼】クラスにしたいけどね」
「そか、領主様のお嬢様、魔力切れだったんだ。メリル、剣も覚えるね!」
「ああ、でもメリルは基本魔法メインでいいからな。お母さんのサポート程度に剣は覚えればいい。それから最近自分の事『メリル』って言ってるぞ。出会った頃は自分の事をちゃんと『私』って言えてただろ? どうしたんだ?」
「だって……フェイお姉ちゃんが自分の事フェイって言ってるのが可愛いいんだもん」
この駄竜! お前のせいか!
「あいつはバカだからマネしちゃダメだよ! ちゃんとした大人は皆、『私』って言うぞ」
「兄様酷いです! フェイは兄様がその方が喜ぶからそう言ってあげているのです! それに、ナナちゃんも『ナナ』って言ってます!」
コイツ、会った事もないナナまで引き合いに出しやがって! しかも俺がその方が喜ぶだと!
「リョウマお兄ちゃんが喜ぶなら、『メリル』ってやっぱり言う! だってお父さんが付けてくれたメリルって名前可愛いもん!」
確かにメリルという名前は可愛いとは思う……。
「はぁ~まぁいいけどね。剣術の話に戻るぞ。剣は基本攻撃は5つある。切り上げ・切り下げ・切り下ろし・薙ぎ(払い)・突きだ。薙ぎや突きには上段・中断・下段がある。この5つを使う攻撃の型が3つあるのでそれを覚えてもらう。この3つの型を覚えたら基本攻撃はマスターだ。大抵の下級魔獣は倒せるようになる」
「リョウマ君、型を3つ覚えるだけでいいのですか?」
「うん、この3つの型に攻撃の基本パターンが全部組み込まれている。だけど相手が人の場合、勿論その攻撃をするのが分かっているので、それに対する守りの型が3つ考えられてある。この6つの基本の型を覚えれば対人戦も可能だ。1の型から順番に教える。最初は俺がやっているとおりに真似ればいい。1時間もやれば1つは型も覚えられるだろう」
ナシル親子は90分程で1と2の型の受けと攻めを覚えた。二人とも覚えが早い。明日は3の型だ。
「お疲れ様。なかなか覚えがいいので明日は3の型を教える。3の型は突きが入るので、木剣でも食らうと大怪我をするので、明日は特に気を引き締めるように。今日は疲れただろうけど、お風呂の後に魔法を教える」
ナシルさんはちょっと嫌そうな顔をしたが、メリルは逆に喜んだ。ナシルさんは【無詠唱】で足止めされていてなかなか次に進めないでいるので面白くないのだろう。逆にメリルは凄いスピードで上達しているので楽しくてしょうがないのだ。毎日魔力が枯渇寸前まで練習しているくらいだ。
「メリル、夕飯はなにか食べたいものあるか?」
「メリルが決めていいの?」
「ああ、今日は頑張ってたからな。好きなものを作ってやるぞ」
「う~ん、メリルお肉がいい!」
「何の肉がいい? 豚か牛か猪か兎か色々有るぞ?」
「牛さんが好きだけど、あ! スタンプボアって猪食べたことがない! リョウマお兄ちゃんそのお肉でもいい?」
「そう言えば俺もまだ食べたことないな。オークの上位種並みに美味しいって言ってたな。よし、スタンプボアでいろいろ作ってみるか」
「やったー! お母さんもそれでいい?」
「ええ、むしろ高いお肉で申し訳ないくらいです」
「ナシルさん、遠慮は要らないです。本気で冒険者になる気なら狩りは絶対ですので、この調子で頑張ってくださいね。そのうち自分でスタンプボア程度は狩れるようになります」
「今日ぐらい頑張れば強くなれるのでしょうか?」
「俺が指導しているんです。今日ぐらい頑張るなら、ハーレンに帰る頃にはめっちゃ強くなっていますよ」
「はい、信じて頑張ります!」
調理はナシル親子も手伝ってくれた。
今日の夕飯
・スタンプボアのステーキ
・スタンプボアの煮込みシチュー
・スタンプボアの肉入り野菜スープ
・ミックスジュース
・ミルクババロア
「お兄ちゃん、美味しいね! 猪のお肉、凄く軟らかい!」
「そうだな、もっと固い肉をイメージしてたが、ジューシーでオークより旨いな。上位種並みって言ってたとおりだな」
「リョウマ君、今日も美味しいです!」
「ナシルさん、食事の度に泣かないでくださいよ……」
「だって凄く美味しいんですもの」
「リョウマお兄ちゃん、この白いデザートも美味しい!」
「ミルクババロアが好きなら牛乳プリンも好きかもな。明日おやつに出してやるよ」
「うん! 楽しみ!」
ハティにもミルクをあげようとしたら、フェイとメリルがやりたいと、ちょっとした小競り合いを起こした。
「フェイ、お前大人げないぞ……あまりにも情けない」
「だってハティちゃん可愛いんだもん……」
「はぁ~めんどくせ~。ミルクはフェイがあげて、メリルはミックスジュースを飲ませてあげてくれ」
「うん、ありがとうお兄ちゃん!」
ハティはヨチヨチだが後ろをついてこれる程、足腰が丈夫になっている。
驚くほどの成長ぶりだが、そうでないと魔獣犇めく森の中で生き残れないのだそうだ。
そう言えばアフリカのバッファローとかも数時間で立ち上がって親の後を追いかけてたな。鹿なんかも早く立ち上がっていたのを思い出した。犬と同じに考えない方が良いな。
ハーレン~バナム間は商人の物流や乗合馬車が頻繁に出るのでそれほど多くの魔獣は出ない。
一方バナム~ガスト間は騎士の定期巡回も少なく、乗合馬車も月に一度しか出ない。商人も人口の少ないバナムにはそうそう訪れないため、騎士の巡回直後の数日でもない限り街道での下級魔獣の遭遇頻度は高いのだ。ただ、そういう理由から盗賊は全くでない。襲う対象が通らないのだからまぁ当然な話だ。
キングに乗っ取られるまでは、騎士の巡回が少ないこちら側に小規模盗賊団の根城があったようだが、今はこの周囲に盗賊は全くいないようだ。
それと水神殿に近付くほど上位の魔獣は減ってくるので、サーベルタイガーのような危険な魔獣は少ないそうだ。
「俺たち兄弟だけならガストの村まで走って2日あれば着くのだけど、ナシルさんたちは遅くても6日で到着してもらいます」
通常の旅人は、徒歩なら1日30~50km、ロバで40~60km、荷馬車で50~80km、馬で80~120km程の移動距離なのだそうだ。勿論無理をさせればそれ以上の距離を稼ぐことができるが、普通途中の村や比較的安全な野営地点までの距離で抑えるそうだ。
無理をさせて馬が途中で死亡して動けなくなった場合、荷物を捨てて徒歩で移動するか、救助がくるまで魔獣に襲われる危険を孕んだまま待つしかなくなる。後日、捨て置いた荷物を取りに戻っても、そこにまだ残っているとは限らない。
旅をするなら余裕をもって安全マージンを取るのが常識なのだ。
本来ガストまで馬車で2日半の距離だが、冒険者になったばかりの女子たちだ。6日で行くのは結構きついかもしれないが、俺には秘策がある。
この数日走らせまくったおかげで【身体強化】が二人に付いていたのだ。メリルはともかく、一般人のナシルさんにスキルコピーを使う気のない俺だが、自分で獲得したスキルなら、ちょっと弄ってレベル2つ程なら熟練レベルを上げてあげてもいいと思っている。
意地悪でコピーしてあげないのではなく、これは彼女の為だ。
【コネクト】で彼女たちのステータスと繋げ【カスタマイズ】を使って【身体強化】をレベル3に上げてやった。
魔法スキルは自己習得させるつもりだ。魔法の方は熟練レベルを上げたら誰でも発動できてしまうため、魔力操作が上手くないとどこに飛んで行くか分からないので危険なのだ。フレンドリーファイアでもされたらたまったものじゃないからね。
フレンドリーファイアとは誤射の事を言うのだけど、味方に魔法を誤って撃ちこむ事だ。
【剣術】などの技術系は強制的にレベルを上げても上手く使えない。自転車の乗り方は分かっているのに、練習しないと最初は乗れないのと同じような弊害が起こるのだ。ただ、扱い方は解るので、これも強制的に上げておくと習得が格段に早くなる。扱いは解っているのだから、体に技術が馴染むように反復練習をすればいいだけだからだ。今の俺がその状態で、練習不足で中々近接戦が上達していない。
初日は午後からの4時間程だったが、25km程移動できた。【身体強化】を2レベル上げただけでかなりまだ余裕がありそうだった。初日なので走るのはこのくらいにして、別の課題を与える。
「今日から剣の訓練を朝夕2回行う。教える流派は、ナシルさんの母国ガレリア国の正統剣術のガレリア流剣術だ」
基本の型を一通り覚えたらすぐに【剣術】レベル1が付くはずだ。
初心者の型は、攻めが3つ、受けが3つだ。これをマスターすればDランク魔獣なら問題なく倒せる。
「リョウマお兄ちゃん、メリルもやっぱり剣術覚えた方が良いのかな?」
「この数日、冒険者たちと一緒に旅をしてきて見ただろ? 魔法使いでも腰に短剣は装備してある。敵が沢山きて魔力が無くなった時、最後に自分を守れるのは己の力なんだ。それに魔力回復剤は高いから極力剣で倒せる敵は剣で倒した方が良い。メリルは特にヒーラーになれるんだから、MPは極力温存して立ち回る訓練をしないといけない。領主の娘が魔力切れで、もう少しで盗賊たちに犯されるところだっただろ? 盗賊なんかそれほど強くないんだから【剣術】レベル9もあればそこそこ対処できるんだ。【剣術】に【無詠唱】で魔法を混ぜたら無敵だぞ。盗賊ごとき、余裕で倒せるようになる。理想をいえば剣の腕前も【剣鬼】クラスにしたいけどね」
「そか、領主様のお嬢様、魔力切れだったんだ。メリル、剣も覚えるね!」
「ああ、でもメリルは基本魔法メインでいいからな。お母さんのサポート程度に剣は覚えればいい。それから最近自分の事『メリル』って言ってるぞ。出会った頃は自分の事をちゃんと『私』って言えてただろ? どうしたんだ?」
「だって……フェイお姉ちゃんが自分の事フェイって言ってるのが可愛いいんだもん」
この駄竜! お前のせいか!
「あいつはバカだからマネしちゃダメだよ! ちゃんとした大人は皆、『私』って言うぞ」
「兄様酷いです! フェイは兄様がその方が喜ぶからそう言ってあげているのです! それに、ナナちゃんも『ナナ』って言ってます!」
コイツ、会った事もないナナまで引き合いに出しやがって! しかも俺がその方が喜ぶだと!
「リョウマお兄ちゃんが喜ぶなら、『メリル』ってやっぱり言う! だってお父さんが付けてくれたメリルって名前可愛いもん!」
確かにメリルという名前は可愛いとは思う……。
「はぁ~まぁいいけどね。剣術の話に戻るぞ。剣は基本攻撃は5つある。切り上げ・切り下げ・切り下ろし・薙ぎ(払い)・突きだ。薙ぎや突きには上段・中断・下段がある。この5つを使う攻撃の型が3つあるのでそれを覚えてもらう。この3つの型を覚えたら基本攻撃はマスターだ。大抵の下級魔獣は倒せるようになる」
「リョウマ君、型を3つ覚えるだけでいいのですか?」
「うん、この3つの型に攻撃の基本パターンが全部組み込まれている。だけど相手が人の場合、勿論その攻撃をするのが分かっているので、それに対する守りの型が3つ考えられてある。この6つの基本の型を覚えれば対人戦も可能だ。1の型から順番に教える。最初は俺がやっているとおりに真似ればいい。1時間もやれば1つは型も覚えられるだろう」
ナシル親子は90分程で1と2の型の受けと攻めを覚えた。二人とも覚えが早い。明日は3の型だ。
「お疲れ様。なかなか覚えがいいので明日は3の型を教える。3の型は突きが入るので、木剣でも食らうと大怪我をするので、明日は特に気を引き締めるように。今日は疲れただろうけど、お風呂の後に魔法を教える」
ナシルさんはちょっと嫌そうな顔をしたが、メリルは逆に喜んだ。ナシルさんは【無詠唱】で足止めされていてなかなか次に進めないでいるので面白くないのだろう。逆にメリルは凄いスピードで上達しているので楽しくてしょうがないのだ。毎日魔力が枯渇寸前まで練習しているくらいだ。
「メリル、夕飯はなにか食べたいものあるか?」
「メリルが決めていいの?」
「ああ、今日は頑張ってたからな。好きなものを作ってやるぞ」
「う~ん、メリルお肉がいい!」
「何の肉がいい? 豚か牛か猪か兎か色々有るぞ?」
「牛さんが好きだけど、あ! スタンプボアって猪食べたことがない! リョウマお兄ちゃんそのお肉でもいい?」
「そう言えば俺もまだ食べたことないな。オークの上位種並みに美味しいって言ってたな。よし、スタンプボアでいろいろ作ってみるか」
「やったー! お母さんもそれでいい?」
「ええ、むしろ高いお肉で申し訳ないくらいです」
「ナシルさん、遠慮は要らないです。本気で冒険者になる気なら狩りは絶対ですので、この調子で頑張ってくださいね。そのうち自分でスタンプボア程度は狩れるようになります」
「今日ぐらい頑張れば強くなれるのでしょうか?」
「俺が指導しているんです。今日ぐらい頑張るなら、ハーレンに帰る頃にはめっちゃ強くなっていますよ」
「はい、信じて頑張ります!」
調理はナシル親子も手伝ってくれた。
今日の夕飯
・スタンプボアのステーキ
・スタンプボアの煮込みシチュー
・スタンプボアの肉入り野菜スープ
・ミックスジュース
・ミルクババロア
「お兄ちゃん、美味しいね! 猪のお肉、凄く軟らかい!」
「そうだな、もっと固い肉をイメージしてたが、ジューシーでオークより旨いな。上位種並みって言ってたとおりだな」
「リョウマ君、今日も美味しいです!」
「ナシルさん、食事の度に泣かないでくださいよ……」
「だって凄く美味しいんですもの」
「リョウマお兄ちゃん、この白いデザートも美味しい!」
「ミルクババロアが好きなら牛乳プリンも好きかもな。明日おやつに出してやるよ」
「うん! 楽しみ!」
ハティにもミルクをあげようとしたら、フェイとメリルがやりたいと、ちょっとした小競り合いを起こした。
「フェイ、お前大人げないぞ……あまりにも情けない」
「だってハティちゃん可愛いんだもん……」
「はぁ~めんどくせ~。ミルクはフェイがあげて、メリルはミックスジュースを飲ませてあげてくれ」
「うん、ありがとうお兄ちゃん!」
ハティはヨチヨチだが後ろをついてこれる程、足腰が丈夫になっている。
驚くほどの成長ぶりだが、そうでないと魔獣犇めく森の中で生き残れないのだそうだ。
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