【完結】会社をクビになったら異世界で追放魔術師に性処理係として拾われました

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第一章

保護魔法

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「ねぇ、ネオはどんな魔法が使えるの?」
「っ…。そうだな。生活に困らないほどは使えるぞ。だが、できるだけ魔法を使わずに生活しようとは思っている」

『しまった! 俺が世にも珍しい多属性魔法使いだということがバレてしまったか!? あの雷が俺の魔法だと言うことはまだバレていない……はず。
 いやそもそも、魔法すらも珍しがるヒナタは、多属性の魔法を扱える者が珍しいことを知っているのだろうか』
 ネオは内心ドキドキとしながら陽向の質問に答えた。

「? それってどうして? もし僕が魔術師だったらなんでも魔法で楽しちゃうと思うんだけど……。魔力が有限だから?」
「それもあるが……。身体能力が衰えるから、一般的には魔法で楽をすることはあまり良いことではないとされている」
「なるほど。それもそうかもね」

『ずっと一人暮らしなら、別に誰に見られるわけでもないし、魔法で楽してもいいんじゃないかなと僕なら思うのに、ネオは魔法があまり好きじゃないのかな……?
 でも、現代人もなんでも電気や科学技術で解決しちゃってるから、僕みたいなもやしになっちゃうんだもんね。わざわざジムに行って筋トレするようなものかな。ネオみたいなマッチョだと、魔法で解決できそうなことでも、体を鍛えるために水汲みとか薪割りとかしてそう……』

 ネオの歯切れの悪さはそれだけではないのだが、ネオはまだ自分の素性を陽向に話して良いものか迷っていた。

「なぁ、ネオのお仕事は恐竜保護区の管理人なんだろ? どんなことをするんだ?」
「最重要任務は、ここにいる恐竜が外に出て人に危害を加えないこと。次点で密猟者を保護区の中に入れないこと。そして、生まれたばかりの恐竜に保護魔法を付与することだ。あとは、極力自然の摂理に任せている」
「保護魔法……?」
「そうだ。草食でも肉食でも、恐竜が生まれたら肉食恐竜に襲われない様に保護魔法を付与して保護する。その保護結界は大体数年で効果を失うが、よほど肉食恐竜と草食恐竜のバランスが崩れなければ、むやみに手を加える必要はないことになっている」

 昨日は味わう余裕がなかったが、一晩寝かせたシチューは美味しい。陽向はパクパクと食べる手を止めずに好奇心をも満たしていく。

「そうなんだ。てっきりサファリパークみたいな感じで、肉食恐竜と草食恐竜は分けて管理しているのかと思ったんだけど、違うんだね」
「サファ……なんとかは知らんが、大体繁殖を終えた頃に保護魔法が解ける様に種族ごとに調整をしている。歳を取った恐竜だけが昨日のように肉食恐竜に狩られることで、生態系を維持しているんだ」
「凄いなぁ。この恐竜保護区以外のところにも、野生の恐竜はいるの?」
「それはいない。恐竜は一度は絶滅してしまったものらしいのだが、80年前くらいに物好きな光魔法と闇魔法の使い手が生き返らせてしまったのだ。世界でも、恐竜が現存しているのはここだけだ。」
「そうなの!? じゃあ、僕は本当にラッキーだったんだね!」

 陽向はパッと顔を明るくすると、ネオに微笑みかけた。
 普通は怖がるものだということも忘れて、陽向の恐竜愛がつい前面に出てしまう。

「ラッキー? 肉食恐竜に食い殺されそうになっていたのにか?」
「いやその……。恐竜っておっきくて強そうでかっこいいなぁ~と思って。もっと恐竜のこと知りたいなぁ~なんて」

 ごまかそうと、パンにかじりついた。うまい。パンは固いが、塩漬け肉のうまみとチーズのまろやかさが効いている。

『おっきくて強そう……。そうか。ヒナタはおっきくて強そうなものが好きなのか……』
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