【完結】会社をクビになったら異世界で追放魔術師に性処理係として拾われました

夜曲

文字の大きさ
63 / 71
閑話

*記念日

しおりを挟む
 その日、陽向は届いてすぐの食材に毒が入っていないか確認しようと息巻いていた。些細な変色がないか、届いた樽一つ一つ念入りに目を通す。

 現代人の陽向には、毒がどんなものなのか全く想像がつかない。だが、愛するネオの安全を守りたいという気持ちだけが先走っていた。

 そこへ、見回りへ出たはずのネオが戻ってきた。なにやら、挙動不審にヒナタをちらちらと見ながら近づいてくる。一体、どうしたのだろうか。

「あれ?ずいぶん早かったな。まだお昼の時間じゃないと思うけど……」
「……あぁ」

 なんだか歯切れが悪いネオ。体調でも悪いのだろうかと、陽向がネオのおでこに手を伸ばそうとすると、ネオがその手を掴み、反対の手で陽向のお尻撫でた。これは、ネオが陽向を寝台に誘う時のしぐさである。

「ん? まだそんな時間じゃないはずだぞ? 今朝もちゃんと出してたじゃないか」
 何をとは言っていないが、そんなことを平気で口にできるのはヒナタの恥じらいが薄れてきている証拠だ。これが、マンネリというものかもしれないとネオは思っていた。

「実は……ヒナタに着て欲しい服があって……」
「着て欲しい服?」

「あぁ。だから、一緒に来て欲しいんだ」
「いまから買いに行くのか?」
 外出のお誘いはいつでも大歓迎だ。

「いや。服はもう用意してあるんだが、着て欲しい場所があって……」
「え?場所?」
「うん」

 ネオからのお願いは要領を得ない。
 服ならば、どこで着ても別に一緒だろうに。

「ここじゃない方がいいってことか?」
「うん。準備したから、来て」

 そのネオの必死そうなお願いに、まぁ散歩ならいつでも大歓迎だしと陽向は頷いた。
 馬で向かったのは、ネオと初めてを過ごした山小屋だった。

 久しぶりに玄関をくぐる。まだ三ヶ月程しか経っていないが、ここにくると当時を想いだして懐かしい気分になる。しかし、見慣れているはずの部屋はたくさんの花で飾られていた。

 まだ花が咲き始める季節ではない。この花を集めるのは大変だったのではなかろうか。
「ネオ! こんなにたくさんのお花をありがとうな」
 言いながらネオを振り返ると、ネオはなにやらもじもじとしている。
 照れくさいのだろうかと考え、陽向が花の香を楽しんでいると、やっとネオが口を開いた。

「ん~っと……これを。これを着て欲しいんだ」
 ネオが差し出したのは、綺麗な装飾が施されている薄布とも紐とも解らないものだった。しかも、運動会の万国旗の様に、じゃらじゃらと銀の飾りがついている。
「これを……着る?」
 陽向はなんだか悪い予感がした。

「うん。着て欲しい」
「どうやって?」
「じゃあ、着せてあげる」
『あーー失敗した!この言い方では、着ることを承諾したようなものじゃないか!』

 ネオは陽向の服に手を当てると、それを一瞬で格納結界の中に収めた。陽向は見事に生まれた時の姿になってしまう。そして、ネオはまるで獲物に縄をかけるかの様に、その銀の飾りをじゃらじゃらと陽向の裸体にかけ始めた。

 装飾の銀が肌に触れることで、ひんやりとする。もう春はすぐそこだと言っても、この金属の冷たさはなかなか慣れない。寒さからか、或いは非日常から醸し出される淫靡な雰囲気からか。あっという間に、陽向の胸の突起が立ち上がっていく。

 ネオは、陽向の肩と腰にそれをじゃらじゃらと掛け終わると、何やらクリップの様なものを持ち出した。そのクリップのおしりには、綺麗なオレンジ色の宝石がぶら下がっている。

「ネオ……一応聞くけどそれ、どうするの?」
「これは胸につけるクリップらしい。付けていいか?」

「げっ」
 陽向は自分の予想が当たってしまったことを後悔した。
 ネオは、その陽向のひきつった顔に畳みかける。
「今日は俺たちが出会って百日記念日なんだ! だから、ちょっと特別なプレイをしたくて。いい?」

 出会って百日記念。それをネオが数えていたことに驚いた。確かに、若い時分は何かと記念日が好きなものだ。もう三十路の今は特に意識することはなくなったのだが、陽向も確か一人暮らしを始めて一周年記念とかをやっていた気がする。

「百日記念、おめでとう! でもそれは……」
「——ダメ?」

 ネオはまるで雨の日に捨てられた子犬の様に陽向を見上げた。先ほど、陽向の腰に紐パンの様な布を巻くときに片膝を付いたままだったのだ。

『あぁぁぁ~~かわいい! 若者の願いをかなえてあげたい! だが、調子に乗らせてはいけない』

「っきょっ今日は記念日だからな。今日だけだぞ。普段はぜっっっったいに付けないからな!」
「ありがたき幸せ!!」
 もとより、好奇心に負けて後ろを使った自慰まで試す陽向だ。新しいものは嫌いではない。

 ネオは陽向の背中にそっと腕を回すと、既に立ち上がっている胸の突起を数回摘まみ、形を調整してから、クリップの一つを左胸に付けた。

「っ!!!」
 陽向はその淫靡な痛みに、ひざを付きそうになる。すんでのところをネオが掬い起してくれ、寝台に誘導される。陽向が動くと、銀がじゃらじゃらとこすれ合う音と胸クリップが宝石の重みでぶらんぶらんと揺れ、乳首に刺激を与えた。

「ネオっこれ。外して」
「ダメ。付けてくれるって言った」

 まるで子供の駄々っこである。

「でもっ!」
「痛くはないはずなんだけど、痛い?」
 ネオはもう一つを開いたり閉じたりしながら、自分の指を挟んで確かめている。

 そう問われれば、痛いのは最初の一瞬だけだった。今は痛気持ちいという表現が似合う、不思議な感じだ。

「一つだけだとバランスが悪いから、もう一つ付けるよ」
 ネオが陽向のもう一つの胸の突起を摘まみながら言う。

 避けようとも、既に寝台に腰かけさせられていた陽向は、これ以上後ろには下がれなかった。

「えっ」
 と声を出した時には、もう付けられてしまった後だった。
「んっ!!」
 もう一つの乳首も、甘痛い感覚が襲う。胸から脳まで一本の回路が通っているのを突き抜けていく様な感覚がした。
 身体を捩った時に、宝石の重みで左胸にも刺激が伝わってしまい、陽向は薄布の下で、自身の蜜芯が立ち上がるのを感じた。やがてそれは、薄布を押し上げ銀の音をちゃらりと揺らした。

 異国の踊り子の衣装の様なものを身に着け、ネオ色のクリップを胸に揺らしている自分の裸体。
 それを上から見下ろすだけでもエロい。その視界には、ネオの同色に輝く瞳も添えられており、まるで獣の様な目で舐めまわす様に陽向の痴態を見ている。

 恥ずかしい姿を視姦されている。という表現がぴったりだった。

「いいか?」
 とネオが聞くが、ここまでしておいて、逆に放置された方が辛い。
 絶え間ない乳首への刺激で蓄えられた身体の熱を早く解放したくて、陽向は首を縦に振った。
しおりを挟む
感想 16

あなたにおすすめの小説

[BL]憧れだった初恋相手と偶然再会したら、速攻で抱かれてしまった

ざびえる
BL
エリートリーマン×平凡リーマン モデル事務所で メンズモデルのマネージャーをしている牧野 亮(まきの りょう) 25才 中学時代の初恋相手 高瀬 優璃 (たかせ ゆうり)が 突然現れ、再会した初日に強引に抱かれてしまう。 昔、優璃に嫌われていたとばかり思っていた亮は優璃の本当の気持ちに気付いていき… 夏にピッタリな青春ラブストーリー💕

【完結】スパダリを目指していたらスパダリに食われた話

紫蘇
BL
給湯室で女の子が話していた。 理想の彼氏はスパダリよ! スパダリ、というやつになったらモテるらしいと分かった俺、安田陽向(ヒナタ)は、スパダリになるべく会社でも有名なスパダリ…長船政景(マサカゲ)課長に弟子入りするのであった。 受:安田陽向 天性の人たらしで、誰からも好かれる人間。 社会人になってからは友人と遊ぶことも減り、独り身の寂しさを噛み締めている。 社内システム開発課という変人どもの集まりの中で唯一まともに一般人と会話できる貴重な存在。 ただ、孤独を脱したいからスパダリになろうという思考はやはり変人のそれである。 攻:長船政景 35歳、大人の雰囲気を漂わせる男前。 いわゆるスパダリ、中身は拗らせ変態。 妹の美咲がモデルをしており、交友関係にキラキラしたものが垣間見える。 サブキャラ 長船美咲:27歳、長船政景の年の離れた妹。 抜群のスタイルを生かし、ランウェイで長らく活躍しているモデル。 兄の恋を応援するつもりがまさかこんなことになるとは。 高田寿也:28歳、美咲の彼氏。 そろそろ美咲と結婚したいなと思っているが、義理の兄がコレになるのかと思うと悩ましい。 義理の兄の恋愛事情に巻き込まれ、事件にだけはならないでくれと祈る日々が始まる…。

【完結】一生に一度だけでいいから、好きなひとに抱かれてみたい。

村松砂音(抹茶砂糖)
BL
第13回BL大賞で奨励賞をいただきました! ありがとうございました!! いつも不機嫌そうな美形の騎士×特異体質の不憫な騎士見習い <あらすじ> 魔力欠乏体質者との性行為は、死ぬほど気持ちがいい。そんな噂が流れている「魔力欠乏体質」であるリュカは、父の命令で第二王子を誘惑するために見習い騎士として騎士団に入る。 見習い騎士には、側仕えとして先輩騎士と宿舎で同室となり、身の回りの世話をするという規則があり、リュカは隊長を務めるアレックスの側仕えとなった。 いつも不機嫌そうな態度とちぐはぐなアレックスのやさしさに触れていくにつれて、アレックスに惹かれていくリュカ。 ある日、リュカの前に第二王子のウィルフリッドが現れ、衝撃の事実を告げてきて……。 親のいいなりで生きてきた不憫な青年が、恋をして、しあわせをもらう物語。 ※性描写が多めの作品になっていますのでご注意ください。 └性描写が含まれる話のサブタイトルには※をつけています。 ※表紙は「かんたん表紙メーカー」さまで作成しました。

竜帝陛下の愛が重すぎて身代わりの落ちこぼれ薬師は今日も腰が砕けそうです 〜呪いを解いたら一生離さないと宣言されました〜

レイ
BL
「死ぬ覚悟はできています。でも、その前に……お口、あーんしてください」 魔力を持たない「無能」として実家で虐げられていた薬師のエリアン。 彼に下されたのは、触れるものすべてを焼き尽くす「死の竜帝」ヴァレリウスへの、身代わりの婚姻だった。

完結|ひそかに片想いしていた公爵がテンセイとやらで突然甘くなった上、私が12回死んでいる隠しきゃらとは初耳ですが?

七角
BL
第12回BL大賞奨励賞をいただきました♡第二王子のユーリィは、美しい兄と違って国を統べる使命もなく、兄の婚約者・エドゥアルド公爵に十年間叶わぬ片想いをしている。 その公爵が今日、亡くなった。と思いきや、禁忌の蘇生魔法で悪魔的な美貌を復活させた上、ユーリィを抱き締め、「君は一年以内に死ぬが、私が守る」と囁いてー? 十二個もあるユーリィの「死亡ふらぐ」を壊していく中で、この世界が「びいえるげえむ」の舞台であり、公爵は「テンセイシャ」だと判明していく。 転生者と登場人物ゆえのすれ違い、ゲームで割り振られた役割と人格のギャップ、世界の強制力に知らず翻弄されるうち、ユーリィは知る。自分が最悪の「カクシきゃら」だと。そして公爵の中の"創真"が、ユーリィを救うため十二回死んでまでやり直していることを。 どんでん返しからの甘々ハピエンです。

捨てられΩ、癒しの異能で獣人将軍に囲われてます!?

めがねあざらし
BL
役立たずと追放されたΩのリオン。 治癒師の家に生まれながら癒しの力もないと見放された彼を拾ったのは、獣人国ザイファルの将軍であり、冷徹と名高い王太子・ガルハルトだった。 だが、彼の傷を“舐めた”瞬間、リオンの秘められた異能が覚醒する。 その力は、獣人たちにとって“聖なる奇跡”。 囲い込まれ、離されず、戸惑いながらも、ガルハルトの腕の中で心は揺れて──偽りの関係が、いつしか嘘では済まなくなっていく。 異能×政治×恋愛。 運命が交錯する王宮オメガバースファンタジー。

【完結】冷酷騎士団長を助けたら口移しでしか薬を飲まなくなりました

ざっしゅ
BL
異世界に転移してから一年、透(トオル)は、ゲームの知識を活かし、薬師としてのんびり暮らしていた。ある日、突然現れた洞窟を覗いてみると、そこにいたのは冷酷と噂される騎士団長・グレイド。毒に侵された彼を透は助けたが、その毒は、キスをしたり体を重ねないと完全に解毒できないらしい。 タイトルに※印がついている話はR描写が含まれています。

救世の神子として異世界に召喚されたと思ったら呪い解除の回復アイテムだった上にイケメン竜騎士のツガイにされてしまいました。

篠崎笙
BL
剣崎勝利の家は古武道で名を馳せていた。ある日突然異世界に召喚される。勇者としてではなく、竜騎士たちの呪いを解く道具として。竜騎士ゲオルギオスは、勝利をツガイにして、その体液で呪いを解いた。勝利と竜騎士たちは悪神討伐の旅へ向かったが……。 

処理中です...