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二 すれ違い
四片
しおりを挟む日が暮れて、向かう足取りはどれも重く疲れきってヨレヨレになっている。公園には犬の散歩をする人も、遊具ではしゃぐ子どももいない。
影を落とした公園でベンチに座って、パリンを開いた。
トップ通知には、あさにぃの空のアイコンが来ていた。時間を確認すると、退勤してすぐのようだ。その下には神田さんからの返信がある。
『土曜日でいい?
何時でも大丈夫。』
『お仕事お疲れさま。
じゃあ十時頃行くね。
出るときに、また連絡するよ。』
次は神田さん。よく見るとひまわりのアイコンだった。
この間のかな、なんてね。都合よく解釈しすぎだ。ひまわりなんて最初からだったかもしれないじゃないか。
『帰省してたって。
今帰ったらしいよ。
目覚ましセットしたまま、
出ちゃってごめん、だってさ。
しばらく謹慎処分。笑』
思わずクスリと笑いがこぼれる。なんだ、不在だったのか。心配して損した。
『目覚ましが居留守を
使ってて大迷惑でした。』
全然笑えない。せっかく諦めてくれたと思ったのに。
『今、家なの?』
すぐに返ってきて、心臓が跳ね上がった。
『まだ帰宅途中です。』
『夜遊び?w』
なっ。違う! そこまで僕はグレてない。
『ちがいます。散歩です。
明日は大学なのでもう帰ります。』
『そうなんだー。
気をつけて帰りなよ。
悪いお兄さんに
襲われないようにね♪』
神田さん! もう! 僕は悪い子じゃないのに。
『大丈夫です。
僕、悪いことしてないですから。』
たぶん、そうだと思う。良い子にしていれば、悪いことは近づいてこない。
でも、この不具合は、僕が引き寄せた、悪いこと?
そうだった。僕はお母さんを怒らせる悪い子だ。お父さんの世話を焼く悪い子。あさにぃにすがりつくだけ頼って、自分勝手に離れた悪い子。
なんだ。僕って、
………………とっても悪い子だ。
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