たまにはこんなファンタジー

肯定ペンギン

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魔法と道具

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 古くからの魔法使いの家系に生まれたリオは、なぜか一切魔法が使えませんでした。しかし、彼は幼い頃から魔法の仕組みや魔力の流れ、そしてそれを制御する道具の構造に異常なほど興味を持ち、独学で深い知識を蓄えてきました。家のしきたりで名門魔法学園アルカナムへの入学が決まった際、魔法が使えないという絶望に打ちひしがれますが、彼は自身の知識と、秘密裏に開発した『疑似魔法具』を武器に学園生活を乗り越えることを決意します。

 学園ではリオの魔法は奇妙なものとして扱われます。彼の使う炎は魔力で生成されたものではなく、精巧なレンズと圧縮された魔石の粉末によって生み出されたもの。風は微細な魔力回路と連動する小型の送風装置によるもの。周囲の生徒たちは彼の魔法が型破りだと感じつつも、その効果には驚きを隠せません。

 しかし、次第に彼のハッタリが限界を迎えます。実技試験での難易度上昇、共同演習での仲間の誤解、そして何よりも真の魔法使いである生徒たちとの実力差。特に学園トップの成績を誇るエリート魔法使いのアリスはリオの『魔法』に違和感を抱き、彼の正体を疑い始めます。

 リオは自身の知識を駆使し、新たな疑似魔法具の開発や既存の改良を急ぎます。その過程で彼は単なるハッタリではない、魔道具が持つ可能性の奥深さに気づいていきます。そして彼の作る道具は、時に本来の魔法を上回る精密さや応用性を見せることもありました。


 いよいよ学園生活も大詰めを迎えたある日、リオたちを大きな困難が襲います。王都に現れた巨大な魔物を討伐するための要員として、生徒たちが駆り出されることになったのです。戦いは過酷を極め、多くの怪我人を出しました。そしてその戦いの中で、とうとうリオの魔法の秘密が衆目にさらされることになってしまいました。

 巨大な魔物を無事討伐することはできましたが、リオは自身の学園生活が終わったことを認識しました。自分の今までの努力も功績も全ては幻になり糾弾されると、そう予感しました。しかし、そんな彼に向けられたのは称賛の言葉でした。

「凄い! 大したもんだ!」
「魔法が使えなくったって、道具を活かせば、やりようはあるんだ!」

 予想外の反応に戸惑っているリオの肩をアリスが軽く叩きます。

「胸を張りなさい。アンタの『魔法』は立派よ」

 その顔には尊敬の念がこもった優しい微笑みが浮かんでいました。

 リオの発想と行動、そして発明は人々に魔法のあり方を改めて考えさせました。その影響は国を、そして世界の制度すらも変えるほどのものでした。人々は思い出したのです。魔法は人を幸せにするための『道具』だったということを。
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