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距離感
距離感8
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まるで遊園地のコーヒーカップに乗っているような、周りの景色が流れていく。
しかし意外にもテンポは早く感じることもなく、まさに二人だけの世界だ。
タキシードを身に纏った乙は、本当に王子様の様に映る。
しかし、その顔は落ち着いていてニヒルな印象を受ける。
踊りながら瀾は乙に口を開いた。
「あの…」
「何だ」
「どうして…私なんですか?
乙様なら、もっと適した方がいらっしゃるんじゃないんですか?
私、分不相応じゃないんでしょうか…」
「それはさっき話しただろう、そのままだ」
相変わらず乙は、顔色一つ変えずに、答える。
「アクセ・・サリー…ですか…」
「……」
無言の乙に瀾は伏し目がちに、さらに言葉を問う。
「…私・・・アクセサリーとして乙様の名に恥じをかかせない程度に…
見合っていますか…?」
「…ああ」
「そう、ですか…」
「そんな余計な事を考えてないで、お前も少しは楽しんだらどうだ?
今はお前が普段メイドであることも、俺との階級の関係も全て忘れて夢でも見ていると思えばいい」
相変わらず乙は、クールに口を開く。
曲が終わり、しばし二人は沈黙していると、中年の紳士が歩きながら話し掛けてきた。
「やぁ、乙。来てくれたんだねぇ」
パーティーの主催者・雛羽の伯父だった。
乙は瀾からスッと離れると、伯父に挨拶をした。
「そうだ、乙に渡したいものがあってねぇ。
お嬢さん、折角のダンスの最中に邪魔をしてしまってすまないが、少し乙をお借りしてもよろしいかな?」
紳士は瀾に了承を問う。
「あ、はい…」
瀾が答えると、乙は瀾に言葉を向けた。
「悪いな。すぐ戻るから、その辺の料理でも摘んで待っていてくれ」
そういうと紳士とホールの奥へと消えて行った。
ホールにポツリと残された瀾は、料理に手を付けることもなく壁の花と化していた。
慣れない会場に段々と不安になり時間が経つのが長く感じる。
「はぁ…」
思わずため息が漏れた。
すると、目の前にグラスが現れた。
「一人かな?」
「え?」
見知らぬ男性が瀾にグラスを差し出していた。
少し軽そうな印象を受けたが、優しそうな美男子の青年。
青年は瀾に笑顔を向ける。
しかし意外にもテンポは早く感じることもなく、まさに二人だけの世界だ。
タキシードを身に纏った乙は、本当に王子様の様に映る。
しかし、その顔は落ち着いていてニヒルな印象を受ける。
踊りながら瀾は乙に口を開いた。
「あの…」
「何だ」
「どうして…私なんですか?
乙様なら、もっと適した方がいらっしゃるんじゃないんですか?
私、分不相応じゃないんでしょうか…」
「それはさっき話しただろう、そのままだ」
相変わらず乙は、顔色一つ変えずに、答える。
「アクセ・・サリー…ですか…」
「……」
無言の乙に瀾は伏し目がちに、さらに言葉を問う。
「…私・・・アクセサリーとして乙様の名に恥じをかかせない程度に…
見合っていますか…?」
「…ああ」
「そう、ですか…」
「そんな余計な事を考えてないで、お前も少しは楽しんだらどうだ?
今はお前が普段メイドであることも、俺との階級の関係も全て忘れて夢でも見ていると思えばいい」
相変わらず乙は、クールに口を開く。
曲が終わり、しばし二人は沈黙していると、中年の紳士が歩きながら話し掛けてきた。
「やぁ、乙。来てくれたんだねぇ」
パーティーの主催者・雛羽の伯父だった。
乙は瀾からスッと離れると、伯父に挨拶をした。
「そうだ、乙に渡したいものがあってねぇ。
お嬢さん、折角のダンスの最中に邪魔をしてしまってすまないが、少し乙をお借りしてもよろしいかな?」
紳士は瀾に了承を問う。
「あ、はい…」
瀾が答えると、乙は瀾に言葉を向けた。
「悪いな。すぐ戻るから、その辺の料理でも摘んで待っていてくれ」
そういうと紳士とホールの奥へと消えて行った。
ホールにポツリと残された瀾は、料理に手を付けることもなく壁の花と化していた。
慣れない会場に段々と不安になり時間が経つのが長く感じる。
「はぁ…」
思わずため息が漏れた。
すると、目の前にグラスが現れた。
「一人かな?」
「え?」
見知らぬ男性が瀾にグラスを差し出していた。
少し軽そうな印象を受けたが、優しそうな美男子の青年。
青年は瀾に笑顔を向ける。
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