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スイートホーム
スイートホーム1
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かすかにホールから響く演奏は、ゆったりとしたチークの音楽に変わって会場は薄暗くなっていた。
そろそろパーティーも終わりの時間が近づいている。
乙は、胸ポケットから懐中時計を取り出すとパカッと蓋が開く。
「もうこんな時間か」
「?」
「そろそろ出ようさ、瀾 」
スッと腕を差し出すと、瀾は恥ずかしそうに腕を組む。
ドアが開かれ、会場を出ると夜空は満点の星空が広がって、プラネタリウムのようだった。
瀾は思わず見とれて声を上げる。
「わぁ…綺麗…」
「…ああ」
時刻を告げる鐘が鳴る。
…1回…2回…3回…
…11回…12回…
視点を空から乙に向け、ほんの少し淋しそうに瀾は口を開く。
「…12時…」
「シンデレラみたい?」
乙は優しく微笑み瀾に聞く。
瀾はコクンと頷いた。
乙はスッと瀾を抱き抱える。
「きゃ!!」
「これなら、魔法が解けても逃げられない」
「…////」
瀾はそっと瞳を閉じると、乙はフッと微笑み瀾の額にキスをした。
唇に来ると思っていたのに、ちょっと残念そうな瀾。
その後、瀾を抱えたまま階段を降りていく。
階段を降りた先には乙のSPが運転する高級車が口を開け待っていた。
「お帰りなさいませ」
車に乗り込むと、瀾はほろ酔い加減に乙に甘え飼い猫のようにピッタリとくっついてくる。
SPが静かに行き先を聞く。
「本日はこのまま、お屋敷に戻られますか?」
「いや、別宅に向かってくれ」
「かしこまりました」
車はゆっくり発進すると瀾は乙に問う。
「乙様ぁ、お家に帰らないんですかぁ?」
「帰りたいのか?帰ったら魔法が解けてしまうぜ?」
「嫌ですぅ~!!私、もっと乙様と居たいですぅ!!」
キュと乙にしがみつく。
クスリと笑うと、瀾の頭を撫でた。
瀾は嬉しそうに乙に甘える。
しかし、瀾がここまで酒に弱いとは、飲んだのが初めてだったのだろうか。
「瀾、酒を飲んだのは今夜が初めてか?」
「初めてじゃないですよぉ。
お正月とかお猪口で飲みますぅ」
「…甘酒…じゃないよなぁ?」
「どうして解ったんですかぁ?」
「……」
『そんな状態で、あのオーシャン エールを一気飲みしたのか』
乙は頭を押さえてため息をつく。
瀾は不思議そうに小首を傾げた。
「お酒って何だかフワフワしますねぇ。
私ぃ、もっと飲みたかったですぅ」
この期に及んで瀾はとんでもない事を口にする。
「もうダメだ」
「乙様は結局あの後、全部飲んだじゃないですかぁ。
ずるいですぅ、私も乙様と飲みたいのに…」
瀾はぷぅっと少しふくれてみせる。
乙はそんな瀾に口を開く。
「じ、じゃあフルーツシャンパンにしよう」
「ええ?フルーツシャンパンとか言って、あのクリスマスの時にお子様が飲むやつなんじゃないですかぁ?」
「違うよ。cafe・do・parisというシャンパンだ」
「かふぇ・ど・ぱりぃ?」
「ライチ・ピーチ・ベリー・チェリーと、その他にも色々な味のフルーツシャンパンがある。
あれならそんなに強くないし、もちろん美味しいぞ♪」
瀾はパァと少し目を輝かせた。
「私、それ飲みたいですぅ」
「クス…了解だ」
やがて車は別宅へたどり着いた。
屋敷よりは大きくはないが、立派な建物なのは違いない。
そろそろパーティーも終わりの時間が近づいている。
乙は、胸ポケットから懐中時計を取り出すとパカッと蓋が開く。
「もうこんな時間か」
「?」
「そろそろ出ようさ、瀾 」
スッと腕を差し出すと、瀾は恥ずかしそうに腕を組む。
ドアが開かれ、会場を出ると夜空は満点の星空が広がって、プラネタリウムのようだった。
瀾は思わず見とれて声を上げる。
「わぁ…綺麗…」
「…ああ」
時刻を告げる鐘が鳴る。
…1回…2回…3回…
…11回…12回…
視点を空から乙に向け、ほんの少し淋しそうに瀾は口を開く。
「…12時…」
「シンデレラみたい?」
乙は優しく微笑み瀾に聞く。
瀾はコクンと頷いた。
乙はスッと瀾を抱き抱える。
「きゃ!!」
「これなら、魔法が解けても逃げられない」
「…////」
瀾はそっと瞳を閉じると、乙はフッと微笑み瀾の額にキスをした。
唇に来ると思っていたのに、ちょっと残念そうな瀾。
その後、瀾を抱えたまま階段を降りていく。
階段を降りた先には乙のSPが運転する高級車が口を開け待っていた。
「お帰りなさいませ」
車に乗り込むと、瀾はほろ酔い加減に乙に甘え飼い猫のようにピッタリとくっついてくる。
SPが静かに行き先を聞く。
「本日はこのまま、お屋敷に戻られますか?」
「いや、別宅に向かってくれ」
「かしこまりました」
車はゆっくり発進すると瀾は乙に問う。
「乙様ぁ、お家に帰らないんですかぁ?」
「帰りたいのか?帰ったら魔法が解けてしまうぜ?」
「嫌ですぅ~!!私、もっと乙様と居たいですぅ!!」
キュと乙にしがみつく。
クスリと笑うと、瀾の頭を撫でた。
瀾は嬉しそうに乙に甘える。
しかし、瀾がここまで酒に弱いとは、飲んだのが初めてだったのだろうか。
「瀾、酒を飲んだのは今夜が初めてか?」
「初めてじゃないですよぉ。
お正月とかお猪口で飲みますぅ」
「…甘酒…じゃないよなぁ?」
「どうして解ったんですかぁ?」
「……」
『そんな状態で、あのオーシャン エールを一気飲みしたのか』
乙は頭を押さえてため息をつく。
瀾は不思議そうに小首を傾げた。
「お酒って何だかフワフワしますねぇ。
私ぃ、もっと飲みたかったですぅ」
この期に及んで瀾はとんでもない事を口にする。
「もうダメだ」
「乙様は結局あの後、全部飲んだじゃないですかぁ。
ずるいですぅ、私も乙様と飲みたいのに…」
瀾はぷぅっと少しふくれてみせる。
乙はそんな瀾に口を開く。
「じ、じゃあフルーツシャンパンにしよう」
「ええ?フルーツシャンパンとか言って、あのクリスマスの時にお子様が飲むやつなんじゃないですかぁ?」
「違うよ。cafe・do・parisというシャンパンだ」
「かふぇ・ど・ぱりぃ?」
「ライチ・ピーチ・ベリー・チェリーと、その他にも色々な味のフルーツシャンパンがある。
あれならそんなに強くないし、もちろん美味しいぞ♪」
瀾はパァと少し目を輝かせた。
「私、それ飲みたいですぅ」
「クス…了解だ」
やがて車は別宅へたどり着いた。
屋敷よりは大きくはないが、立派な建物なのは違いない。
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