【R18】アールグレイの昼下がり ー双子の姉・乙編ー

Silence

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開かずの扉

開かずの扉1

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※1)小説『アールグレイの月夜 ー双子の妹・輝李編ー』
〔痛みの代償・トラップチャンス〕にリンク



夏休みに入ると、学院に居た殆んどの女生徒は自分の家に帰る。
それは後輩の早希さきも例外ではなかった。
あの学院裏できのとが強引にキスをしたあの日から、しばらくは大人しかった早希だったがある時、乙の帰り掛けを見つけて一言だけ伝えたのだ。

「私!!諦めませんから!!
お姉様が本気になれなくても…
…私!!きっとお姉様が遊びでも振り向いてくれるような女になります!!」

半分震えながら瞳を潤ませて、それだけ言うと走って去って行った。
あまりに唐突で乙は、呆然と早希を見送るくらいしか出来なかったが、それからというもの乙ファンの沢山の取り巻きの女生徒達の妨害にもめげず、いつもと変わらず何かにつけて乙の後を金魚のフンの様に着いてまわっては、ちょっかいを出してくる始末…。
しかし、その時の早紀の笑顔は、あどけなくも楽しそうに充実し、輝いていた。
やっと来た夏休みに乙の取り巻きと早希からの解放に胸を撫で下ろす。

「はぁ…
やっと1人の時間が出来たか…」

乙が自室のソファーで寛いでいるとドアがコンコンと鳴った。

「? まさか…な」

半ば嫌な予感を胸にドアの方に向かう。
ドアをそっと開けると、そこに居たのは神流かんなだった。

「よっ♪」
「何だ、神流か」

神流かんなの顔を見るときのとは、ホッと胸を撫で下ろす。

「何だよ?
警戒しちゃって何かやましい事でもあったのか?」
「そんなんじゃない。
ただ、ここ最近疲れてたからな」
「ああ、ファンの子達か。
確かに日に日に人数も増えてきてるし、早希ちゃんだっけ?
あの子の一生懸命さも加わって、負けじと他の子も乙を囲んでたしなぁ」

神流の言葉にフゥと溜め息をつくと部屋へ案内する。

「それで?今日は何の用なんだ?」
「別に。何してるかなぁって」
「そういえば、神流は帰らないのか?
皆、家に帰っているのに」
「まぁね、帰っても詰まらないし。
乙は帰らないのか?
編入当時は、毎週帰ってただろ?」
「…別に。私用があっただけだ。
それにから…」

ほんの一瞬だが、乙の顔に陰が落ちたような気がしたのを見逃さなかった。
神流は、少し考え込むと明るく返した。

「なぁ、せっかくの夏休みなんだから遊びに行かないか?」
「え?」
「たまには私に付き合えよ♪
どうせ、暇なんだろ?」
「ああ…別にいいけど」
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