114 / 166
開かずの扉
開かずの扉1
しおりを挟む
※1)小説『アールグレイの月夜 ー双子の妹・輝李編ー』
〔痛みの代償・トラップチャンス〕にリンク
夏休みに入ると、学院に居た殆んどの女生徒は自分の家に帰る。
それは後輩の早希も例外ではなかった。
あの学院裏で乙が強引にキスをしたあの日から、しばらくは大人しかった早希だったがある時、乙の帰り掛けを見つけて一言だけ伝えたのだ。
「私!!諦めませんから!!
お姉様が本気になれなくても…
…私!!きっとお姉様が遊びでも振り向いてくれるような女になります!!」
半分震えながら瞳を潤ませて、それだけ言うと走って去って行った。
あまりに唐突で乙は、呆然と早希を見送るくらいしか出来なかったが、それからというもの乙ファンの沢山の取り巻きの女生徒達の妨害にもめげず、いつもと変わらず何かにつけて乙の後を金魚のフンの様に着いてまわっては、ちょっかいを出してくる始末…。
しかし、その時の早紀の笑顔は、あどけなくも楽しそうに充実し、輝いていた。
やっと来た夏休みに乙の取り巻きと早希からの解放に胸を撫で下ろす。
「はぁ…
やっと1人の時間が出来たか…」
乙が自室のソファーで寛いでいるとドアがコンコンと鳴った。
「? まさか…な」
半ば嫌な予感を胸にドアの方に向かう。
ドアをそっと開けると、そこに居たのは神流だった。
「よっ♪」
「何だ、神流か」
神流の顔を見ると乙は、ホッと胸を撫で下ろす。
「何だよ?
警戒しちゃって何か疾しい事でもあったのか?」
「そんなんじゃない。
ただ、ここ最近疲れてたからな」
「ああ、ファンの子達か。
確かに日に日に人数も増えてきてるし、早希ちゃんだっけ?
あの子の一生懸命さも加わって、負けじと他の子も乙を囲んでたしなぁ」
神流の言葉にフゥと溜め息をつくと部屋へ案内する。
「それで?今日は何の用なんだ?」
「別に。何してるかなぁって」
「そういえば、神流は帰らないのか?
皆、家に帰っているのに」
「まぁね、帰っても詰まらないし。
乙は帰らないのか?
編入当時は、毎週帰ってただろ?」
「…別に。私用があっただけだ。
それに今は帰る必要もなくなったから…」
ほんの一瞬だが、乙の顔に陰が落ちたような気がしたのを見逃さなかった。
神流は、少し考え込むと明るく返した。
「なぁ、せっかくの夏休みなんだから遊びに行かないか?」
「え?」
「たまには私に付き合えよ♪
どうせ、暇なんだろ?」
「ああ…別にいいけど」
〔痛みの代償・トラップチャンス〕にリンク
夏休みに入ると、学院に居た殆んどの女生徒は自分の家に帰る。
それは後輩の早希も例外ではなかった。
あの学院裏で乙が強引にキスをしたあの日から、しばらくは大人しかった早希だったがある時、乙の帰り掛けを見つけて一言だけ伝えたのだ。
「私!!諦めませんから!!
お姉様が本気になれなくても…
…私!!きっとお姉様が遊びでも振り向いてくれるような女になります!!」
半分震えながら瞳を潤ませて、それだけ言うと走って去って行った。
あまりに唐突で乙は、呆然と早希を見送るくらいしか出来なかったが、それからというもの乙ファンの沢山の取り巻きの女生徒達の妨害にもめげず、いつもと変わらず何かにつけて乙の後を金魚のフンの様に着いてまわっては、ちょっかいを出してくる始末…。
しかし、その時の早紀の笑顔は、あどけなくも楽しそうに充実し、輝いていた。
やっと来た夏休みに乙の取り巻きと早希からの解放に胸を撫で下ろす。
「はぁ…
やっと1人の時間が出来たか…」
乙が自室のソファーで寛いでいるとドアがコンコンと鳴った。
「? まさか…な」
半ば嫌な予感を胸にドアの方に向かう。
ドアをそっと開けると、そこに居たのは神流だった。
「よっ♪」
「何だ、神流か」
神流の顔を見ると乙は、ホッと胸を撫で下ろす。
「何だよ?
警戒しちゃって何か疾しい事でもあったのか?」
「そんなんじゃない。
ただ、ここ最近疲れてたからな」
「ああ、ファンの子達か。
確かに日に日に人数も増えてきてるし、早希ちゃんだっけ?
あの子の一生懸命さも加わって、負けじと他の子も乙を囲んでたしなぁ」
神流の言葉にフゥと溜め息をつくと部屋へ案内する。
「それで?今日は何の用なんだ?」
「別に。何してるかなぁって」
「そういえば、神流は帰らないのか?
皆、家に帰っているのに」
「まぁね、帰っても詰まらないし。
乙は帰らないのか?
編入当時は、毎週帰ってただろ?」
「…別に。私用があっただけだ。
それに今は帰る必要もなくなったから…」
ほんの一瞬だが、乙の顔に陰が落ちたような気がしたのを見逃さなかった。
神流は、少し考え込むと明るく返した。
「なぁ、せっかくの夏休みなんだから遊びに行かないか?」
「え?」
「たまには私に付き合えよ♪
どうせ、暇なんだろ?」
「ああ…別にいいけど」
0
あなたにおすすめの小説
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
せんせいとおばさん
悠生ゆう
恋愛
創作百合
樹梨は小学校の教師をしている。今年になりはじめてクラス担任を持つことになった。毎日張り詰めている中、クラスの児童の流里が怪我をした。母親に連絡をしたところ、引き取りに現れたのは流里の叔母のすみ枝だった。樹梨は、飄々としたすみ枝に惹かれていく。
※学校の先生のお仕事の実情は知りませんので、間違っている部分がっあたらすみません。
小さくなって寝ている先輩にキスをしようとしたら、バレて逆にキスをされてしまった話
穂鈴 えい
恋愛
ある日の放課後、部室に入ったわたしは、普段しっかりとした先輩が無防備な姿で眠っているのに気がついた。ひっそりと片思いを抱いている先輩にキスがしたくて縮小薬を飲んで100分の1サイズで近づくのだが、途中で気づかれてしまったわたしは、逆に先輩に弄ばれてしまい……。
身体だけの関係です‐原田巴について‐
みのりすい
恋愛
原田巴は高校一年生。(ボクっ子)
彼女には昔から尊敬している10歳年上の従姉がいた。
ある日巴は酒に酔ったお姉ちゃんに身体を奪われる。
その日から、仲の良かった二人の秒針は狂っていく。
毎日19時ごろ更新予定
「身体だけの関係です 三崎早月について」と同一世界観です。また、1~2話はそちらにも投稿しています。今回分けることにしましたため重複しています。ご迷惑をおかけします。
良ければそちらもお読みください。
身体だけの関係です‐三崎早月について‐
https://www.alphapolis.co.jp/novel/711270795/500699060
春に狂(くる)う
転生新語
恋愛
先輩と後輩、というだけの関係。後輩の少女の体を、私はホテルで時間を掛けて味わう。
小説家になろう、カクヨムに投稿しています。
小説家になろう→https://ncode.syosetu.com/n5251id/
カクヨム→https://kakuyomu.jp/works/16817330654752443761
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる