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陰陽の鏡
陰陽の鏡8
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乙が瀾用のノートをまとめ終わり、その疲れをバスルームで癒す。
体を洗い泡が体をなぞっていくときだった。
背後からスルリと白く細い女の手が、乙の胴に絡み始めた。
「ッ!!!!」
乙は、あまりの事に体をビクリと反応させて振り向くと、そこには乙に抱きつき寄り添う少女がいた。
「ど…どうしたんだ…?」
「ズット…一緒…言ッタ…私も入ル…」
「で、でもさっき入って…」
乙が少女の肩を触ると、その体温に驚いた。
夜の瀾は驚くほど体温が低かったのだ。
シャワーの雨を微かに浴び見上げる瀾は、瞳の光がなくとも可憐に映った。
瀾の両手が乙の頬に伸びる。
「…欲シイ…」
その言葉に乙は唇を重ねた。
湯船に入ってもその膝からは離れることなく乙の腕に包まれては人形的な笑顔を見せた。
「…瀾」
静かに乙が名前を呼ぶと人形は、小首を傾げた。
「瀾は…俺の事を覚えているのか?」
「……好キ…ココ好キ」
「やっぱり…覚えていないか…」
諦めにも似た辛い顔を見せると、瀾の手が頬を撫でる。
「…好キ…私好キ…」
その機械的な声に瀾の頭を抱き寄せると、乙は目を伏せた。
すると今一度、声が聞こえる。
「…私好キ…乙サマ・・私好キ」
「え?」
瀾が発していたそれは呟きではなく疑問の問いだったのだ。
「…私好キ…乙サマ・・私好キ
ズット一緒…居タイ」
締め付けられる胸の痛みに乙は、やっと静かに答えた。
「…ああ、夢の中でもいい。
傍に居れるなら…」
「…夢…見タ」
「え?」
「夢、見タ…私ヲ呼ブ夢…
ダカラ来タ…デモ解らなイ…
声…似テル
デモ…解ラナイ…」
光のない人形は、初めてその瞳から一筋の心の欠片を流した。
「痛イノニ解らナイ…
ココガ痛イ…苦シイのに…」
胸に手を添える瀾を乙は強く抱き締めた。
「もういい…
無理に思い出さなくていい!
今は俺が傍に居るから!!」
その日、乙は初めて瀾を抱いた。
抱き締めるのではなく…
その身体を求められるままに自分も瀾を求めた。
それは甘美と言うよりは苦しくなるほどに切なく、決して結ばれてはいけない禁断の遊戯だった。
遊戯を楽しむ瀾は乙が驚くほど激しく、妖艶で積極的だった。
そして抱かれている間、瀾は初めて生き生きとしているように見えた。
失神して、その身体が動かなくなるまでそれは続いた。
瀾を元のベッドに運ぶと乙は、その脇に座り込み目を伏せて、額を押さえていた。
遊戯の最中、瀾は快楽に没頭し、失禁していたのだ。
不意に輝李の言葉が駆け巡る。
《「これが乙が野中 瀾に下しDOLLオークションでボロボロにされた女の現実だよッ!!!」》
「…ッ!!瀾…俺はどんな罰を受ければいい…」
乙の覆っているその手の中から、一つの雫が落ちた…。
──しかし、乙はまだ気がついていなかった。
瀾の体には既に変化が起き始めていたことを…
体を洗い泡が体をなぞっていくときだった。
背後からスルリと白く細い女の手が、乙の胴に絡み始めた。
「ッ!!!!」
乙は、あまりの事に体をビクリと反応させて振り向くと、そこには乙に抱きつき寄り添う少女がいた。
「ど…どうしたんだ…?」
「ズット…一緒…言ッタ…私も入ル…」
「で、でもさっき入って…」
乙が少女の肩を触ると、その体温に驚いた。
夜の瀾は驚くほど体温が低かったのだ。
シャワーの雨を微かに浴び見上げる瀾は、瞳の光がなくとも可憐に映った。
瀾の両手が乙の頬に伸びる。
「…欲シイ…」
その言葉に乙は唇を重ねた。
湯船に入ってもその膝からは離れることなく乙の腕に包まれては人形的な笑顔を見せた。
「…瀾」
静かに乙が名前を呼ぶと人形は、小首を傾げた。
「瀾は…俺の事を覚えているのか?」
「……好キ…ココ好キ」
「やっぱり…覚えていないか…」
諦めにも似た辛い顔を見せると、瀾の手が頬を撫でる。
「…好キ…私好キ…」
その機械的な声に瀾の頭を抱き寄せると、乙は目を伏せた。
すると今一度、声が聞こえる。
「…私好キ…乙サマ・・私好キ」
「え?」
瀾が発していたそれは呟きではなく疑問の問いだったのだ。
「…私好キ…乙サマ・・私好キ
ズット一緒…居タイ」
締め付けられる胸の痛みに乙は、やっと静かに答えた。
「…ああ、夢の中でもいい。
傍に居れるなら…」
「…夢…見タ」
「え?」
「夢、見タ…私ヲ呼ブ夢…
ダカラ来タ…デモ解らなイ…
声…似テル
デモ…解ラナイ…」
光のない人形は、初めてその瞳から一筋の心の欠片を流した。
「痛イノニ解らナイ…
ココガ痛イ…苦シイのに…」
胸に手を添える瀾を乙は強く抱き締めた。
「もういい…
無理に思い出さなくていい!
今は俺が傍に居るから!!」
その日、乙は初めて瀾を抱いた。
抱き締めるのではなく…
その身体を求められるままに自分も瀾を求めた。
それは甘美と言うよりは苦しくなるほどに切なく、決して結ばれてはいけない禁断の遊戯だった。
遊戯を楽しむ瀾は乙が驚くほど激しく、妖艶で積極的だった。
そして抱かれている間、瀾は初めて生き生きとしているように見えた。
失神して、その身体が動かなくなるまでそれは続いた。
瀾を元のベッドに運ぶと乙は、その脇に座り込み目を伏せて、額を押さえていた。
遊戯の最中、瀾は快楽に没頭し、失禁していたのだ。
不意に輝李の言葉が駆け巡る。
《「これが乙が野中 瀾に下しDOLLオークションでボロボロにされた女の現実だよッ!!!」》
「…ッ!!瀾…俺はどんな罰を受ければいい…」
乙の覆っているその手の中から、一つの雫が落ちた…。
──しかし、乙はまだ気がついていなかった。
瀾の体には既に変化が起き始めていたことを…
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