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文化祭
文化祭2
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― 文化祭当日 ―
文化祭の演劇の出演を何とか免れた乙が、何気なく廊下を歩いている時だった。
見知らぬ女生徒に声をかけられた。
「乙お姉様!!」
「?」
振り向くと、途端に女生徒は乙に駆け寄ってきた。
「お姉様、お一人ですか?」
「ああ…」
見れば分かるだろう?と言わばんばかりに素っ気なく乙は答えた。
冷たいと思われがちだが、普段の乙はこんな感じである。
自分が興味ないものに対しては無関心である。
「先日はありがとうございました!」
「何が?」
「あ、あの採寸の件でお世話になりましたので」
「ああ…ところで俺は何故サイズを計られたんだ?」
「え゛!?……それは…その…」
女生徒は思わず口ごもる。
まさか乙を使って如何わしい薄い本を描いて裏で売っていたなどとは、口が裂けても言えるはずがない。
女生徒は、何かを誤魔化すかのように話題を変える。
「お姉様、今日はどこかお目当ての場所に行かれるのですか?」
「いや、特に…」
「では、お礼もかねて私がご案内致しますわ!」
「いや…」
乙が断ろうとした言葉を遮るように女生徒は、乙の腕を掴み歩き出した。
「お、おい!!」
何の興味もない見ず知らずの女生徒の腕を振り払えなかったのは、その女生徒の積極さに負けてしまったのもあるが、このノリに覚えがあるという感覚があったからなのかもしれない。
― 数日前 ―
「神流お姉さま、折り入ってお願いがあるのですが…」
「何?メイが私にお願いなんて♪」
「演劇の衣装の採寸の時に何とか乙お姉様をこちらに連れて来ることはできませんか?」
「どうして?」
「実は…」
「なるほどね…
メイ、裏でそんなことしてるなんてイケナイ子だなぁ❤」
「だって!!乙お姉様みたいな人、弄ってみたいじゃないですか!
意外と人気なんですよ!私の作品!
そこで是非、乙お姉様のサイズが知りたいんです!」
「んんー、でもあの乙をたぶらかして連れて来るなんて難しいと思うんだよね…」
「だから神流お姉様にしか頼めないんじゃないですか!」
「仕方ないなぁ…
じゃあ、その代わり私のお願いも聞いてもらえるかな?」
「交換条件ですか…どのような?」
「学園祭の当日、乙を野中 瀾ちゃんの教室に案内してもらえる?」
「野中 瀾さん?
ああ、あの乙お姉様と輝李お姉様のお気に入りの!」
「そう、どう?悪い条件じゃないと思うんだけど?」
「構いませんわ!
それで乙お姉さまのお肌が拝めるなら!」
「よし!交渉成立だ!!」
二人の間にこんな約束が結ばれていたことなど乙には知る由もなかった。
『あの性格じゃ、絶対行かないのは目に見えてるもんな…
あんな顔を見ていれば私にだってすぐに分かるさ…
本当は、凄く大切な子だってことくらい…
そうだろ?乙…』
文化祭の演劇の出演を何とか免れた乙が、何気なく廊下を歩いている時だった。
見知らぬ女生徒に声をかけられた。
「乙お姉様!!」
「?」
振り向くと、途端に女生徒は乙に駆け寄ってきた。
「お姉様、お一人ですか?」
「ああ…」
見れば分かるだろう?と言わばんばかりに素っ気なく乙は答えた。
冷たいと思われがちだが、普段の乙はこんな感じである。
自分が興味ないものに対しては無関心である。
「先日はありがとうございました!」
「何が?」
「あ、あの採寸の件でお世話になりましたので」
「ああ…ところで俺は何故サイズを計られたんだ?」
「え゛!?……それは…その…」
女生徒は思わず口ごもる。
まさか乙を使って如何わしい薄い本を描いて裏で売っていたなどとは、口が裂けても言えるはずがない。
女生徒は、何かを誤魔化すかのように話題を変える。
「お姉様、今日はどこかお目当ての場所に行かれるのですか?」
「いや、特に…」
「では、お礼もかねて私がご案内致しますわ!」
「いや…」
乙が断ろうとした言葉を遮るように女生徒は、乙の腕を掴み歩き出した。
「お、おい!!」
何の興味もない見ず知らずの女生徒の腕を振り払えなかったのは、その女生徒の積極さに負けてしまったのもあるが、このノリに覚えがあるという感覚があったからなのかもしれない。
― 数日前 ―
「神流お姉さま、折り入ってお願いがあるのですが…」
「何?メイが私にお願いなんて♪」
「演劇の衣装の採寸の時に何とか乙お姉様をこちらに連れて来ることはできませんか?」
「どうして?」
「実は…」
「なるほどね…
メイ、裏でそんなことしてるなんてイケナイ子だなぁ❤」
「だって!!乙お姉様みたいな人、弄ってみたいじゃないですか!
意外と人気なんですよ!私の作品!
そこで是非、乙お姉様のサイズが知りたいんです!」
「んんー、でもあの乙をたぶらかして連れて来るなんて難しいと思うんだよね…」
「だから神流お姉様にしか頼めないんじゃないですか!」
「仕方ないなぁ…
じゃあ、その代わり私のお願いも聞いてもらえるかな?」
「交換条件ですか…どのような?」
「学園祭の当日、乙を野中 瀾ちゃんの教室に案内してもらえる?」
「野中 瀾さん?
ああ、あの乙お姉様と輝李お姉様のお気に入りの!」
「そう、どう?悪い条件じゃないと思うんだけど?」
「構いませんわ!
それで乙お姉さまのお肌が拝めるなら!」
「よし!交渉成立だ!!」
二人の間にこんな約束が結ばれていたことなど乙には知る由もなかった。
『あの性格じゃ、絶対行かないのは目に見えてるもんな…
あんな顔を見ていれば私にだってすぐに分かるさ…
本当は、凄く大切な子だってことくらい…
そうだろ?乙…』
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