アリスと女王

ちな

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救出

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和いだ湖に、魚が跳ねました。とぽん、と小気味よい音を奏でた水面は波紋を作り、広げながら消えていきました。青い小鳥が2羽飛び立って、水面の光を撫でていきました。
かさかさと草を踏む音が聞こえ始めると、魚は湖の奥へと潜っていきました。
「遅くなってごめんね、ちょっとスパイダーの所へ寄っていたんだ」
凪いだテノールはみずみずしい緑をそっと撫で、湖の端で消えました。手に持った真っ白のワンピースが揺れ、繊細に編まれた肩紐が蓮の指を擽ります。
「凛、まだ眠ってる?……凛?」
風が吹き抜け、木々がさざめきました。
湖のほとりの草がわずかに窪み、たしかにそこに、何かが乗っていた形跡を残しています。蓮は膝を付いて、その窪みに手を置きました。温度は感じられませんでした。
「…凛っ…!」
蓮が勢いよく後ろを振り返ります。明らかに凛のではないふたつの足跡を、鬼の形相で睨みつけたのでした。
木の実を齧っていたリスが大慌てで逃げていきました。
蓮は怒りを露わにし、草を踏み付けて飛び立ちました。


足跡を辿って風を切り、見つけたあばら家に腸が煮えくり返る思いでした。
「あいつら…」
地を這うような蓮の声は、そばを跳んでいた鳥たちは尻に帆を掛けて逃げ出し、報せを聞いた他の鳥たちだって木の陰に隠れて震えあがるほどでした。
蓮はそんなことには一切構わず、あばら家の扉を壊れんばかりにこじ開けました。
「凛ッ!!」
文字通り扉は無残な姿になりましたが、蓮の目には映っていませんでした。
あばら家の真ん中のテーブルに手足を縛られ、上からも下からも男根を咥えさせられた凛は、もう意識がないようでした。ぐったりと四肢を垂らし、腹は可哀そうなほどふくらんでいます。テーブルの下は、何の液体かわからないものが湖を作っていました。転がったいくつものバケツは全て空、巨大なシリンジは湖に溺れています。明らかに使用した形跡がある注射器が数本、凛の腕には注射痕がいくつも残されていました。
「お前ら…」
蓮は自分でも背筋が凍るほどの声を出しました。凛を挟んで前後から腰を振っていた双子は、蓮のその声にも反応を見せません。双子の腕にも首にも、いくつもの注射痕が残されていました。目の焦点は完全に合わなくなり、涎か何か分からないものが口から滝のように流れています。凛を貫く男根にも注射痕が残されていました。
「今すぐ凛から離れろ」
蓮が、あばら家の地面を蹴りました。



凛が目を覚ましたのは、湖のほとりでした。
「気が付いた?大丈夫?」
目の前には、美しい金の髪。海の底に沈んだ宝石みたいな目。心配そうにゆがめられ、口はきつく引き結ばれています。
凛は一度ゆっくり瞬きをすると、急いで起き上がりました。
「蓮っ!蓮っ…!」
「うん、ごめんね僕が目を離したばっかりに」
軋む体に鞭打って、蓮の首に絡みつきました。震える背中を摩ってくれる大きな手、ごめんねと繰り返す優しい声、米神に感じる温かくて柔らかい感触。全部、凛が欲しかったものでした。
「体は?急いで解毒剤打ったんだけど…」
「解毒…?」
「薬を使うなんて卑怯だよね。怖かったよね、もう大丈夫だよ」
一瞬、何を言われているのか分かりませんでした。
凛ははっきりしない頭を動かし、そうして思い出したのです。気味の悪い双子に誘拐され、体を好きなように舐め回され、穴という穴に限界量を超える液体を無遠慮に注がれ、双子の精液を体の中にも外にも注がれ……
「凛、大丈夫だよ、大丈夫。怖かったね、でももう大丈夫だよ」
がたがたと震え出す凛を力の限り腕に閉じ込めると、米神や肩口に忙しなくキスを落としてやりました。
蓮のほうだって今だ怒りが収まらないのです。凛はどれだけ泣いたでしょう。どれだけ怖い思いをしたのでしょう。真っ赤な目元がありありと物語っていたのでした。
「大丈夫、僕が全部洗ってあげる。僕が忘れさせてあげるからね」
「蓮っ…蓮もうどこへも行かないで」
「うん。僕はここにいるよ。さあ、気持ち悪いでしょ。汚い精液なんか、全部僕が洗ってあげる」
蓮は凛を抱き上げると、そのまま湖の中へ入って行きました。
「ああ汚されちゃってる…かわいそうに」
「もっ…ねぇ、汚い…気持ち悪いよ…」
ひぐひぐと泣きじゃくる凛の頬にキスをして、湖の水を掬って凛の体にバシャバシャと掛けてやりました。それから花で作った泡を凛の体に塗りたくり、乱暴に洗い出しました。
「僕の凛になんてことを…」
「あっ…蓮っれんんっ…」
「僕のだ、凛は僕のだ」
乳房を鷲掴み、乳首を捻り上げ、首筋を撫で上げて頬にキスをします。
「凛、僕のだよね、凛は僕のだ」
「っ~…蓮っ…」
「ここも、こっちも、全部僕のだ…!」
「ひっ…ああ!」
腰を撫で、太ももを手のひらで包み込み、終ぞ足の間に触れました。長い腕を凛の足の間に割り込み、泡を付けて擦り上げました。
「ああっあんっああ!蓮っ!ああっ」
時折腕を捩じって腕の全部で足の間の割れ目を洗い、長い指を蜜壺に沈ませました。
「許せないよ…僕の凛になんてことを…!」
「あんああっあ!蓮っ!ああっ!」
長い中指が一番深い所に触れると、双子のどちらか、或いは両方の精液を掻き出します。乱暴に擦り上げられ、突き上げられた膣壁は蓮の指を逃すまいと締め上げました。蓮の指はそれをこじ開け、ぐちゅんぐちゅんと音を立てて出入りします。とろとろと零れる双子の精液が凛の太ももを流れ、湖に溶けていきました。
体の小さい凛を腕にすっぽり包み、蓮は反対の手で凛の菊門を指で探り当てました。暴力的に犯された凛の菊門はすっかり緩み、ひくひくと震えています。
「かわいそうに…苦しかったでしょ。全部出していいよ。僕が見ていてあげるから」
つぷり。泡の効果もあって、蓮の中指を難なく飲み込みました。直腸に残されたきのこの残骸を発見すると、蓮は人差し指も突っ込み、2本の指でそれを挟んで乱暴に抜き取りました。
「ひあああっ!」
「まだ入ってる…ああ、こんなに奥に…かわいそうに」
ぐいぐいと容赦なく指をつっこむと、奥の方にもうひとつきのこを見つけます。指の根元までぐいぐいと押し込み、残骸の端を掴んで引き抜きました。
「あああっ!」
ひくん、と凛の体が跳ねました。
そうして膣に埋め込まれた中指を締め付け、天国へ上りたいと訴えるのです。蓮が泡だらけの凛の首にキスを落とし、イきなさいと指示を出しました。
中指をぐっと奥まで突っ込み、そうして一度引き抜いてから、勢いよく奥を殴りました。
「ひああああっっ!!」
薬の効果が抜けきれない凛は、簡単に天国の階段を昇り詰めました。
「かわいいね凛…僕の凛。奥まで洗ってあげるからね」
蓮はベルトの金具に指を引っ掛けました。
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