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並河さんと、組手試合して以来、オレには不可思議な感覚が、身についていた。
例えば、とあるハンバーガー店に夏実とともに入った時、ひとくち食ったその味に途轍もない、懐かしさを感じた。なぜかその時、普段ほとんど口にしない、コーラを注文したのだが、その味にも久しぶり感を覚えた。昔は、散々飲んだ、という感覚だった。実際には、子供の頃からコーラなど、ほとんど飲んだことがないにもかかわらず。
また、夏実が最近とても、身近な女性と感じるようになった。まるで、子供の頃からの良く見知った仲であるように。
そういった感覚になる知り合いは、ほかにも何人かいた。よく見ると、とても古い付き合いに感じる仲間のように。中には、高校になってから知り合った友人もいたが、彼らにはなぜか、とても親しい想いを抱くようになった。
九月のある日、中学生のオープンキャンパスがあった。どこの高校を受験するのか、その参考のために、見学と説明を行うのだ。
その日はひとクラスのみの公開授業で、オレのクラスは見学者のサポート役を命じられた。オレが、中学生たちを誘導していたら、ひとりの中学生に、突然声をかけられた。突拍子もない挨拶だった。
「小隊長、お久しぶりです」
そいつは、右手を挙げて、軍隊式に敬礼した。顔を見ると、どこでかは思い出せないが、かつて見たことのあるような顔だった。
「誰だっけ、どこかで会ったような気がするけど」
「小隊長はまだ、思い出せないんですね。かつてのチーム仲間です。小隊長の部下だった者ですよ」
チーム仲間と言われても、こんな子とチームを組んだ記憶はなかった。
「チームって、小学生くらいの時かな、何かのイベントで?」
「違いますよ、当時僕はバッキーと呼ばれてました。今は、久住佑樹という名前です。小隊長の戦車の砲手を務めてました」
オレの戦車の砲手?こいつは何、わけの分からないことを言ってるんだ?オレは、そいつから逃げだすことを考えた。頭のおかしな奴に付き合う気は、これっぽっちもなかった。
オレがどうやって逃げるか考えてた時、夏実がやって来た。オレを探していたのだろう。夏実と、久住は、同時に相手を見た。
「もしかして、マギーさんですか?」
「あなたはバッキーだったかしら?」
「おっしゃるとおりです。マギーさん。お目にかかるのは、何十年ぶりでしょうか」
「さあ、でも今生では初めてじゃないかな」
どうやら、夏実の前世仲間ということらしい。すぐに意気投合している。
「懐かしいな、マギーさんとは、入隊前からの知り合いでしたよね」
「近所に住んでて、マイクの幼馴染みだったと思う。あたしが、彼と一緒になった時も、祝福してくれたよ」
そうしてふたりは笑顔でオレを見た。久住という奴は、オレの顔を見てうれしそうだった。
「オレ、やっぱり高校は修博にします。今のレベルでは、少し難しいといわれてたんですけど、小隊長とマギーさんがいるなら、ここしかありません」
「連絡先教えてよ、何ならあたし、勉強みてあげるから」
夏実はなにを言ってるんだ、とオレは思った。オレというカレシがいながら、知らない中坊に勉強を教える?意味が分からなかった。
「他に『ドレッドノート』のメンバーはいないんですか?」
久住は、俺に訊いてきた。
「すまないが、何を言ってるのか、さっぱり分からない」
オレの表情を見た久住は、残念そうだった。
「そうか、小隊長はまだ前の記憶がないんでしたね。でも、そのうち思い出すかもですよ」
夏実は笑みを浮かべながら、オレの顔をじっと眺めていた。
久住は、自分の連絡先を残すと、それではまたと手を振って行ってしまった。オレは、不思議な想いに抱かれた。久住は記憶をたどっても、今まで会ったことはなかったはずだ。にも係わらず、この親しみの感情は何だろう。昔別れた、仲のいい弟に再会したような気分だった。なにやら途方もなく、懐かしかった。
夏実が、オレの手を取った。
「懐かしそうだったじゃない」
「オレはあいつには初めて会うぞ」
「今生ではそうだけど、前世ではとっても仲のいい後輩だったの。あんたは、弟みたいに可愛がってたわよ」
「お前も、前世であいつとは顔見知りだったのか?」
うん、と夏実は頷いた。
「幼馴染みって言ったよな?小隊長というからには、軍隊でも一緒だったのか?」
「さあ、それは・・・あたしには分からないの・・・」
夏実は、突然涙をボロボロ流し始めた。
「どうした?オレ、何か気に障るようなことを言ったか?」
夏実は首を横に振りながら、涙を流し続けた。口に手をやり、嗚咽を押えていた。オレは突然、罪悪感に捉われた。
「気に障ったことを言ったなら、あやまるよ。すまなかった。良ければ理由を教えてくれないか?」
だが、夏実は、泣きながら首を横に振り続け、オレの問いに答えてはくれなかった。
その日の帰り道、夏実はずっとオレの腕を取り、離そうとしなかった。普段の夏実との違和感が半端なかったが、質問には決して何も答えようとはしなかった。
夏実の反応を見ると、戦争を機にオレと夏実の仲は引き裂かれたようだった。オレの出征の事情を知らないのは、夏実はそれまでに命を落としたということだろうか。
多分、オレも生きて還ってはこれなかったのだろう、そんな気がした。いったいどこの地域に配属され、どこの国と戦ったのか。
夏実は、戦前のUSAに生まれたと言っていた。すると、戦う相手は、ドイツか、日本ということになる。日本兵相手に戦って戦死というのは、嫌な気分だった。オレも前世では、日本人のことを、ジャップと罵っていたのだろうか。
数日そのことが頭を離れず、憂鬱な気分になった。オレのひい爺さんだかだれかは、戦争に行ったらしいから、もしかして前世のオレと殺し合いをしていたのかもしれない。
それから暫くしたある日、知らない番号からケータイで電話が掛かってきた。普段なら無視するが、なぜかその時はケータイに出てしまった。
通話の相手は、この間知りあった奴だった。
「小隊長、久住です。お久しぶりです。お元気ですか?」
「どこでオレのケータイ番号を知った?」
「えっ、マギーさんに伺いました」
夏実の奴か、こいついつの間に、夏実に取り入りやがった。
「そんなことより、今度富士演習場で、総合火力演習があるんですよ。予約がしてありますので、小隊長もご一緒に行きませんか?」
富士演習場?火力演習?なんのことだ。
「以前は八月に行われてたんですけど、今は、八月は観客にとっても過酷すぎるということで、九月以降に変更になったんですよ」
確かに、現在の日本の八月は、戸外で何かイベントを行える気候ではない。温暖化の進行は、日本を亜熱帯気候に変えてしまった。
「ねえ小隊長、行きましょうよ。マギーさんも来てくださるそうです」
「はあ?」
オレは間抜けな声を出した。夏実も同行するだと?
オレは、久住との通話を切ると、彼女にことの真偽を問い詰めた。
「うん、正直言うと私としてはあまり気乗りしないんだ。でも、あなたを覚醒できる機会だから」
「気乗りしないんだったら、行くことないじゃないか。オレは、火力演習なんて興味ないし、そもそも覚醒なんてしたくもない」
そういって断った。
翌日、隣のクラスの新美克哉という奴が、声をかけてきた。こいつは、最近親しくなった奴だった。彼も空手部でそれなりの使い手だった。
「富士の総合火力演習行かないんだって?」
オレは、新美までそんなことを言い出したことに驚いた。
「あれ、チケットの倍率高いんだぜ。久住の奴よく手に入れたよな。やっぱり叔父さんのお蔭かな」
「お前、久住知ってるのか?」
「ああ、中学の後輩だからな」
オレはミリタリーオタクではない。だが、最近何か軍事関連の人たちが、オレの周りに接触しだした様子だ。
「武田さんも同行してくれるそうだし、お前だけ来ないのか・・・?」
新美はニヤニヤ笑いながら、オレに迫った。くそっ。夏実を人質に取られては、行かないわけにはいかないだろう。オレはその総合火力演習というものに、参加することにした。
日時は、九月の最終日曜日だ。久住の叔父さんとやらが、車を出してくれるそうだ。
例えば、とあるハンバーガー店に夏実とともに入った時、ひとくち食ったその味に途轍もない、懐かしさを感じた。なぜかその時、普段ほとんど口にしない、コーラを注文したのだが、その味にも久しぶり感を覚えた。昔は、散々飲んだ、という感覚だった。実際には、子供の頃からコーラなど、ほとんど飲んだことがないにもかかわらず。
また、夏実が最近とても、身近な女性と感じるようになった。まるで、子供の頃からの良く見知った仲であるように。
そういった感覚になる知り合いは、ほかにも何人かいた。よく見ると、とても古い付き合いに感じる仲間のように。中には、高校になってから知り合った友人もいたが、彼らにはなぜか、とても親しい想いを抱くようになった。
九月のある日、中学生のオープンキャンパスがあった。どこの高校を受験するのか、その参考のために、見学と説明を行うのだ。
その日はひとクラスのみの公開授業で、オレのクラスは見学者のサポート役を命じられた。オレが、中学生たちを誘導していたら、ひとりの中学生に、突然声をかけられた。突拍子もない挨拶だった。
「小隊長、お久しぶりです」
そいつは、右手を挙げて、軍隊式に敬礼した。顔を見ると、どこでかは思い出せないが、かつて見たことのあるような顔だった。
「誰だっけ、どこかで会ったような気がするけど」
「小隊長はまだ、思い出せないんですね。かつてのチーム仲間です。小隊長の部下だった者ですよ」
チーム仲間と言われても、こんな子とチームを組んだ記憶はなかった。
「チームって、小学生くらいの時かな、何かのイベントで?」
「違いますよ、当時僕はバッキーと呼ばれてました。今は、久住佑樹という名前です。小隊長の戦車の砲手を務めてました」
オレの戦車の砲手?こいつは何、わけの分からないことを言ってるんだ?オレは、そいつから逃げだすことを考えた。頭のおかしな奴に付き合う気は、これっぽっちもなかった。
オレがどうやって逃げるか考えてた時、夏実がやって来た。オレを探していたのだろう。夏実と、久住は、同時に相手を見た。
「もしかして、マギーさんですか?」
「あなたはバッキーだったかしら?」
「おっしゃるとおりです。マギーさん。お目にかかるのは、何十年ぶりでしょうか」
「さあ、でも今生では初めてじゃないかな」
どうやら、夏実の前世仲間ということらしい。すぐに意気投合している。
「懐かしいな、マギーさんとは、入隊前からの知り合いでしたよね」
「近所に住んでて、マイクの幼馴染みだったと思う。あたしが、彼と一緒になった時も、祝福してくれたよ」
そうしてふたりは笑顔でオレを見た。久住という奴は、オレの顔を見てうれしそうだった。
「オレ、やっぱり高校は修博にします。今のレベルでは、少し難しいといわれてたんですけど、小隊長とマギーさんがいるなら、ここしかありません」
「連絡先教えてよ、何ならあたし、勉強みてあげるから」
夏実はなにを言ってるんだ、とオレは思った。オレというカレシがいながら、知らない中坊に勉強を教える?意味が分からなかった。
「他に『ドレッドノート』のメンバーはいないんですか?」
久住は、俺に訊いてきた。
「すまないが、何を言ってるのか、さっぱり分からない」
オレの表情を見た久住は、残念そうだった。
「そうか、小隊長はまだ前の記憶がないんでしたね。でも、そのうち思い出すかもですよ」
夏実は笑みを浮かべながら、オレの顔をじっと眺めていた。
久住は、自分の連絡先を残すと、それではまたと手を振って行ってしまった。オレは、不思議な想いに抱かれた。久住は記憶をたどっても、今まで会ったことはなかったはずだ。にも係わらず、この親しみの感情は何だろう。昔別れた、仲のいい弟に再会したような気分だった。なにやら途方もなく、懐かしかった。
夏実が、オレの手を取った。
「懐かしそうだったじゃない」
「オレはあいつには初めて会うぞ」
「今生ではそうだけど、前世ではとっても仲のいい後輩だったの。あんたは、弟みたいに可愛がってたわよ」
「お前も、前世であいつとは顔見知りだったのか?」
うん、と夏実は頷いた。
「幼馴染みって言ったよな?小隊長というからには、軍隊でも一緒だったのか?」
「さあ、それは・・・あたしには分からないの・・・」
夏実は、突然涙をボロボロ流し始めた。
「どうした?オレ、何か気に障るようなことを言ったか?」
夏実は首を横に振りながら、涙を流し続けた。口に手をやり、嗚咽を押えていた。オレは突然、罪悪感に捉われた。
「気に障ったことを言ったなら、あやまるよ。すまなかった。良ければ理由を教えてくれないか?」
だが、夏実は、泣きながら首を横に振り続け、オレの問いに答えてはくれなかった。
その日の帰り道、夏実はずっとオレの腕を取り、離そうとしなかった。普段の夏実との違和感が半端なかったが、質問には決して何も答えようとはしなかった。
夏実の反応を見ると、戦争を機にオレと夏実の仲は引き裂かれたようだった。オレの出征の事情を知らないのは、夏実はそれまでに命を落としたということだろうか。
多分、オレも生きて還ってはこれなかったのだろう、そんな気がした。いったいどこの地域に配属され、どこの国と戦ったのか。
夏実は、戦前のUSAに生まれたと言っていた。すると、戦う相手は、ドイツか、日本ということになる。日本兵相手に戦って戦死というのは、嫌な気分だった。オレも前世では、日本人のことを、ジャップと罵っていたのだろうか。
数日そのことが頭を離れず、憂鬱な気分になった。オレのひい爺さんだかだれかは、戦争に行ったらしいから、もしかして前世のオレと殺し合いをしていたのかもしれない。
それから暫くしたある日、知らない番号からケータイで電話が掛かってきた。普段なら無視するが、なぜかその時はケータイに出てしまった。
通話の相手は、この間知りあった奴だった。
「小隊長、久住です。お久しぶりです。お元気ですか?」
「どこでオレのケータイ番号を知った?」
「えっ、マギーさんに伺いました」
夏実の奴か、こいついつの間に、夏実に取り入りやがった。
「そんなことより、今度富士演習場で、総合火力演習があるんですよ。予約がしてありますので、小隊長もご一緒に行きませんか?」
富士演習場?火力演習?なんのことだ。
「以前は八月に行われてたんですけど、今は、八月は観客にとっても過酷すぎるということで、九月以降に変更になったんですよ」
確かに、現在の日本の八月は、戸外で何かイベントを行える気候ではない。温暖化の進行は、日本を亜熱帯気候に変えてしまった。
「ねえ小隊長、行きましょうよ。マギーさんも来てくださるそうです」
「はあ?」
オレは間抜けな声を出した。夏実も同行するだと?
オレは、久住との通話を切ると、彼女にことの真偽を問い詰めた。
「うん、正直言うと私としてはあまり気乗りしないんだ。でも、あなたを覚醒できる機会だから」
「気乗りしないんだったら、行くことないじゃないか。オレは、火力演習なんて興味ないし、そもそも覚醒なんてしたくもない」
そういって断った。
翌日、隣のクラスの新美克哉という奴が、声をかけてきた。こいつは、最近親しくなった奴だった。彼も空手部でそれなりの使い手だった。
「富士の総合火力演習行かないんだって?」
オレは、新美までそんなことを言い出したことに驚いた。
「あれ、チケットの倍率高いんだぜ。久住の奴よく手に入れたよな。やっぱり叔父さんのお蔭かな」
「お前、久住知ってるのか?」
「ああ、中学の後輩だからな」
オレはミリタリーオタクではない。だが、最近何か軍事関連の人たちが、オレの周りに接触しだした様子だ。
「武田さんも同行してくれるそうだし、お前だけ来ないのか・・・?」
新美はニヤニヤ笑いながら、オレに迫った。くそっ。夏実を人質に取られては、行かないわけにはいかないだろう。オレはその総合火力演習というものに、参加することにした。
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