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しおりを挟む十二月に入り、期末テストも終わった。間もなく、冬休みも近づいてきた。だが、部活はクリスマスイブ前まではあるし、夏実のご機嫌は取らなきゃならないし、イブにはそれとは別に予定もあるし、なかなか忙しい身だった。勿論、課題もみっちりこなさなければならない。浮かれてるヒマはないのだ。
そんな時、オヤジが突拍子もないことを言い出した
「なあ、遼介。お前、見合いしてみる気はないか?」
「冗談は、顔だけにしてくれ。オヤジギャグに付き合ってる余裕はないんだ」
オレのオヤジも、相当いい加減な男だが、この時は、難解な問題が解けずに七転八倒している最中だったので、半分キレ気味に切り返した。
「いや、それがな、まじめな話なんだが」
「あんたなに言ってるの、遼介はまだ高校生でしょ。見合いなんて、早すぎるわよ」
「なに言ってるってのはお前の方だ。昔なら、遼介の歳なら立派な元服だ。それに、相手と逢ってみないかというだけで、すぐに結婚とかいうわけでもない」
「それでも、早すぎます。まだ、高一でやらなきゃいけないことが、たくさんあるのよ。そんなの、遼介が大人になってからでいい話でしょ」
課題を解いているオレの傍で、夫婦で言い合いを始めた。いい加減にしろよ、オレがなにやってるか、見てて分かるだろ。
「そうよ、だいたい見合いなんて、年頃のわたしの方に先に持ってくる話でしょ!」
また、いらん奴が参戦してきた。
オレは、ケータイを取り出すと、夏実に電話を掛けた。
「どうした?」
「たまの日曜日というのに、家庭内がうるさくて課題ができない。お前んちに行ってもいいか?」
「ごめん、ウチも今取り込み中なんだ。一緒に市立図書館でも行かない?あそこなら、ゆっくりできるでしょ」
オレは了解すると、荷物をまとめて言い合いをしている家族に黙ってウチを出た。図書館の出入り口で、夏実が待っていた。図書館だけあって、さすがにDQNのたぐいはいないようだ。夏実は、今日も地味な格好をしていた。オレのアドバイスを守ってくれてるようだ。
「さすがに、今日は場所がら、男に絡まれてないようだな」
「うーん、絡まれてはないけど、もの欲しげにあたしを見てった奴は何人かいた」
美人に生まれるのも、なかなか大変のようだ。当たり前のことだが、良いことばかりではないらしい。
オレたちは、空いているテーブルに着くと、並んで課題を始めた。夏実は、優等生らしく、課題をさっさとこなしていった。オレは基本的にアホなので、一生懸命に考えないと難しい問題は解けない。その差は解答速度に如実に表れた。一時間ちょっとで、夏実はすべての課題を終えてしまっていた。オレはまだ、課題の半分くらいを解いていた。
「夏実早すぎ。どうしたらそんなに簡単に解けるんだよ。お前、もしかして賢くね?」
「ああ、黙ってほら、口を動かさず、手を動かす。分からないところがあれば、教えてあげるから」
オレは、夏実の助けを借りて、ようやくその一時間後、課題を終えることができた。
「休憩しようか。アタマ使ったから、近くの喫茶店で、糖分補給しよ?」
行った先は、いつものマギーだった。夏実は、いつもの紅茶(ダージリンというらしい)の他に何やらケーキを注文していた。オレはコーヒーを注文した。さすがに季節を読んで、ホットにした。
「ねえ、遼介のところはクリスマスイブは部活あるの?」
「なかったと思うけど、どっちにしてもその日は、別のところで稽古だな」
「ええっ!予定入れちゃってるの?」
「?そうだけど・・・」
「あのね、ここに可愛いカノジョがいるでしょ、イブくらいは明けときなさいよ」
「どうして?デートなら、いつでもできるじゃん」
「どうしてもなの!」
「分かんね?イブなんて、お子様のイベントだろ?」
「カノジョにとっても、大事なイベントなの!それが世間様の常識ってものなの!」
「・・・メンドクセ」
「ああっ!?」
「いえ、なんでもアリマセン」
夏美は、呆れたように溜息をついた。
「はあ、ほんとにあんたって・・・で、イブはどこ行くつもりなの?」
「オレが、通ってた道場でクリスマス稽古。終わった後でパーティやる予定」
「カノジョより、道場優先するかね、普通」
「オレの師匠、凄えおっかねえんだ。出なかったら、後が怖ええ」
オレは、機嫌を取るつもりで、夏実も誘ってみた。精一杯の笑顔を浮かべて。
「あのう、夏実さんも一緒に行ってみる?ケーキもあると思うよ」
「はあ?あたし武道は興味ないし、どうせ男ばっかでしょ、取り囲まれるのは嫌だし」
「いやいや、そんなことねえよ。ウチの道場の三分の一は女の子だぜ。結構、可愛い娘もいるんだよな」
夏美は、ギロッとオレを見た。
「三分の一って何人くらいよ?」
「ま、まあ十数人てところか。師匠が女性だから、女性の生徒さんも割と多いんだ」
「な、なんだとお、貴様、そんな大事なことをなんで今まで黙ってたんだあ!」
オレは、一応道場は退会してはいるが、今の道場主がオレの師匠であることには違いないので、時たま道場にも顔を出していた。ていうか定期的に顔を出せ、と申し渡されていたのだ。保育園の頃からその道場に通っていたので、師匠はオレにとって保母さんみたいな存在だった。だから、今回の稽古も半ば強制で、断ることは非常に困難である。
そんな話を夏実にしたところ、
「あたしも参加する」
と前言を翻した。
「その代わり、その会が終わったら、イルミ観に行くから」
不機嫌に言い渡された。なんだ?オレがなにをしたと言うのだ。
結局、当日は、夏実を駅まで迎えに行って、また家の方角まで帰ることとなった。この後、街にイルミネーションを観に行くと、同じ道を一日に何回も往復しなければならない。オレは、夏実を誘ったのを後悔し始めていた。
さて、ジングルベルの前に、オレたちの高校も冬休みに入った。例のごとく、課題は山ほど出された。また連日図書館通いが始まることになろう。
二十四日の毎年恒例のクリスマス稽古は、午後一番から始まった。だいたい、少林寺というだけあって、禅宗系のお寺のはずだが、なぜイエス・キリストの誕生を祝う日に、特別稽古をするのかが、よく分からない。
夏美を連れて行くのは、予め師匠には伝えてあったので、暖かく迎えられた。
ウチの師匠は、女性で、名を上泉恭子といい、まだ三十代後半のはずだ。恐ろしいので、誰もそれ以上深くは突っ込まない。上泉流と呼ばれる、少林寺の流れを汲む拳法の道場主だ。
オレが入門した頃は、まだ二十代はじめで師範代をやっていた。だが、腕の方は、その頃から達人と言われる域にあった。オヤジさんが数年前に病気のため、師範を娘に譲って引退してからは、師匠が道場主となったのだ。昔から、美人拳士として、近隣に名を馳せていた。武勇伝にもこと欠かないらしい。
この日ばかりは、オレも高校と違って、本領を発揮できる日なので、久しぶりに暴れ回った。オレの同級生が三人ほど来ていたが、その中でも一番腕が立つのがオレだ。
防具を付けての組手形式の稽古で、三人を一蹴してやった。上級の年長者も、オレの敵ではなかった。調子こいて、暴れるオレのところに、師匠がやって来た。
「遼介、わたしの相手をしろ」
「!」
オレは、すかさず逃げ出そうとしたが、師匠にとっ捕まってしまった。今でも美人の師匠は、一見したところ、たおやかな女性に見える。が、このひとが、本気になった時には手が付けられない。ヒグマのような、じゃない雌虎のような?どう形容してよいか分からんが、途轍もなく強い。おそらく、日本でも何本かの指には入るだろう。
そんなひとから、逃げられるわけがない。強引に回り込まれ、相手をさせられる羽目になった。
単に、正面から突き、蹴りの連続技を繰り出したところで、軽くいなされるのは分かっているので、こちらも慎重に師匠の出方を観察することにした。
師匠の、鋭い蹴りがやって来た。こちらをうかがう、軽いジャブだ。オレが、その蹴りをかわしたと同時に、連続技が凄まじい迅さで繰り出された。三秒ほどの間に、七つも八つも技を繰り出してくる。
かつてのオレは、反撃はおろか、技をかわすので、精一杯だった。だが、今回は少なくとも、師匠の動きを見ることができた。
隙を見つけると、反撃した。突きや、蹴りを受けると同時に、技を繰り出すのだ。しかし、そこはさすが師匠。紙一重でこちらの反撃をかわしていた。
暫く、攻防が続いた時、師匠の後ろ回し蹴りが来ることを察知したオレは、後ろへ下がって受けようとした。その時、オレの足が滑った。一瞬止まったガードをかいくぐって、師匠の蹴りが水月に入った。ブロックした積もりだったが、ブロックし切れなかったのだ。その一撃でオレはダウンした。
師匠は、黙ってオレの背中に膝を当てて、両手を広げさせ、活法を施してくれた。師匠の好い匂いがした。それで、エネルギーを使い果たしたオレは、後は床でのびていた。
夏美がやって来た。
「あのお師匠さんすごいね」
どうも、魅力的な女性に見えたようだ。
「女の手本にするのは、やめた方が良いぞ。師匠みたくなると、強すぎて男が寄って来なくなる。そのなれの果てがあれだ」
「なんで、そんなこと言うの?上泉さんてステキなひとじゃん。でも、なんか見覚えあるんだよね。どっかで会ったのかな」
夏実はニコニコしながら、首を傾げていた。
「あたしも、ここの道場入ろうかな」
「頼むから、やめてくれ。お前の貞操に関わる問題だぞ」
「ちょっと、なに言ってるか、分かんないんですけど」
二時間の稽古が終わって、みんな着替えた後、和室に集まってケーキの時間となった。オレは、師匠に呼び止められた。
「・・・遼介お前、なにがあった?」
「は、別になんもないすけど」
「今日のお前は、私の技を見切っていたぞ。たまたま足が滑って、蹴りが入っちまったが、今までで一番動きが良かった」
「あざーす」
「空手部に入った効果があったのかな」
違うとオレは思ったが、敢えて説明しなかった。前世で習得した技を使った、などと言えるわけがない。
和室に入ると、ホールケーキが切り分けられていて、子供たちが美味しそうに頬張っていた。その中で、頬っぺたにクリームをつけた、小学生が、不思議そうに夏実のことをまじまじと見ていた。
「なんで、こんな綺麗な姉ちゃんが、ここにいるの?」
「ああ、このお姉ちゃんは、お兄ちゃんのカノジョでな、このあとデートするんだ。今日は見学に来てるんだよ」
「デート?」
「今日は、クリスマスイブだろ、だから、デートする日なんだ」
「デートする日に、何でウチの道場は、稽古するのかな?」
それに反応して、別のアホ小学生が自慢そうに言って聞かせていた。
「師匠には、デートするカレシがいないからに決まってるだろ。孤独を紛らわすためだよ。だから、オレたちも師匠に協力してるんだろ」
バ、バカかこいつ。小学生と言えど、命知らずにもほどがある。蒼くなって、師匠を見た。師匠はこちらを見て、ニコニコ笑っていたが、こめかみには、バルケンクロイツの如き青筋が浮かび上がっていた。心なしか、ケーキを持つフォークが震えているようだ。
それが、なにを意味するか、よく承知しているオレたちは、数人がかりで、そのアホ小学生のもごもご言う口を押えこんだ。こういう時、同級生は連携が取れている。
「アハ、アハハハ。師匠、今日はまた一段とお美しいですねえ」
そう言ったのは、同級生の大石航汰だった。かましやがった!火種がちろちろと燃えている前で、ガソリンぶちまける気か、ボケ!
「気持ちは分かるが、フォローになってないよ、航汰」
師匠の言葉に、その場のなにかが凍り付いた。確かに、ピキッという音が聴こえた。大変気まずくなった空気の中、おおもとのネタとなった、オレと夏実は、そっとその場をあとにしようとした。
「あ、あのう、オレたちこれから『用事』がありますので、これで失礼します・・・」
みなが、それに反応して、こっちを見つめていた。そのオレたちに、師匠が声をかけた。
「気にしないで、デートの冷やかしついでにまたふたりで来いや、遼介」
オレは自分でも、血の気が引いて行くのが分かった。
「は、はい、あ、ありがとうございますう」
返事は、声が裏返ってしまった。作り笑顔でそう答えると、後も見ずに、すたこらその場をずらかった。あとの連中のことなぞ、知ったこっちゃない。
「つ、疲れたあ。後にも先にもこんなに気疲れしたこたあねえ・・・」
「なんか、道場異様なムードだったね」
「あの、アホ小学生が、竜の逆鱗に触れやがって。まったく、韓非子くらい読めってんだ」
「ゲキリンて言葉、ゲーム用語でもなければ、今の子知らないと思うよ」
オレたちは、駅前までバスでやって来た。これから食事でもして、イルミネーションを観に行こうというわけだ。だが、レストランは軒並みカップルで満員だった。予約でもしなければ、とても入れそうな店はなかった。
ハンバーガーやフライドチキンなどのファーストフードの店でさえ、男女の客が店外まで溢れていた。
「腹減ったあ。仕方ない帰ろうか?」
「待って、もう一軒あったでしょ」
「もう一軒て、まさか・・・」
思ったとおり、夏実が連れて行ったのは、いつものマギーだった。
「ここって、喫茶店だろ。食い物なんてあるのかよ」
「あれ、知らないんだ。五時以降はディナーメニューがあるんだよ」
オレたちは、ドアを開けて店に入ると、いつもの席に着いた。
メニューを見ると、確かに昼間とは違う食い物が載っている。オレは、オムライスとビーフシチューを注文した。夏実は、ハンバーグドリアだった。
店内を眺めると、外と違って客の数も少ない。いつもの落ち着いた雰囲気だった。
「へえ、いつもはボサノバが多いのに、今日はジャズが流れてるね。ステキ」
オレも音楽は好きな方だが、もっぱらJPOPだ。夏実は、ジャズ、クラシック、ボサノバ、ロック、ポップス等なんでも聴く。ピアノを弾くからなんだそうだ。
その時、店内にかかっていたのは、マル・ウォルドロンとジャッキー・マクリーンのレフトアローンという曲だった。アルトサックスとピアノの掛け合いが印象的な、悲しいメロディの曲だった。
夏美は、目を閉じその曲に聴き入っていた。
「この曲は、ウォルドロンが、晩年のビリー・ホリデイのために書いた曲だよ。愛するひとは行き去り、わたしはひとりって内容」
「歌は、ないじゃないか」
「ビリーはこの曲が凄く気に入って、毎日歌ってたんだって。でもそのビリー本人が、亡くなってしまって、彼女の録音は残ってないの。だから、マクリーンが彼女のパートをサックスで吹いたわけ」
その時、注文した食事がやって来て、話しながら食べた。
「なんか、この曲を聴いてるとね、前の人生思い出すの。私もこのとおりだったってね」
そう言う、夏実に覆いかぶさるようにして、愁いをおびた表情のマギーの姿が見えた。
「子供は、いなかったんだよな」
夏実は、頷いた。オレたちはしばらく黙って食事を続けた。オレには、食べ物の味が分からなかった。ただ、空腹を満たすために、機械的に平らげて行った。いつの間にか、音楽は別の曲に変わっていた。
食器が片付けられ、食後の紅茶とコーヒーが並んだ。その頃になると、店のドアを開けて、珍しく数人の客が入って来た。外はクリスマスムードで溢れているようだ。
窓の外を眺めながら、夏実はしゃべった。
「クリスマスってさ、元々はキリスト教の行事じゃなかったらしいね」
「そうなんだ」
「だいたい、クリスマスをイエス・キリストの誕生日と誤解してる日本人の多いこと」
「えっ、キリストの誕生日って十二月二十五日じゃないの?」
「イエスの誕生日は聖書にも載ってないし、不明なんだ。だから、十二月二十五日は、イエスの誕生を『祝う日』であって、この日に生まれた、というわけじゃないんだよ」
「なんだよ、それ、ややこしいな」
俺には正直意味が分からなかった。誕生を祝う日って、誕生日じゃねえのかよ。
「もともと、古代ローマ時代には、ミトラ教という宗派があって、十二月二十五日はその宗派のお祭りだったらしいんだ。それを後にキリスト教がパクったというわけ」
「夢のない話だな」
「いいじゃん、ゆえんなんかどうだって。どうせ、こんな行事、虚構でしかないし。今の自分に合わせた雰囲気で楽しめば、それでいいんだよ。いつか、あんたが言ったように、生まれ変われば人生変わるし、どうせ永遠の安らぎなんて、得られるわけないしね」
オレは、夏実の言いたいことが、よく分からなくなった。
「それは、オレたちの愛情もいずれは、消えると言いたいのか」
「逆だよ、あんたが言ったことは、当たっていると思う。だからこそ、今の幸せを大事にするべきでしょ」
そう言って、夏実は、魅力的な笑顔を見せた。たち上がると、オレの腕に両手をまわしてきた。
「さて、そろそろ出かけましょうか」
町のイルミネーションは、確かに綺麗だった。普段は、ただの立木でしかない枝にも、LEDライトが取り付けられ、幻想的な光景だった。
夏実は喜んで、オレの手を引いて、あっちこっちを歩き回っていた。オレは、いったいいくつのLEDが使われてるんだろう、などとロマンチックな雰囲気とは無縁のことを考えていた。こりゃ、費用も結構な金額掛かることだろうなあ。
その場にいたのは、子連れの夫婦以外は、ほとんどがアベックだった。とても、独り者が近付けるスポットではなかった。喜んでいるのは、もっぱら、女性と子供たちだから、女性がひとりでも来れるようなアイデアを主催者が考えたら、もっと人集めができるんじゃないか。
「どう、遼介ステキでしょ?」
「うーん、イベントの集客方法に、ちょっと問題があるんじゃないかね」
「なによそれ、あたしとのデートには関係ないことでしょ」
「そうだけど、せっかくこれだけのイベントやるんだからと思って」
「まったく、あんたはロマンチックって言葉の意味を感じないの?」
夏実は、ハアと溜息をついた。
「そんなことないよ。このLEDだって綺麗な色出してるし、これだけの数集めるのも、大変だったろうなって、素直に感動している」
「根本的なところで、感動の意味が違ってると思う。ま、あんたらしいと言えば、そうだけど」
夏実は、半ばあきらめ顔だった。オレはここで夏実にヘソを曲げられたらまずい、と分かる程度の脳みそはあったので、急いで夏実の手に指を絡めて恋人繋ぎにした。
「なによ、急に」
「いや、女性って、こんな時、手を繋ぎたくなるものだろう、だから」
「変なとこで、気を利かせるんだから」
そう言いながらも、夏実も悪い気はしなかったようで、その後はオレたちは仲良く手を繋いで回った。
オレは、その後夏実と小一時間ばかりイルミネーションを観て、彼女をバス停まで送り届けた。明日も、課題の処理を図書館で一緒にすることを約束して別れた。
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