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苦手な話
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結局…康彦さんは体調がすぐれないということで部屋から出てこなかった。
本当に体調がすぐれないのかどうかは本人にしか分からない。
彼は何かあれば体調が悪いというが病院には行っていないのだ。
あたしがポータブルトイレの片付けとヘルパーが普段やれない部分を掃除している間に、サトエリちゃんは2階の部屋の前でがんばっていたようだった。
『結局さ、何言っても『はあ。すみません。』ばかりなのよ!!』
退室するときにはサトエリちゃんの目つきが怪しかったのであたしは帰りの運転をすることにした。
本人に自覚はないが彼女は興奮すると危険な運転になる。
感情が表にでる分かりやすい性格なのはサトエリちゃんといいところなのだが、車の運転とか電話での対応とか…もう少し抑えた方が良い時もあるとあたしは思っている。
『そうなんだ。煮え切らないもんね。あの人。』
『そうなのよ。てゆうかあたしらが来るまでエロ動画見てたことは知ってるんだから。あの変態男め!』
『え…。』
『あれ?きっこちゃん知らなかったの?』
もちろん知っていた。
ただ…あたしがあんなにショックで人には言うまいと思っていたことを、彼女はさらりと言ってのける。
それを聞いてあっという間に顔が真っ赤になるのを感じた。
そもそもあたしはその手の話があまり好きではない。
この業界は女性の方が多いのだが、何気にこの手の下ネタを平気で言える子が多いようにあたしには感じるが気のせいだろうか…。ある程度、年齢を経たヘルパーならそういうことにも恥じらいがある様子で、もっとオブラートに包んだ言い方をするのだが、あたしたち30代後半から40代ぐらいの職員はあけっぴろげにそういうことを言っているように聞こえる。
何度も言うけど…気のせいだろうか。
気のせいならいいのだけど…。
『え…いや…ん…まあ…うん…。知ってた…。』
あたしは動揺を隠すように前を見て運転した。
『きっこちゃんはこういう話、苦手だからなあ。』
『ん…うん…。』
『でもまあ…あいつが2階で何しててもそれはいいよ。それよりももう少しあいつがお母さんの介護するようになってくれないと…。あいつ、なんとかしないとねえ。』
なんとかしないと…と言ってもなんともできない部分でもあるのだが、だからと言ってほっておくわけにもいかないのだ。
『そうだね。あれだけなんにもしないとなるとねえ。』
『しかしなんでなんもやらんかねえ。』
サトエリちゃんは助手席で背伸びしながら言った。
信号待ちであたしはサトエリちゃんを見た。
…。
また太った?
サトエリちゃんのお腹はいい感じに大きくなっている。
もちろん妊娠ではないだろう。
『ちょ…ちょっと!あまりお腹見ないでよ!!』
こちらの心の声が聞こえたのか…それともあたしの視線に気づいたのか、サトエリちゃんはファイルでお腹を隠して言った。
『あ…断っておきますが、あたしは別に妊娠を疑ってるわけではありませんからね。』
あたしはさっきの仕返しとばかりに軽く冗談を言った。
『そ…そんなに…太ってる??』
まあ…。
同じサトエリでもモデルの佐藤江梨子に比べたら…ねえ。
本当に体調がすぐれないのかどうかは本人にしか分からない。
彼は何かあれば体調が悪いというが病院には行っていないのだ。
あたしがポータブルトイレの片付けとヘルパーが普段やれない部分を掃除している間に、サトエリちゃんは2階の部屋の前でがんばっていたようだった。
『結局さ、何言っても『はあ。すみません。』ばかりなのよ!!』
退室するときにはサトエリちゃんの目つきが怪しかったのであたしは帰りの運転をすることにした。
本人に自覚はないが彼女は興奮すると危険な運転になる。
感情が表にでる分かりやすい性格なのはサトエリちゃんといいところなのだが、車の運転とか電話での対応とか…もう少し抑えた方が良い時もあるとあたしは思っている。
『そうなんだ。煮え切らないもんね。あの人。』
『そうなのよ。てゆうかあたしらが来るまでエロ動画見てたことは知ってるんだから。あの変態男め!』
『え…。』
『あれ?きっこちゃん知らなかったの?』
もちろん知っていた。
ただ…あたしがあんなにショックで人には言うまいと思っていたことを、彼女はさらりと言ってのける。
それを聞いてあっという間に顔が真っ赤になるのを感じた。
そもそもあたしはその手の話があまり好きではない。
この業界は女性の方が多いのだが、何気にこの手の下ネタを平気で言える子が多いようにあたしには感じるが気のせいだろうか…。ある程度、年齢を経たヘルパーならそういうことにも恥じらいがある様子で、もっとオブラートに包んだ言い方をするのだが、あたしたち30代後半から40代ぐらいの職員はあけっぴろげにそういうことを言っているように聞こえる。
何度も言うけど…気のせいだろうか。
気のせいならいいのだけど…。
『え…いや…ん…まあ…うん…。知ってた…。』
あたしは動揺を隠すように前を見て運転した。
『きっこちゃんはこういう話、苦手だからなあ。』
『ん…うん…。』
『でもまあ…あいつが2階で何しててもそれはいいよ。それよりももう少しあいつがお母さんの介護するようになってくれないと…。あいつ、なんとかしないとねえ。』
なんとかしないと…と言ってもなんともできない部分でもあるのだが、だからと言ってほっておくわけにもいかないのだ。
『そうだね。あれだけなんにもしないとなるとねえ。』
『しかしなんでなんもやらんかねえ。』
サトエリちゃんは助手席で背伸びしながら言った。
信号待ちであたしはサトエリちゃんを見た。
…。
また太った?
サトエリちゃんのお腹はいい感じに大きくなっている。
もちろん妊娠ではないだろう。
『ちょ…ちょっと!あまりお腹見ないでよ!!』
こちらの心の声が聞こえたのか…それともあたしの視線に気づいたのか、サトエリちゃんはファイルでお腹を隠して言った。
『あ…断っておきますが、あたしは別に妊娠を疑ってるわけではありませんからね。』
あたしはさっきの仕返しとばかりに軽く冗談を言った。
『そ…そんなに…太ってる??』
まあ…。
同じサトエリでもモデルの佐藤江梨子に比べたら…ねえ。
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